そんな訳で昨日新宿御苑に出掛けたときのこと。
苑内では家族連れがお弁当を広げたりして、まさに都会の憩いの場といった風情だった。
そんな人が多い場所から母と子の森という場所に足をのばしてみた。
ここは新宿御苑のなかでも好きな場所のひとつだ。
コナラ、クヌギなどドングリになる木がたくさんあって、秋にはドングリ拾いが楽しい。
プラタナス、イチョウ、ヒマラヤスギなどの大木も多くて、適度な木陰ができている。
その大木の足元にあたかも白いカーペットのようにたくさんの花が咲いていた。
これは ホソバオオアマナ Ornithogalum tenuifolium というユリ科の花。
別名ベツレヘムの星といって、薬草としても使われるらしい。
ユリ科なので、花びらが6枚・・・ではなくて、正確にはガクにあたる外花被が3枚、花びらにあたる内花被が3枚だ。
花びらとガクの見分けがつきにくいときにこうやって花被(かひ)といっているわけだ。
母と子の森の端にはラクウショウ Taxodium distichum がかたまって育っている場所があるのだけど、そのラクウショウの足元にもびっしりとホソバオオアマナが咲いていた。
ラクウショウは呼吸根といって、湿地で呼吸するための根を地上に潜水艦の潜望鏡のようにポコッ、ポコッと出しているが、それと白い花がなんとも不思議な風景をつくり出していた。
なんと申しましょうか、中国の水墨画にあるような先の尖った山々が雲海から頭を出しているかのような。
ともあれ、なんとも非日常的な眺めだ。
そうそう、去年の春に小石川植物園に出かけたときにこのホソバオオアマナが一面に咲いていたっけ。
そうだ、ハンカチノキも満開だった。
去年の春は小石川植物園に出掛けて、今年の春は新宿御苑に出掛けたということか。
毎年、性懲りもなく同じようなことをしてるんだなぁ。
このホソバオオアマナももう間もなく見れなくなると思うので、一面に広がるさまを見たい方は小石川植物園か新宿御苑に急ぐべし。
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