2018年4月17日火曜日

イチョウの花



春の嵐とでもいうか、最近はとんでもない風がよく吹く。

風が吹いた後の路面には色んなものが落ちているが、それらが植物たちの遺留品であることも多い。

最近路面にこんな黄色いものが落ちているのを見かけないだろうか?

この前ご紹介した「ケヤキの雄花」ではない。

惜しい。

発想は似ているが、これはイチョウの雄花。

イチョウは雌雄異株といって、オスの木とメスの木は別になっている。

なのでオスの木には雄花しか咲かないし、メスの木には雌花しか咲かない。

この季節、花を咲かせて花粉を撒き散らしたら役目を終えて雄花はバラバラと地面に落ちてくる。

毛虫と見紛うこの花は「地味」「小さい」「無臭」・・・ということは大きくて目立って香りや蜜で虫たちを引きつけて花粉を運んでもらう虫媒花ではなく、風にその役割を託す風媒花であることが分かる。

風などという不確実なものに受粉という大切な役割を任せるのだから、確実に雌花に花粉を届けるためには大量の花粉を生産し飛散させて確率をあげねばならない。

風媒花の花粉は小さく、かつ大量に生産されるのだ。

スギやヒノキも同じ理屈なので、大気中に漂う花粉を知れずに我々は吸い込んで花粉症になるのだ。

今の時期、ベランダの手すりなどにホコリが積もっている、なんてのはホコリではなくて花粉じゃないかと思う。

さて、役割を終えて地面に落ちている雄花にはどこか哀愁が漂う。

もうこれで終りの雄花に対して、「これから」の雌花の様子はどうか?

いつものペースであれば一旦ここで止めて、明日以降に書くところだけど、本当に最近はお伝えしたいことが多いのでもったいぶらずに先を急ぐことにする。

雌花はたいていイチョウの木の上のほうの梢にある。

ギンナンもたいてい落ちてくるものを拾うのであって、目の高さにあるものを捥いで収穫しないでしょ。

なので雌花に出会うのは結構大変。

しかも風媒花なので小さい。

さらにイチョウは裸子植物なので花びらもなく地味で胚珠が子房に入らずむき出しになっているので、その気になって目を凝らさないと見つけることは難しい。

諦めずにしばらく目を凝らしたらありました。

それが下の写真。

分かり辛いので黄色く囲ってみた。

囲って印をつけても、これが花だと思えない人が多いのではないかと思う。

これは受粉を済ませたイチョウの雌花でこれが順調に行けば大きくなってギンナンになる。

実はこれは先だってお知らせした植物観察散歩企画のうちのひとつ「靖国神社~北の丸公園」の回の下見をして見つけたもの。

この回にお申込いただければこのイチョウの雌花も実際に見ていただけますよ!

*お申込・お問合: info@hanasaka-engei.com

イチョウの雌花を見つけることができますか?

正解はこちらの黄丸印

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