皇居を周回するマラソンランナーが増えているというのはもうかなり前からの話。
どうもよく理解できないのは、もうちょっと空気のきれいなところを走ればいいのに、ということ。
なんでまた交通量の多い排気ガスまみれのところを走るのだろか、といつも不思議に思う。
僕はたまたま用事があって自転車で通過したのだけど、そのときに切り株に気付いた。
この皇居周辺にはユリノキが植えれらいて景観を作り出している。
樹高も20メートルくらいあるだろうか。
赤坂御所の周辺にも立派なユリノキがあるが、景観は似ている。
そんな立派なユリノキが数本伐られていたのだ。
そして黄色の張り紙が。
「この樹木は現在、下水道工事の支障となる為、一時的に撤去しております。景観を損ねてご迷惑をお掛けしております。下水道工事完了後、苗木を設置致します。」
一時的に撤去っていったってモノじゃないんだからねぇ。
しかも工事完了後に植えるのは「苗木」でしょ。
苗木があれだけ立派なユリノキになるまでに何年掛かるのだろうか。
そして後から植えた苗木は、周辺のもともとあったユリノキに成長面では絶対に追いつけない。
さらにいずれ、もともとあったユリノキが寿命を全うして枯れるだろう。
しかし後から植えられた代替ユリノキはまだ元気・・・・
足並みが揃わないったらありゃしない。
つまり伐採によって乱れた景観はそう簡単には元にもどらいないということ。
その辺への思慮というか配慮が足りないことが張り紙からも伺える。
「一時的に撤去」「苗木を設置」というあたりがとくに引っかかる。
一時的に撤去というのは一時的に別の場所に移してまた戻すというニュアンスではなかろうか、普通。
苗木は「植える」のであって、「設置」するものではないぞ。
これはユリノキを「モノ」として軽く見ている証左ではなかろうか。
ご覧のとおり伐られた幹は直径約60センチ、幹周は2メートル近くになる大木だ。
前述のランナーになぞらえて言うならば、この大きなユリノキが夏には木陰を作り出しランナーを暑さから守り、排ガスの浄化作用も期待できるのだが、こんな貴重な資源があっさり伐られたことでランナーにも負担が掛かるといえなくもない。
最大の疑問は、ユリノキがどうやって下水道工事の妨げになるのかということ。
仮に邪魔だとして、上部を伐採してもなんら問題解決にならないのではないか?
下水ってくらいだから、地中に問題があるのであれば、伐採だけではなく伐根をしなければ意味がないんじゃないのか??
木の上部を伐ったからといって、下水道工事の問題解決にどう繫がるのか知りたいものだ。
場所が場所だけに、ちゃんと許可が出てこんなことをやっているわけで、相応の理由があるんだとは思うけど、不思議だよね。
誤解なきよう申し上げるが、別にいちゃもんをつけているのではない。
立派なユリノキが伐られて、とても不思議な張り紙がしてあったよ、というお話でした。
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