2012年12月4日火曜日

脇の話 その2 エピローグ


2週間以上にわたって書いて参りました旅日記。

いつまでもそこに留まっているわけにはいかない。
前を向いて歩いて行かねば。

ということで、今日がその最終章となります。

英国人2名と過ごした2週間。

やはり食べ物の話は欠かせないと思った。

まったく異なる食べ物のはずだが、彼らは相対的にとても日本の食べ物に馴染んでいた。

期間中、彼らは一度たりともピザやスパゲッティ、ハンバーガーなどは口にしなかった。

スプーンでもいいんじゃない?という場面でもとことん箸にこだわっていた。

その様子がなんとも微笑ましくもあった。

上の写真は必死の思いで、高知から徳島にたどり着きフェリーの切符を手に入れて、出航までの間に朝食以来の食事をしているところ。

ボスは焼きそば、もう一人はナスと肉炒め、僕は中華丼、そして3人で餃子をつついている。

外国人にとって、日本の高級食材の筆頭は神戸牛のように思える。

外国人ゲストとこれまで何回も食事をすることがあったが、「Kobe Beef」と誰もが口にしていた気がする。

とんでもないブランド力である。

今回は飛騨高山に滞在し、高山のホテルの夕食で飛騨牛をちょっとだけ味わった。


テーブルで各々が、好みのタイミングで好みの焼き加減で食べるというシステムもかなり新鮮だったようだし、飛騨牛が本当に感動的に美味しかったようだった。

なんだ?口のなかでとけたゾ!!
とたいそう感激して食べていた。

その後、一度京都で焼肉でも食べようかということになったが、僕が
「ビールを飲んで、ほどほど食べたら一人あたりザッと5000~6000円くらいが標準的だと思うよ」
と言ったとたんに計画は中止となった。

なので和牛を食べたのは高山のホテルでの数切れのみだった。

僕はカレーについてくる福神漬けも避けて食べるタイプである。
牛丼屋で紅ショウガもつい最近ようやくちょっとだけのせるようになったクチである。

漬物が嫌いといっているわけではなく、そのなんというか、カレーはカレー、牛丼は牛丼として味わいたいと思っているのだ。

ところが、驚くことに彼ら二人はこれらの漬物がいたく気に入ったようだった。

カレーなどにそもそもついてくる漬物はいうに及ばず、京都のなか卯で食べたかつ丼にもどっさりと紅ショウガを盛っていた。

大阪で車を借りて瀬戸大橋をめざしていたときのこと。

ホテルを出て、朝食もとっていなかったので途中のサービスエリアで何か食べようということになった。

コーヒーとホットドック。

僕が席をとって待っていると3人分のホットドッグを皿にのせてボスがやってきた。


皿をよく見ると、端に福神漬けとラッキョウがのっている。

どうしたってカレーのコーナーからもってきたものと思われるが、これをホットドックにのせて美味そうにむしゃむしゃと食べていた。

とにかくあらゆる場面で、ありとあらゆる漬物を食べていた。

アイ・ラヴ・ピックルス と満面の笑顔で言っていたっけ。

前述の焼肉作戦が予算オーバーのために失敗に終わって、いったいどこへ行ったか想像できるでしょうか?

京都の夜。
何か気の利いた美味しいものを食べたいと思うでしょ。

向かったのはカレーハウスCOCO壱番屋。

どうも彼らは日本のカレーが心底美味しいと思っているフシがある。

2週間で何回カレーを食べたか分からない。

実はこれは僕にも一因ある。

キューガーデンにいたときに、一度日本式のカレーライスを作って振る舞ってあげたことがあるのだ。

そのときボスはしきりに「ウマイ、ウマイ」と言っておかわりまでして、最後にあろうことかお皿をペロペロと舐めていた。
皿を舐めるイギリス人なんてそのとき初めて見た。

自分の作ったものがそれほど受け入れられるとは思わず、こちらも恐縮したほどだが、どうもそのときの記憶があるようだった。

とにかく、せっかくの京都でもカレーを食べた。

行ったことのある方なら分かるだろうが、ココイチで出てくるビールは缶ビールだ。
ちょっとブルーな気分になったなぁ。

鹿児島で日本一のクスノキを見た後、近くの古民家風カフェで食べたのもカレー。


かなりオシャレなカレーだが、カレーはカレー。

古民家だけあって、タタミ・マットレスにザブトンなのだが、彼らには辛いらしく小さな椅子にちゃっかりと腰掛けてカレーを楽しんでいた。


あと気に入っていたのはなんといっても餃子、そしてラーメン。

居酒屋もコストパフォーマンスの高さ、そして小皿で色んなものが食べられる楽しさもあって結構繰り出した。

大阪の居酒屋では入店したのが18:57頃だった。

張り紙によれば、19:00までビール一杯190円。

そこで3人の我々はいきなりビール6杯を注文し、それらすべてを190円にしてくれと頼みこむ荒業も繰り広げた。

なんとも愛嬌のある外人なので、居酒屋のお姉さんも「本当はグラスをあけてからなんですけど・・・」と言いながら目をつぶってくれた。

「ARIGATO」
となんでもかんでも、アリガトなんである。

まぁそんなわけで、よく飲み、よく食べ、よく笑った2週間だった。

あっ、昼抜きの日も多かったので、一概には言えないけど。
お蔭様で体重も1.5キロ減りました。

さて、約2週間に渡って綴ってまいりました花咲ブログ特別編。
楽しんでいただけましたでしょうか。

嘘、偽り、脚色なしの100%リアルな話であります。

まだ書きたりないこと、ご紹介しきれないこともあるので、
来月この旅についてふんだんなスライドをつかってご紹介する機会を持つことにしました。

「ウィルソンの夢を追いかけて」(仮称)
日時: 2013年1月20日(日) 10:30~12:30
場所: 高崎設計室1F 東京都渋谷区幡ヶ谷3-37-16
定員: 20名(先着順)
会費: 3,000円
お申込・お問合: event@hanasaka-engei.com

アーネスト・ウィルソンの100年前の足跡をたどる冒険がどのようなものだったのか、隠れたるエピソードとともにご参加いただける方にだけそっとお話します。

チラシが出来次第また改めて告知しますが、ご興味のある方は早めにお申し込みください!


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