2013年3月5日火曜日

厄介な土


というわけで、昨日は終日植栽仕事をしていた。

基本的にこういった仕事は単純ながら頭をカラッポにして没頭できるので好きだ。

でも昨日の現場ではひとつ厄介なことがあった。

それは「土」が扱いにくかったこと。

一見、何の変哲もない黒土ではあるが、実は結構な粘土質だった。

そして建設現場だけに、多くの人が歩いたり、重機が往来したようで、土はすっかり踏みしめられてしまっていた。

これ、どういうことかというと、土が締まってカチンコチンに固まっていたということ。

このままでは植栽はままならいので、まずは耕すことから始めた。

耕すというのが大袈裟だとすれば、土にシャベルをいれて固くしまった土をほぐしてやるといったところか。

言うは易く、行うは難し。

固くしまった土にシャベルの先は容易に入っていかない。

全体重をかけて、あるいはシャベルに飛び乗ったりして、少しづつ土をほぐしていった。

一番上の写真を見れば分かってもらえるだろうか。
黄色い点線より上がほぐした箇所、下が固くしまった土。

ほぐした土も、まだブロック状の塊りなので、それをシャベルの先で崩していくという繊細な作業もする。



こういった粘土質の土はシャベルにもまとわりつく。

シャベルの先に土が付くと、当たり前だがシャベルが重たくなる。
それが長時間作業しているとボディブローのように腰にくる。

確かに植栽作業も大変だったけど、昨日の疲労の主な原因はこの粘土質の土にあったことは疑いがない。

こういう土は植物にとってもヨロシクない。

根は土のなかで呼吸をしているのだけど、こういう固くしまった土は、土の粒子同士に隙間がないので空気が乏しいということになる。

水はけも悪いだろうし、微生物などの活動も旺盛とは言い難い。
植物が育つために理想的な土というのはフカフカな土なのだ。

因みにこのような粘土質の重たい土のことを英語では
heavy clay soil という。

これも避けたい土、改良を要する土ということで海外の園芸書なんかを読んでいると割と出てくる言葉であります。

heavy clay soil とはどんなものか、説明するのはなかなか難しいかもしれないが、今日の写真を見ていただければ、分かっていただきやすいのではないかと思う。

もちろん、昨日の現場でシャベルを使ってこの固くしまった土をしばらく耕せば、身をもってそれがどんな意味なのか腰が痛くなるくらい分って頂けると思う。


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