2008年7月9日水曜日

ネジバナ Spiranthes sinensis
     

   
とある学校の敷地内の雑草が生えた2×2メートルほどのスペースを見ていたら、何やらピンク色をした小さな花を発見した。
  
腰を落として、間近にみるとその小さな花は、茎に対してキレイな螺旋を描いている。
更によく見ると、花は小さいながらも、ランのカタチをしていた。
  
「こんな場所にランが・・・?」
  
と、それはありえないだろうという気持ちと、でもシッカリとランのカタチをしているという事実に、ちょっと興奮してシャッターを切った。
  
ランに魅せられた友人がいて、彼が世界のあちこちにわざわざ出掛けて珍しいランを見てきた土産話を聞かされたり、実際に2回ほど一緒に旅行して、そのランに対する情熱に圧倒されて以来、ランはちょっと特別な花だと認識するようになった。
  
家に帰って調べてみると、それは ネジバナ と言われたり ネジレバナネジリバナネジリソウ などと呼ばれている ラン科 の植物だった。
  
「やはりラン科か」とちょっとほくそ笑んだ。
  
雑草が繁る植え込みに生えているわけで、そんなに珍しくないのかもしれないけど、かなりアドレナリンが出た。
  
こういう雑草がいっぱいの空き地などをみると、ついつい足を止めてしまう。
この写真を撮るのに、またしても匍匐前進のようなスタイルをとったのだが、学校の敷地内であっただけに、脇を通り行く学生たちにかなり怪しい奴と思われてしまったやうである。
  

2008年7月8日火曜日

空飛ぶ種
  

これは何でしょう?
  
仮面舞踏会で使うメガネのようでもある。
  
正解は カエデの種 。
   
植物はその子孫を残すために、いろんな工夫をしている。
花粉を時には虫に運んでもらったり、時には風に運んでもらったり、なんていうのが良い例だ。
  
種も例外ではない。
同じ植物同志が近所で、光、水、栄養を奪い合うよりも、より遠くにいってもらって、そのテリトリーを広げようとする。
   
植物そのものが歩いていくわけにも行かないので、誰かに持っていってもらう。
それが、風のときもあれば、鳥や動物のときもあるし、ヤシの実のように海流に運んでもらうときもある。
  
洋服にひっつく種があるけど、あれも人間や、犬などの動物に運んでもらうため。
赤く実るナンテンピラカンサモチノキなどは、鳥などに食べてもらって、飛んでいった先でフンの中に入っている種がそこで芽を出す
  
このカエデはに運んでもらうタイプ。
熟して、その時がくるとこの一対になっている実が半分になって落ちる。
落ちるときに、クルクルと回りながら、ヘリコプターの羽のように旋回して、風が強いと飛んでいく。
竹とんぼ のようなカンジだ。
  
本当に自然はよく出来ている。
   
カエデの花は以前紹介したけど(4月11日付)、そのあと実はこんなカンジだ。
紅葉の時期にばかり目がいくけど、普段もなかなかオモシロイやつなのである。
  

2008年7月7日月曜日

ひぐらしサマに捧ぐ カイガラムシ
   
     
今日のアカハダニのコメント欄が大変盛り上がったので、カイガラムシがどういうものなのか、お見せしよう。
  
これは花咲ジジイが普段から溜め込んでいるブログネタとして、いつ公開しようかとそのチャンスをうかがっていたものである。
  
葉っぱの裏にポツポツとあるのがカイガラムシである。
これがムシなのかと訝しがる人がいると思うが、そうなのだ。
  
小さい頃は足もあって動き回るが、成虫になるとその場で動かなくなり、バリアのようにをつくってこもってしまう。
  
  
アブラムシ同様に、樹液を 吸う タイプで、排泄物を吐き出して、それがススのようにかびてご覧のように黒くなる。
ここにバクテリアが繁殖したりして、病気の温床となるのでマズイのだ。
  
葉っぱにこういう黒いススのようなものを見かけたら、とりあえず葉っぱの裏側を見てみるべし。ムシたちは表にでることを嫌って、葉っぱの裏側に棲息するものなのだ。
  
かなりバリエーションがあって、これは正視に堪える部類で、もってエグいやつも沢山ある。
  
どうですか、ひぐらしさん。
会社の観葉植物にはびこっているのはこういうカンジでしょうか?
  
サイン
   
        
葉っぱの色がところどころ抜けてしまって、何やらモザイクっぽい斑模様になっているのを見たことがないだろうか?
    
上の写真がそうで、この葉っぱは ヒイラギモクセイといってヒイラギとモクセイを掛けたもので、本来はつやっぽい緑色の葉っぱのはずである。
   
ここに何かがいる。
   
葉っぱの上に小さい赤いものがポツポツと見えるだろうか?
何がいるかというと、 アカハダニ 漢字をあてると赤葉ダニ 英語で言うと red spider mite
   
この前ゾウムシは葉っぱの縁を齧るのでそのパターンを見れば、ゾウムシだと特定するのは簡単だ(6月23日付)と書いたのだけど、このアカハダニの引き起こす葉っぱの色が抜けて斑模様になるというのが典型的な被害のパターンだ。
    
試験で「これは何の被害か?」とよく出されるので、その度にガッツポーズをとるという言わばサービス問題である。
   
で、アカハダニは身体の色が赤く、その体長は1ミリにも及ばないくらいに小さい
虫眼鏡でグッと近寄って見ないと分からない。
デジカメでよってみても、これが限界である。
    
   
虫眼鏡がなくても、被害にあっている葉っぱを間近にみると、赤い小さい点がウロウロと動いているのが見えるはずだ。
アカハダニは結構活動的で、動きが体のサイズに比べると素早い
   
さらにこれはダニなので、ゾウムシなどとは異なり手足が8本ある。
加えて英語で red spider mite と言うように、を吐き出すこともあって、葉っぱの色が抜けて斑模様になっていて、さらに糸が張ってあれば、もう間違いない。
   
このように、植物は喋れないけど何かしらサインを発していて、それに気付いてあげて早めに手を差し出すことができるかが、分かれ目と言えよう。
   
今日の写真は縮小率をやや下げてあるので、クリックして拡大して見てみてください。
2月5日に書いたのですが、虫眼鏡ひとつあると散歩がグッと楽しくなることうけあいです。

2008年7月6日日曜日

瑞龍松
   

  
柴又へ行った。
  
柴又帝釈天の本堂脇にご覧のように立派な松があった。
   
これは 瑞龍松 という由緒ある松で樹齢およそ380年を超えるものらしい。
    
特筆すべきは一本の太い枝が上方向ではなく、水平に横方向に長く伸びていることだ。
その長さは12~13メートル、いやそれ以上あるかもしれない。

   
下の写真で嬉しそうに両手を広げているのが花咲ジジイで、その枝の長さが分かってもらえると思う。
   
植木屋の親方とこの瑞龍松に話が及んだときに、「なぜタテではなくヨコに伸びるんスかねぇ?」と聞くと、「そりゃぁ、誘引(引っぱって)しているからヨ」と教えてくれた。
   
植物のサガとしては上に伸びたかったろうに・・・、とどこか不憫に感じた。
  
噂では年に一回、一升瓶100本以上の日本酒をこの松に与えるらしい。
それがこの松の長寿の秘訣なのだ、とか。
  
植物をマジメに学んできた私としては、「えっ、日本酒ですか?!」とタマげてしまう。
そんなの誰も教えてくれなかった。
本当かなぁ、とちょっとマユツバ的に思ってしまう花咲ジジイでありました。
  

2008年7月5日土曜日

七夕
            
               

おっ、7月か」なんて思っていたら、もう七夕である。
花咲ブログとしては、笹という植物に願いを込めた短冊をかける、という植物関連のイベントの前を素通りすることは出来ない。
  
まずは普通の七夕は7月7日。
でも一週間ほど前から各所で、願いを書いた短冊を書けてぶら下げる光景を目にした。
  
花咲ジジイも小学生のころは、「笹の葉サーラサラ・・・」なんて歌いながら短冊に願い事を書いたものである。
  
ナカナカ趣のあるロマンチックな伝統的イベントであると言えよう。
  
そんな一般的な七夕を論じて花咲ブログは終らない。
  
歩道の植え込みにキレイに咲くアジサイに何やら色々ぶら下がっていた。
なんだ?と思って見てみると
   
大切に育てたアジサイです。切り取らないでください
お花を切り取らないでください
花は生きています。取らないで!
  
などと書いてあった。
  
読んで、「またか・・・」とちょっと暗澹たる気持ちになった。
  
この手の「××しないで」というポスターや看板はこれまでも花咲ブログで何回か扱ったけど、このアジサイに沢山ぶら下がっていた短冊は、星に願いを というものではなく 花泥棒をけん制 する、どことなく殺伐とした雰囲気を醸しだしていた。
  
そんなに取るやつがいるのか。
  
取るやつが悪い。それは間違いない。
でも、こんなに沢山書かれちゃうと、別の気持ちがフッと頭をよぎってしまうのはアマノジャクというものだろうか。
  
そんなことを書かずとも、花のまわりにはシアワセな人達が笑顔で集まるようなイメージを持っていたいと願わずにはいられない。
楽天的過ぎるでしょうか・・・。
  
  

2008年7月4日金曜日

お騒がせいたしました

突如、自分の力の及ばないことで、タイトルと自己紹介がページの下に移動してしまい、ホトホト困っていたのですが、親身に相談にのってくれる方がいたり、自分でもアレコレといじっているうちに、直りました。

本来力を注ぐべきところではないところで、問題が発生するとドッと疲れてしまいますね。
 
医師、法律家、銀行家、自転車屋、IT専門家などが、もし友達でいたらそれはそれは心強いものだ、などと改めて感じた一件でした。
あなたにとって心強い花咲ジジイとなりたいものだと思います。

今後とも花咲ブログをヨロシクお願いします。

サンショウ 
Zanthoxylum piperitum

              
今日は暑い。30度を超えて真夏日になったと今ラジオで言っていた。
   
ちょっと元気出していこうと思って、うなぎを食べてみた。
とはいっても、某牛丼屋のうなぎ定食で、ご覧の内容で580円
偽装ウナギの話題がホットなさなか、ちょっとしたチャレンジャー精神を発揮してみた。
                        
安い・・・かな?
なんていったってうなぎがたった1切れですから。
まぁ気分ですな。うなぎを食べたっていう。
    
で、うなぎと言えば欠かせない香辛料はサンショウです。
 
定食では右手前の小さな銀色の袋にサンショウが入っている。
 
サンショウは
ミカン科サンショウ属サンショウRUTACEAE Zanthoxylum piperitum となる。
そうです、意外なことにミカン科なのですね。
でもあの香りはどこか柑橘系といえなくもない。
   
  
特徴として枝にはミカンと同じくトゲが対で生えている。
オスとメスの木が別(雌雄異株)で、果実はメスの木になる。
 
   
                  
花咲ジジイは麻婆豆腐も大好物なのだけど、このサンショウはやはりなくてはならない香辛料だ。
あの舌がピリピリと痺れるような独特の感覚は本当に病みつきになる。
 
新宿の某Z苑別館で出される麻婆豆腐は僕にはサンショウが効き過ぎていて、山椒豆腐といったカンジでちょっとツラかった。
何事もホドホドってことですな。
 
そういえば四川で起きた地震で山椒をはじめ、その方面で採れる香辛料が大幅に不足しているのだとか。
今や希少な食材なのかもしれない。
 
PS
タイトルなどが勝手に下のほうに移ってしまって、まだそのままです。
どなたか、直し方を御存知ありませんでしょうか・・・・。

2008年7月3日木曜日

ピンチ!

お気付きの方もいらっしゃるかと思いますが、昨晩日付が変わったあたりで7月3日分の投稿をしたあとから、本ブログのタイトルなど左脇にあった部分が一番下まで移動してしてしまった・・・。

全く心当たりはなく、どうやって元に戻せばいいのかも皆目見当もつかない。
うっうっうっ、どうしたらいいのか。

もし解決法を御存知の方はコメントまたはメールにて教えてください。

トホホ・・・
アジサイ vs シソ
 
  
ちょっと前、「アジサイの葉を食べた人が食中毒症状を訴えた」という新聞記事を読んだ。
                             
記事によると、アジサイの葉には青酸配糖体といういう有毒成分が含まれていて、胃の中の消化酵素と反応して青酸(シアン)が生成されて食中毒症状を引き起こすのだ という。
            
青酸ですよ。
怖い話である。
                
ついでに思い出したのが、プラスチックの葉っぱで包んだ柏もちをそのまま食べた という小学生の話。
                      
何が食べられて、何を食べてはマズイのか、という判断は難しいのだろう。
プラスチックは食べてはマズイとは分かりそうなものだけど、それがホンモノの葉っぱなのか、プラスチックなのかが分からないという、ちょっと悲しい話である。
                
その辺の知識は知っていて損はあるまい。
                            
で、今日はアジサイを恐らくシソと間違えて食べた人もいたのではないか、という仮説に基づいてその違いを書いておこうと思う。
  
まず学名から。
アジサイはアジサイ科アジサイ HYDRANGEACEAE Hydrangea
シソは シソ科シソ LABIATAE Perilla frutescens
と、科も属も全く違う。
  
(アジサイ 表と裏)
  
(シソ 表と裏)
 
似ている点。
①葉っぱはほぼタマゴ型
②葉っぱの縁はギザギザになっている
③葉っぱの色が緑色
④葉っぱのつき方が対生
 
②のことを 鋸歯 といっている。ノコギリみたいだからね。
④の対生とは一番上の写真をみれば分かるように、葉っぱがそれぞれ一対づつ茎から出ていることをいう。これに対して、茎から交互に出ているのを 互生という。
 
異なる点。
①シソのほうが葉っぱがややうねっている
②アジサイのほうが葉っぱが硬くてシッカリしている
③シソには産毛のような細かい毛が生えている
④シソにはほのかな香りがある
⑤シソにはやや紫がかった色素がある
⑥シソの方が鋸歯の切れ込みが深い
 
こうやって比べると一目瞭然なのだけど、普段あまり関心がないと分からないかもしれない。
 
身を守るためにも、植物のことを知っておこう。
  

2008年7月2日水曜日

タチアオイ Althaea rosea
        

      
に突入し、梅雨明けを待って本格的な夏の到来となる。
                      
夏の花はいろいろあるけど、このタチアオイも夏の花の代表であろう。
                   
ニョキっと垂直方向に2メートルを超えて伸び上がる。
そこに、白、ピンク、赤などの花をつけるので、かなり目立つ。
                            
タチアオイのある風景、それは線路沿いのちょっと荒れた場所だったり、わらぶき屋根の古民家の庭だったり、ちょっとノスタルジック雰囲気の漂う場所に馴染むように思う。
                          
まるっきり和風かといえば、ヨーロッパで見る気の利いた庭にもこのタチアオイはホリーホック(Hollyhock)としてよく登場する。
                
どこでも似合う、マルチな植物のように思える。
             
花ビラは5枚
写真で分かるように、かなり薄くて、光にかざすとちょっと透けて見える。
花粉をたたえた雄しべがニョキっと突出していている。
               
なんとなくハイビスカスっぽい、と思われた方はスルドイ。
これはハイビスカスと同じアオイ科に属する。
                      
今度改めて書こうと思っているけど、最近よく見かけるようになった「ムクゲ」も同じ仲間だ。
                  
以前御紹介した懇意にさせていただいている自転車屋さんの あしびな のホームページでも今月の花としてコラボさせていただいているので、、そちらのほうも是非ご覧いただきたい。別アングルで撮ったタチアオイを載せていただいた。
                  
この自転車屋さんのページはメンテナンスのことなど、写真付きの解説で分かりやすく取り上げてあって自転車好きな人は必見でございます。
                     

2008年7月1日火曜日

人生初・四葉のクローバー
           

                 

この前告白したように、実は僕はこれまで4葉のクローバーを自力で見つけたことがなかった。

でも、ついにその日がやってきた!
            
下をキョロキョロして歩いていて、フト4葉のクローバーが目に入ったのだ。
それはそれは興奮した。
                   
やったぞ、ついにオレはやった・・・、と思っても誰もこの喜びを分かち合ってくれる人がいない。
なので、花咲ブログにアップしてみた。誰か共感してくれるのではないか、と。
                    
えっ?それにしても汚い手ですって?
これが働く男の手ってことで御容赦いただきたい。
               
早いもので今日から7月。
これ以上暑くならないで・・・と祈らずにはいられない花咲ジジイでありました。
                          

2008年6月30日月曜日

ガテンな世界
      
   ~いでたちの話 2~
        
    
昨日に続いて、着るものの話である。
         
今日はズボンの話。
                 
一番上は、僕が履いている 乗馬ズボン というやつ。
                      
太腿にやや余裕がありながら、ふくらはぎから下は地下足袋をズボンの上から履けるように絞ってある。
これには機能的な意味合い が強いと思う。
                   
木の上に登ったときなど、腿まわりの動きを制限せずに、かつ余分にダボダボしていないので枝に引っかかったりしない。
               
ところが、ガテンな世界では、「より太く!! 」「より目立つ色で!! 」という思想を持った御仁が多いらしく,、ときどき笑っちゃうくらいスゴイのを見掛ける。
                                 
生憎、丁度良いサンプルの写真がないのだけど(そんなの撮っていたら殴られそうで)、一応、ちょっと太目のズボンでキメたお兄さんを撮ってみた。
                      
                     
まだまだこのくらいは序の口だ。
              
でも、僕も親方も、この辺とは目指す方向が違う のでまかり間違ってもこういう格好はしないけど。
                         
だいたいバカ殿様でもあるまいに、裾を踏んで転びそうな人もたまに見掛ける。
             
さて、昨日お話したように、地下足袋にトップブランド「力王」があるように、こういった作業服にも独占的トップブランドがある。
               
それは「寅壱」(トライチ)である。
            
吉幾三の宣伝するような某作業服屋では売り場の占有面積はかなりのものだ。
             
ぼくの履いている乗馬ズボンはさる人から貰ったので幾らかは知らないのだけど、リーバイスのGパン一本で、トライチが4本くらい買えるのではないだろうか。
          
リーズナブルである。
                
僕のようなおとなしめのトライチも、飯場のお兄さんたちが履いているピンクの太いトライチも同じロゴが入っており、妙な連帯感を感じるのは僕だけだろうか・・・。
                    
                   

2008年6月29日日曜日

男のオシャレは足元から?!
         
 ~いでたちのお話 その1~
               


                            
この前、足に植木バサミが刺さったというホラーな話を書いたけど、不幸中の幸い、怪我は大したことがなくアッという間に傷はふさがった。と言うか、ちょっと大騒ぎし過ぎて反省しております。
         
そのときに地下足袋について触れたのだけど、この地下足袋は本当にユニークな履物なので、もうちょっと掘り下げてみようと思う。
                 
実は花咲ジジイはスーツを着てサラリーマンをしばらく経験した後、この道に入った。
そのとき、生まれて初めて地下足袋なるものを履いた。
靴底のビミョーな薄さ、つま先がチョキに割れているカンジ、ビルのガラスに写った自分を見て照れともいえない不思議な気持ちで胸がキューっとなったのを今でもハッキリ覚えている。
                      
地下足袋の長所、短所などはこの前ザッと書いたけど、調べてみると色々とあることが判明した。
                    
地下足袋のトップブランドはなんといっても「力王」だ。
どうだ、このネーミング。腹にグッと力をこめてタフなパワーがみなぎってくるではないか。
地下足袋の短所として「防水性に乏しい」「つま先が柔らかいので危険」と書いたけど、それらを見事にカバーする製品があることも判明。
          
縫付け というのがもっともスタンダードなもの。
貼り付け はゴムテープを施して防水性を少々向上させたもの。
先丸たび はつま先が割れていないタイプ
安全たび は安全靴の地下足袋版といえよう。
                 
いろいろあるんだー、と感心する一方で、そのネーミングにも目がいく。
例えば、安全たびは「現場大王」とか「セーフティー」、先丸たびは「先丸マジック」、縫付けたびは「ファイター」といった具合。別にウケ狙いで僕が勝手につくってるわけではない。
               
調べてみると、もっとオモシロイことが分かった。
この地下足袋ってやつははやりスゴイ発明であったようで、石橋徳次郎という人が1923年に実用新案登録をしている。更にオモシロイのはこの徳次郎氏の弟の石橋正二郎が地下足袋のゴム製造のノウハウをタイヤ作りに応用してかのブリジストンを始めたという・・・・。ウソのような本当の地下足袋の裏話である。
                        
            
地下足袋を履くときに靴下を当然履く。
初めのころは、普通の靴下の先をちょっと引っぱって親指のところに余裕を持たせて履いていたが、専用の靴下があることが分かった。
ご覧のように最初から先がチョキに割れている。これは快適。
                    
しかしここでも、その奇抜なネーミングで笑わせてくれる。
体力勝負のあなたの靴下 兄貴の純綿 ニッカソックス 2足組」(原文ママ)だ!!
スゴイ、スゴ過ぎる・・・。
                
会社の製品会議で担当役員などが集結し、ああでもないこうでもないと喧々諤々やってこの「兄貴の純綿」に行き着いたのだろうか?
気になって仕方がないぞ。
              
           
写真一番上の左: ゴク一般的なフツーの地下足袋。コハゼという金具で留める。これは12枚のコハゼがついているタイプ。
写真一番上の右: 知り合いの植木屋さんが履いていた、雨の日用完全防水地下足袋。完全防水と通気性は相入れず足はムレムレだ。
   
     

2008年6月28日土曜日

シアワセ便り
          
            
花咲ジジイ宛てに、友人からメールがきた。
                     
「お元気ですか? 今日はちょっと報告があってメールしました。我家の幸福の木に花が咲きました。強烈な甘い匂いが部屋に充満しています。買って8年くらいになりますが初めてのことです。なんだか嬉しくて、ちょっと得した気分になっています。誰かに言いたくて報告しました。」
                      
と、やや興奮気味に上気したシアワセそうな彼の顔が思い浮かんだ。
そんなに植物好きって訳でもなかったと思うのだけど、彼に限らず僕の周りには「私は植物好きであります」と公言する人が増えてきたように思う。
                                 
これはとても良い傾向だ。
こういったシアワセ通信をもらうと、そのシアワセは必ず伝播する。
なので、花咲ブログで是非紹介したいと了承をもらって、写真も送ってもらった。
                         
幸福の木と俗に言われている観葉植物を知っている方も多いと思う。
これは何だ?と思ってちょっと調べてみたら、学名は Dracaena fragrans とある。
このドラセナは、この前(5/14)御紹介したリュウゼツランと同じ科だ。
                       
強烈な甘い匂い」と彼は形容しているが、fragrans という種名から、花にかなりの芳香があるということが想像される。
                   
8年育てて初めての花。
それはやはり相当珍しいし、それだけに花が咲いたときの喜びはかなりのものだったろう。
                          
彼が撮って送ってくれたこの写真にはシアワセ成分がとても多く含まれているので、これはなんとしても花咲ブログを読んでくれている皆様にシアワセのお裾分けをせねばと思って今日のブログを書いた。
                           

2008年6月27日金曜日

ビワ様
            


              
昨日、さる方からビワを頂戴した。
              
とても立派な箱に入っていた。
箱をオープンしますと、白いクッション素材が入っていて、更にそれの下にはプチプチ・クッションが入っている。それら全てを取り去ってようやくビワ様との御対面となる。
この恭しさ、まさに ビワ様 と呼ぶにふさわしい。
               
普段八百屋さんなどでリサーチして培った感覚でいくと、一個あたり100~130円くらいのお値段ではなかろうか。
まさに ビワ様
          
箱に目をやると、「房州びわ」 登録商標5029823 品種 大房 生産者 金木ふみちよ とある。
商標登録までされているとは・・・。
             
更に横文字で「Sweet Biwa」とある。
英語のような、日本語のような何ともいえないグルーヴ感である。
              
そして整然と並んだ12個のビワのうちひとつを取り出して皮を剥いて食べてみた。
オイシイ、というか懐かしい味だ。
               
                 
ビワを食べるのは何年、いや何十年ぶりだろうか。
食べて思い出したけど、種がやはりデカいこと、そして種の周りの組織がどうも粉っぽい。
この種のデカさで、可食部分が少ないというのがビワの特徴1である。
          
特徴2として、どことなく 粉っぽい というのがある。
ビワの木を剪定すると、葉っぱから木の枝から全て粉っぽくて、のどがイガラっぽくなって咳がとまらなくなる。そういった性質を、果実になってもキチンとどこかで踏襲しているのである。
                 
                  
果実をみると「へそ」の部分が星型になってるのが分かる。
ビワはバラ科なので花びらもガクも基本的に5枚なのだけど、そのあたりの名残がこの5点を頂点とする星型に見ることができるというわけだ。
                  
思えば「ビワの花を見た」(2/17)、そして「ビワの小さい青い実はこんなカンジだ」(4/23)ということをお伝えしてきたのだが、最後に花咲ジジイのお口に入ってめでたくビワ3部作を完結することとしたい。
          
では、良い週末を。
           

2008年6月26日木曜日

サルビア Salvia




サルビアはシソ科アキギリ属に分類される。

改良品種も多く、一言でサルビアと言ってもモノスゴイ数になる。

今の季節、身近なサルビアということで散歩などしていて見掛けるのがこの青いサルビアだ。

学名的には恐らく Salvia guaranitica ではないかと思うが、100%確かなのかと言われるとチョット自信がない。

とにかく種類が多いゾ、と。

サルビアの特徴はシソ科のそれをほぼ踏襲している。

まず、花が左右相称であること。

葉が対生、すなわち一対のペアで生えていること。

産毛のような細かいが生えていて、アロマチックな香り がすること。

などなど、これまでに何度か触れてきた。

今日はちょっと新しい切り口でサルビアを語ってみようと思う。

サルビアは赤、ピンク、白、黄色、青など色んな色がある。

それは何故かといえば、花粉を運んでくれる運び屋に猛烈にアピールするためだ。

ここにオモロイものがあるよ、おいでなさい、寄ってらっしゃい、と。

この場合ミツバチが運び屋の典型だ。

ミツバチは花のその色と香り、そして蜜に誘われてやってくる。

やってきたハチに蜜だけ取られたのでは花としてはたまらない。ここはなんとしても花粉を持っていってもらわねばならないのだ。

そこで花も考えた。

テコの原理 を応用した 花粉もれなく持っていってちょうだい作戦 だ。

これは、まずミツバチがやってくる。そして蜜を求めて花の内部に頭から突っ込んでいく。するとハチの身体半分くらいが花に入ったところでテコの原理を利用して、花粉をたたえた雄しべがハチの胴体に向けて降りてくる。身体に花粉をタップリとつけたハチは次の花へと飛んでいって花粉を運ぶという仕掛けだ。

文章にすると難しいので、ここでビデオを見ていただきたい。

プレイボタンを押せば見れるハズである。

僕の持っている小枝がハチだとする。ハチが花の中に入ると上から雄しべが降りてきてハチの身体に花粉がつく・・・という仕掛けが見て分かるだろうか。

ちょと小さいし、見にくいので分かりづらいかもしれないけど、何回か繰り返し見てもらえると分かると思う。

どうでしょう。

スゴイ仕掛けだと思いませんか?

僕はこれを初めて教えてもらったとき、自然の不思議に感動を覚えた。

なんとしてもこれを花咲ブログを見ていただいている方々にお知らせしたかった。

ビデオを花咲ブログで使うのは初の試みでうまく伝わるか分からないのだが、何事もチャレンジだ。

因みにこのビデオは8メガもありやがるので、今後のブログに支障をきたすと困るので期間限定公開になるかもしれない。

さあ、貴重映像につきお早めに!!

    

2008年6月25日水曜日

ナス科なやつら
   



             
6月22日、キダチチョウセンアサガオについて書いた。
                
そこで触れたナス科の特徴について、いくつか良い写真があるので補足しておこうと思う。
                  
まずはそれそれの写真は
①左上 フユサンゴ  Solanum pseudo-capsicum
②右上 ワルナスビ  Solanum carolinense
③左下 トマト  Solanum lycopersicum
④右下 ジャガイモ  Solanum tuberosum
                
ここに挙げたのは全てナス科(SOLANACEAE)のナス属(Solanum)だ。
写真はちょっと縮小率をいつもよりは抑えてあるので、クリックして拡大して見て頂きたい。
                   
4つの異なる花を見ていると、かなり似ていることに気付くと思う。
                   
花びらは5枚あって、それがちょっと反っている
雄しべと雌しべがむき出し になっている。
                  
このカタチ特徴を覚えておくと、知らない植物を見たときに、もしそれがナス科であることが分かれば後で調べようがある。
                 
①のフユサンゴについて少々。
まず学名は Solanum pseudo-capsicum とあるけど、
             
pseudo はラテン語で「偽の」「擬似の」ということで ~に似ている のような意味がある。p があるので「プセウド」と発音したくなるけど、これは無声で発音しない。よって「スード」のような発音になる。
                  
capsicum はトウガラシ。最近の健康ブームでトウガラシに含まれるカプサイシンが脂肪を燃やす、なんて良く耳にする、そのカプサイシンと語源は同じと思われる。
ということでフユサンゴは「トウガラシに似ている」と推察される。
                  
フユサンゴは繁殖力がかなり強くて、アスファルトの割れ目などでも力強く育っているのを見かけることがある。僕の撮った写真は、まだなったばかりの薄緑色の実をつけている。
これが熟してくると、オレンジや赤の一見美味しそうな色に変わる。
                          
が、再三申し上げているようにこのナス科なやつらには毒性があるので食べてはイケナイ。
                      
道端でもよく見かけて、「ナス科」であることは分かっていたのだけど、それがナス科の何なのか実は知らなかった。
このブログを書くについて、身近な生き字引である植木屋の親方に聞いてみた。
                  
「これは何スかねぇ?」
「おっ、それか。それはビッグボーイって言うのヨ」
「・・・ビッグボーイ?? またぁ」
「本当だよ。園芸品種にもあって市場に行ったときに ビッグボーイ ってあったゾ」
                   
なんて会話の末に、それが本当だと分かった。
調べてみるとこのフユサンゴには色んな呼称が付いていて、「クリスマス・チェリー」「タマサンゴ」など、他にもあるらしい。クリスマス・チェリーなんて食べちゃいたくなるネーミングなのでちょっとマズイ気がするけど。
              
それにしてもビッグボーイ・・・。
どうしたらこういうネーミングに至ったのか?
植物っぽくない名前でインパクトは強烈である。
                  
親方から初めて聞いたときは、マジメな顔して「ビッグボーイだ」と言うので大笑いした。
言った親方本人も笑っていたけど。
                  
僕の頭の中にはハンバーグ・ステーキのチェーンレストランの看板ボーイが浮かんで、しばらく離れなかった。
              

2008年6月24日火曜日

ホラーな出来事
     
           
汚い足の写真で申し訳ない。
バンソコウを貼ってるけど、今日ちょっとした事故があった。
                
もう今日の作業はオシマイと片づけをしていて、自分の植木ハサミ、剪定ハサミ、剪定ノコギリがついたベルトをヒョイと持ち上げたときだった。
              
どういうわけかホルダーからこの前買った植木バサミが滑り落ちた。
その鋭さと切れ味は5月30日の花咲ブログを見られたい。
                 
滑り落ちて、僕の左足に落ちた。
アッという間の出来事で、ちょっと痛かったので足元を見ると、地下足袋に穴があいている。
どうやら刃の先から足の甲に落ちたらしい。
             
親方が「大丈夫か。ちょっと地下足袋と靴下脱いでみ。」
と言うので、恐る恐る地下足袋を脱ぐ。地下足袋には穴があいていて、靴下の同じ場所にも穴があいている。地下足袋と靴下だけに穴があいてそれで終る訳がない。
           
「ヒエー、見たくない。怖いよー」と思いつつもゆっくりと靴下を下げると、大きさ8~10ミリの穴が足にあいていた。傷の大きさは大したことないが、深さが分からなかった。
不思議とそんなに痛くはない。
                  
でも直視するのはチョット怖いので、水道の水で洗ってバンソコウを貼って、仕事が終るやいなや念のために病院に直行した。
             
植木屋の格好でホコリまみれのまま行ったので、受付の看護婦が怪訝な表情で「どうしましたか?」と訊く。
「植木バサミが足に落ちまして・・・」という看護婦との会話を聞いていた待合わせ室の人達の視線を一斉に背中に感じる。
              
幸い傷は大したことがなくて、消毒してもらってオシマイ。
ヨカッタ。
                   
で、思ったのがこの地下足袋というシロモノ。
日本の伝統的作業姿である。
良い点は、安い、木に登ったときなど枝の感触が足に伝わって繊細な仕事が可能、といったあたり。
悪い点は、雨のときなどスグにビショビショ、足に何か落ちてきたら痛い、靴底も薄いので現場に釘などが落ちていたらかなり危ない。
                  
                    
またか、と思わないでいただきたいが、英国、いやヨーロッパどこでも、あるいはアメリカも園芸作業時の足元は 安全靴 だ。写真は僕がずっと使っていた園芸用ブーツ。これはもはや日本以外の園芸スタンダードという気がする。
     
靴底は厚く、まぁまぁ防水、何より足先に鉄板が入っているので丸太がつま先に落ちてもへっちゃらだ。
その代わりに木に登ったりするときの繊細なグリップには欠ける。
              
どっちが良いとは一概には言えないけど、この地下足袋というのは日本ならではの本当にユニークな履物と言えよう。
因みに園芸仲間の外国人が日本に来ると、この地下足袋は人気お土産アイティムの筆頭である。
サイズが合わずに断念する外国人も多いが。
                
親方が僕の足にバンソコウを貼りながら教えてくれたもっとホラーなお話を最後に。
                
脚立に登って刈り込みバサミ(刃渡り30センチくらい)で剪定を行っていて、誤って落ちた。
落ちたときに持っていた刈り込みバサミが腹に刺さった。まさに切腹ものである。
自力で病院に行けるようなものではなく、救急車を呼んだそうだ。
               
うひー。
本当に気をつけてやらないと、植木屋仕事も命懸けだ。
            

2008年6月23日月曜日

ゾウムシ
    
       
まずはこの葉は何かというと、クズ Pueraria lobata といってマメ科のツルがバンバン伸びる植物の葉である。
クズは漢字で書くと  となり、葛餅などでよく知られる。
さらに風邪を引いたときに飲む 葛根湯 もこの根から出来ているらしい。
             
なんか役に立つ植物のようだけど、この生長たるや凄まじいものがあり、手に負えない雑草ともいえる。
                
この前、草刈をしたという話をしたときもこのクズがあって、草刈機にツルが巻きついて作業が難航した。
                
葉っぱを良く見てみると、なにやら齧られたあとがある。
             
世に言う害虫には、咬むタイプ吸うタイプ舐めるタイプに大体分類されるのだけど、その中にも明らかなパターンがある。
               
                     
このように葉っぱの周辺をギザギザに齧って独特のパターンを描くのは、まず間違いなくゾウムシなのだ。
ゾウムシは顔がちょっと面長の甲虫で、幼虫のときは土中で過ごし、成虫になって地上に出てくる。
                 
これは、どこかにいるゾ」と思って目を凝らしてみると、そこら中にゾウムシがいた。
これはコフキゾウムシというやつらで、本当のカラダの色は黒なのだけど鱗片がついているので薄緑色に見える。恐らくこのコフキ=粉ふき という名前はこの鱗片からきているのだろう。
                
今度別の機会に書こうと思うけど、害虫に関しては 早期発見早期処置 が決め手だ。
なんかおかしいな、と思ったら葉っぱの裏を見るべし
害虫は外敵から身を守るため、日中の強い日差しから身を守るため、表に比べて柔らかい葉の組織を食べるため、などの理由で葉の裏にいるケースが多いのだ。
                    
このゾウムシはそんなのお構いなしにバリバリ葉っぱを食べていたけど。
よく見ると、生殖活動も同時に行っていておとりこみ中だった。実に忙しいやつらである。