石垣に手をあてて、暖かったと昨日のブログで書いた。
世の中、概して寒くて冷たかろうと、陽のあたるところなど局地的に暖かい場所があったりするものだ。
昨日のように、陽にあたって暖かくなった石の上でトカゲなんかが日向ぼっこしていることがある。
トカゲのそういう行為を basking と英語ではいう。
バスキング・・・ あまり馴染みのない言葉だけど、英語で自然について学んだときに出てきた単語で妙に記憶に残っている。
なんで記憶に残ったか?
それは暖められた岩や石のうえで気持ちよさそうにトカゲが日光浴している姿が鮮明にイメージできたからだったと思う。
こうやってイメージが鮮明に持てると、記憶として深く刻まれるような気がする。
トカゲは爬虫類なので、自分の体温は外気温に激しく影響を受ける。
気温が低くなると、日光浴をして体温をあげようとするのだと思う。
おっと、このブログは植物志向のブログであって、爬虫類、鳥類、昆虫類、哺乳類などは専門外でありました。
さて、前フリが長くなりました。
もうちょっと別の前フリもしておこう。
昨日の新聞で東京都北区の自然観察園でフクジュソウが咲き始めた、なんて記事があった。
ロウバイが咲いて、フクジュソウが咲く。
春の花、トップバッターを争う花たちのひとつがフクジュソウだ。
そんなフクジュソウには温度に関する面白い話があるのだ。
春先は寒い。
虫たちもどうにかこうにか活動はしているものの、寒さは身に堪える。
そのあたりの虫心(?)を知ってか、このフクジュソウは暖かさを虫たちに提供しているのだ。
どういうことかというと、フクジュソウの花弁はまるでパラボラアンテナのようなカップ形状をしていて、太陽の光が花びらに当たって反射して、花の中心部に光が集まるようになっている。
すると花の中心部の温度は、外気温より1~2度、あるいはそれ以上高いと言われている。
それを知った虫たちが暖を取りにフクジュソウに集まってくる。
彼らはフクジュソウの花の真ん中でゴロゴロと寝転んで暖を取って、しばらくすると別の場所へ移動していく。
そのゴロゴロしたときに自分の身体に花粉をつけているとも知らずに・・・・
そして別のフクジュソウに暖を取りにいくと、花粉が別の個体に運ばれたことになるという仕掛けだ。
なんとクレバーな!!
昨日の石垣といい、今日のフクジュソウといい、ほんのりと暖かい場所というのはあるもので、それを利用する者は、その存在をちゃーんとわきまえているのだ。
専用の計測器で、フクジュソウの花の中心部の温度と、外気温の差をちゃんと測ってみたいなぁ。
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