2011年2月28日月曜日

やどかり人生
    
昨日は春本番を思わせる陽気で、今日はみぞれが降ったりして 三寒四温 を地でいくめまぐるしい天気だ。
体調管理にはお気をつけください。
   
さて今日の話は大きな落葉樹の脇を通ったときのことだ。
   
いつものように上を見上げたり、足元を観察したり、キョロキョロしながら歩いていた。
そしてその大きな落葉樹を見上げていて、あることに気付いたのだ。
   
!!
   
大きな落葉樹の幹が分かれているあたりに、なにやら緑色の葉っぱらしきものを発見したのだ。
落葉樹ってことは冬になると葉を落として枝ばかりの殺風景な姿になるはずなのに、あの部分には緑があるではないか。
    
オカシイ。
   
目を凝らしてよく見ると、それはシュロ Trachycarpus fortunei であった。
   
大きな落葉樹の枝分かれしたところにホコリのように土が溜まって、雨水を蓄えるなどして植物が育つ環境があったのだろう。
そこに鳥がタネを運んできて、このようなことになったのだと思う。
   
鳥は植物の実をタネごと食べて、自由に飛んでいく。
そして飛んでいった先で糞をする。
果肉部分は消化されるが、タネは硬くて丈夫なので鳥の強烈な胃酸にも負けずに、そのまんまの姿で鳥の消化器官を通過して糞とともに体外へ出されるのだ。
  
こうやって植物たちはをする。
    
このシュロは旅の終着点としてこの落葉樹の上を選んだ(?)のだ。
   
このくらいのサイズならまだ良いが、シュロもそこそこ大きくなる。
今後この落葉樹とシュロの運命はどうなるのだろう。
   
なんかドラマッチックだなぁ。
  
  



2011年2月27日日曜日

くだもの vs やさい
    

今日は暖かかった。
もうこのまま春になるのかというような陽気だった。
   
花もぼちぼち咲いているし、花が咲かずとも つぼみ がパンパンに膨らんでいるものも沢山ある。
   
一方でまだまだ冬景色というものもかなりある。
   
この前見たのはバショウ Musa basjoo という、バナナの親戚。
バショウはバショウ科多年草だ。
   
多年草・・・・。
えっ、草なの?木じゃないの、こんなに大きくて。
   
なんて声が聞こえてきそうだけど、たしかにバショウは多年草なんであります。
多年草というのは、毎年冬になると地上から上の部分は枯れてしまって、春になるとまた新たに芽吹くというのが基本だ。
確かにこうやって見ると倒れてはいないものの、地上に見える部分はすっかり茶色く枯れ込んでいる。
 

ひるがえって樹木というのは、冬も枯れることがなく、茎というか幹に形成層という部分があって細胞分裂を盛んにして年々大きくなっていく。
    
バショウ(バナナ)の幹は瑞々しくて柔らかく、樹木のような硬さはない。年輪も無い。
そして毎年枯れては、翌春にまた新たに芽吹くということからも草(草本)であるといえる。
    
そこで面白いのが バナナは野菜か果物か? という議論。
バナナは野菜である という意見が一般的だ。
   
なぜなら野菜と果物の定義にその根拠がある。
   
農林水産省によれば、野菜と果物の違いは定かではない としながらも
野菜は
 1田畑に栽培されている
 2副食物である
 3加工を前提としない
 4草本である
としている (農林水産省 消費者相談)。
   
4番の野菜は草本である という部分がバナナは野菜である という根拠となっている。
これによれば、スイカもメロンも野菜ということになるわけだ。
    
バナナは草である。
バナナは野菜である。
   
なーんかとっても大胆な発言のようだが実際そんなことになっている。
  
  




2011年2月26日土曜日

世界らん展 潜入記
     
今日はアルファブロガーであるアレックスさん にお誘いいただいて東京ドームで開催されている世界らん展に出掛けてきた。
   
生まれて初めて出掛けたイベントなのだが、これがビックリすることが沢山あった。
    
いわゆるフラワーショウ、ガーデンショウとはまったく異なる独特の雰囲気が充満していた。
それは来場者の様子だったり、ディスプレイの仕方だったり、色んな意味で独特だった。
例えばこういう和装のご婦人方が闊歩しているあたりは他のイベントではなかなか見ることがないと思う。
  
ラン愛好家というのは間違いなく存在していて、かなりコアでディープな世界だと感じた。
その世界独特の流儀があって、それらがなんとも興味深かった。
    
世界らん展日本対象に輝いたのがこの大きな大きなランの塊りである。
これは セロジネ・クリスタータ・ホロレウカ・ピュアホワイト というものらしいが、とにかくそのサイズに圧倒された。
直径が2メートルくらいある。
これを育てたのもすごいが、これを置く場所があるというのはもっとスゴイ気がする。
因みに大賞の副賞がメルセデスベンツでありますから、かなり予算の潤沢なイベントであると想像できる。   
   
とあるブースでは10万円なんて札が平気でついているランがあったりして、これはもう日常の花とは全く別の世界の花という感じだ。
見ると怪我をした犬が患部を噛まないように首のまわりに巻くパラボラアンテナのようなものを巻いていた。
高価なものだけに細心の注意が必要なのだろう、たぶん。
    
さらに進むと、ランの花びらにペイントか何かの加工がしてあって、模様が描かれていた。
もう自然の植物を愛でるというよりも、豪華で見栄えのすることが第一優先順位にあるようにみえる。
   
極めつけはこのランの雛飾り。
桃の節句も近いのでランをつかってひな祭りを表現しようということなのだろうが、着物をまとった雛人形の頭の部分がランの花になっているという発想はものすごくエキセントリックだ。
   
   
カワイイ雛人形というよりも、かなりホラーな怖い感じがするのは花咲ジジイだけだろうか。
  
短い時間だったけど、普段見ることのない植物の新たな一面を見た気がした。
  
  




2011年2月25日金曜日

古いマテバシイ
    
   
目黒区駒場の公園で見たのが、このマテバシイ Lithocarpus edulis だ。
    
まず横に大きく樹冠を広げた雄大な樹形が目をひく。
写真では後ろにある木々と一緒になってしまってその辺が伝わりにくいが、とにかく上にグングン伸びる針葉樹とは対照的に 「この木なんの木気になる木」的 なノンビリした樹形を誇っている。
   
   
さらに目を引くのはおびただしい数のつっかえ棒。
恐らく横に伸びた枝がどんどん成長して太っていって、木そのものの力では支えられなくなってしまったのだろう。
    
これらの支えを取っぱらったらどうなっちゃうんだろう、と想像してしまう。
   
マテバシイはブナ科であり、それほど寿命が短いとも思えない。
    
一体どのくらいここにあるんだろうか。
   
残念ながら案内板のようなものもなく情報がないので分からない。
でも世田谷を含めてこのあたりは空襲も少なかったので昔からの建物や樹木がまだそのまま残っている場合も多い。
    
恐らく戦火を潜り抜けて21世紀の我々をじっと見つめているのだろう。
(主幹の太さを見るとそれほど古くはないのかな、とも思うが一応そういうドラマチックなことにしておこう)
   
  



2011年2月24日木曜日

プチ贅沢
    

ここは東京都千代田区神田界隈
   
都心も都心、東京ド真ん中である。
   
坪いくら、なんて聞いたらめまいがしそうになる、そんな典型的な都会の一角にそのプチ贅沢ともいえる不思議な土地はあった。
   
往来とは金網フェンスで仕切られている。
仕切られたフェンス越しに見えるのは青々とした芝生である。
   
今は2月。
これだけ青いということは高麗芝ではなくいわゆる洋芝の一種であると思われる。
   
最近の雨のせいもあるとは思うが、誰かが意図的に潅水しないとこれだけ青く芝を保つのは難しいのではないかと思う。
  
つまりこういうことだ。
   
都会のド真ん中に金網フェンスで守られ、青々とした芝生で覆われた空き地があった・・・。
   
誰かがテーブルや椅子を出してお茶を飲んだりしてくつろいだりした形跡もない。
純然たる空き地なのである。
   
普通空き地というと、誰も手入れをせずにアッという間にセイタカアワダチソウなどの雑草に覆われ、挙句の果てにゴミの不法投棄をされたりしまうのが関の山という気がするのだが、この空き地はどうだ。
   
なんかエラく贅沢な気がするのは花咲ジジイだけだろうか?
 
 

2011年2月23日水曜日

外苑前イチョウなう
    

ツイッターもやってないのに使ってしまった なう
   
だって、今(now)の外苑前のイチョウの最新の姿を伝えたかったんだもん。
   
で、何が最新なのかというと、あの有名なイチョウ並木のイチョウたちが剪定された直後だったのだ。
   
こうやってシルエットを見ていると、以前花咲ブログで書いた剪定されてツンツンに尖がったメタセコイヤと似ている。
    

面白いのは剪定されたイチョウの先端がホウキのようにフワフワと小枝が残っていたことだった。
一本だけ残すというのはプラタナスの剪定(街路樹)なんかでも見かけたことがあるけど、こういうフワフワしたのは初めて見た。
   
想像するに、イチョウは円錐形の樹形が特徴で先端が尖っていなければ それっぽくない。
そこでなるべく円錐形になるように尖った形に剪定するが、樹の成長も考慮せねばならない。
そこでこうやってホウキ状に幾つかの小枝を残して、一定期間後に一番勢い良く、そして形良く育った小枝を選抜するのではないかと思うのだがどうだろう。
   
言うなら 間引き である。
   
全く違っていたらばゴメンなさい。 
     

この長いイチョウ並木の枝がおろされて、脇の植え込みの中にうず高く積まれていた。
   
これを持って帰って挿して芽が出れば、外苑イチョウのコピーが出来るなぁ などと考えた。
あっ、やってないですよ。
あくまでも考えただけ。
まぁ、今の時期の枝を挿してもなかなか難しいとは思うけど。
   
ここのイチョウの剪定をどの程度の頻度でやっているのか知らないけど、結構珍しいものを見た気がした。
できれば剪定している作業を見たかったなぁ。

  
  




2011年2月22日火曜日

フクジュソウ Adonis ramosa
    

早春の黄色い花を・・・・ と言ったら、ぴーさんが 「スイセン、フクジュソウ、レンギョウあたり」とスルドイ書き込みをしてくれた。
   
正解はフクジュソウでした。
   
ぴーさんが指摘した花に限らず、春の花には黄色いものが多いという話は以前書いたことがある。
何でか分からないけど確かに黄色が多く、不思議である。
   
フクジュソウは名前こそメジャーながらもそこらじゅうに雑草のごとく見かけるというものではない。
さらに、この早春の限られた時期にしか咲かない。
くわえて草丈が5センチ程度と地面に這いつくばるようにして咲いているのであまり目立たない。
  
黄色い花のなかでも光沢がある美しい花びらを持っているので一度見つけると暫く眺めていたくなる。
 
以前フクジュソウを取り上げたときに、フクジュソウは花粉を媒介する虫を呼び寄せるために、花の中心に太陽の光を反射させてその部分だけ温度を上げると書いた。
虫たちはその暖かさに誘われて集まってきて、ひなたぼっこをする代りに花粉を身体につけて次の花へと飛んでいくのだ。
     

咲いていたフクジュソウを見ていたらば丁度ハチがせっせと蜜を吸っていた。
暖かくて、甘い蜜にもありつけるという、ハチにとってはまさにパラダイスのような場所なのだろう。
   
   

2011年2月21日月曜日

マンサクいろいろ
   
さてマンサクの話である。
   
植物に親しんだ人であれば マンサク といえば、この早春の黄色い花を思い出すだろう。
しかし世の中は植物に親しんだ人ばかりとは限らない。
   
かくいう花咲ジジイもちょっと前であれば マンサク?あの侍ジャイアンツの? といって大砲万作を思い浮かべたことと思う。
   
植物に親しんだ人であっても、マンサクには幾つかの種類があると知っている人は案外少ないのではないか。
   
アカバナマンサク Hamamelis japonica var.obtusata アテツマンサク Hamamelis japonica var.glauca シナマンサク Hamamelis molis ニシキマンサク Hamamelis japonica cv.Flavo-purpurascens ハヤザキマンサク Hamamelis vernalis など、色んな種類があるのだ。
  
花咲ジジイがささっと足早に歩いただけでも小石川植物園には3種類のマンサクが咲いていた。
   
ひとつはシナマンサク
シナマンサクの特徴はなんといっても黄色い花が咲いている一方で茶色い枯葉(昨年のもの)がしつこくくっついているということだろう。
枯葉はスグに散ると思ったら大間違いで、しつこくいつまでもくっついているものが結構ある。
ブナ科のやつらの中にも茶色く枯れた葉がいつまでも落ちないものが多い。
    
そしてハヤザキマンサク
ハヤザキっていうからかなり早咲きなのかと思いきや、他のマンサクとあまり変わらないところがご愛嬌だ。
これはもともと北米のマンサクで、花が比較的小さくてオレンジ色がかっているのが特徴だ。
花びらもやや短い気がする。
    
3番目に見たのがニシキマンサク
そのように名札がついていたからで、パッと見てこれが何マンサクだかを言い当てるのは容易ではない。
見ると、花びらは細めで、長めである。
ガクの外側もなかなか毛深い感じがする。
   
という訳で、一言でマンサクといってもいろいろあるんだなと知れるわけである。
   
赤い春黄色い春ときました。
さて明日はなんでしょう?
予告をちょっとするとさらに早春の黄色い花についてご紹介するつもりであります。
お楽しみに。
  
   



2011年2月20日日曜日

黄色い春
     
今日は曇り空でハッキリしない天気だったけど、それでもなんとなくを予感させる一日だった気がする。
なんちゅうか、寒さがそれほど身体の芯まで堪えない感じなのだ。
   
そんなことないですか?
   
植物たちはその辺はとても敏感で、花を咲かせたり、ツボミを膨らませたり何らかのリアクションをするものである。
    
この前は黄色く咲き誇る マンサク Hamamelis japonica を見かけた。
いつ見ても面白い花だなぁと思う。
   
この錦糸卵のような黄色いヒラヒラが花びらなのだからつくづくユニークなやつである。
   
これは小石川植物園の入口スグに咲いていたもので、このマンサクの周りには3~4人のアマチュアカメラマンたちが真剣な表情でレンズを向けていた。
   
植物園は入園料を払わないといけないが、このマンサクには入場料を払わないで近づけるギリギリのところに咲いている。
    
マンサクだけ、という方にはサッと行ってサッと見るという芸当は不可能ではない気がする。
明日詳細について触れるけど、実はマンサクはこれだけではないのだ。
他にも微妙に異なるマンサクが園内にある。
   
やはりちゃんと入園券を購入してゆっくりと園内の植物たちを堪能するのが正しい。
   
という訳で明日はもうちょっとマンサクについて触れてみよう。
今日はマンサクのマンサクらしい姿をご堪能いただきたい。
  
  



2011年2月19日土曜日

赤い春
    

光の中で何やら赤く揺らめいている。
  
なんだ、これは?
   
写真だと、どのくらいの広さで、それぞれの赤い植物がどのくらいの背の丈なのかわからないと思う。
  
広さは25メートルプールの半分くらい。
背の丈はそれぞれ15~20センチくらい。
   
そこにこの赤い不思議な植物が密生していたのである。
   
何だろう?と思いながらも心の中では何となく見当はついていた。
   
見当がついていたので一応確認の意味で茎を途中で折ってみた。
すると折れた部分から牛乳のように白い液体が溢れてきた。
  
これぞ、この植物の特徴なんである。
    

これはナツトウダイ Euphorbia sieboldiana というもので、トウダイグサ Euphorbia の特徴はこの白い乳液のようなもので、時に炎症などを引き起こす有毒物質なのである。
園芸を始めるにあたって気をつけなくてはならない様々な留意事項というものがあるが、トウダイグサ科の白い液はその筆頭格といえる。
   
ということで、トウダイグサ科であること確認して写真を撮った。
   
冬の澄んだ空気越しに赤く輝くナツトウダイというのもなかなか幻想的なものだ。
まだ寒い2月だというのに夏と名の付くナツトウダイ、まだ寒い2月だというのに紅葉しているナツトウダイ。(カエデの紅葉とちょっと意味が違うけど)
   
昨日のオオイヌノフグリといい、今日のナツトウダイといい、目線を低くしてみるといろいろと面白いものがあるものだ。
  
   



2011年2月18日金曜日

春の気配じわじわ
    

ウメサクラと春らしい話題が続いた。
   
今日の東京地方の強風はちょっとすごかった。
   
ウメもサクラも花びらが散らないか心配になった。
   
やれやれと思って家に着いたら、玄関前に小さな種が落ちていた。
これはユリノキの種だとすぐに分かった。
  
花咲ブログでもついこの前(12月6日と9日)書いたけど、ユリノキの種は翼果といって翼をもっていて風にのって遠くまで飛ばされるようになっている。
  
家の周りにはユリノキはすぐに見当たらないのだけど、こうやって実際にユリノキの種が飛んできたのを見つけてなんだか嬉しくなってしまった。
強風で花が散らないかと心配であるが、一方で風にのって旅をする奴らにとっては強風は welcome なんである。
  
さて、サクラもウメも樹木であり、花は我々の目線よりもに咲く。
   
しかし上ばかり見ずに足元にも注意を払っていただきたい。
足元にはうっすらと、そしてポツポツと青い点が見える。
    

そう、小さな花が咲いているのである。
これはオオイヌノフグリ Veronica persica
そうかー、もうそんな季節なのね、と思い知る。
   
花咲ブログでオオイヌノフグリの登場は2回目。
まだまだ語ることはあるが、それらはまたゆっくりと。
  
地面に咲く小さな花を見つけたら遠慮せずに視線を花と同じレベルに落としてみよう。
花を間近に見ることで、花の息遣いすら聞こえてきそうだ。
   
このオオイヌノフグリを見つけて、花咲ジジイは鑑賞するため、そして写真を撮るために躊躇せずにその場で匍匐前進のように腹ばいになった。
周囲の目なんて関係ない。
  
より近づくことで花の気持ちも分かるってものである。
花咲ジジイはそう信じている。
  
  



2011年2月17日木曜日

今年の梅
    
昨日はちょっと早いサクラをご紹介した。
サクラといってもカンザクラだが、その美しさは春を実感させるには十分である。
   
順序的に逆になった感もあるが、サクラとくればウメについて触れないわけにはいかないだろう。
   
この前、せたがや梅まつり でちょっと書いたが、ウメはすでに見頃を迎えているものがある。
都内の梅の名所のひとつでもある小石川植物園ではご覧のようにピンク色のペイントブラシを使ってカンバスに描いたようなウメが何本かあった。
     
ウメといって思い出したことがあった。
   
昨年の花咲ブログ(2010.8.11)で、自分の家の前に咲いた梅に
おかげさま 今年もひらく 梅の花
というなんともポエティックな小さな短冊を付けてあるお宅があった。
    
ちょっと気になって見にいったらば、ちょうど白いウメの花が咲いていて、新たな短冊が掛かっていた。
ありがとう 今年も元気な 梅の花
    
なんか良いね。
パターンが決まっているのだろうか。ちょっとしたアレンジで今年バージョンの完成である。
   
おかげさま とか ありがとう と花を咲かせた梅に感謝の気持ちを表現するというのはあまりできることではない。
咲くのは当たり前、みたいな感じで通り過ぎてしまうのが普通ではないだろうか。
    
この花が咲いているウメはアスファルトの僅かな隙間の土に根を張って、日当たりも大して良くない恵まれない環境にいる。
こういうウメが頑張って花を咲かせていたらば、それはやっぱり有難うと言いたくなる。
  
   



2011年2月16日水曜日

三寒四温
    

雪が降ったかと思えば今日は暖かい一日だった。
   
残雪がところどころに見られて、場所によっては足元がぬかっていたけど春を予感する一日だった。
   
ある場所でほぼ満開のサクラを見た。
   
サクラというとソメイヨシノ Prunus x yedoensis がすぐに思い浮かぶかもしれないが、実に多くの種類があって今満開のサクラもあるのだ。
  
これはその名もカンザクラ Prunus x kanzakura という。
x というあたりからも分かるように、カンヒザクラオオシマザクラとの間にできた品種であるらしい。
ちなみにソメイヨシノオオシマザクラエドヒガンザクラの交配種であるといわれている。
    

澄んだ青空とピンクのサクラのコントラストがなんとも美しかった。
ポワ~ンとした淡いピンクがとっても暖かいでしょ。
見た目も、気持ちもなんとなく暖まった。
   
もう春はそこまできている。
   
まずいなぁ、時間だけはちゃくちゃくと進んでいくが、やるべきことはなかなか進まない。