2013年6月30日日曜日

6月30日


土曜日。

近所のスタバでコーヒーを飲んだところから一日がはじまったと昨日書いた通り。

家に帰ると、お父さん(僕はキューにいた3年間彼のところに下宿していたので、ある意味実の父、母よりもそれらしかったりする)が、朝ゴハンを作ってくれた。



これは eggy bread というらしいのだけど、先日英国料理の話になったときに、このeggy breadの話になって、「こんど作って食わせてやる」と言われていたのだった。

何のことはない、卵にひたしたパンを油ひたひたのフライパンで焼く(揚げる)だけのこと。
ついでにブラックプディングとマッシュルームの添えて出来上がり。

これにケチャップをかけて食べる。

あまり美味しいと思わない日本人が多いかもしれない。

でも僕はこのテのイギリス料理が大好き。

今回新たに eggy bread を知ったことを嬉しく思う。

その後はロンドン市内へ。

ラグビーの試合、ブリティッシュライオンズVSオーストラリア代表の試合が11:00AMにあるので、中継をしているパブに繰り出した。



朝からビールも入って皆熱い。
熱気のパブに日本人は僕だけ。

結局、ライオンズが15-16で逆転を許し皆意気消沈でパブから出ていった。

こちらに来て一番良い天気だったのではないだろうか。


あれこれ気になっていた場所を歩いた。

5月のチェルシーフラワーショウの会場だったロイヤルホスピタルあたりも嘘のように静かだった。

地下鉄に乗ってノッティングヒルゲートのポートベロマーケットにも繰り出した。


相変わらずスゴイ人であります。

おのぼりさんっぽく、ノッティングヒルの恋人に出てきた本屋さんのまえも軽く通ってみた。


かなり歩いたと思う。

帰りもハマースミスからキューまで5キロくらい歩いたと思う

ご存知のように、現在ウィンブルドンテニスが開催中でパブでもしきりに中継をながしている。

広場に椅子を出してパブリックビューイングもやっていた。



昔、良く行ったシンガポール料理屋さんで海南鶏飯を食べたころはもう20時を回っていた。

西の空はまだほんのり明るい。

テームズ川もうったように穏やか。

ヒースロー空港を目指して着陸態勢に入った飛行機が低空で頭上を何機も通り過ぎていく・・・・










2013年6月29日土曜日

6月29日


土曜日。

週末とういうことで仕事は休み。

朝、散歩を兼ねて駅前のスターバックスへ。

そう、ここではwifiがあるので、調べもの、メールなどができるのです。

今回は一応モバイルwifiルーターを日本からもってきましたが、どうもデータ容量に制限があるようで、おっかなびっくり使っています。

いわば「護身用」「緊急用」といったところで、ふだんはどこからかタダのwifiが漏れてきていないかアンテナを張りつつキョロキョロしているわけです。

スタバですと、ついでにコーヒーも飲めたりして非常に都合がヨロシイ。

この free wifi っていうのは本当に有難いですね。

思えば時代も変わったものです。

僕が当初英国に留学していたことはwifiなんてものはもちろん無くて、ダイヤルアップの時代。

電話線を手に、どこか繋げるところがないかと結構大変でした。

通っていた園芸学校では僕が唯一の海外留学生だったこともあり、結構気を遣ってくれて一日に一回だけ職員室の電話回線に繋がせてくれました。

週末は職員室も閉まってしまいますが、今度は用務員、警備員と仲良くなって彼らの事務所の電話線を借りてメールの送受信などをしていたものです。

今はブロードバンドの時代ですが、ダイヤルアップのころはデータがそんなに送れません。

誰かからデジカメで撮った写真を添付して、それを縮小せずに原寸大で送られてきた場合などダウンロードに20分近くかかって、挙句に写真を見るとさほど重要ではない写真であった場合など本当にガッカリしたものです。

20分間、「ピ~、ヒャラララ~」とダイヤル回線が唸っている間、その用務員のオジサンの視線を浴び続けるわけです。

今じゃ考えられないですね。

wifiはスタバに限らず、色んな場所から「洩れて」きているようで、例えば某銀行前ではかなり強い電波が受信できたりすることも発見。

さしずめネット難民といったところでしょうか。

今日はロンドン市内に出掛けて、ちょっと気になっている公園をめぐったりする予定であります。

ラグビーのブリティッシュライオンズとオーストラリア代表の試合のTV中継が午前中にあるようで、これをどこかで観れないものかとも思案しております。

そんな土曜日の朝です。

6月28日 はなきん


今日は金曜日。

日本でいうところの花金。

皆、早くからソワソワして定時にはサッサといなくなってしまいます。

そうそう、こんなんだったなぁと思い出しつつ。

遠出をする人もいますが、特に予定のない人は行きつけのパブに繰り出すのがありがちなパターン。

「何でここにいるんだ??」と尋ねられつつ、懐かしい面目と久しぶりに盛り上がりました。

今日は雨が降ったり、やんだりという変わりやすい天気。

この週末も精力的に活動の予定です。

2013年6月28日金曜日

6月27日


木登りとはいっても、子供のころに登った近所の木とは訳が違う高さに登ります。

今日は昨日とは別のヒマラヤスギに登りましたが、樹高はざっと30メートルくらい。
写真では高さを伝えるのが難しいですが、下に見える米粒ほどの人を見てもらえれば、なんとなく高さがお分かり頂けるでしょうか。

アンカーポイントといって、木の一番高い場所に拠点を設けて、そこから木の上を自在に移動するわけです。

2日目ではありますが、だいたい理屈は分かってきて、自分でイメージした枝の先端にまで身体を任せることも少しづつできるようになってきました。

が、いかんせんまだまだスピードが遅くて、これでは仕事にならない感じ。

相棒のトム君(昨日はマークと書いたけど間違い)は、僕の何倍もの速さでスイスイと移動していくのをみて、あんぐりとするしかありません。


スポーツのように反復による習熟しかないのだと思われ、こちらにいるあいだにより多くの木に登りたいと思っています。

ただ資質の違いも感じるんだよねぇ。
トム君の胸板の厚さや、腕の太さなんか見ると絶対に叶わないと思ってしまう。

骨格が違うんだと思う。

たかが木登りではありますが、色んなことを考えます。


2013年6月27日木曜日

6月26日


いよいよ今日から本格始動となります。

興奮していたのか、時差のせいなのか、朝5時にはスッカリ目覚めてしまい、予定よりもちょっと早く家を出ました。

キューガーデンまでは徒歩15分。

キューガーデン駅脇のスターバックスでカプチーノを買う・・・7年前となんら変わっていないことにとても不思議な気持ちになりました。

それは園内で当時の仲間と出会ってもそう。
タイムスリップしたかのような感覚になります。

でもそれはちょっと図々しいというもので、僕がキューガーデンに入ったのは2003年なので、あれから丁度10年経っているわけです。
老眼鏡もかけるようになったし、物忘れも激しくなってきたし。

果たしてそんな感じで木登りなどという体力勝負ができるのか?

一抹の不安を持ちつつも、始めてみたらばそこそこ登れたのでちょっと安心。

ただ、初日ということでヘンに力が入っているのだと思われます。
腕はだるいし、爪や指の先がめくれそうに痛いというのは困ったもの。

ウィルソンを追いかけて昨年日本にやってきたボスとも再会し、そうそう彼の手伝いをすることが今回の主目的であったと思い直し。

木登りの実践面で面倒をみてくれるのは、まだ20代のマーク君。
まったく疲れた様子もなく黙々と木に登り仕事をこなしている。


単に木に登るだけではなくて枯れ枝を剪定ノコギリで落とすことが仕事なわけです。

滝のように汗をかき、あちこちに擦り傷を作りつつ、最終的には英国の木登りに関する資格をとって帰りたいと思っております。

ボスの手伝いのない時間をぬって、できるだけ木登りのスキルを磨いていきたいものです。


2013年6月26日水曜日

6月25日


お蔭様で無事にロンドンに到着しました。

羽田~ドバイは空いていて、4人掛けの席に一人だったので、横になって眠ることができました。
深夜1:30発の便だったのでこれは有難かった。

しかしドバイからロンドンへはほぼ満席。
生まれて初めて総2階建てのエアバスに乗りました。

2階はビジネスクラスとファーストクラスらしく、見物しようとしたものの階段にはロープが張られていて登れませんでした。

羽田を発ってほぼ22時間後にロンドンに降り立ちました。

なんとなく感覚がマヒしていて、直行便とあまり変わらない感覚でありました。

夕方5時過ぎにキューガーデンに以前いたときの下宿先に到着。

実の両親よりも両親に近いといっても過言ではない、お父さんとお母さんに久しぶりにあって夕食をとりながらあれこれと話していたらばアッという間に夜も更けておりました。

昔、自分がいた部屋を空けておいてくれて、ここで昔に戻ったように約1ヶ月の生活がはじまります。

夜は時差もなんのその、疲れていたのか、ほぼグッスリと朝まで快眠。

我が家の食卓のごとく、勝手に紅茶をいれてトーストを齧るといった朝食を。

その後は、銀行、本屋、薬局、スーパーなどを巡り、もろもろの雑事をこなしました。

天気は悪くないです。

晴れていれば暖かく感じますが、雲がでてくると肌寒く感じるといった具合。

雨が降らない限りは文句は言いません。

キューの隣町のリッチモンドでしばらくいたものの、本屋をもう少し巡りたくなって、さらに足をのばしてその隣町のキングストンへ。

途中にナショナルトラストのハムハウス(Ham House)という庭があるので、そこにちょいと立ち寄りました。

キューに3年も以前暮らしていたくせに、このハムハウスには一度も行ったことがなかった。

しかし行ってみると、なかなかイングリッシュな良いお庭でした。




灯台下暗しではないけど、近場にいろんな見どころはあるものだと気づかされました。

キングストンでかなり時間を費やし、バスに乗ってキューに戻ったのは20時ころ。

夏至がついこの前だっただけにまだまだ明るい。

何軒かある行きつけのパブのうちの一軒にいって、美味しいビールを頂戴し明日に備えたのでありました。

さぁ、明日から本番。

頑張ります。

2013年6月24日月曜日

羽田国際空港にて


今、羽田空港にいます。

深夜1:30羽田発、ドバイ経由、ロンドン行きという、なんともキワドイ長旅となります。
総飛行時間も約20時間程度となる模様。

ひたすら寝ていこうと思います。
20時間も寝たら床ずれを起こすのでは・・・?

ドバイ着も深夜だと思われ、
「ドバイの空気を吸った」
という程度で、スグに機上の人となります。

思えば羽田から海外に行くというのはかなり新鮮です。

小学生のとき、父の転勤にともなって羽田からインドに向かって飛んだのが最後。

以後、国際線は成田に移ってしまいましたから。

妙に早く羽田入りしてしまい、夕食も買い物も済ませ、やることがなくてビールを飲みながら旅立ち前のブログをしたためております。

しかし、一か月以上留守にするというのは、なかなか不安なものがあります。

帰国する頃は梅雨も明けて夏本番でしょうか。

皆様、どうぞお元気で。


2013年6月23日日曜日

出発前


日曜日。

今日は午前中に
「行った気になる!?チェルシーフラワーショウ2013」
というセミナーを自主開催。

良い意味でこじんまりとして、とても楽しい会でありました。

そして昼食後帰宅したのだけど、時計は既に3時を回っていた。

今日の深夜、羽田から英国に向けて出発するというのに荷造りをまったくしていない。

人前で話すということは、それなりに消耗するもので、帰宅後はしばらくソファに座ってボーっとしたりしていた。

ボチボチと荷造りをしながら、そうそうブログも書いとかなきゃ、なんて思ってパソコンの画面に向かっていたりする。

良いのか?
間に合うのか?

今回の主目的はボスの手伝いをすることだが、2次的な目的に英国式木登りを体得するということがある。

時間がないので詳しくは書けないけど、上の写真を見て欲しい。

港を見下ろす丘の上。

手前に木々がうっそうと茂っている。

その木の上に人がいるでしょ。

これは、僕が尊敬してやまない植木屋の親方であります。

もう仙人の境地。
なかなか真似できるものではありません。

この対極にあるのが英国をはじめ欧米諸国での木登り方法。

ハーネスとロープをつけて安全に効率的に木に登っていく。

いい歳になってしまったけど、新たなテクニックを身につけてきたいと思っています。

もちろん空いた時間には庭めぐりなど情報収集、ネタ収集もぬかりなく。

留守中何かとご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いいたします。

2013年6月22日土曜日

ひらめきは突然に


いよいよ明日「行った気になる?!チェルシーフラワーショウ2013」というセミナーをやった後、深夜に英国に向けて出発します。

なんだかやり残したことなんかもあるような気もしないでもないけど、もうここまできたら腹を括るしかあるまい。

例のごとく、荷造りにはまだ手を付けていない。

明日の午後頑張ろう。

さて、今日は日本が世界に誇る無印良品の店内でちょっとした人だかりが出来ていた。

何だろう?と思って立ち止まって見てみると、子供たちが色んな葉っぱに絵具で色を塗って、それを無印良品の布バッグに押し付けて拓本のようなものをとっていた。

その様子を暫く見ていて、「!!!!」とひらめいたネ!

まだアイディア段階なので詳しくは書かないけど。

参加していた子供たちの様子は、僕のやっている「自分だけの植物図鑑を作ろう!!」と似ていた。

つまり楽しそうだったってこと。

加えて、そばで見ていた親御さんもかなり目を細めて我が子の様子に見入っていた。

なるほど、なるほど・・・・

2013年6月21日金曜日

そわそわ・・・


お知らせしたかと思いますが、来る日曜日に花咲園芸総研主催プチ講演会を開催します。

「行った気になる?!チェルシーフラワーショウ2013」

行った気になる「?!」というあたりがビミョーですが、豊富な写真とともに臨場感のあるスライド・ツアーにしたいと思っています。

今年のチェルシーは100周年ということで、なかなかスペシャル。

行きそびれてしまった人は是非。

会場がまた素晴らしく、とてもアットホームな場所です。

今回は15名様限定として、少なめの人数でジックリ、ユックリとお話しできればと思います。

もちろん、紅茶とお菓子付き。

お時間のある方、ご興味のある方、お気軽にご参加ください。

まだ若干の空きがありますので、メールでお申込みください。





来週から約1ヶ月イギリスに出掛けてきます。

1ヶ月も留守にして大丈夫なのか、という不安もありますが、ひとつ大きく皮をむいて帰ってこようと思っております。

このプチ講演会の深夜に出発となります。

出発は有難いことに成田ではなく羽田から。

今月就航したエミレーツ航空を使います。

・・・・ということはドバイ経由。

エミレーツはずっと気になっていたエアラインなので、ちょっと楽しみですが羽田からロンドンまでトランジッションを含めて20時間以上という長旅。

もちろんドバイで途中下車なんてことはしません(できません)。

エアチケット料金、そして為替も思っていた以上に不利で、ちょっとブルーな気持ちになりました。

そんな訳で出発までの数日間で締切の仕事は終わらせて身ぎれいにして出掛けるべく、あたふたとしております。



2013年6月20日木曜日

大きなカポック


散歩をしていて良く見かけるのが、このカポック Schefflera でなないだろうか。

もちろん自生している訳ではなくて、誰かが意図的にそこに植えたのだ。

もともとは観葉植物というくくりになると思うが、耐寒性にも優れ、さらには日陰でも、乾燥にも強いという便利さ。

マンションのエントランス脇であるとか、喫茶店の入り口脇なんかに植えられるのは王道ともいえるのではなかろうか。

今回見かけたのは喫茶店というか、看板にはCoffee and Pub と書いてあるお店の脇。

coffeeとは飲み物の種類であり、pubとは店の営業形態を指すと思うのだけど、そのふたつがandで繋がっているというのも、なかなかシュールであります。

店の脇のカポックは建物の2階部分にまで届く大きさに育っている。

ついこの前、巨大なガクアジサイをご紹介したけども、このカポックもなかなかのもの。


葉が青々しているが、花らしいものはついていない。

ただひたすら葉が青々と茂っているのだ。

そもそもカポックはウコギ科といって、ヤツデやカクレミノと同じ仲間なので、その地味な様子も似ていて当然なのである。

しかし、この喫茶店のカポックは何年がかりでここまで大きくなったのだろう。

そして、このまま放っておいたら、どこまで育つのかなんてのも興味があるところであります。


2013年6月19日水曜日

キューガーデンのサイカチ


昨日サイカチについて書いた。

サイカチといって一番鮮明に思い出されるのはやはりなんといってもキューガーデンのサイカチ。

かなりの古木で、樹高もそこそこ高いが、なんとも心もとない枝が天に向かって伸びている。

胴回りをみていただきたい。

幹周4~5メートルくらいありそうな堂々たる古木である。

しかし、長年そこにあって満身創痍なんだろう。

幹廻りには金属製のバンドを巻いていた。



こうしないことにはバラバラに崩れ去ってしまうのだと思わる。

キューガーデンにはこのような古木というか歴史のある樹木がいくつかあって、それらをHeritage Treeと呼んでいる。

最終からキューガーデンに入り浸ることになるので、園内の古木に注目してみたいと思っている。

しかし、この威風堂々たる様子をみると、昨日御茶ノ水近くで見たサイカチなどは、まだまだお子様といったレベルであると思われる。


2013年6月18日火曜日

サイカチ発見


夏が来た、と認めざるを得ないくらいの日差しと暑さでした。

今日は珍しい樹を見つけたよ。

上の写真を見て、その特徴に気づきませんか?

そう、緑色のクルクル巻かれたカンピョウのようなものが沢山ぶら下がっているでしょ。

地面を見ると結構たくさんそのカンピョウもどきが落ちている。

これは「豆」でしょ。
豆のさやと言えばいいだろうか。

これがクルクルと捻じれて、こんなふうになっているのだ。



葉もよく見るまでもなく羽状複葉になっているし、さや状の実がなっていることからもマメ科の樹木であることがスグに分かる。

で、マメ科の何かといいますと、これはサイカチ Gleditsia japonica に違いない。

カンピョウのような豆も特徴的だし、なんといっても幹、枝などあらゆるところに鋭いトゲが出ているのが決定的。
地下足袋でこの木に登ろうものなら、アッという間に足に穴が開くことだろう。


植物園では見たことがあったけど、街中で見かけたのは初めてのことだった。

こんなに鋭いトゲがあるんだから、通行人にとって危険ということもあって街中では見かけないんだと思うんだけど、今日サイカチを見つけたのは御茶ノ水近くの結構な都会のド真ん中だった。

そういう意味でも新鮮な驚きでありました。

鋭いトゲが危険ながら、街中で見かけたことがあるものとしてリュウゼツランが思い出される。

そのときのリュウゼツランの鋭い葉先にはオレンジ色の冷凍ミカンのネットが掛けられて注意を喚起するようになっていたっけ。

都内でサイカチを観察できる場所を発見したというのが何とも嬉しかった。

もちろん、頭の中の「都内植物分布図」に新たな項目を追加しましたよ。

えっ、「都内植栽地図」ってこの前言ってなかったか?って?
いいのいいの、なんだって。


2013年6月17日月曜日

アカンサス



かなり主張の強いやつである。

草丈が1メートルを超える。

さらにはハアザミという名が付いているように、葉も苞もとげっぽい。

そして紫色と白のツートンという花序がまたなんとも個性的であります。



見たことあるでしょ。

ハアザミともいうし、あるいはアカンサス Acanthus mollis ともいう。

人によってはアカンサス・モリスと属名と種小名をセットで呼ぶ場合もある。

主張が強い分、人の記憶に残りやすいのかもしれない。

花の構造を見てみるというのも面白いだろう。

紫と白のツートンなんだけど、恐らく白の部分が花びらで、紫の部分が苞(ガクに相当)なんだと思う。

紫色の苞を指でそっと持ち上げてみると、中には雌しべが一本すっと伸びているのが見えた。

そして脇をまだ熟していない雄しべが固めていた。


察するに雌しべが先に熟したのちに雄しべが熟すことで自家受粉をさけるタイプの花なのだろう。

あくまでも観察に基いて想像でモノを言っているので、間違っていたらば指摘してください。

小さいころスカートめくりなんてのがあった。

今、この歳でそんなことをしたらば犯罪だが、アカンサスの苞をそっとめくって中にある雄しべと雌しべの様子をみるのは全く問題ないと思う。

是非、苞をめくって好奇心を満たしていただきたい。


2013年6月16日日曜日

横浜イングリッシュガーデン


今日は横浜に出掛けておりました。

そういば水曜日にも横浜中華街あたりにいたんではなかったか?

横浜づいている、というわけでもないけど、続くときには続くものであります。

最近は副都心線が横浜中華街まで直通となったりしたこともあって、都内から横浜へ行くルートもえらくバリエーションが増えたものだ。

ああ行こうかな、こう行こうかな、などと迷ってしまう。

そんな横浜駅から相鉄線で一駅先の「平沼橋」駅から徒歩10分のところに、横浜イングリッシュガーデンはある。

住宅展示場の一角にあるので知る人ぞ知るという感じもしないでもないが、今や人気スポットとなり、多い日は一日に1000人以上の来場者もあるのだそうだ。

実はここがリニューアルオープンする前に、一度様子を見に行ったことがある。

そのときはまだ作業が進行中の状態で、植栽もまだ寂しかった。

それが僅か一年ちょっとの間に、見事な変貌を遂げていた。

4人のガーデナーの方々の献身的な仕事の賜物と思う。

バラの見ごろは終えていたけど、アキレア(ノコギリソウ)など、ご覧のとおりまだまだ花盛りであります。

植栽に使われている品種数など実に豊富で贅沢。

横浜まで行くついでのある方は、一駅足を延ばして横浜新名所、横浜イングリッシュガーデンに行かれてはいかがでしょうか。

2013年6月15日土曜日

似て非なる街角の風景


東京は2日ほど雨が降って、梅雨なのかと思わせた。

でも冷静に考えると、梅雨ではなくて単に台風の影響だったのかも。

有難いことにやや気温は低めだけど、今日はかなりムシムシして夏を思わせた。

このブログを近畿地方で読んでくださってる方もいらっしゃると思う。

近畿地方の暑さは、また尋常ではない感じですね。

こうやってみると日本も狭いようで、かなり広いものだ。

さて、暑くなってきて季節が夏へ向かうと植物たちも入れ替わりが激しくなってくる。

この前書いた、タチアオイもかなり夏っぽかったけど、最近はキョウチクトウやノウゼンカズラといった盛夏を思わせる花も咲いている。

昨日見かけたのはノウゼンカズラ。



オレンジ色の花、白い壁・・・・

これはこれで見ごたえがあるけど、これを見ていて以前ポルトガルで見かけた風景を思い出した。


赤い花、白い壁、そして澄んで青い空。

ちょっと似ている気がするのだけど、どうでしょう。

しかし決定的に違うのは澄んで青い空。

スカッと澄んでいるあたり、湿度がかなり低いように見受けられる。

そしてとてもシャープな太陽光。

これぞまさに地中海地方の典型的な天気ではないだろうか。

翻ってノウゼンカズラの垂れ下がる壁はややクリーム色がかっているし、空はどんよりとグレーの雲が垂れ込めている。

似ているっちゃ似ているけど、似てないっちゃ似てない。


2013年6月14日金曜日

アメリカ違い


昨日は溜池のアメリカ大使館付近にいた。

植物品種保護戦略フォーラムというやや固苦しい名の会合があったのだった。

元千葉大学大学院教授の三位正洋先生による
「海外遺伝子資源の利用による植物品種、花卉品種の開発について」
という特別講演があったのだけど、これは凄かった。

さすが天下の千葉大の先生であります。

その知識と経験にただひたすら圧倒された。

さらに、自分がいかに器が小さいかと思い知らされた気がして黙るしかなかった。

ところで、そのフォーラムが開催されたビルの玄関付近には、多くの報道陣が取り巻いていた。

ハテ、なんだろう、とは思ったけど、さして気にも留めなかった。

家に帰ってニュースを見ていたらば、軽はずみなつぶやきをして話題になった参事官の所属する復興庁がそのビルに入っていたのだった。

なるほど~。

ビルから外に出てみると、雨はまだ降っていた。

右手奥にはアメリカ大使館。

目の前には背の低い街路樹が植えられていたのだけど、赤い花が咲いていたのがとても目立った。



すぐにアメリカデイゴ Erithrina crista-galli であると分かった。

だって、こんな色の花を咲かせるヤツはそんなにいないもの。

雨打たれたせいか、花柄が濡れた道路に落ちていて、それはそれでキレイだった。


アメリカデイゴの街路樹というのも珍しいなぁ・・・

そんなことをボンヤリ考えてながら歩いていて「!!」と閃いた。
アメリカ大使館前だからアメリカデイゴなのでは?!

なにやらとても良いところを突いている気がしたが、冷静に考えるにアメリカデイゴの「アメリカ」はUnited States of America のアメリカではなく、南米のアメリカでした。

惜しい。

でもこれでまた新たに自分の頭の中の「都内植栽地図」にアメリカデイゴが加わった。


2013年6月13日木曜日

木登り


えー・・・何から話したものかなぁ。

イギリスに行ってきます、「木登り」をしに。

何やら唐突だけど、今月末から7月一杯イギリスに行ってくることにしました。

滞在先はキューガーデン。

話は長くなるので割愛するけど、簡単にいうとボスから「手伝ってほしいことがある」ということでキューガーデンに行くことになった。

しかしボスの用事といったって、朝から晩まであるわけでもないので、空いた時間を有効活用すべく「高木チーム」、わかりやすく言えば「木こりチーム」に入ってキューガーデンでの高木管理の仕事にあてることにした。

キューで学んだ3年間のなかで、僕はラッキーにもこの高木チームで3ヶ月を過ごすことがあった。

そしてあらためて、樹木の素晴らしさ、愉しさ、奥深さを実感した。

木こりといったのは、あながち嘘ではなくて、木に登ったり、木を切り倒したり、まさに「男」の世界だった。

チェーンソーを扱うチームリーダーを見て、心底カッコ良いと思った。

イギリスではチェーンソーを扱うには免許がいるが、この資格もチーム所属中に取得した。

木登りといったって、地上数十メートルの樹木に登るのだ。

登山のように、ハーネスとロープを使って、安全にそして効率よく登って行く。

僕はこれが大好きで、仕事であることを忘れて木登りを楽しんだ。

しかし、これは単なる遊びではない。
申し上げているように、いかに安全に効率よく木に登るかという点において、とても合理的な技術だと思う。

一方、日本の植木屋さんはどうだろうか?

安全帯を使うケースもあろうが、基本的にはフリークライミングといって、地下足袋イッチョでスイスイと登って行く。

落下することもあるだろうし、目的の枝に手が届かない場合もあるだろう。

ときどき木から落ちて大怪我をした植木屋さんの話を耳にすることがある。

イギリスをはじめ、欧米ではありえないことだ。

別に外国かぶれというのではない。

良いものは良いわけで、良いものは積極的に受け入れてはどうだろうか。

そんなことをずっと考えていた。

そして、今回期せずしてそのチャンスが巡ってきた。

キューガーデンの木こりチームにみっちり1ヵ月シゴいてもらおうと思っている。

そして自分自身が安全に楽しく木に登る術を身につけたいと思う。

キューガーデンを離れて7年近くになる。

7年経って、またキューガーデンに一か月という限定期間ながら舞い戻ることにも、とても興奮している。

昔の仲間と一緒にまたあの日のように働けるのだ。
仕事が終わったらパブに繰り出したりして、積もり積もった話もできるだろう。

また新たなネットワークが広がるかもしれない。

そんなビッグプロジェクトを間近に控え、今はとてもコーフンしております。

もちろんやるべきことは山積みなので、そちらもぬかりなく・・・。