2013年2月28日木曜日

三つ又のミツマタ


なにやらfacebook祭りになってしまった。

いかんいかん。
平常心にて、通常の花咲ブログをお届けしましょう。

そうそう、超巨大ホームセンターにいって、鼻血がでるほどコーフンしたという話しだったね。

色んなものがあった。
逆を言えば、ないものをを探すのが大変なくらい、と言ったら大袈裟だろうか。

でもそのくらい、僕の近所で見かけるガーデンセンターとは規模が違ったのだ。

そんななか、ミツマタを見つけて思わず一人でニヤリとしてしまった。

なんでか?

それは、ミツマタの枝はちゃんと三つ又になっているんですよ、と分かっていただきやすいモデルのような株だったからだ。

地面からスーッと一本幹が出る。
そこから先は3つに割れて、さらにその先も3つに割れる・・・

口で言っても、それを見ないことにはなかなかピンとこないと思う。

で、なるべく分かりやすい写真を撮ってブログでご紹介したつもりだけど、所詮は周囲の植栽と紛れてしまって、なかなか分かりづらかったのではないだろうか。

でも、このガーデンセンターにあったミツマタは移動が可能。

まわりに何もないアスファルトの上に置いてパシャパシャと写真を撮ってやったぜ。

これで、「どこがミツマタなんだか分からないです」とは言わせないぜ。



しかしなんでかなぁ。

なんでこうも律儀に三つ又、三つ又を繰り返すんだろうか?

理論的、かつ科学的に誰か解説してくれんだろうか?

僕が言えるのは、「遺伝」というか、それが持った血筋だからではないかということだけ。

さぁ、明日から3月。

春めいてきて良いんだけど、やることがさっぱり進まずに焦るゾ。


2013年2月27日水曜日

チェルシーにいつ行くの?今でしょ。


そんなわけで昨日からはじまりました花咲園芸総研facebook

思った以上の反応があって、ちょっとビックリです。
有難うございます!!

ご覧いただいた方はお分かりいただけると思いますが、facebookはあくまでfacebookであって、この花咲ブログとは内容が異なる。

facebookでは、やや宣伝・告知色が強くなっていて、各種イベントなどのお知らせや御報告をしていこうと思っています。

そして花咲ブログはこれまでどおり、植物目線で日々楽しい話題を季節感たっぷりにお送りしていこうと思っています。

どちらに重きをおいているか。
それはやっぱり花咲ブログでしょ。

もうかれこれ丸5年毎日書いているわけだから愛着度合が違うよ。

まぁこれまでも花咲ブログでも宣伝・告知的なことは扱ってきたけどもね。

今、イチオシで告知に努めているのはなんといっても毎年恒例の

今年は5月18日~23日4泊6日とコンパクトな日程となっている。

主催者である英国園芸協会日本支部さんからご相談をいただいたときに、
「今年は旅程をコンパクトにして、従来行きたくても行けなかった人たちにも参加しやすくしませんか」ってなことを申し上げた。

なので土曜日出発で、木曜日の朝に帰ってくるというコンパクトさ。

やる気と元気さえあれば帰国した木曜日、空港からそのまま仕事場にむかってもヨロシイ。

そしてお値段も30万円を切っている。(諸経費をのぞく)
RHSJ主催・JTBがオペレートする信頼できるツアーとしてはかなり頑張ったお値段だと断言できる。

僕はツアーリーダーとして旅のサポートをさせていただく。
僕とは別にツアコンの方がつくが、この方がメチャメチャできるのだ!!
毎年このチェルシーツアーに同行されているツアコンの方で、ツアーを熟知していて、さらに細かいところまで行き渡る素晴らしい方なのであります。

もう大船にのった感じで、あとは荷物をまとめて行くだけ。

流行りの言葉で表現するならば
「いつ行くの?今でしょ。」

チェルシーフラワーショウには初日メンバーズデー(5月21日)に突入の予定。
事前には僕が『今年のチェルシーの見どころ&攻略法』というレクチャーもさせていただきますので、存分に楽しんで頂けることと思います。

なんたって、今年はチェルシーフラワーショウ100周年の特別な年だからね。
行く価値は大いにあると思うよ。

旅程はコンパクトにしたが、その他も決して手を抜かない。

RHSJさんからご相談をいただいて、今回自信を持って訪問先をご提案させていただいた。

まずキューガーデン。
僕が一緒に行くんですから、やはりキューガーデンは外せないでしょ。



キューガーデンはお好きな方であれば丸一日いても時間が足りないと思うけど、そこはエッセンスを取り出して多くの方にご満足いただけるように工夫するつもりです。

現在調整中ですが、ある秘策によって園内を楽してグルッと回っちゃうなんてことも考えております。

この前の「ウィソンを追いかけて」やってきたボスもスケジュールが合えば挨拶にでてきてくれることになっている。

そしてナショナルトラスト管理のフェントンハウス。



フェントンハウスはロンドンの北、地下鉄Northern LineでHampstead駅から歩いてもスグにある知られざる名園であります。

こじんまりとした隠れ家的な庭なので、知る人ぞ知る庭といえる。
実はここのヘッドガーデナーは、僕がキューガーデンにいたときに一緒のチームで働いていた友人なのだ。

それは全くの偶然で、昨年たまたま友人と彼の話になったら
「ああ、やつならフェントンハウスのヘッドガーデナーになったよ」
と聞いて、訪ねてみたばかりだった。

それ以外にも、宿泊先であるホリデーインは地下鉄グロスター駅すぐで、チェルシーフラワーショウ会場までも歩いていけるほど便利な場所にある。
ハイドパークもすぐそこ。

今回は基本的にロンドンのこの場所をベースとして大きな移動をしないが、その分効率的で疲れのない楽しい旅がしていただけることと思います。

詳しい情報、パンフレットのダウンロードはRHSJさんのHPよりどうぞ。

そしてこのツアーの説明会を来週火曜日(3月5日13:00~)にJTB新宿パークタワー26階で開催します。
もちろん無料。

僕がツアーの要点をまとめたスライドショーを行って、旅に関するご質問などにもお答えする場となっております。

説明会には事前のお申込みをお願いします。
JTB 03-5909-8242 担当:銀山(ギンザン)

・・・ということで、今日のブログは宣伝・告知になってしまいました。

5月の英国は日長くて21:00過ぎまで明るいし、晴れていればカラッとして気持ちいいし、花もきれいだし、良いと思うなぁ。

そしていつ行ってもビールが美味しいということも付け加えておきませう。



2013年2月26日火曜日

『花咲園芸総研』 facebook開設のお知らせ


えー突然ではありますが、お知らせをひとつ。

このたび facebook を開設いたしました。

「今さら??」 なーんて言わないで。




ブログは結構長いこと続けてきて、日々自分が見つけた植物に関する話を書いてきた。

これとはやや趣を変えて、facebook の特性を活かした情報を発信していきたいなと思います。

とはいうものの僕自身これまでfacebookにはあまり関心がなく、どこをどうしたらどうなるのか、なーんてことも、おっかなびっくりといった感じ。

数週間の助走期間をおいて、あれこれ試した結果、今日のお知らせとあいなったわけだけど、それでもまだ心もとない。

なのでちょっとビビリつつ、走りながら考えてみようかな、と。

facebookでは主に僕のかかわるイベントや、仕事のことなどについてお知らせしていきたいと思っています。

是非、お友達お誘いあわせのうえページにご参加いただければ幸いです。

ご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。

2013年2月25日月曜日

アスパラガスの根


いろいろあるでよ、ガーデンセンター。

これは何だ?

干したカンピョウみたいなんだけど。

これはどうもアスパラガスの根のようだ。

これを植え付けて、アスパラガスを育てるのだという。

へー、こんな風にしてアスパラって育てるの?

知らなかったなぁ。

このヒゲのような根を植えるとあの美味しいアスパラができるのか。

アスパラガス Asparagus officinalis はユリ科の植物であります。

昨日のカサブランカもユリ。
ホクホクして美味しいのもユリ根。

どうもユリ科づいているではないか。

ヒゲのような根ってのも、正しい。

何故ならば、ユリは単子葉植物であり、単子葉植物の大きな特徴のひとつが「ひげ根」なのであります。



それに対して双子葉植物は「直根」といって、まっすぐに主根が地下に伸びる。
ニンジン、ダイコン、ゴボウなど、あれが直根ね。

なるほどぉ、アスパラガスの根ってこんな風になっているのかぁ。

ガーデンセンターをウロウロするだけで、ずいぶん勉強できちゃうなぁ。

これで999円。

これはこれでお安いのだろうけども、サンシュと同じ値段ってのもちょっと変だよね。


2013年2月24日日曜日

びっくりカサブランカ


大きな木箱にあふれんばかりに積上げられていたのはユリのカサブランカ。

なんか見たことあるぞ、スーパーや八百屋さんで。

それもそのはず、ホクホクして美味しいユリ根と理屈は同じもの。
ユリがせっせと栄養をため込んで太らせた部分で、栄養とはすなわちデンプンなどの糖なわけで、ほのかに甘くて美味しくて栄養価が高いということになる。

よくユリの球根とかいうけども、正確には鱗茎という。

食用になっているのはオニユリの仲間だと思うが、これだけ大きなカサブランカはどうなんだろう?

食べて毒ってことはないんだと思うんだけど、ちょっと興味はある。

さてさて、スゴイのはそのお値段であります。

なんとこの巨大なユリ根がたったの280円!!

某ネット通販などでカサブランカのユリ根を見てみると、1球だいたい400~500円はする。
一般の園芸店ではその倍くらいするんではないだろうか。

それがたったの280円。

昨日のサンシュといい、このカサブランカといい、ちょっとありえないカンジがする。

安倍政権が脱デフレなんていっているけど、このガーデンセンターではどこ吹く風といった風情だ。

こんなガーデンセンターが近所にあったらば、ついついアレコレと買ってしまって、家中植物だらけになってしまうだろうなぁ。





2013年2月23日土曜日

サンシュ999


ウィルソンを追いかけたときほどではないながらも、かなり非日常的な3日間でありました。

日常の自分の生活を断ち切って、どこか別の場所で別の人と過ごすというのは本当に非日常。

いろいろと勉強させていただきました。

それにしても2日間の会場となった超大型ホームセンター、ジョイフル本田は本当に凄かった。

その規模、大きさ、品揃え、どれをとっても非日常的で、終日ここで飽きずに過ごすことができそうな感じがした。

こんなに大きいのにジョイフル本田としてはまだまだ大きい規模の店舗があるというのだから驚きである。

こういうのは郊外型ガーデンセンターの特色であり、都内にはこんなに大きなホームセンターはない。

ジョイフル本田で唯一東京都内にあるのが瑞穂店といって福生の近く。
一度行ったことがあるが、中央高速に乗って八王子インターで降りるといった具合でエラく遠かった記憶がある。

こんな大きなホームセンターが近くにあったらば楽しいだろうなぁ。

さて、せっかくなのでジョイフル本田で気になったものなどを数日に渡ってご紹介してみようと思う。

もうブログネタの宝の山だったのだ。

最近、花芽がほころび始めたサンシュ Cornus officinalis も、もちろん置いてあった。

置いてあった苗もちょうど花芽がほころんで咲く一歩手前くらいだった。

春の訪れを感じるゾ。

そう思ってしばらくサンシュの苗を鑑賞していた。

で、改めて値札を見て驚いた。



ナント、このサンシュの苗のお値段、999円ですよ。

このサンシュは丈が120センチくらいはある立派なもの。
枝ぶりも、花つきも、なんら遜色ない。

それがナント999円。

桁を間違えているんではないかと疑うほど。

9999円でも、「ちょっと高いなぁ」と思いつつも、買ってしまってもおかしくない値段だと思う。

それがナント999円。

今すぐにどこかへ植えようとか、そんな案件もないながら、思わず数株欲しくなってしまう思いだった。

実生からというより、挿木で増やしたのではないかと思うが、それにしたってこのサイズになるまでには3~5年くらいはかかるんではないだろうか。

それがナント999円。

大丈夫だろうか。
採算はとれるんだろうか。
誰かが裏で泣いているんではないだろうか。

そんな心配もチラリを脳裏をよぎる。

こんな調子で、いろいろとコーフンさせらるマジカルな場所でありました。


2013年2月22日金曜日

プロの牛乗り人


早いもので柏での3日目。
今日が最終日となる。

これまでの2日間と異なり、かなりフォーマルな会場を使っての盛大なセミナーであります。

200人近くの参加者があったのではないだろうか。

僕の仕事は15:00頃からアメリカ人の講演の通訳。
ざっと90分くらいの予定だったのが、わりとあっさりと60分くらいで終わってしまった。

短い分にはこちらの消耗が低減されるので、僕としては文句はないけど。

ところが、これでは全体のバランスが悪いということで、次の演者であるイギリス人の講演を90分から120分に急遽増やすことになった。

結局、負担は変わらないというか、90分X2講演ではなく、60分+120分の講演となったので、一気に消耗レベルがアップすることとなってしまった。

2時間思考を続け、しゃべり続けるのはかなりのものと思うよ。

まぁ細かくは書かないが、何とか3日間の通訳の仕事を成し遂げた。

終えたあとの懇親会は、もうボーっとしてビールグラスを持ったまま立ち尽くすといったところだったけど、ちょっとした達成感があった。

全然懇親していないのはもったいなかった。

改めて語学は使わないと錆びるなぁと思ったし、英語と米語の違いも実感した。

心配していたバージニア訛りの米語は、彼も意識してゆっくり話してくれたので、なんとか乗り切ることができた。

ああ、アメリカ人だなぁと思った話を最後にひとつ。

昨晩は彼らそして彼らの奥さんなど家族を交えて夕食に繰り出した。

アメリカ人の彼の奥さんに
「あなたは普段どういう仕事をしているの?」
と尋ねられ、「アレコレとやっているんですが、最近は大学院で育成者権について教えたりもしているんです」なんて話をした。

因みに育成者権は英語では Plant Breeders' Rights 略してPBRという。

なので会話の中にPBRと入れたところ、彼女は
「PBRって Professional Bull Riders のこと?」
なーんて言う。

Bull 雄牛、Riders 乗る人
つまりロデオのことで、プロの牛乗り人みたいなものだろうか。

確かにPBRでググッてみると、出てくる。
 http://www.pbr.com/

初めてだよ、そんなこと言われたのは。

さすがアメリカ、育成者権もロデオになっちゃうのね。

さぁ明日からはまた通常営業です。

週末だから休みでしょって?

いえいえ、そこはフリーランス、この3日間でため込んだ仕事があるので、それらに取り組まねばならない。

頑張りマス。



2013年2月21日木曜日

困った予感


そんな訳で今日も柏に泊まっています。

朝起きると快晴。

ホテルの部屋からは青く澄み渡った空が。


遠くには富士山が見えた。

千葉県からもこんなに近く富士山が見えるんだね。

富士山の不思議なところは、柏から見た富士山のほうが都内から見た富士山よりも大きく見えたということ。

明らかに柏からの方が距離がありそうなんだけど。

さらにはご存知、東京スカイツリーも遠くにハッキリと見ることができた。



さて、通訳の仕事2日目の今日は、昨日と異なる参加者に昨日とほぼ同じ内容のワークショップを行った。

会場は昨日と同じくジョイフル本田荒川沖店。

まずは講師の英国人がレクチャーをする。

そのレクチャーはたしか昨日は1時間半くらいだったと思ったが、今日は10:00に始まって終わったのは12:00を回っていた。
途中休憩もなく突っ走った。

僕が講師ではないのでなんともならない。

途中で頭がボーっとしてきて、時計を見て初めて長い時間突っ走っていることを悟った。

ヘトヘトになって、昼食をはさんで今度は実演、実技を正味2時間。

これは午前中の講演ほどの密度はないものの伝えることが多くて参った。

参ったっていったってこれは仕事なので、そこはおくびにも出さずに完遂した。

ということで2日目を無事終了。

あとは明日の大セミナーだ。

ここでひとつ困った予感が。

明日は英国人講師の通訳と併せて米国人講師の通訳もするのだけど、この米国人と事前打合せをしてちょっと汗が出てきた。

というのは、彼の英語がなかなか頭に入ってこない。

何故かというと典型的な米語アクセントで、さらにヴァージニア州出身ということで独特の訛りというかアクセントがある。

打合せのときに、既に脳が疲労していたこともあったが、彼の言っていることの40%程度しか理解できなかった。

これはマズイ。

明日のセミナーまでには体調を整えて、集中力を高めておこうとは思うが、一抹の不安を禁じえない。

米語と英語は、僕の耳には全く別の言語に思える。

これまでに一番強烈だったのはアン・リー監督の「ブロークバックマウンテン」を字幕なしで見たとき。

ブロークバックマウンテンとは二人の男性カウボーイの同性愛を描いたもので、今は亡きヒース・レジャー、そしてジェイク・ジレンホールが主演。

この映画でヒース・レジャーが何を言っているのか全く理解できなかった。

理解度は5~10%くらいだったと思う。

カウボーイ独特の田舎っぽい、男っぽい話し方だからだと思うよ、とイギリス人からは励まされたけど、あまりに分からなかったのでイヤになった。

それに比べれば40%は悪い数字ではないが、でも自分だけの問題ではなくて、通訳としてそれを伝えなくてはいけないのだから勝手が違う。

通訳を生業としている人は、こういうあたりをどのように解決しているのだろうか。

訛り、アクセントはもちろんそうだろうし、通訳する業界用語、専門用語なんかもあるだろう。

よっぽど勉強するんだろうな。

今回通訳をすることになったのは、この園芸に関する業界用語、専門用語についてはOKだからということに尽きると思う。

通訳をしないまでも、趣味で海外の園芸雑誌や書籍、あるいはネットをブラウジングするには園芸英語は知っていて損はない。

そんな園芸英語を知りたい方、身につけたい方は毎月第2日曜日池袋西武コミュニティーカレッジで開催しております
にお気軽にご参加ください。

なーんてさりげなく宣伝して通訳業第2日目の御報告としたいと思います。

2013年2月20日水曜日

脳ミソ全開


昨晩から千葉県柏市に来て泊まり込んでおります。

都内から柏なので通えなくもないのですが、打合せやその他もろもろ考えて泊まった方が賢明であろうということで。

仕事というのは、オーストラリア在住の英国人経営コンサルタントのセミナーの通訳。

実は昨年、彼が来日したときも縁があって通訳をさせていただいた。

今日と明日は茨城県の超巨大ホームセンターであるジョイフル本田を会場として、
「売れるためのディスプレイとは」
というような内容でワークショップを行う。

そして金曜日には別のセミナー会場で約200人を相手にセミナーを行う。

金曜日はその英国人の通訳に加えて、アメリカ人の講師の通訳もやることになっている。

別に自分で講演をするわけではなく、他人が喋ったことをオウム返しのように話せば良いので簡単だと思ったら大間違い。

こんなことを話すということはザックリと分かっているが、彼がその場で何をどのように話すかは別にシナリオがあるわけではない。

彼が話すことをシッカリと聞き漏らさないように耳をそばだてて、それを適当な日本語に瞬時に変換して分かりやすいように伝えるというのは思ったよりも脳への負荷が高い。

常に脳ミソのエンジンを100%全開フルスロットル状態にしておくことになるので、90分もそんなことをやったらば、もうヘトヘトになってしまう。

今日は午前に大体90分ブッ通しでそんなことをやって、午後にワークショップをおよそ2時間。

大袈裟ではなく、立っていられないほどの消耗度でちょっとビックリ。

これとほぼ同じ内容のワークショップを明日もやる。

そして金曜日には200人を前に英国人と米国人それぞれ90分の講演を1セットづつ、計3時間通訳し続けるという過酷さ。

これは耐久レースなみの消耗が予想される。

自分で考えて、自分の言葉で話す、自分の講演の方がよっぽど負担が少ないというのはちょっと意外だけど、これホントの話。

ということで、これから打合せをした後は早めに休もうと思います。

でも今日も寒かったけど天気が良かったなぁ。

会場となったジョイフル本田荒川沖店からは筑波山がクッキリハッキリと見えた。

そんな東京から近くて遠い、近郊出張初日のお話でした。



2013年2月19日火曜日

なかったことに


花咲ブログは植物目線のブログなのでありますが、今日はまったく植物と関係のない話。

ご容赦くだされ。

というのは、ちょっと感激してしまったから。

ジョンスメドレー(John Smedley)をご存知だろうか。

英国のニットメーカーで、メリノウールを使っているが30ゲージというヒジョーにキメの細かい目で編み上げてあるのでチクチク感は皆無。

というか、これに袖を通したときの着心地の良さは他にちょっと例えようがない。

同じようにシーアイランドコットン(海島綿)を使ったポロシャツも、軽くて吸い付くような肌触りで一度袖を通すと病みつきになる。

加えて英国製でしょ。

決してお安くはないが、それ以上の価値はあると思う。

なので、セーターも、ポロシャツも幾つか持っていて大切に着ている。

そんなある日、いつも着ているニットを畳もうとしていていたらば、右の肩口がほころんでいるのを発見してしまった。

どうも何かに引っ掛けてしまったらしい。

このでっぱり、切ってしまったらそれで最後。
あとはそこからどんどんほつれていってしまうだろう。

かといってこのまま放置するわけにもいかない。

どうしよう。

ジョンスメドレーに持ち込んで直してもらうか。

以前、このブログでLLビーンのブーツを直すのに、彼らはわざわざ本国に送り返していたとご紹介した。

このニットもこんなに小さなほころびを直すのにそんな大げさなことをするのだろうか。

そこでネットであれこれと検索していたらば、ニットの修理を専門にしているサイトを発見した。

場所はナント長野県白馬村。
スキー場の脇にあるんだろうか?

ここに宅急便で送ると、ちょいちょいと直して送り返してくれるという。

早速送ってみた。

知らせてきた見積もりが2800円(税別)。

高いんだか、そうでないんだかよく分からなかったけど、それでこのほころびがチャラになるんだったら安いような気がした。

そして一週間もしないうちに送り返されてきた。

広げてみてビックリ。

どこにほころびがあったのか判別できないくらい。

まるで魔法のようだった。

仮になにか取り返しのつかないような失敗をしでかしたとして、それがなかったことになるとするようなサービスがあればスゴイことではないでしょうか。
まさに夢の世界、あるいは映画の世界。
もしくはドラえもんの世界。

それがニットのほころびの修理においては、「なかったことにします」というフィクションのようなことが実際に起きたのだった。

ちょっと感激したし、とても不思議な気がした。

ということで、今日の話は植物となんら関係はないけども、僕が出会った日常の感動をお伝えしたくてちょっと脱線してしまいました。

お気に入りのニットを直したい方、あきらめることなかれ。


2013年2月18日月曜日

ぬくぬく、早春フクジュソウ


石垣に手をあてて、暖かったと昨日のブログで書いた。

世の中、概して寒くて冷たかろうと、陽のあたるところなど局地的に暖かい場所があったりするものだ。

昨日のように、陽にあたって暖かくなった石の上でトカゲなんかが日向ぼっこしていることがある。

トカゲのそういう行為を basking と英語ではいう。

バスキング・・・ あまり馴染みのない言葉だけど、英語で自然について学んだときに出てきた単語で妙に記憶に残っている。

なんで記憶に残ったか?

それは暖められた岩や石のうえで気持ちよさそうにトカゲが日光浴している姿が鮮明にイメージできたからだったと思う。

こうやってイメージが鮮明に持てると、記憶として深く刻まれるような気がする。

トカゲは爬虫類なので、自分の体温は外気温に激しく影響を受ける。

気温が低くなると、日光浴をして体温をあげようとするのだと思う。

おっと、このブログは植物志向のブログであって、爬虫類、鳥類、昆虫類、哺乳類などは専門外でありました。

さて、前フリが長くなりました。

もうちょっと別の前フリもしておこう。

昨日の新聞で東京都北区の自然観察園でフクジュソウが咲き始めた、なんて記事があった。

ロウバイが咲いて、フクジュソウが咲く。

春の花、トップバッターを争う花たちのひとつがフクジュソウだ。

そんなフクジュソウには温度に関する面白い話があるのだ。

春先は寒い。

虫たちもどうにかこうにか活動はしているものの、寒さは身に堪える。

そのあたりの虫心(?)を知ってか、このフクジュソウは暖かさを虫たちに提供しているのだ。

どういうことかというと、フクジュソウの花弁はまるでパラボラアンテナのようなカップ形状をしていて、太陽の光が花びらに当たって反射して、花の中心部に光が集まるようになっている。

すると花の中心部の温度は、外気温より1~2度、あるいはそれ以上高いと言われている。

それを知った虫たちが暖を取りにフクジュソウに集まってくる。

彼らはフクジュソウの花の真ん中でゴロゴロと寝転んで暖を取って、しばらくすると別の場所へ移動していく。

そのゴロゴロしたときに自分の身体に花粉をつけているとも知らずに・・・・

そして別のフクジュソウに暖を取りにいくと、花粉が別の個体に運ばれたことになるという仕掛けだ。

なんとクレバーな!!

昨日の石垣といい、今日のフクジュソウといい、ほんのりと暖かい場所というのはあるもので、それを利用する者は、その存在をちゃーんとわきまえているのだ。

専用の計測器で、フクジュソウの花の中心部の温度と、外気温の差をちゃんと測ってみたいなぁ。




2013年2月17日日曜日

石垣に手を当てて


ここ数日、本当に冷え込みが激しい。

吹く風は刺すように冷たかったりして、思わず首をすくめて歩いてしまう。

今朝はちょっと用事があって、趣味と仕事を兼ねて自転車で出かけてみた。

家を出たのは7:00頃。

それなりの恰好をしていたつもりだが、風の冷たさにイヤになった。

それでもしばらく自転車をこいでいると身体は暖まってくるが、それは体幹部分の話。

手や足の指先などは冷え切ったまま。

特に自転車をこぐときの足の冷え方はハンパではない。

本格的に自転車に乗るのであれば、足先が冷えないようなカバーをするのだけど、今日はそれほど本格的に長距離を行くつもりはなかったので、軽装で出かけたのだった。

まぁ、今日くらいの寒さだと、そんな足カバーをしたところで焼石に水といったカンジで気休めにしかならないけど。

サクっと仕事をこなして、再び家に向かって自転車のペダルを踏む。

道路に撒かれた水がところどころで凍っていたのを見て、改めて気温の低さを感じる。

とある池には鯉というか金魚というか、そんな魚が泳いでいたが、見てのとおり表面には氷が張っていた。

うわー、寒そうだなぁ

そう思って池をのぞきこんだらば、エサをくれるかと魚たちが寄ってきた。

冷たかろうにご苦労なことだ、魚は寒くないのか?
氷を通して人の気配を感じるのか?
窒息しないのか?
仮にエサをやろうとしても、氷に阻まれて彼らに届かないけど・・・・

そんなことを考えたり感心したりして、しばし池に見入った。

太陽もかなり上がってきた。



とある石垣の隙間に数種類の植物が育っているのを見つけた。
石と石の隙間に緑が見えるでしょ。

恐らくこれはツタバウンランCymbalaria muralis かな。

太陽の光を真正面から浴びている様子をみて、なんとなく石垣に触ってみた。



なんとビックリ、その石が暖かったのだ。

これを当たり前と片付けてしまうこともできるかもしれないが、正直ちょっと意外なくらいに暖かったのだ。

いくら日に照らされているといっても外気温が5度くらいだとすれば、石はヒンヤリと冷たいのではないかと思うのだが、なんのなんの。

自分の冷え切った手も少し暖まったほど。

石垣の隙間に育つ植物たちにとっても、これはかなり都合が良いだろうし、アリをはじめとして色んな虫たちの活動も盛んなんだろうなと思われる。

そしてその近くに、ホトケノザ Lamium amplexicaule も一株だけ咲いていた。



この前、神奈川の真鶴に行ったときに早くもホトケノザが咲いていたよ、と書いたが、あそこは周辺に比べて特別に暖かい場所だったので、例外的にホトケノザが早く咲いていたのだと思う。

今日見かけたホトケノザも、周辺ではまったく咲いておらず、この日の当たる石垣の隙間にある一株だけ花をつけていたのだ。

この石垣だけの特殊な気候条件だといえる。

雪が降っても、すぐにとけてしまう場所と、何週間もしつこくいつまでも残っている場所が微妙にあるように、同じ都内であっても、その場所の日照、方角、風当たりなどの諸条件によって植物の生育に大きく影響するんだなぁ、と暖かい石垣に手を当てて実感した次第。