2012年2月29日水曜日

ブリティッシュカウンシルにて


東京は朝から雪。

6時ころに起きたときは、まだそれほどでもなかった。

どうしてもやらねばならない植栽の仕事があったので、雪が激しくなる前に家を出た。

その後、しんしんと雪は降り積もった。

植栽の仕事を無事に終えて家に戻ってから一段と勢いを増した雪を見て心配だったのは今日のブリティッシュカウンシルでの英国ツアーのレクチャーだった。

皆無事に来れるだろうか・・・。

そんな心配をよそに多くの方々にお集まりいだだきました。

皆熱心に今回の英国ツアーのハイライトについて僕の話を聞いてくださった。
有難うございます。

続くブリティッシュカウンシルのチャーミングな先生による英語レッスンも皆さん積極的に参加されていた。

もう気分はロンドン、もしくはヨークに向けてエラく高揚した。

アッという間の2時間だった。
色んな質問も沢山頂戴してとても充実したレクチャーだったと思う。

次回は3月9日(金)19:00~21:00 定員15名
あと少しだけお席もあるようですので、もしよろしければ是非お越しください。

お問合せ・お申込は コチラ までどうぞ。

さぁ明日からは3月。
忙しいが張り切ってまいりましょう!




2012年2月28日火曜日

官能的な造形美


旅のお知らせ、通常ブログ・・・押したり引いたり、行ったり来たり、寄せては返ししておりますが、今日はちゃんと植物の話。

今日は2月28日。
通常であれば2月は今日までだが、今年はうるう年ということでもう一日オマケがある。

最近は迫りくる確定申告の期限にハラハラしながら、こなさねばならない日々の仕事とのハザマであっぷあっぷしている。

この一日のオマケは有難い。

確定申告といえば、昨年はようやく仕上げた申告書を持って提出するために電車を待っているところで、あの大地震にあった。

・・・あれから一年経とうとしているのか。
激動の一年だった。

季節も着実に春へと向かっていると言いたいところだが、明日は東京でも雪が降るというではないか。
ここでも季節が行ったり来たり、寄せてはかえしているようである。

さて抜けるような青空を見ると、木には何かの実がなっている。

これだけ見てなんでしょう?と訪ねたとすると、恐らく「プラタナスなんじゃないの?」という答えが返ってきそうだ。

いい線をついていると思う。

プラタナスは別名スズカケノキといって、木に鈴を掛けたような様子からその名が付いたわけで、今日の写真をみればまさに鈴が枝に掛かっているように見える。

しかし鈴を掛けたような実がなるのは何もスズカケノキだけではないというのは自然界の面白いところである。

正解はモミジバフウ Liquidambar styraciflua というマンサク科の落葉高木だ。


実を近くで見ると確かに球形をしているが、ところどころに穴が開いていて中からすでにタネがこぼれ落ちたことが分かる。

それはそれとして、神様はどうしてこのような形の実を創ったのだろうか。

だって、このモミジバフウの実を良く見て欲しい。
なんともいえない造形美がそこにあると思うのだ。

これだけ棚に置いておいても立派なオブジェになると思う。

実際、こういった思わず唸っちゃうような造形美を持った植物の実をアクリルなどに流し込んだものを販売しているのを見たことがある。

買うとそこそこの値段がするが、拾ってくればタダであります。
散歩ついでに宝探しをすると面白いと思うなぁ。



2012年2月27日月曜日

お誘い・・・


花咲ブログは通常営業に戻ったはずではありますが、やはりビッグイベントゆえ、ポツポツと断続的にお知らせすることが出てくると思います。


「も~、宣伝ばっかりなんだから・・・」なんて怒らないでお付き合いください。


さて、今日お知らせしたかったのは、先だってもお知らせしたブリティッシュカウンシルでのレクチャーについてであります。


2時間のうち前半は僕が今回の英国旅のハイライトについて写真をふんだんに使ってご紹介し、後半は経験豊富なブリティッシュカウンシルの先生からトラベル英会話の手ほどきを受けられるという、なんともお得な企画であります。


2月29日、3月9日ともに、まだ若干の空きがあるようなので、もしご興味がありましたらば是非いかがでしょうか。
話を聞きに来たらばツアーに申し込まなければならない、なんてことはもちろん無い。
是非お気軽にご参加いただければ幸いであります。


チェルシーフラワーショウに行こう!
~レクチャー&トラベル英会話・英語レッスン~


2月29日(水)19:00~21:00 定員30名
3月09日(金)19:00~21:00 定員15名


場所: ブリティッシュカウンシル(JR飯田橋駅徒歩3分)
参加費: 無料
お申込・詳細は コチラ まで




場所は飯田橋駅から徒歩3分ってだけあって近い。


レクチャーのあとにもし聞き足りないことなどありましたら神楽坂あたりに繰り出すなんてのも悪くないのではなかろうか、なんて思っています。


よろしければこの機会に是非!!


2012年2月26日日曜日

春間近に迫る


気がつけば2月も残り数日。

そうそう、今年はうるう年なので29日まであったんだっけ。
なんか得した気持ちだ。

昨年末くらいまでは暖冬とかいっていて、年が明けたとたんに冷え込むようになった。

そしてこの数日は、春を予感させる天気。
今日の東京は曇っていたけど、なんというか冬のピーンと張り詰めた冷たい空気が若干緩んだ気がしたのは僕だけだろうか。

電車の車窓からは紅梅、白梅がところどころに咲いているのを見かけた。

イチョウ、ケヤキ、サクラなどの落葉樹だって、枝についた新芽のツボミがプックリと膨らんでいるのが分かる。

彼らは季節を敏感に感じ取って春を迎える準備を着々とすすめている。

それはなにも落葉樹に限ったことではない。

地面からは球根がにょきにょきと芽を出しているし、常緑樹だって新たな芽を吹きはじめている。

今日の写真はアオキ Aucuba japonica
普段から地味なやつらで目立たないが、目立たないのを良いことにひっそりと春を迎える準備をすすめていた。
ご覧いただければ分かるが、すでにツボミの先は裂けて、これは恐らく花の芽だと思うが片鱗をうかがうことが出来る。

アオキは雌雄異株(しゆういしゅ)といって、オスの株にはオスの花、メスの株にはメスの花しか咲かないことになっている。

この小さなツボミが今後、オス、メスいずれの花を咲かせるのだろうか、なんてのも春の楽しみのひとつであります。


2012年2月25日土曜日

あつあつホクホク


百合根をご存知か?

百合の根、すなわちユリの根なわけで、そんなの知っているよ、と言われてしまいそうだ。

ならば百合根を食べたことがあるだろうか?

モチロンあるよ、と言われてしまいそうだ。

実は僕が百合根を知ったのも、百合根を食べたのも割りと最近のことだ。

最初は 「えっ、ユリの根を食べるの??」とかなり仰天したし、そんなもの食べて大丈夫??という気もした。

なにやら毒性がありそうなイメージがあったからだ。

さらにそんなもの美味しいの?というごくごく自然な疑問があった。

この前、とある美味しい居酒屋で「ゆり根の素揚げ」というのが目に留まって迷わず注文した。

写真が悪いということもあるが、見た目は必ずしも美味しそうという感じはしない。

で、食べはじめるとその美味しさに驚く。

まず箸がすーっとゆり根に入っていく。
そう、柔らかいのだ。

サクッと割れたゆり根から湯気がぽわ~んと出てくる。

そしてゆり根を口に運ぶ。
揚げたてのゆり根は熱くてハフハフしてしまうが、食感はホクホクしていて、さらに甘い。


見た目と味のギャップの激しさでいけば食材のなかではかなり上位にランクインするのでないだろうか。

この居酒屋さんは主に北海道の食材を扱ったお店であることからも、世の中に出回るゆり根のほとんどは北海道産なんだそうだ。
そしてここまで大きくゆり根を育てるのに3年以上はかかるのだという。

大丈夫?なんて言っている自分ははやりまだまだ浅はかで、考えてみればジャガイモ、タマネギ、ニンニクなどなど地下で栄養分を蓄えて太った根(場合によっては葉であり、茎であるが)を食べるというのはゴク普通のことではないか。

ただ鑑賞目的のユリが真先に頭に浮かぶので、同様のチューリップなんかを連想してしまって、
「うーんチューリップの球根は食えんなぁ」などと思っていたのである。

ともあれ世の中が寒い時期にあつあつ、ホクホクの美味しいゆり根を食べないテはないと思うな。


2012年2月24日金曜日

戻って参りました


こんばんは。

ご無沙汰しております。

英国旅へのお誘いということで、さまざまな角度から英国の魅力についてお伝えして参りましたが、本来の花咲ブログの主旨に照らせば、ややズレがあることは自覚をしておりました。

そろそろ軌道修正をしなければ、と思いつつお伝えしたいことが次から次へと頭に浮かんできて止まらなくなってしまった。

もっと書こうと思えば書けるが、そろそろもとの世界にもどらねばなるまい。

この2週間の間に京都の東山動植物園にも行ったし、今日は気温も上がってかなり春めいた。
ということで植物ネタもたくさんあるので、何から書こうかと迷うところであります。

そこで復帰第一弾はイチョウに宿るヤツデのお話。

大きな樹に小さな植物が場所を借りて住まうという話はこれまでに何回か書いてきたと思う。

こういうものが目に付くのはホストとなる樹が落葉樹であって、全ての緑色の葉を落として枝だけになったところに一部だけ緑が生茂っているので目立つからだと思う。

今日の写真であれば、大きなイチョウの幹にこんもりと緑が繁っているのが分かるだろうか?
黄色く囲ったのがそれだ。


これはヤツデで、かなり大きく育っている。
恐らく鳥か何かがタネを運んできたんだろう。


イチョウの幹が分かれて枝を伸ばしている、その分かれ目に土やホコリが溜まって、そこに根を張っているのだろう。

ヤドリギのように樹の幹を突き刺して根を張るという寄生(ヤドリギの場合は正確には半寄生)しているものとは違う。

地上3メートルくらいの高さで見事に根付いている。

冬の日照の少ないときにはイチョウは葉を落としているので太陽の光が十分に届くし、夏の暑い盛りにはイチョウの葉が直射日光を遮ってくれる。

ある意味、理想の場所にこのヤツデは根付いているように見えるなぁ。




2012年2月23日木曜日

英国旅へのお誘い 最終編


というわけで、英国の話で突っ走ってきてしまいましたおよそ2週間。

ちょっと飽きてしまったという方もいらっしゃるかもしれないが、よくぞお付き合いくださいました。
本当に有難うございます。

今回初めて自分がツアーリーダーとなって英国をご紹介する機会を授かったので、その楽しさ、素晴らしさを知っていただきたくて、ついつい熱っぽく語ってしまった。

5月の英国は夏至に向かって日も長くなるし、カラッと爽やかでとても良い季節だと思う。

世界に名だたるチェルシーフラワーショウがどんなものか、初日メンバーズデーに様子を見に行くというのも価値があるし、その後に移動するヨークシャー州も英国の典型的な田園風景が広がるステキな地域であります。


私はツアーガイドではありませんが、ツアーガイド以上に自分のこれまでの経験と知識を活かして皆様の旅がより実り多いものとなるよう決意は固いです。

是非この旅にご一緒できれば大変嬉しく思います。

まだ締切まで時間もありますのでじっくりとご検討ください。
何かご不明の点などありましたらお気軽にお尋ねください。

ツアーの詳細お問合せ、お申込はJTBが窓口となっておりますのでよろしくお願いいたします。


それでは明日からまた通常の花咲ブログへ戻ろうと思います。
引き続き花咲ブログをよろしくお願いいたします。



2012年2月22日水曜日

レクチャーのお誘い


熱く熱く語って参りました英国の魅力。

「この5月に一緒にイギリスに行きませんか」というお誘いをすべく、今回の行き先である庭、街、食べ物など視点を変えつつご紹介してきた。

改めて自分の英国好きに気付かされた気分だ。
というのも、これでもセーブして書いているつもりなのだが、スラスラといくらでも筆が進んでしまうのだ。

あっ、別に通常の花咲ブログはなかなか筆が進まないって言っているわけではないので念のため。

そして書いていると、あれもお知らせしたい、これもお知らせしたい・・・と盛り上がってしまって、気付けば10日以上も英国ネタを書いてきてしまった。

少しでもご関心、ご興味を持っていただけたなら幸いです。

まだもっと知りたい、生の花咲ジジイから直接英国の話を聞きたい、という方に朗報です。

実は英国園芸協会日本支部とブリティッシュカウンシルのご好意によりまして、今回の英国旅に関してレクチャーをさせていただくことになりました。

その名も
チェルシーフラワーショウに行こう!
~レクチャー&トラベル英会話・英語レッスン~

2月29日(水)19:00~21:00 定員30名
3月09日(金)19:00~21:00 定員15名

場所: ブリティッシュカウンシル(JR飯田橋駅徒歩3分)
参加費: 無料
お申込・詳細は コチラ まで

<会員番号とありますが、この企画は非会員でもOKです>


前半は花咲ジジイがこれまでブログでご紹介してきたような旅のハイライトを写真でご紹介します。
後半は経験豊かなブリティッシュカウンシルの英語の先生からトラベル英会話の無料レッスンがあります。


今どき英会話レッスンもお安くないが、なんとこれら全てが無料!!
これは行かない手はないんではないかと思う。


盛り上がったり、話足りなければ、終わる時間が時間なので、神楽坂なんかも近いので一杯やりながら英国話に花を咲かせるなんていいかもしれない。


会場となるブリティッシュカウンシルはご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、英国文化の窓口となっている公的機関であり、こんなところでレクチャーをするなんて、僕としても大変光栄なことであります。


場所は飯田橋駅から徒歩3分ってだけあって近い。
春はサクラのキレイな外堀通りに面している。
総武線、中央線などに乗っていると窓越しに見えるビルであります。
分かりやすいように外観の写真を一番上にアップしておいた。


人数に限りがあるので早めにお申込を!!



2012年2月21日火曜日

至福のクリームティー


一緒に英国に行きませんか、というお誘いをしております。

行き先や、旅の楽しみなどお話してきたが、食べ物の話になって俄然力が入ってきてしまった。

あまり食べ物の話ばかりしていても、それこそ食傷されると思うので今日の話で一応ストップしようと思う。

言い訳ではないが、今日の話は庭と関係がある。

そう、紅茶の話。
そしてクリームティーといわれるスコーンと一緒にいただく紅茶の話だ。

英国で庭巡りをしていると、とくに個人邸のお庭にお邪魔したときなど、「紅茶でもいかがですか?」と声を掛けられる。

紅茶を頂戴しながら、オーナーの方と庭談義に花が咲くなんてことはよくある話だ。

庭師も日本の植木屋さんと同様、午前10時、午後3時にお茶の時間がある。

庭に限ったことではないのだが、紅茶というのは人と人を繋ぐ不思議な役割を担っていると思われる。

僕はとくにスコーンにたっぷりとバター、クロッテッドクリーム、ジャムを塗りたくったものが大好きで時々ゆったりと庭に腰掛けて優雅な時間を過ごした。
さすがに毎日はこんなことはできない。

今日の写真はケンブリッジのものなので、生憎今回の旅程に入っていないが美味しい紅茶にはありつけるはずである。


クリームティーの有名なその庭はご覧のとおり緑に囲まれたひっそりした場所にある。
白く咲いているのはニワトコの花だ。


セルフサービスで自分の好きなフレーバーの紅茶、スコーン、ケーキ、サンドイッチなど運んでくる。
このセルフってあたりが気取っていなくて良い。

紅茶は小さいながらポットにて供される。


鳥のさえずりが聞こえて平和そのものだが、やがて鳥が目の前にも降りてきてちょっと分け前をくれと催促の視線を投げかけてくる。
・・・・なんちゅー平和な情景なのだろう。
旅といって、えてして時間に追われてあれもこれもとなるのも分かるが、時にはのんびりと時を忘れる瞬間があってもいいのではないかなぁ、なんて思う次第。


【花咲ジジイ的スコーンの食べ方】
①まずスコーンを半分にナイフで切れ込みをいれて半分に割る。

②バターを塗る

③バターの上からクロッテッドクリームをたっぷり厚めに塗る

④ジャムも残してはいけないので、ジャーの半分の検討をつける

⑤ジャムをジャーの半分量たっぷりと塗る

⑥ジャムをクロッテッドクリームの上に均一になるようのばす

⑦口一杯頬張る。シアワセを噛締める。残ったスコーンのもう片方にも同じことをするので楽しさは2倍!



2012年2月20日月曜日

イギリス料理はマズイ?


『イギリス料理はマズイ』

誰が言ったか、今となっては定説のようになっている。

ウマイとかマズイなんてのは個人の味覚と主観、さらには趣味におうところが大きいので、本当にマズイかなんてアテにならない。

ここはひとつ英国料理を擁護する立場で今日のブログを書いてみようと思う。

ウマイかマズイか、というのは恐らく比較の話で、ご近所のフランス料理やイタリア料理と比較して美味しくないと言っているような気がする。

確かに伝統的なイギリス料理は茹でる、焼く、煮るという単純な調理方法で、基本的に塩を振ってオシマイというパターンが多いのは事実。

気の利いたソースなどがあるわけではない。

しかしモノは言いようで、僕はそれは素朴で家庭的な味だと思っている。

それとマズイマズイと言っておられる方は、えてしてロンドンの観光客が集まるレストランで食事してそういった印象を持っているのではないかと想像する。

これは持論だが、美味しいイギリス料理は雰囲気の良いパブで供されるものである。

フラリと土地勘もなく出掛けたのであれば、どのパブが良いパブかなんて分からない。
必然的にガイドブックに載っているようなあたりさわりのないレストランで食事をすることになる。

良い庭はどれか鼻がきく・・・と数日前書いたことがあるが、同様に僕は良いパブはどれなのかとても良く鼻がきく。

例えば大型スクリーンがあっていつもサッカーばかり流しているようなパブ、あるいはスロットマシーンのようなゲーム機が何台か置いてあるようなパブは避けたほうが良い。
逆に静かで音楽も掛かっていなくて、暖炉でパチパチと薪が燃える音だけが聞こえるようなパブは期待して良いだろう。

英国の地ビール協会のような Campaign for Real Ale (CAMRA)という団体があるが僕はそこの会員でもあった。
分厚い地ビールガイド本を持って、英国中のパブを訪れご当地ビールを飲み、素朴な英国料理を食べてきた。
日中は庭めぐり、夜はパブめぐりとまさに一石二鳥だった。

そこで得た結論は、やはり英国料理はマズくないということだった。

一番上の写真はミックス・グリルといって、チキン、ラム、ビーフ、ソーセージ、ブラックプディングなど色んな肉が少量づつグリルされている一皿。
肉を食ったどー、と満足できる一品である。


英国のパブフードの定番中の定番はソーセージ&マッシュというもの。
太目のジューシーなソーセージとたっぷりのマッシュドポテトにグレービーソースがたっぷり掛かっている。
これとビールなんて本当に最高の組合せだ。


ステーキだって、イギリス発祥だなんてことを聞いたことがあるぞ。
そりゃ神戸ステーキとは違うけど、噛みごたえがあって肉らしい味がちゃんとするステーキもなかなか捨てがたい。


あまり英国料理に飛躍したくない、というむきにはハンバーガーなんてのもある。
これなら誰でもOKでしょう。
炭火焼されてスモーキーで美味しい。

最近の英国では中華料理、インド料理、タイ料理、などが流行っていて、とくにインド料理のうちチキンティカマサラというクリーミーでやや甘いカレーはもはや英国の国民食になったと以前BBCで言っていた。


同様にトルコ、ギリシャ料理も人気で、日本でも最近見掛けるケバブショップは町のいたるところにある。

日本人がさんざん飲んだ後にラーメンで〆るように、英国人はさんざん飲んだ後にケバブやフィッシュアンドチップスで〆る。
そんなケバブショップも店内で座って食べられるところもあって、これがなかなかウマイ。

パブ中心の庶民の味が得意だから、力説しているが、英国にはゴードン・ラムゼー、ジェイミー・オリバー、リック・スタイン、ナイジェラ・ローソン、ヘストン・ブルメンタール、ガリー・ローデスなどなどテレビのスイッチを入れると料理関連番組が目白押しで国民の料理に対する関心の高さを知ることが出来る。

いろいろ書いたが決して押し付けるつもりはない。
イギリス料理はマズイという先入観を捨てて、いろいろ試してみると良いと思う。

せっかく行くんだから
「あ~、マズくて嫌になっちゃうなぁ」 と思っているより
「最高!!美味しい!!大好き!!」 と思っていたほうが人生楽しいのだと思うのだけど。




2012年2月19日日曜日

イングリッシュブレックファースト


腹が減っては戦はできぬ。

昔から言われていることであるが、まさに。

人ぞれぞれ習慣があると思うので一概には言えないが、僕の場合は朝ゴハンを食べないと行動が起こせない。

イギリスに行くたびに楽しみなのは食べ物とビールなのだが、とくに朝ゴハンは最も楽しみにしている一大イベントである。

ご存知の方も多いように、英国での朝ゴハンはイングリッシュ・ブレックファーストといってボリュームたっぷりの内容となっている。

まず、オレンジやアップルなどのフルーツジュースから始まり、シリアル、フルーツなど。
そこに紅茶。
メインはお皿からあふれんばかりに盛られた品々。

地域、場所によって異なるが、
目玉焼き、ソーセージ、ベーコン、ハッシュドポテトあるいはチップス(フライドポテト)、焼トマト、焼マッシュルーム、ブラックプディング(豚の血を練りこんだ黒いソーセージ)、ベイクドビーンズ、フライドブレッドなどなど。

さらにカリカリのトースト。
イギリスの食パンは概して薄いのでカリカリの独特の食感があると思う。

もしこれが湖水地方なら普通のソーセージではなくカンバーランドソーセージというトグロを巻いたような巨大ソーセージがつくこともあるだろうし、スコットランドならハギスがのってくることもあるし、アイルランドならアイリッシュパンケーキが一緒かもしれない。
それぞれ地域によって異なるのだ。

因みにイングリッシュブレックファーストはイングランドでの呼び方であり、スコットランドであればスコティッシュブレックファースト、ウエールズならウェルシュブレックファースト、アイルランドならアイリッシュブレックファーストと呼ぶが、中味はそれほど大差ない。
要はそれぞれライバル意識が強くてイングランドと一緒にされるのが嫌なのだ。

話をもとに戻すと、これら全てを食べなければいけないわけではない。

慣れたらば、自分の好きなモノだけを注文すれば良い。
一番上の写真は自分好みに行きつけのカフェで頼んだもの。

紅茶、目玉焼き×2、ベーコン×2、ソーセージ×1、ベイクドビーンズ、トースト×2
このくらいならいけるでしょ。

下の写真はB&B(Bed & Breakfast=英国式一泊朝食付きの旅館のようなもの)で出てきたフルイングリッシュブレックファーストである。
これはなかなかボリュームがある。

一応解説しておくと上(時計で12時の位置)から
ベーコン、焼トマト、フライドブレッド、焼マッシュルーム、ソーセージ、ハッシュドポテト、ベイクドビーンズ、さらにフライドブレッド、ブラックプディング。
これ以外にトーストと紅茶、ジュースなどがついてくる。



フライドブレッドっていうのは何でしょう?
訳すなら揚げパンであります。
これがカリカリして、油で揚げた独特の香ばしさがあって僕はたまらなく好きなんであります。

一番下の写真もかなりビックリのボリュームだ。
チップス、ベイクドビーンズ、ソーセージ、ベーコン、目玉焼と品数が少ないながらひとつひとつのボリュームがスゴイ。
・・・とマアこれだけしっかり食べれば昼ゴハンを軽くして庭めぐりに時間を掛けることができるという実用性も具備した作戦である。


実はイギリス人だってこんなボリュームのある朝食を毎日とっている訳でない。
週末など週に一回くらいだろうか。

あとはトーストと紅茶なんて簡単なものが多いのだと思う。

僕も一週間程度の旅行で久し振りだし、またしばらくは食べれないぞ、と思うから毎日一生懸命食べるのであって、これを一生毎日食べてたらば間違いなく何らかの変調をきたすと思う。
一週間なんだからいいじゃないか、と。

僕は以前は毎週土曜日の朝、近所で新聞を買って行きつけのカフェに行ってゆっくりたっぷりと朝食をとり、新聞を隅々まで目を通す瞬間、シアワセを感じていた。
まさに至福のとき。
その代わり平日は一生懸命働く。

ちょっと余談だけと、イギリス、とくに今回の旅行で行こうとしているヨークシャーあたりでは朝ゴハンのことはブレックファーストだが、昼ゴハンのことをティナーと言う人が多い。
僕は中学校の英語でも dinnerは晩ゴハンで昼ゴハンは lunch と習い、そんなことは基本中の基本だと思っていたので、周囲のイギリス人が昼ゴハンをディナーだ、ディナーだ、と言っているのにエラく困惑したことがある。

これはヨークシャーあたりは農業従事者が伝統的に多く、その昔の農業労働スタイルとして、日の出とともに起きて朝食を軽く済ませてから外で働き、昼ゴハンにその日で一番ボリュームのある食事をすることから、一番メインの食事をディナーといっていた名残が今も使われているのだと教えてもらったことがある。

そして夜は次の日が早いので軽めに食事を済ませて早く床につくという生活習慣からきているのだ。


このあたりの話は 「実践、楽しく学べる園芸英語」 でもカバーしておりますので、こういった英国文化を園芸英語を使って知りたい方は是非いらしてください。(お申込・お問合せはコチラ


・・・とさりげなく「園芸英語」を宣伝してしてしまいましたが、このブログでは5月に一緒にイギリスに行きませんかというのが主旨でした。


ちょっと長くなってしまいましたイングリッシュブレックファーストの話。
食べ物のことだとついつい熱くなってしまうんだよなぁ。


それではまた明日。



2012年2月18日土曜日

名古屋にて


イギリスのお話で一週間以上も突っ走ってきてしまった。

広い意味で園芸や植物に関係しているということでご容赦いだだきたい。

イギリスについてはもうちょっと書こうと思っているけど、ちょっと小休止を。

実は現在新幹線のなかでこれを書いている。

名古屋へ日帰り出張だった。
仕事は午後からだったけど、折角なので早起きして名古屋の東山動植物園に繰り出した。

抜けるような青空、晴天だったが風が冷たかった。

いきなり白熊の写真で恐縮だが、ここは植物園ではなくて動植物園ということで動物園も併設されていて同じ入場料で2度オイシイことになっている。

時間がなかったので、植物園に急いだつもりだが、とにかく門をくぐって動物園を抜けた先に植物園があるのでどうしても動物にも目がいってしまうのだ。

しかも植物園までは歩いてかなりの距離がある。
早歩きで歩いたがなかなか植物園っぽくならない。

そんな焦りをよそに・・・
シロクマくんはこの寒さなんてなんのその、水に半身浴しながらうたた寝をしていた。
良いなぁ、平和だなぁ。

植物園もなかなか広くて、精力的に歩いた。

昭和12年に建てられたという温室も外見も含めてなかなか美しく見ごたえがあった。


細かいことはまた追って書こうと思う。

冷たい風にさらされてスッカリ冷え切ってしまったので、お昼御飯は名古屋名物「味噌煮込みうどん」を頂戴した。

いやー身体が暖まるのなんのって、顔面の毛細血管がぶわーっと広がって血行が良くなったのか、酒も飲んでないのにほっぺたが真っ赤になった。

仕事を終えて新幹線に乗る前には、やはり腹ごしらえをしておきたい。
そこで夜は「味噌カツ丼」にしてみた。

トンカツは大好きだが、味噌カツは初めてだった。
味が濃くて美味しかった。ビールもすすむ。

大阪出張ではナントカの一覚えのように串かつばかり食べていたが、名古屋にては味噌攻撃。
なんといってもローカルの食べ物が一番美味しいと思うね。

昨日のフィッシュアンドチップス然り。

というわけでイギリス旅のお誘いブログは今日はお休みして名古屋の味噌な一日について書いてみた。

名古屋は初めて行ったけど良い所だった。
わざわざ話を聞きにいらしてくれたみなさん、暖かく迎えてくださいまして有難うございました。
また呼んでください!!



2012年2月17日金曜日

されどフィッシュアンドチップス


旅の楽しみのひとつに食事があると思う。

「イギリスの食事ってマズイんでしょ・・・」

よく耳にするご感想であります。

これは深い問題だし、味覚という個人的な問題でもあるので、今日はあまり触れずにおこう。

でもヨークシャーの話をしているんだから、フィッシュアンドチップスの話はしておこうと思う。

フィッシュアンドチップスとはタラ(codもしくはhaddock)などの白身魚にころもをつけて揚げたものに、ジャガイモを揚げたチップスというものを添えて食べるものである。

英国料理=フィッシュアンドチップス(F+C)というくらいに英国を代表するファストフードとして定着している。

ヨークシャーではウィットビー(Whitby)やスカーボロ(Scarborough)など海岸線の小さな町から新鮮な魚がとれることもあって、ヨークシャーのF+Cが美味しいとされているとの見方が一般的である。

実は僕はこのF+Cに魅せられて、英国の至るところで食べ比べをした。
園芸の勉強そっちのけで、一時期は真剣にノートに魚の揚がりかた、コロモの具合、値段、店員の対応、雰囲気など真面目にメモしたりして周囲の英国人たちからは奇異な目で見られたこともあった。

7年もそんなことをして得られた重大な結論をご紹介しよう。

英国の南と北をどこで分けるか、その線引きは微妙なところである。
しかし仮にそれをリンカンシャー州あたりだとしてみよう。
リンカンシャー州の位置はネットで検索してみていただきたい。

そしてここ以南においてはF+Cを揚げる油には植物油が用いられ、ここ以北においてはラード、ドリッピングといった動物脂が使われているのである。

ラードは豚脂、ドリッピングは牛脂である。

この際、どっちが身体に良いかなんて野暮なことは言わないでいただきたい。
単純にどちらがウマイのか?

僕としては間違いなく動物脂で揚げたものに軍配を上げたい。

この理屈でいくと、ロンドンのF+Cは植物油で揚げたものということになる。

ロンドンのF+Cを食べて 「イギリスの食事はマズイ」 と思い込んでしまう方は是非ヨークシャーのF+Cを味わってみて欲しい。
まさに目からウロコなんだから。


上の写真はロンドンのパブでのF+C。
コロモが薄いのはまずいけない。
グリーンピースが添えられているのはマァマァだが、本場ヨークシャーではマッシーピー(Mushy Peas)といってグリーンピースをすりつぶしてドロドロになったものがついてくるのが通常だ。
半切りのレモンが焼いて出てくるのも理解に苦しむ酸味が欲しければモルトビネガーをわっさわっさと振りかければヨロシイ。
タルタルソースも困ったものである。こんな気取ったものは庶民のファストフードには似つかわしくない。塩をわっさわっさと振るのが正解である。

良いカメラで撮ったので、写真が良い、それだけである。

それに対して下の写真。


北ヨークシャーを代表するF+C屋の Whetherby Whaler であります。

店の中のレストランで食べることもできるが、take away もできる。

揚げたてアツアツをハフハフ言って食べる。


まずそのサカナの大きさを見ていただきたい。
これでレギュラーサイズ。

そしてコロモの厚さもロンドンのパブのものとは比べものにならないでしょ。

これがカリカリサクサクで中はジューシーな白身魚なんだから美味しいに決まっている。

これにモルトビネガーと塩をわっさわっさ振って豪快に食べる。
書いていて唾液が出てきてしまったよ。

ここのF+C屋は有名でウマイのだけど、ヨークシャー地方のF+C屋であればだいたいどこで食べてもそこそこ美味しい。

全て動物脂使用の風味豊かな英国庶民の味であります。