2008年4月30日水曜日

緑化ブーム

   

屋上緑化、壁面緑化など、最近は都会のヒートアイランド現象をいくらかでも和らげようと緑化が盛んだ。

こんなところも緑化ですか?! と驚くような場所を緑化しているケースも結構ある。

限られた都会のスペースで緑化できる場所となると必然的にそういう場所になるとは思うけど、ちょと無理があるかなと思うこともシバシバである。
  
そもそも土って結構重たい。
そして植物も重たい。
そこにもってきて水をやるので更に重量は増す。
   
この重量と建物の関係をよくよく考えて緑化を実行せねばなるまい。この辺は建築士さんの専門領域なのかな。
   
そして、屋上、ベランダなどは風も強くアッという間に土は乾燥するので植物たちにとってはかなり過酷な条件といえよう。
そういったことを考慮して、何を植えるのが適切なのか考えなくてはならない。
  
かといって、それほど悲観することはない。
ベランダ向きの植物もあるので吟味して、植えたあとはTLCです。
   
TLCはベーコン・レタス・トマトサンドイッチではない。
あれはBLTか。
TLC とは Tender Loving Care の略で 優しい心遣い すなわち 優しく気持ちのこもったお世話 ということ。
植えたあとに、元気かな、水は足りてるかな、ムシはついていないかな、と相手の気持ち、すなわち植物の立場に立って世話をしてやるということ。
このTLCは使える言葉ですので覚えておくと便利。
   
写真はとある高級住宅地にて屋上、もしくはベランダ緑化をしているところ。
クレーンで一気に植物を階上に上げている。
   
これだけの予算とスペース、そして人手があると良いよね。
ちょっと前、その全てがボチボチのところで全て階段を使って人手で上げたことがあって、それだけで1日のエネルギーの98%を使ってしまってイヤになっちゃったことがあった。
   

2008年4月29日火曜日

ボタン Paeonia suffruticosa
    
    
ちょっとムシ方面に話が片寄りつつあったので、やや方向修正ということで ボタン
     
とにかく花がデカいので目立つ。
直径20センチくらいはあるかも。
   
色もド派手で、白、ピンク、赤など、自己主張の強いやつである。
   
これとソックリなのがシャクヤクPaeonia lactiflora)というやつで、違いはボタンは木、シャクヤクは草だと大雑把だけど、そう覚えておくといいかも。どっちも学名が Paeonia と同じ属なのでそれほど区別に気を遣わなくて良いと思う。
   
立てばシャクヤク、座ればボタン、歩く姿はユリの花 なんて美人のことを指す小洒落た表現も最近は廃れたのかな。
立てばパチンコ、座ればマージャン、歩く姿は馬券買い なんてギャンブラーを指す言葉も知らない人が多いかも。大体今どき立ったままのパチンコなんてないし。
    
そんな訳で一旦ムシから離れたようだけど、やっぱりチョットだけ。
   
上の写真をクリックして拡大して見て頂きたい。
そう、ミツバチが飛来しているところをウマイ具合にカメラに収めることに成功いたしました。
   
繰り返し言っているようにミツバチは花粉を運ぶ運び屋の代表選手で植物が種子を増やす意味では共生関係にあると言っていい。
   
拡大した写真をみれば、ミツバチの両足に花粉がタップリとくっついているのが分かるだろう。
これは 花粉団子 というやつでミツバチがカラダにくっついた花粉を蜂蜜で少し湿らせてハチの後足にある花粉カゴという場所に丸めて巣に持ち帰っているのだ。これがハチたちの食料にもなっているというわけだ。
   
時としてこの花粉団子がハチそのものの体重と同じくらいになるときがあって、ハチはエラく重たいものを持って飛んでいることになる。
   
凄いアスリートたちである。


2008年4月28日月曜日

市の花・市の木
   
   
自分の住んでいる、市、区、県、都などの花や木が何なのか知っていますか?
   
どうやらどの行政区にも、そこの花や木の指定があるようだ。
   
指定されているということは、それなりにその植物がそこで特別なのでしょうから、その気でジロジロと観察してみると面白いのではないだろうか。
   
先週ちょっと用事があって出掛けた浦安で見かけたのが、この看板。
   
ツツジイチョウも当花咲ジジイ・ブログで取り上げたゾ、とちょっと嬉しくなってしまったのですね。
   
ビバ・浦安!!

2008年4月27日日曜日

そして、そんなところにも春が・・・。
   

今の時期、自転車をこいでいて、なんかフワフワと飛んでるなぁと感じることはないだろうか。
なんかこうムシみたいなものがフワフワ飛んでいるアレである。
   
その全てとはいわないけど、その多くがアブラムシであることが多い。
   
アブラムシと園芸はとても深い関係にあり、とても興味深いことが沢山あるのでここで一気に公開するのではなく、あとで改めて書こうと思う。
   
今日はそのサワリだけ。
    
アブラムシはいつもいつも羽を持っているわけではなくて、今の時期だけ羽を持ってエサのある場所へと移動する。
飛んできたムシがアブラムシかどうかを見分けるのはとても簡単だ。
お尻に2本の角があるか否か。
上の2枚の写真いずれもよーく見るとお尻に角が2本生えているでしょ。
   
便宜上、角と言っただけで本当は角ではない。
口から樹液を吸って、余った糖分をここからププププ・・・と吐き出しているのだ。
   
そうそう、この時期なんかフワフワしていると感じるついでに、雨も降っていないのに、なんか上から液体が微妙に降ってくると感じることはないだろうか?
それもこのアブラムシの排泄する液体である可能性が高い。
なんか降ってきてると思ったときに頭上に樹木はなかったですか?
   
チリも積もればヤマとなる、ではないがその僅かな量の液体が車の上にかかったりしてしばらく経つと、車の塗装に相当なダメージがでたりする。
またその排泄された液体に黒いカビのようなものがはえてウイルス病を媒介する。
   
写真で分かるように、上は黒いアブラムシでナズナについたもの、下は緑色のアブラムシでバラについたもの、と色んな種類があるけどそれぞれ好みの植物がハッキリと分かれている。
   
まだまだもっとオモシロイ話がアブラムシにはあるのだけど、ちょっと小出しにしたほうがオモシロイので今日はここでやめておこう。
   
なんてったって一番ポピュラーな害虫ですので・・・。
敵を知り己を知れば百戦危うからずってね。
   

2008年4月26日土曜日

こんなところにも春なのだ
   
   
春になると花が咲き、一旦お休みしていた命が蘇ってくる。
    
それは植物に限ったことではなくて、植物を取り巻く生き物にとっても同じこと。
その代表がムシたちだ。
   
2月19日に「にっくきチャドクガ」というのを書いたけど、彼らは冬の間はタマゴのカタチで過ごして、あたりが春めいてくると孵化して世の中に出てくる。
普通に歩いていると、まず気付くことはない。
   
気付かないところで危機は進行しているものなのだ。
   
ツバキ、サザンカなどの「お茶系」の植物の葉っぱに齧られた跡があれば、それが今齧られたものでなくとも、昨年は奴らの棲家であってその周辺で越冬したと考えるのが自然だ。
  
そうしたら、葉っぱをそーっと裏返してみる。
  
ムシ達はシャイだというわけでもないが、葉っぱの裏側にいることが多いのだ。
   
で、昨日恐る恐るそーっとツバキの葉っぱの裏側を見てみたら・・・・
  
ジャジャーン!!
    
今年の初チャドクガの幼虫達がウジャウジャいました。
まだタマゴから孵って日も浅そうで、カラダの色もまだ淡いし、ムシャムシャ食べているといっても葉っぱの表面の柔らかいところを舐めるように食べている。
     
でも整列していっせいに食べる様はチャドクそのものだし、こんなに小さくてもイッチョ前に刺すので要注意。
庭にツバキ、サザンカがある人はいまの内に葉っぱを観察をして、幼虫を発見したらその葉っぱを取って焼き捨てると広がりをある程度防ぐことができる。
   
何事も早期発見が鍵ですゾ。
2月19日の写真と比べてみてください。まだカワイイものだ。今ならまだ間に合う!!

2008年4月25日金曜日

花あらし その罪と罰

新聞、テレビで前橋市でチューリップの花を片っ端から折った男性の写真が公開されていた。

見る限り、酔っ払いのサラリーマンのうっぷん晴らしのようだ。
特に植えた人の気持ちを踏みにじってやろうという大意はなさそうに見えた。

このオッサンはこれだけマスコミで取り上げられて、ビックリしているのではなかろうか。
酔ってやっただけなのにこんなに大騒ぎになるなんて・・・。もっと悪いヤツが世の中にはもっといるゾ」と言いたいのではないか。

モチロン彼をかばう気は毛頭ない。

で、フト考えたのはこの人が捕まったとして一体何の罪に問われるのだろうか、ということ。
花は法律上は「」であって、恐らく 器物損壊の罪 にあたるのかななどと思う。

となると 刑法第261条「他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する」 となる。

罪とその罰についてそれが妥当なのかなどといった論議は、僕は法律家でもないし、このブログはその辺を論じる目的は有していていないので置いておく。
ここでちょっと考えたいのは 植物は物 だということ。

犬の虐待などでも話題になるけど、ペットも物ととらえられている。
愛護団体の人からしてみれば 命あるものを物とはけしからん というのはごもっともだ。

では植物はどうか?
確かに植物は喋らないし、動かないし、意思疎通もできない。 一般的には。
でも本当に好きな人に言わせるとその全てが否で、喋るし、動くし、意思疎通もできる、立派な生き物だということになる。
そこにどれだけ愛情を注いだかで、とらえ方が異なるようだ。

いずれにせよ、こういった事件を機会に
「植物を大切に育てようね」
「勝手に傷つけたりしてはダメだよ」
「一生懸命育てた人の気持ちを考えてみようよ」
などという会話が親子でなされれば、今の日本社会に蔓延している幾つかの問題も改善の方向に向かうのではないだろうか。

人の痛みの分かる人間になりたいものである。

2008年4月24日木曜日

ハナミズキ Cornus florida
   
   
昨日、大ネタ、小ネタと書いたのだが、一晩寝てネタの大きさではなくネタの新鮮さで勝負するべきではないか?と頑固な寿司屋のオヤジのように悟った。
言い換えるなら季節を写す、花を通じて社会を写す、といったところか。
  
じゃぁ今は何が旬なのか?
    
間違いなくこのハナミズキはその内のひとつでしょう。
        

         
アメリカ、ワシントンに東京からサクラの苗木を送ったお返しにこのハナミズキが日本にやってきたというのは結構有名なエピソードだ。
いわば友好のシンボル。大切にしたいものである。
      
もうこのハナミズキは街路樹として最近は大人気である。
花は今頃咲くし、秋には紅葉し、赤い実もつけて通年楽しめる樹。
サイズもイチョウやケヤキほど大きくならないのでお手軽という面もある。
       
花は赤、ピンク、白などがあるが、花だと思っているあの4枚の 花ビラもどき は花びらではなくて 総苞 というもの。
英語では showy bract という。
    
えっ、あれって花びらじゃないの? そうです、そうなんです、花びらじゃぁないんです。ちょっとオドロキでしょ。
    
じゃぁどうなってるのかというと、その総苞の真ん中に集まっている小さいやつが花なんですね。
ちっこい雄しべが4つ見えるでしょ。(一番上の写真参照)
     
散歩して見かけたら、枝をグイと引き寄せて間近に見てみよう。ホントだから。
   

2008年4月23日水曜日

ビワその後
   
  
ビワについて書いたのは2月17日だった。
花が咲いています、てなことを書いた。
   
そして2ヶ月経った今どうなったかというと、ご覧のようにベビー・ビワがなっている。
   
まだ青くて小さいけど、ビワと識別できるカタチだ。
があらゆるところに生えているという、ビワの特徴を踏襲している。
   
もう既に夏日を記録した地方があると聞くけど、どこもかしこも夏日が珍しくなくなるころに食べごろを迎える。
   
えっ?なんか手抜きじゃないか、今日の内容は、ですって?
手は抜いちゃいないけど、大ネタを披露するには時間が足りないし、かといって書かないのも・・・。
   
大ネタもいくつかありますので乞ご期待ということで、今日は大目に見てください。

2008年4月22日火曜日

花のある暮らし
      
     
殺伐としたニュースを取り上げたので、ちょっと目線を変えて。
   
大都会東京にも植物愛好家は多いようだ。
スペースがあるにこしたことはないのだけど、それもなかなか難しい。
   
で、溢れでる植物愛を抑えられずに鉢植えなどのカタチでそれを表現しているのをよく見かける。
あるもので工夫しようという作戦だろう。
   
上の2枚の写真いずれも、店の軒先に鉢植えが店の看板よりも目立つように置いてある。
好きなんだなぁ」とこちらにも伝わってきて、ほのぼのとした気分でシャッターを切った。
   
こういう ほのぼの・ハッピー・ラブリー・ポジティブ・多幸・バイブがどんどん伝播していくと、もっと平和な日本になると思うのだけど如何だろうか?

2008年4月21日月曜日

ままならないデジタルワールド
  
今朝は早くから出掛ける予定があったので、昨晩のうちに4月21日分「園芸熱」を下書きしておいて、朝出掛ける前にアップした・・・つもりだった。
  
でも日付を見ると4月20日付けになってしまっていて、作者の意図が反映されていないのにガッカリしてしまった。
朝っぱらからあんまりガッカリしていても始まらないので、気分を変えて出掛けた。
  
別にそんなにガッカリするほどのことでもないのだけど、「継続は力なり」という言葉もある。
出来る限り毎日情報発信していこうという意気込みはある訳です。
本当にデジタルってやつはままならない。
  
気分を変えて目的地に向かう電車で読んだ新聞に、丁度ぼくが書いたようなことが書いてあった。
  
それによると各地の花被害を以下のように伝えている
*宮城県 スイセン100本
*前橋市 チューリップ1900本
*草加市 パンジー200本
*静岡県 チューリップ120本
*長野市 アジサイ14株
*石川県 チューリップ15本
*山口県 ソメイヨシノの枝 300本
*福岡市 チューリップ580本
*富山市 チューリップ19本

  
当然同一人物の仕業ではなかろう。
「全国心ない人地図」ができそうだ。
うーーむ、かなり病んでいる。
  

2008年4月20日日曜日

園芸熱 Plant lovers  


群馬県でプランターに植えられたパンジーが大量に抜かれた、というニュースをやっていた。
   
このブログでもこの前取りあげたけど、このテの事件がこの数週間目立つようになった。

この事件に係わらず、なにか事件が起きると類似の事件が連鎖的にあちこちで起きるという現象は確かにあると思う。

偶然か?必然か?不思議なものである。

冷めた言い方をすれば、パンジーが抜かれたということがニュースで扱われること自体とても平和な日本の現状を反映しているような気もする。イヤイヤ、それほど今の日本は平和ではなかろう。
学級ニュースでもあるまいに。

では何だ??
  
植物に対する世間の関心がよりアップしているということだろうか?
     
などと考えながら電車に乗っていると、アッという間に目的の駅に着く。あるいは乗り過ごす。

でも、某大手携帯電話の宣伝で「庭」になぞらえて宣伝をしているのを見ると、関心はそこそこ高いのだろうなと思う。

この前、靖国神社で 植木市 があった。

それがこの写真。

まだ開店前だというのに一体何が中にあるのかと覗き込む人、青いフェンス越しに花を観賞する人など、ちょっとした人だかりが出来ていた。
   
一定の年齢層の女性が多かったのは否めないけど、それでも結構色んな人が好奇心丸出しで群がっていたのは興味深かった。

かくいう僕も相当な勢いで覗き込んだ一人だけど。
    
ベニカナメモチ Photinia glabra
   
  
秋でもないのに 紅葉 している生垣を見かけませんか?
   
この時期のこの色だけに、かなり目立つはず。
   
これはベニカナメモチという、生垣では人気者だ。
変わったやつで、新たにふいた新芽はアントシアニンという色素の影響で赤いのだけど、成長していくにしたがって緑色に変わる。そして常緑樹なのでそのまま落ち着く。
   
試しに赤い葉っぱを分け入って生垣の内部を覗いてみよう。
中は緑のはず。
   
普通の葉っぱは 緑→赤→落葉 なのに対して、これは 赤→緑→そのまま と逆をいくというのがなんともオモシロイ。
   
ベニカナメモチはバラ科の植物で、花はそろそろ咲く頃だろうか。
あまり大きく目立つはなではないが、白くて小さい花が咲くはずで、咲いた頃また御紹介しよう。
   

2008年4月19日土曜日

シャガ Iris japonica
    

     

いやいや昨日の雨風は凄かった。

クレーンも倒れたとニュースになるほど。

でもこんな日であっても花咲ジジイは負けませんゾ。
長靴をはいて出掛けた。

雨に打たれたシャガを発見。
   
これは アヤメ科 に属して都会でも結構見かける。
学名は IRIS(アイリス)で商品名などいろんなところで耳にする。こうやってみると色んな植物を商品、サービス、会社の名前にしているケースって結構多いと気付く。
    
このシャガは 3倍体 という性質を持っているので種ができない。種無しスイカと同じ原理で、これを「遺伝学」の授業でやったのを思い出した人もいるのではないか。
種ができないので地下茎で増えるのだけど、これほど群生するまで地下茎で増えるというのもスゴイ。
   
花は1日の命。
はかないものである。
   

2008年4月18日金曜日

サツキ Rhododendron
   

  
アセビはツツジ科ですと言ったあと、本家サツキ(ツツジ)の登場だ。
   
このサツキは本当にポピュラーでどこでも見かける。
家の低めの生垣、商業ビルの低めの植え込み、道路わきの低めの植え込み・・・。
低めの植え込み人気ナンバーワンではなかろうか。
   
都会の街路樹の下でも排気ガスに負けもぜずにご覧のように元気に花を添えてくれている。
                
こうやって花が咲くと、「オッ、サツキかぁ」と目がむくけど、花がないとなんとなく緑でスペースが埋まっているというカンジで大してオモシロイものではない。
でもビッシリと隙間なくスペースが埋まるので色んな場面で使われるのだろう。
   
このどこもサツキで埋まる様子を見たイギリス人の友人は「退屈だね・・・」とこぼしていたのを思い出した。確かにちょっとワンパターンかも。
   
でもこのツツジ科サツキの仲間には ドウダンツツジオオムラサキツツジキリシマミツバツツジヤマツツジシャクナゲ・・・と種類が多い。

ラテン語の綴りは見ての通りフクザツで「r」「o」「d」がやたら出てくる。
慣れるまでは腕が折れるほど書いて覚えた。
ツツジたちが咲くのをみるとR・H・O・D・O・D・E・N・D・R・O・Nとつぶやきながら、そんなことを思い出す。

2008年4月17日木曜日

木からのお願い。
   
    「木からのお願い。 駐車ご遠慮下さい。 木がだいぶよわってしまったので。」
というポスターというか札のようなものがぶら下がっているのを見た。
    
表参道の裏露地を入った住宅地。
言われてみれば元気の無い カイヅカイブキ にその札は掛かっていた。
   
裏露地ということで駐車する人が多くて嫌気がさしてこれを書いたのか、それとも駐車とカイヅカの元気の無さに因果関係を見出してこれを書いたのかは定かではない。
  
でも字体や文章を見る限りは、何かに困ってこれを書いて、更にこれによって駐車する人の良心に訴えて駐車はしないでね、と言っているように思える。
  
フト思い出したのは、最近の新聞記事で「何者かがチューリップの花の蕾を片っ端から切り捨てた」とか、「チューリップ畑に何者かが車で乗り入れ畑を荒らした」という心ない人のニュース。
   
どうもこの世の中には、花を愛してやまない人とそんなの関係ねぇという人の2種類が存在すると思われる。
   
エラそうなことを言って、植物を愛する代表者みたいだけど、かく言う自分は・・・
高校時代こういった園芸的な作業をする時間があったのだが、その作業をいかにサボるか、いかに逃げるか、そんなことばかりを考えていた。
そんな植物なんて関係ねぇ人間の典型だった僕が植物に関することを生業としているのだから不思議なものである。

    
このブログを始めたころ、2月3日に「心あるひと、心ない人」というのを書いた。
先週たまたまあの花壇の前を通ったら、あの札は取り外されて代わりに畑にはビッシリ色とりどりの花が植わっていた。

2008年4月16日水曜日

アセビ Pieris japonica
   

   
昨日は20度を越えて本当に暖かかった。
こうなると植物の育つスピードも俄然あがってくる。
というのはどういうことか、言うと入れ替わりが早くなるということ。
なので、今のところほぼ毎日このブログを更新しているけど、当面ネタが枯渇することはない。
むしろ 早く書かねば旬が過ぎてしまう とやや焦り気味で書いている。
   
さて今日はアセビ。
アシビとも言うようだ。
   
「僕はアセビ」「あたしはアシビ」「昔は・・・」と同一の植物に対して複数の呼び方が許される場合は、混乱を招く。
そんな意味でも学名の普及を考える時期に来ているのではないかと思う。
   
でも俳句などをやる人からすれば、ラテン語では字あまりになったり、雅な雰囲気がぶち壊しにもなりかねない。「共存」というのはムシの良い話だろうか。
     
で、漢字でこれを書くと 馬酔木 となる。
馬がこれを食べると酔ったようになってフラつくのだそうで、葉や茎に毒性がある。
   
花はひとつひとつは小さいけど、こうやって房のようにまとまって咲くのでそれなりに目立つ。
カタチはこの前御紹介したドウダンツツジと似たつぼ型をしている。
   
ドウダンツツジも、このアセビもともに ツツジ科だ。
   
ツツジ科の面白いのは学名は ERICACEAE で口に出して発音してみて欲しい。
「エリケーシー」みたいなカンジになるが、そう エリカ だ。
エリカ様じゃないよエリカ科だ。
    
園芸好きの方であればエリカという植物を御存知でしょう。
有名なのはヒースといってイギリスのブロンテ姉妹がでてきそうな荒れ地にビッシリ生えているもの。
ツツジ、エリカ、ドウダンツツジ、アセビなど同じ科で、共通しているのは 酸性の土壌を好む ということ。
     
これを覚えておくとチョット使える。
見ただけで、「ハハーン、ここはやや酸性の土なんだな」なんてことが分かる。
  

 

2008年4月15日火曜日

イチョウ Ginkgo biloba

 
 

新緑がまぶしい季節になりました・・・ なんていう手紙が来たとして、新緑とは?本当にまぶしいのか?などとはイチイチ考えたことはなかったが、最近街を歩いていると、まぶしいかどうかは別として新緑が目につく気持ちの良い季節になった。
     
特に落葉樹から、黄緑色の若い芽がふいたところは目に鮮やかだし、生気に溢れていて独特の香りを放っている気がする。落葉しきった坊主の木に緑がつくと街の景観も変わる。
    
街路樹として多く見かけるイチョウも今いっせいに新芽をふいている。
    
黄色く染まる秋のイチョウの葉は誰でも思い出せるけど、それがどうやって出てきたかつぶさに見た人は少ないのでは?
     
そんな貴兄に代わって、花咲ジジイが時系列的に接写してきました。
   
葉が出る部分は5~10ミリ枝から出ていて、その先から4~6枚ほどの葉がでてくるようだ。
出てきたばかりの葉はまだまだ小さく、それでいてカタチはイッチョ前にイチョウの葉のカタチをしている。
これで季節が進むとサイズも大きくなり、濃い緑の硬い葉っぱになる。
    
さて、昨日も申し上げたが、このイチョウは雌雄異株の植物で、オスのイチョウ、メスのイチョウがある。
       
ヨーロッパでもたまにイチョウを見かけるが、そこで植えられている多くがオスのイチョウ。
  
何故か?
  
それは、あの銀杏のニオイを嫌ってのことで、オスを植えておく限り実はならない。
     
定かではないが銀杏を食べる習慣があるのは、東南アジアに限ったことではないだろうか?
銀杏を食べる習慣のある我々でも「あのニオイが好きでたまらん」という人は少ないのでは。
    
僕は食べて食べられないことはないが、自主的に「よおぉし、今日は銀杏食うぞぉ」ということはない。
小学生のころは、茶碗蒸しに入っている銀杏をわざわざ「プッ」と吐き出して親から小言を貰ったクチである。
   
    
銀杏並木など身近なイチョウだが、東京都のマークもイチョウだし、かの東京大学もご覧のとおりイチョウのマークを使っている。

2008年4月14日月曜日

チョウのように舞いハチのように刺す ?!

     
春になり我々の前に再び姿を現すのは、何も花に限ったことではない。
    
クマは冬眠から覚め、ムシが飛び回る。
             
ムシは 虫媒花 で説明したように植物を語るには欠かすことができない。
     
そして花粉を運ぶだけではなく、いろいろやらかしてくれる。それが良いこともあれば、悪いこともある。
   
悪いことばかりが目につくのは人間の世界もムシの世界も同じことか。
良いことをするムシを益虫、悪さをするムシを害虫という。
           
それらは雑草の定義と同じで、益虫か害虫かっていうのは人間の立場から見てジャッジしているのであって、大きな生態系のなかでは生きるためにやることをやっているだけだと僕は思うのだけど。
   
園芸を学ぶときに 昆虫学 という科目もシッカリあって、その係わり合いの大事さがうかがえる。
           
さて、今日の写真にあるチョウとハチは花粉を運ぶムシの代表選手で一応益虫だ。
一応と言ったのは、チョウは幼虫のときに葉っぱを食い荒らす害虫の場合があるから。
       
植物もモノによっては他の花の花粉を受粉(他家受粉)しないと実を結ばないというものがあり、彼らのお蔭で子孫を残す ことができる。
               
リンゴなんてその最たるもので、畑にリンゴの木が一本ポツンとあっても決して実を結ばない(自家不和合性)。他のリンゴの木の花粉が必要なのだ。そこで農家ではヒトの手で花粉を集めてリンゴの雌しべにハケや筆で塗りつける。
農家によってはミツバチを飼っていて、養蜂をしつつリンゴの花粉を運ばせるなんてことをしている場合もあると聞く。 
          
そんな訳で彼ら、特にハチは花粉運びのチャンピオンであり、植物を語るには欠かせない存在なのである。
       
いくつかのムシは植物と切っても切れず、大変オモシロイ(funnyでなくinteresting)のでまたこのブログで御紹介したい。そのためにも決定的瞬間を激写をせねばならず、その任務は重い・・・。

2008年4月13日日曜日

控えめな花たち 2
 アオキ Aucuba japonica
   


   
このアオキは花が控えめ、というよりも全体的に地味。
      
常緑の潅木で斑入りのものも多く、「緑でとりあえず埋めておきたい」というむきにオススメである。
日陰にも強いなんてこともあって、庭の北側で日当たりの悪い場所でも活躍している。
そんな性格もあって、昔はトイレの外に植られていたと聞いたことがある。
昔のトイレってホラ下のところに横長の引き戸が小さくついていたでしょ。アレを外側から隠すのに使われたらしい。人によってはアオキを指して「ああ、便所の木ね」なんてことを言う。
   
便所の木とひと括りにされてしまうのはツライ。かわいそう。
   
そんな憂き目にあってきたアオキ君だけど、海外ではちょっとした人気者である。
ステキな庭にステキに使われている例を沢山見た。
   
赤い実がなるので、斑入りの葉っぱ と合わせて、そのバリエーションの多さでウケているのではないかなと思う。
さて申し上げたようにアオキというと、葉っぱと赤い実が頭に浮かぶのだが、その花はどういうものか?
    
花はこの時期に咲き、ご覧の通り地味な色とサイズである。
    
オモシロイというか覚えておかねばならないのは、この青木は雌雄異株ということ。
      
これは何かというと、オスの木、メスの木が分かれていてオスの木になる花には雄しべしかないし、メスの木には雌しべしかない。よって赤い実がなるのはメスの木のみということになる。
   
よく園芸相談などで「ウチのアオキに実がならないんですけど、どうしてでしょう?」なんてのがあるけど、理由は明快、それはオスの木だからデス。
   
この雌雄異株はイチョウなどもそう。ギンナンのなるイチョウとそうでないのがあるでしょ。ギンナンのなるのがメスの木。
   
左がオスの花。黄色いぽっちが4つ見えるのが雄しべ。
右がメスの花。花の真ん中に雌しべがひとつ見える。
      
花といってもそんなに目立たず、良いニオイがするでもなし。
でもそんなウンチクがこのアオキに隠されているのであった。

2008年4月12日土曜日

ベニハナトキワマンサク 
 Loropetalum chinense var.rubra
    
     
昨日が地味な花だっただので、今日は人目を引くコレ。
3月4日にマンサクを御紹介したが、同じマンサク科に属するベニハナトキワマンサクだ。
同じ科であっても属が違う。マンサクは Hamamelis  トキワマンサクは Loropetalum とチト違う。
   
これの白バージョンもあって、単に トキワマンサク という。
学名の最後にくっついつている rubra 赤い という意味。
   
花びらが沢山あるようだが、小さな花が集まってできているので ひとつの花からは花びらが4枚
   
昨日の目立たない花、そしてこのド派手なピンク。
   
神様は本当にアレコレとこの地上に創りだしたものである。

2008年4月11日金曜日

控えめな花たち 1
   カエデ Acer palmatum
    

   
花といえばその植物がその特徴を一番アピールする器官ではなかろうか。
       
それが何の植物なのか花を見ると一番分かりやすいというケースが多い。
何故 目立つ のか?
   
これは自分の雄しべにある花粉をハチやチョウなどの運び屋に雌しべまで運んでもらうために、「ここに美味いものがありますよぉ」と色や形でアピールしているのだと思われる。
こうやってムシに花粉を運んでもらう花たちを 虫媒花 という。
ムシを惹きつけるために色、蜜、匂いなどで誘う。
    
これに対して風に花粉を運んでもらうのが 風媒花 というもの。
風に運んでもらうので別に色、蜜、匂いなどのムシたちへの御褒美はいらない。よってかなり地味な色、サイズ、形になっている。
花粉が飛ぶ・・・、そう、花粉症の人には恨めしいスギも風媒花を咲かせる代表格だ。
    
このカエデも風媒花であって、今咲いているのだけど気付いていましたか?
黄緑に芽吹いた新芽の下に束になってぶら下がっている。
    
僕もこれほど真剣にカメラを向けたのは初めてで、そのおびただしい花の数に圧倒された。
     
カエデが一番人の目をひくのは秋の紅葉の季節。
    
花がどんなものなのか知らない人も多いのでは?
今日のブログで 「カエデの花ってこんななのね。今度散歩のときに見てみようっと。」 という人が一人でもいればそれは花咲ジジイ冥利に尽きる。
    
カエデとモミジどう違うの?
という声も聞こえてきそうだが、植物学的にはどちらも Acer palmatum で一緒。300種類以上の園芸品種があるといわれていて、それらの中で適宜分けているようだ。
葉の切れ目が浅いのがカエデ、深いのがモミジという分け方もあるようだが定かではない。
       
因みに palmatum はラテン語で 手のひら を意味する。英語でも手のひらは palm だし。
ホラ葉っぱは手のひらのカタチをしてるでしょ。
  
まだカエデについては語ることがあるけど、それは秋の紅葉が赤く染まったころにしよう。

2008年4月10日木曜日

雑草魂 5
  スギナ Equisetum arvense 


ツクシ・・・って春の響きではないだろうか。
   
「ネエネエ、つくしんぼ が出てきたよ」 なんて会話を小学生の頃にした記憶があるけど、それを間近で見たこともなければ、味わったこともなかった。
  
ツクシという植物は存在せず、スギナというトクサ科の植物の胞子茎をツクシと言っている。
   
スギナはシダに近く、花を咲かせて種を作って子孫を増やすのではなく、キノコのように胞子を飛ばして増える。ニョキっと伸びたツクシの頭の部分に胞子が詰まっていて、これが開くと胞子が飛び散る仕組みだ。
    
ツクシはその親(?)のスギナと地下で繋がっている。

ツクシが胞子を飛ばし終えたころ、地上に親がでてくる。これを 栄養茎 という。

なぜ栄養茎なのかといえば、これが光合成をして栄養を作っているから。
  
この栄養茎が杉の木に似ているので スギナ となったという説が有力のようだ。
英語では Horsetail となり馬のシッポに似ているからそういう名前がついたのだろう。
    
エラそうに解説しているけど、いまだにツクシを食べたことがない。
   
佃煮、タマゴとじなどが主な食べ方のようで、今度試してみようと思う。
   

2008年4月9日水曜日

ボケ Chaenomeles speciosa
   
    
昨日は春の嵐。サクラもこれで終った・・・と思われる。
はかないなぁと思うけど、ハラハラと散る花びらが水面を埋めるさまはそれはそれで美しい。
サクラはバラ科の植物だけど今日は同じくバラ一家から ボケ の登場である。
    
さて、このボケの写真はもうかれこれ一ヶ月前くらいにとったもの。
早く出さねば、と思いつつ今日まできてしまった。 季節感 を本ブログの身上としているのでサクラが散って次の季節に移ろうとしている今しかない、とちょっと慌てての御紹介です。
     
少年少女たちにはその ボケ という名前が耳に残るのではないだろうか。
なにせ世の中お笑いブームであるからして、じゃぁどいつが ツッコミ だ?という声が聞こえてきそうである。 
   
これはそのボケではなく、漢字をあてると 木瓜 となる。
どうやらこの実が瓜に似ているのでそうなったらしい。まだ実はなってないので、今度見かけたらまた御紹介しよう。
   
ビビッドな赤い色が目をひくし、茶室の床の間に飾ってあるととても合う、和テイストの花だ。
    
手入れをする際はやや厄介。
何故ならけっこう鋭い とげ があるから。
その辺もバラ一家のメンバーらしい。
     
美しいものにはトゲがある、そしてはかない。

2008年4月8日火曜日

ガーベラ Gerbera
   
           
これは道端で見かけることはなく、花屋で見かける花だ。
  
そもそもは南アフリカ原産で、そしてオランダで改良された品種が日本に入ってくると聞く。
  
子供に 花の絵を描いてごらん というと大抵ヒマワリ型のこのタイプか チューリップ型のいずれになるのではないだろうか。それだけ 花らしい花 ということなのだろう。
   
切花、鉢花いずれも人気があり、ぼくもときどき買う。
カタチもさることながら、その豊富なカラーバリエーションも魅力ではなかろうか。
   
この前タンポポで書いたけど、このキク科の植物は花びらと思われるそれぞれが ひとつの花 として完結しているのが特徴だ。
下の拡大写真をみると、小さいピンクの花びらがそれぞれに付いているのが見えるだろう。
  
このガーベラの大群はこの前 銀座ソニービル の前を通りかかったときに撮ったもの。
  
案内板によると、4月18日の ガーベラの日 にあわせて 19種類 4000本 のガーベラが集結しているのだそう。(4月13日まで)
   
ガーベラの日ってのがあるとは知らなかったけど。
   
注意していると最近都会のど真ん中で この手の色んな園芸展示がある。この前(今もそうカモ)は丸の内でチューリップが大量に植えられていたりしたし。
    
そうやって都会に花が飾られるというのは、無味乾燥な都会の冷たさを和らげてくれるものだし、近くのベンチに座ってお弁当を食べているOLを見かけたりすると、意味があるイベントだなぁと思う。
    
花、植物は明らかに僕らに潤いを与えてくれる。

2008年4月7日月曜日

ドウダンツツジ Enkianthus perulatus
  
     
ドウダンツツジは生垣、植え込みでよく見かける。
     
今の時期はつまようじのような枝の先から白い壺のような形をした小さい花がつく。
       
これは落葉樹なので秋には真っ赤に紅葉し、冬場には茶色の細い枝の先に赤い尖った芽が控える。
そして春にまず花が咲いて、そのあと黄緑の新緑が芽吹いて、その後葉の色が深い緑色へと変わっていく・・・と、大変変化に富んだ見ごたえのある低木なのだ。
   
特に紅葉はかなりの見もので、燃えるような真っ赤な色は目をひく。
    

     
花は沢山つくけど、小さいのでその気になって見ていないと、えっ?そんのありました?ということになる。見るなら今だ。
     
こんなに ドウダンツツジ を知っているようなことをエラそうに書いているけど、今でもドウダンツツジを見かけるたびに思い出すことがある。それ以来僕の中ではチョット特別なやつなのだ。
  
この仕事・勉強を始めたころ、僕はとある植木屋さんで働いていた。
   
植栽工事をしていたときだった。トラックにその日植える植木がズラッと載せてあった。 
   
親方から
「オーイ、ドウダンツツジ運んできてくれ」
と言われ
「ハイッ」
と張り切ってトラックへと向かったものの、どれがドウダンツツジなのかが分からなかった。
走って親方の元へ戻り
「スンマセン、どれが ダンドウツツジ でしょう?」
と質問。
   
「あぁ?いま何て言った?」
「ええ、どれがダンドウツツジかなって」
「あっははは。ミサイルじゃないんだから ダンドウ(弾道) じゃぁねえよ。ドウダン だよ。ドウダンツツジ。」
と今になってみれば笑えるが、そのときは顔から火が出るかと思った。
      
まぁ、その程度から始めたわけです。
元気と勢いだけはあったなぁ。
    

2008年4月6日日曜日

雑草魂 4
   スミレ Viola
   
   
スミレもこの時期よく見かける。
日本には50種類以上のスミレがあるといわれていて、その姿は多様だ。
   
学名では Viola となり、お花屋さんに並ぶ ビオラと一緒だ。ときに学名がそのまま日本の植物名になって流通するというのもオモシロイところ。
    
ビオラの横で売られている パンジー ももちろん同じ仲間。
パンジーとビオラを掛け合わせた パノラ なんていうのもあって惑わされやすいけど Viola とひとつ覚えておけば大丈夫。
    
さて、そんな可憐に咲くスミレは雑草か?
この写真を見ていただきたい。どこに生えているか?
    
そう、アスファルトの僅かなすき間に咲いている。
こんな劣悪な条件でわざわざ根を張らなくても・・・と同情というか一種の感動すら覚えてしまう。
    
最近 「写真がキレイですね」 というコメントときどきいただいて、大変勇気づけられる のだけど、まだ始めたばかりだし、技術的には大したことはない。まだ絞りとは、露出とは・・・などアレコレと試行錯誤で沢山撮った中から偶然上手くとれたのを選んでここに載せているだけなのだけど。
     
でもひとつこだわりがあるとすれば、 なるべく同じ目線で ということでしょうか。
人間の目線で上から見下ろしていたのでは、あまりオモシロイ写真は撮れないし、目線を植物と同じにすると植物から色んなメッセージが発信されていることに気付く・・・気がするのだけど。
   

 
    
これは英国の植物仲間のクリス君。
彼からはいろんな刺激を受け、多くを学んだけど、この彼のなりふり構わぬポーズの数々を見ていただきたい。
    
ときに屈み、ときにしゃがみこみ、ときにうつ伏せる・・・などさながら スナイパー のやうだ。
   
僕も植物を撮るときはこの姿勢(精神)を見習っている。
で、このスミレの写真。
撮影場所は 港区の赤坂御所の裏手、明治記念館との間を走る安鎮坂の道端。
   
ここには御所を警備する警官の方々がウロウロしていらっしゃるのだが、スミレに近づくためにやおらここにうつぶせになって激写した。
もうそれは本能であって、これをやったら怪しまれるなんてことはあまりアタマになかった。
   
そんなところに匍匐前進のような格好でカメラを構えていたら、そりゃ怪しい。
スグに警官の方が自転車で飛んできて、「何をしているのですか?」とお尋ねになった。
    
「イヤ、このスミレを・・・」という答と、この僕の風体がどうもミスマッチだったのは明らかだが、どうやら僕の植物を愛してやまない澄んだ目を見て放免してくれたやうである。
   
そんな訳で写真一枚にもいろんなストーリーが隠されているものである。
   

2008年4月5日土曜日

ハナニラ Ipheion uniflorum

   
これも雑草だという人もいれば、わざわざ植えて鑑賞する人もいるので難しいところだ。
   
とにかく旺盛な繁殖力でその勢力をアッという間に広げる頼もしいやつ。
    
これはアブラナ一家ではなくてユリ一家に属する。
葉っぱをつぶしてニオイを嗅ぐと名前のとおり ニラ のようなニオイがするが同じ  ではあるが  は異なるので 遠い親戚といったところか。
食べれないこともないらしいけど、あまり美味しいとも思えずオススメはしない。
   
ウーン、ネタ不足。
今日はここまで。

2008年4月4日金曜日

ナズナの種の数
     
ナズナの種はひとつの果実におよそ20の種がはいっている、と書いた。
で、今朝散歩に出たついでにひとつ摘んできて、中を確認してみたらその数は 20 ではなく 12 だった。 ふたつ開けてみたけどどちらも12。種同士がくっついていて正確にカウントできていないかもしれず、正確とは言い難いけど、ザッと見る限りはそんなトコ。
何事もこの目でみたことが一番確かだ。
      
小さい種をジッと見ていたら、自分の目が衰えてきたことに気付いた。寂しい限りである。