2013年7月31日水曜日

winding road


昨晩、無事に帰国いたしました。

約20時間飛行機に揺られ、さすがに疲れなかったかと言えばそれはウソ。
でも我ながらビックリするほど元気です。

今朝も朝6時からパソコンに向かい、たまったメールの処理やら何やらでモリモリと働きました。

朝7:30に近所からウォ~ンッという大きな音が鳴り響き何事か、と。

習性からか、それがチェーンソーの音であるとスグに分かりました。

その音の鳴りつづける時間が長かったことからも、かなりの大木を切り倒していると想像できます。

しばらくするとメリメリっという音の後、ドス~ンという木の倒れる音が。

ここで信じがたいことが2点。

まず早朝7:30からチェーンソーを都会の住宅地で使うとは、常識ではありえないこと。
音のする機械類はせめて10時のお茶の後というのが普通ではないかと。

さらにチェーンソーの音が木が倒れるまで一度も途切れなかったこと。
これは大きな木を小分けにせずに一度に根元から切り倒したことを暗に示していると思われます。
現場から僕の部屋までかなり距離があるにもかかわらず、メリメリ、ドス~ンという音が聞こえたことからもそれが分かります。

なんていう乱暴な仕事なのだ。

どういう人がやっているのか、とても気になって散歩がてら見に行ってみたところスグにその理由が分かった。

現場は戸建住宅の解体現場で、4人が外国人、監督らしき若者だけが日本人といった編成だった。

チェーンソーを扱っていた男性はアゼルバイジャン、もしくはグルジアあたりの出身といった風体。
ヘルメットも耳栓も何もせずにひたすら木を切り刻んでいた。

こういうのはイカンよねー。

この逆に安全について異常なほどにウルサイ英国から戻って24時間も経っていない僕はスグに日本の現実に引き戻されたという訳。

結構な洗礼だった。

さて約一か月にわたる英国の旅は本当に実り多く有意義なものでありました。

1週間、10日では味わえない深いところまで達することができたと思い悔いはありません。

一方で一か月も仕事上は穴を開けてしまった訳で、関係者の皆様には大変ご迷惑をお掛けしました。

この一か月を何倍にもしてお返ししたいと思っております。

イギリスで車のハンドルを握ると、田舎の曲がりくねった道がとても楽しい。

イギリスらしいなだらかな田園地帯が広がり、土というか草の香りが漂う。

こういう風景を見ていると、ビートルズの「the long and winding road」もしくはシェリルクロウ「everyday is a winding road」が頭をよぎる。

人生もまたwinding roadだものなぁ。

今回の旅でwinding roadのひとつを曲がってみた。

曲がった先にまたちがった景色が見える・・・・と思う。




2013年7月29日月曜日

7月29日 旅の終わりに



7月29日(月)。

今日の午後発の飛行機で帰国の途につきます。

一か月、あっという間でした。

ボスの手伝い、木登り、庭めぐり、友人たちとの再会・・・

特に病気、怪我もせず収穫の多い一か月でありました。

久しぶりに会う友人たち、そして新たに知り合った人たち、皆に支えられた一か月という気がします。

これだけの期間英国に滞在しておきながら、お金を払って泊まったのは2回だけ。
あとは友人、知人のお宅にお世話になりました。

別に宿代をケチったわけではなく、行く先々で懐かしい面々と会って話が弾んでそのまま・・・というのがほとんどのケース。

これは有難くも本当に楽しく、そして嬉しいことでありました。

英国の夏の風物詩であり、夏のもてなしといえばBBQ。




肉やソーセージを焼いてパンにはさんだり、サラダなどと一緒に食べたりします。

そしてビール、ワインなどを飲みながら話が盛り上がるわけです。


英国のBBQは日本で例えるなら「鍋料理」といったカンジではないかと今回思うに至りました。

親しい友人と鍋をつつく・・・
親しい友人と煙にまみれる・・・

・・・・うーん、似ている。

晴天保証といったカンジでバカみたいに晴れていたのですが、先週中ごろから雨が降るようになりました。

ケンブリッジに泊まった土曜日の夜もBBQをしていると雨がポツポツ降りだして、そのまま夜中までシッカリと降りました。

その友人宅には「マサヤが来るのなら、俺も会いたい」といって、別の友人夫婦も子連れでやってきて、家のベッドルームが一杯になってしまったので、僕は庭にテントを張って寝袋で寝ました。



彼らとはケンブリッジフォークフェスティバルといって、年一回のお祭りにテント暮らしを何度もやっていた仲なので懐かしさも手伝って喜んで寝袋にくるまって眠りました。

テントを叩く雨音、風が木々をこする音などが実に心地良く。

さぁ荷造りも終え、これから帰国です。

またしてもドバイ経由なので日本に到着するのは火曜日の夕方。

心機一転頑張りますので、これからもよろしくお願いいたします!!

2013年7月27日土曜日

7月26日


英国滞在も残りわずかとなりました。

現在はケンブリッジをベースにして日中は庭を巡り、夜は友人たちと旧交を温めるということで一切無駄な時間のないタイトな日々を送っています。

ケンブリッジ大学植物園時代の仲間はもちろんのこと、ヨークでハウスシェアをしていた友人が現在はケンブリッジに引越してきていたり、10代のころ生まれて初めてイギリスに来たときにホームステイをさせてもらったときのお父さんとお母さんであるとか、キューガーデンを卒業しこちらで博士号まで進んだ日本女性であるとか・・・。

とくに10代のころに知り合ったホームステイ先のお父さんこそが僕の人生を変えた人、その人なのであります。

社会人になってしばらく振りに彼を訪ねたときに、ひょんな会話から英国で園芸を学んでみたらと勧めてくれたのが彼だったのでした。

彼が幾つかの有力園芸学校のリストを作ってくれたのですが、そのうちのひとつとコンタクトをとって、あとはトントンと話がすすみ、ついには会社を辞めて英国に園芸留学をすることになったわけです。

ギリギリ10代だった僕も50代目前となったように、彼らもかなりお年を召した感じですが、相変わらずの野太い声で語りかけてくる感じは昔となんら変わりがありませんでした。

今日は昼過ぎから車を飛ばしてノーフォーク州の庭を目指しましたが、途中道路工事や渋滞があり目指す庭の閉園時間ギリギリになると思われ、途中で断念。

無念。

明日再チャレンジするつもりですが、なんとこの庭は14:00~17:30の開園という変則ぶり。

朝からやってくれよ~、と思わずにいられません。

まぁ色々とありますが、まずは無理をしないことかな、と。

2013年7月25日木曜日

7月23日



レンタカーを借りてロンドンを出発しケンブリッジにやってきました。

昼までに2軒の庭をめぐりましたが、いずれも不発。

あたりまえのことですがイギリスの庭すべてが素晴らしいわけではないわけで。

昼食をかねて、ケンブリッジに行くときは必ず立ち寄るオーチャードという屋外カフェでスコーンと紅茶を。

ここのスコーンは本当に美味しい。
さらに雰囲気も大変よろしい。

スコーンにたっぷりバター、クロテッドクリーム、ジャムをぬってハムハムと食べる。

かなりのボリュームなのでこれでお腹がいっぱいになります。


いつもであれば駐車するのもわけないのですが、天気の良さなのか駐車場は空車待ち。

こんなことは初めてのこと。

その後は2年を過ごしたケンブリッジ大学植物園に。

面識のない人も半分くらいいますが、半分くらいは懐かしい顔。

3時のお茶の時間を狙って行ったので、効率よく皆と会うことができました。

その後はしばし園内を散策。

色んな場面でケンブリッジとオックスフォードは比較されますが、植物園も両方の町にあります。

まったく様子がことなりますが、自分がいたからってわけではないけど、僕としてはケンブリッジを推したい。

都会の喧騒を忘れる静けさです。

園内を歩いていたらば大きなヒマラヤスギが。


このヒマラヤスギこそ、僕が生まれて初めてツリークライミングに出会った樹でした。

あれから10年以上経って、こうやって木登りの資格も取れたわけですが、そのときはそんな事を考えもしなかったなぁ。

明日以降も庭めぐりは続行しますが、手さぐりゆえ効率も落ちるし、アタリハズレも多くなってくると思われます。

とにもかくにも残り数日。
実り多きものにしたいと思います。


2013年7月24日水曜日

7月23日


ウィリアム王子とキャサリン妃に男子誕生。
これはなかなか大きなニュースでした。

そして今日は7月になって初めて雨が降りました。
ちょっとずつ変化も起きている模様。

オックスフォードの庭めぐり。

無事に2日目を終了。

新たな出会いもあったし、今回綿密なスケジュールを組んでくれた友に心から感謝。










一旦ロンドンに戻って、車を借りて明日からはケンブリッジをベースにして近郊の庭めぐりをする予定です。

ケンブリッジには旧友も多く、昼は庭めぐりをして、夜は旧交を温めることになると思われます。

現在、一旦戻ったロンドンの家にてこのブログをしたためております。

時間は23:45。

本当はもっと早く戻ってくる予定でしたが、ある問題が発生してこんなに遅くなってしまいました。

ろくに夕食もとっておらず、冷蔵庫にあったビールとポテトチップで空腹をごまかしている次第。

これまでが順調すぎたのかな。
今回初めてちょっとした問題に遭遇しました。

一応、問題は解決したのですが、なんとも後味が悪いというか、考えさせれる出来事でした。

イヤイヤ、大したことないんですよ。

でも、それなりに計算したとおりにコトが運ばなかった。
いい勉強になりました。

明日からは心機一転、楽しく庭めぐりをしたいと思っております。

来週の今頃は東京デス。

2013年7月23日火曜日

7月22日






旅も終盤。

残り一週間となりました。

申し上げておりますように現在はオックスフォードに来ています。

日曜の夕方に到着し、友人宅でバーベキュー。

そのまま泊めてもらって、朝から彼の手配してくれた庭を3件回りました。

一軒目は Broughton Grange という、今をときめくトムシュチュワートスミスの手掛けた庭であります。

ここは私邸(プライベートガーデン)であり、かつ公開日が限定されているのでなかなか訪れにくい場所なのですが、ここのヘッドガーデナーと僕の友人が仲が良いことから入れてもらえることになりました。

噂には聞いていましたが、圧倒されました。

どこがどのように、という細かい話はまた後ほどお話する機会があると思います。

今日のところは写真を数点お見せして・・・。

その後に訪れた2軒もスゴかった。



特に3軒目。

ここはまったくの私邸で一般公開はしていません。
オーナーの方が親切に迎え入れてくれて、あとはヘッドガーデナーの案内で庭を見せてもらいました。

ものすごいスケールで圧倒されっぱなしでした。





汗をかいて一通り歩いた後、オーナーの方が冷えたレモネードを出してくれたのですが、これが美味しかった。

レモネードを飲みながらしばし話す機会があったのですが、なんとこのお宅には皇太子殿下がオックスフォード大学留学中に何度か遊びに来たことがあるのだとか。

庭で遊んだり、夕食会を開いたりしたのだそう。

・・・なんという世界なのだ。

庭もお宅もフツーではありません。

「またいらっしゃい」
なーんて言われて、その気になっちゃうぞ。

これも触りだけにしておきまして、またお話する機会があると思われます。

かくも収穫多き庭めぐりを案内してくれた友に心から感謝であります。

明日も期待できそうです。

2013年7月22日月曜日

「自分だけの植物図鑑を作ろう!!」夏休みスペシャル編


「自分だけの植物図鑑を作ろう!!」
夏休みスペシャル募集のお知らせ

お子様たちの夏休みもはじまったことと思います。

いろいろと御計画があると思いますが、ほんの少しの時間を植物観察にあててみませんか?

年に4回シリーズで開催している「自分だけの植物図鑑を作ろう!!」とは全く別に独立した内容となっていますので、今回限りの参加もまったく問題ありません。

代々木公園を一緒に歩きながら夏ならではの植物の様子を一緒に観察してみましょう。

夏休み自由研究にも最適かもしれません。

*日時:2013年8月8日(木)
   午前の回10:00~12:00
   午後の回14:00~16:00
*場所:代々木公園
*定員:各回16組(先着順・定員に達し次第締切)
*対象:小学生
*参加費:3000円

申込・問合: event2@hanasaka-engei.com
申込締切日:2013年8月3日

2013年7月20日土曜日

7月20日


金曜日がキューガーデンでの仕事最終日でした。

もろもろ予定通り、あるいはそれ以上のペースで順調にすすみました。

木登りについても、資格取得という目標をクリアしてとても嬉しく思います。
資格管理の団体で日本人初の Tree Climbing and Aerial Rescue の資格取得者だろうとのこと。
なんとも誉なことであります。

資格そのものは日本ではなんら役に立たないながらも、そこにいたるまでに学んだ知識や技術が今後必ず活かされるものと信じております。

道具も自分専用のものを新調し、最近はもっぱら実践を積んでおりました。



木から数回「落下」も経験。

とはいってもロープとハーネスで安全が確保されているので問題はないのですが。

理屈で身体のバランスのとり方が分かっていても、地上20~30メートルとなると足がすくんで思い通りに身体が動かないこともシバシバ。

落下も経験すれば、落下するとどうなるのか、どういうことに気を付けねばならないか、なども身をもって理解できます。

とにかく理屈で分かっていても実際に身体を動かさないと分からないことも多く、登りながら経験豊富な仲間からアドバイスをもらうなど大変有意義な時間でした。

そもそも世界遺産キューガーデンの木に登れるなんてことは普通ではできないことなので、それは本当に貴重な経験でありました。


約1ヶ月。

長いといえば長いですし、短いといえば短い。
でも皆親身になっていろいろと教えてくれたなぁ。

新たなネットワークも構築することができて、色んな意味において有意義な旅でありました。


さて、ここから一週間は第2弾ということで「庭めぐり」の旅にでる予定であります。

2週間前に再会したオックスフォードの友人がすでに庭めぐりの行程表までつくって待っていてくれています。

ですので日曜日の夜から火曜日まではオックスフォード界隈へ。

水曜日からはケンブリッジを拠点にノーフォーク、サフォーク、エセックス周辺の庭を巡ろうかなと思っております。

そして29日にこちらを発ち、30日に東京に戻ります。

旅も終盤。
まずは元気に順調にやっております。

2013年7月19日金曜日

7月18日


最近の英国の天気の良さはいったいどうしたのでしょうか。

こちらに到着した6月の最終週あたりは、まだパッとしない天気で気温も低めだったのですが。

最近では日中の気温も30度近いですし、夜もムシムシする気がします。

とはいっても日本の蒸し暑さに比べればなんてことはなく、快適なはずなのですが・・・

暑さは、木に登ったときにテキメンです。

ただでさえ一気に体温が上がって汗が噴き出してくるのに、この暑さでは。

我々は定められたチェーンソー用のズボンをはいていなくてはなりません。

これは万が一チェーンソーの刃があたっても足に怪我をしないような特殊な作りになっているのですが、これが暑いのなんの。

まぁ、この程度で暑いなどといっていては日本の皆様に申し訳ないのでやめておきます。

こちらの人はこちらで生まれてこちらの気候に慣れているためか、冬でもティーシャツ一枚だったりして、基本的に寒さに耐性があるようです。

その逆で暑さには滅法弱い感じで、「暑い、暑い、死ぬ~」などと言っています。

それは植物たちに言えることで、イギリスで見かける植物をそのまま東京で育ててもうまく育たないということがママあることからも分かります。

まぁ基本的な耐寒性の話は別として、現在の英国は気温が高いだけではなく雨がまったく降っていません。

もうカラッカラといったところで、芝は茶色に枯れ、樹木などでもへたってきているものが増えてきました。

キューガーデンではなるべく水遣りを控えて「厳しめ」に育てることを旨としていますが、それでも行き過ぎた乾燥対策に、最近は水遣りに各部署が奔走しています。

水遣りといっても、表面を濡らしただけではお話にならず、根に届かなくては意味がありません。

そのためには「長く細く」水を遣ること。

スプリンクラーを設置して一晩放っておき、翌日またスプリンクラーの場所を動かすといった具合。



このくらいしないと巨木の根が吸い上げる水においつかないわけです。

短期限定で来ている僕としては晴天続きは有難いことですが、こちらの生活者としては結構大変なレベルにまで乾いています。


2013年7月17日水曜日

7月16日


月曜日に注文してあったクライミング道具一式が届きました。

こちらにきて、実際に木に登ってみて、色んな道具を試してみて、自分にあった道具を慎重に選んだつもり。

付き合ってくれたのは、キューガーデン「木こり部門」のリーダー。

本格的に林業に参入するわけではないので、あくまでも安全に快適にツリークライミングができる信頼のおける道具を吟味しました。

もちろんお値段もなかなかのもの。

でもゴルフやスキューバダイビングを始めるよりは安いかな。

こちらで揃えれば日本よりもかなり安く揃えることができますし、日本では売っていない道具もたくさんあります。

随所にイギリス感もただよっていて、たとえばカリビナなんかは「made in Wales」なんて書いてあってシビれます。

資格試験に受かってから注文したのですが、届くまでがなんと待ち遠しかったことか。

届いた日には小躍りしてしまいました。

仲間からは「ちょっと早いクリスマスだな」なんて冷やかされる始末。

品質は高いもの、でもそれほどバリエーションを豊富に揃えるわけではありません。

例えば、この前出会ったプロのツリークライマー。
彼を見て僕は神、もしくはムササビに思えましたが、さすがに第一線級のプロだけあって、腰回りについている道具の数も相当なもの。
いったい何をどう使うのか想像がつかないものも多々。



はたまたキューガーデンのやり手アーボリストの一人であるローリーの腰回りには、洗練というよりも実践的な道具が年季の入った風情でぶら下がっています。


僕が目指すのはそのいずれでもありませんが、自分ながらの立ち位置から日本にもこのツリークライミングの発想を広げていけたらと思っています。

2013年7月15日月曜日

7月14日



週末が暮れようとしています。

金曜日は休みをもらってハンプトンコートフラワーショウへ。

ボスの計らいで、ハンプトンの責任者自らお出迎えいただき会場へと案内してもらいました。

申し上げているように、ロンドンにもようやく夏が来たようで日差しが強くて帽子とサングラスは欠かせないといったような天気。

いつもであれば念入りに下調べをして臨むのですが、今回は時間があまりなかったことと、だいたい会場の様子が分かっていたので、ピンポイントで回れるという確信があったので付け焼刃的な駆け足訪問となりました。

急いでいたのには理由があって、ケント州に住む友人がロンドンに車で出てきているので時間が合えばついでに乗せていってくれるというので焦っていたわけです。

週末は彼と彼の家族のところに世話になろうと思っていたので。

10時会場と同時に入場しようと家を出たのですが、会場近辺では「ハンプトン渋滞」が起きており通常30分くらいでたどり着けるものが一時間以上バスに揺られる羽目になりました。

例年ハンプトンフラワーショウの来場者はトータルで18万人程度といわれているようですが、そのハンプトンの責任者に直接訪ねてみると19万人、あるいは天気次第では20万人までいくのでは、といっていました。

昨年は冷たい雨が一日中降り続いていたせいもあってか、かなり空いていた気がしますが、今年は天気が良いためモノスゴイ人出でした。





体感する混み具合はチェルシー以上のような気がしました。

駆け足でざっと3時間半くらいだったでしょうか。

一応ポイントは抑えたつもりです。

うれしかったのは円盤を回して止まった場所でアタリ、ハズレが分かる抽選でマグカップを引き当てたことでしょうか。


家で使っているマグカップもかなりへたってきていたので丁度良かったな、と。

そのあとは迎えにきた友人の車に乗り込みケントへ。

庭めぐりはそれほどできませんでしたが、ローカルな園芸フェスティバル、ウィンザー城、RHSウィズリーガーデン、そしてパブ巡りなどして、先ほど帰ってきました。

からっからに乾いた庭に2時間かけて水遣りをしたところです。

なんでも昨日(土曜日)のイギリスの最高気温がヒースロー近辺の31度だったそうで、ウィンザーあたりにいた我々はまさにそこにいたことになります。

日本の猛暑に比べればなんてことはないと思いますが、イギリスとしてはかなりの暑さです。

そして天気はどうやら当面もちそうなカンジで、イギリスに来るなら「今」という気がします。

2013年7月12日金曜日

7月12日


現在、大家さん夫妻はフランスに休暇にでかけて不在です。

留守を預かっております。
戸締り、庭の水遣り、リンゴの木の剪定が、やらねばならいことであり、それ以外は気楽にリラックスさせてもらっています。

彼らが在宅であってもキッチンは自由になんでも使っていいとは言われているものの、やっぱりちょっと遠慮もあってほとんど使っていませんでした。

家の裏にマークス&スペンサーというスーパーがあるので、そこで出来合のカレーとナンでも買ってきて温めて食べようと思ったのですが、1パックの量がハンパではなく断念しました。
あんなに食べられないよなー。

代わりに何かないかと物色していたらば、肉売り場でラム肉を発見。

僕はラム肉が大好きで、こちらのパブなどでも奮発して食べることがチョイチョイあります。

そう、「奮発」ってくらいで、パブでも他のメニューに比べるとちょっと割高。

このラムを思いっきり食べる良いチャンスではないかと閃いたわけです。

ご飯を炊くわけにもいかないので、パンを添えることに。

願わくばサラダも、とも思うのですが、あれこれ買う手間を考えると腰がひけて断念。

ソースなども、たった一食のために買うのもどうかと思い、シンプルに自宅にすぐある塩コショウだけで。

早速自宅に戻り、庭に水をやりながら、洗濯ものを干しながら、フライパンを温めました。

このフライパンもエラく年季が入っていて、加えてとても重たくて、良いモノです。
7年前も使わせてもらっていたなぁなどと、何をするにも思い出が。

フライパンが温まったところで、肉を投入。
塩コショウをふって、焦げ目がついたら火力を落としてジックリと火を通します。





出来た!!

焼くだけなので至極簡単。

味付けを塩コショウだけにしたのが幸いして、ラム本来の独特の香りが口いっぱいに広がりました。

強いていえば、ちょっと醤油をたらしても美味しいのではと思ったのは日本人ならではでしょうか。


最近は天気が良くて、日も長いので庭にあるベンチに料理とワインを持ち出して陽を浴びながら、風に吹かれながら、一人美味しくいただきました。

日本にては毎日体重を量っていますが、こちらにきてからは全く量っていません。

ビールも毎日飲んでいますし、普段とまったく異なる食事をしているので果たして一か月経って帰国したらばどんな体重になっているのかとても興味があります。

ちょっと曇りスタートの朝ですが、昼には晴れるでしょう。

さぁ、これからハンプトンコートに出掛けてきます。


7月11日


キューガーデンのなかに園芸学校があります。

これはキューガーデンが独自に運営しているもの。

キューガーデンには「種の保存」「植物展示」などなど様々な目的がありますが、「人財育成」もその大きな目的のひとつです。

そのためにキューガーデンのなかに園芸学校をつくって人財育成をしているというわけであります。

コース名を「Kew Diplopma」といって、全3年のコースです。

僕はここの第41期生として2003年から2006年まで在籍しました。

手前味噌で恐縮ですが、恐らく園芸教育においては最高峰かと思われます。

毎年約15人の学生が入学します。

僕の時は国籍も多彩で、ドイツ、韓国、日本、アイルランド、スペインなど。
他にも南アフリカ、アメリカ、ブラジル、オーストラリアなど世界各国から生徒が集まります。

年齢も10代~40代と幅広く、前職も「教師」「弁護士」などなど色んな人が集まります。
僕も日本人であり、前職は銀行員、年齢も40代でしたが「浮く」ことはまったくありませんでした。

現在はビザの問題があって、非EU国からの学生は受け入れられない状況であるというのはなんとも残念なことです。

入学のための試験も受けなければなりませんが、これも各種実技と一時間にもおよぶ面接、さらには植物同定試験があり、今更ながら良く受かったものだと思います。

1年12か月のうち3か月は学校に缶詰になり勉強をします。
残り9ヶ月は園内の各セクションで働きながら実践を通じてさまざまなことを学びます。

加えて、次から次へと「レポート」が出されるので、それを仕事を終えた後に学校に戻って夜な夜なこなすわけです。

さらに隔週で植物同定試験があり、教室に並べられた植物をみて学名で「科」「属」「品種」「原産国」などをラテン語(学名)で答えねばなりません。

これが延々と続くわけです。

もちろん試験もあります。

というわけで、寝ても覚めても園芸漬けの3年間。

今思えば、よく卒業出来たものだと自分をホメてあげたいくらいです。

そんな「園芸トラの穴」が世界遺産キューガーデンのなかにあるのを知っている人は案外少ないのでは。



久しぶりに園内の学校にも寄ってみました。

ここで徹夜したこと、夜食を買い込んで夜なべしたこと、あるいは休みの日にビールをしこたま買い込んで6ヵ国対抗ラグビーをテレビ観戦したことなど、色んなことを思い出します。

毎年入学すると顔写真を撮り、それが園内に行き渡ります。

「今年のキューディプロマの学生はこんな顔をしているのか」と周知されるわけです。

この顔写真は毎年増えていくことになります。


僕は41期生でしたが、現在の1年生は50期生。

今度の秋に入学する人たちは51期となり、僕が入学してから10年も経つのかと思うとなんとも感慨深くもあります。

毎年15人くらいの少数であることからも、結構みんな覚えていてくれていて園内を歩いていると
「あなたマサヤでしょ」と知らない人から声を掛けられることもあります。

ちなみに最近日本でもよく名前を聴くようになったダン・ピアソン(Dan Pearson)もキューディプロマの卒業生です。

ひっきりなしにヒースロー空港に向かう飛行機の飛び交う空を見上げていると当時となんら変わらない気がするのですが、それでも10年経ったんですねぇ・・・。

2013年7月11日木曜日

7月10日


一か月以上もホテルに泊まったらば結構大変です。

今回宿泊はどうしているかといえば、以前キューにいたときに下宿して先に泊めてもらっています。

以前も書きましたが、イギリスのお父さんとお母さんといったところで、本当に色々と面倒をみてもらいました。

イギリスを離れて7年近く経ちますが、今も年に一回は会っていますし、クリスマスカードやらメールやらでやりとりがあります。

今回、ちょっと長めに泊めてくれというのにも快くOKといってくれました。

有難いかぎりです。

現在彼らはフランスに休暇に出掛けてしまっていません。

つまり、この家を一人で使っているというわけです。

不在期間はざっと2週間ですが、その間に家に誰かがいるということは泥棒対策などの面からも彼らにとってメリットがあるわけです。

遠方から来た日本人に家の鍵を渡して、2週間よろしくね、といっていなくなってしまうというのは日本人の感覚ではなかなかないことだと思います。

ただし条件もあって、庭の水遣りを適宜、さらにリンゴの木の剪定をしてくれと頼まれています。

申し上げておりますように最近のロンドンは晴天続きで雨は降らずカラッカッラに乾燥しています。

ですので、ほぼ毎日約一時間かけて庭に水を撒いています。

決して広い庭ではないがら、花壇や菜園、さらには植木鉢などがあって時間が掛かるのです。

週末オックスフォードから戻った夜は乾燥がかなり深刻で猶予がなかったので、ヘッドライトを点けて暗闇のなかで小一時間水遣りをしたほどです。

来週半ばくらいまでは天気がよさそうでしばらくは水遣りの日々が続きそうです。