2013年3月31日日曜日

日曜放談 3月31日


日曜放談。

あえて植物と関係のない話をするという。

始めてみると毎週日曜日がやってくるのが早いこと。

ブログのうえでもメリハリがついてかえって良かったカモなんて思っている。

さて、英国にいた7年間で自炊を余儀なくされ料理に目覚めてしまった。

とはいったって所詮は男料理。

そんなに気の利いたものを作るというわけでもないが、ありあわせでそれなりに生き抜く術を身につけた気がする。

そんな中、日曜放談ではないけど、毎週日曜日の朝に決まって作るものがあった。

それがホットケーキであります。

ちょうどケンブリッジにいたときに、同じ職場にいたアメリカ人の友人が
「Bisquick」というパンケーキミックスがほっぺたが落ちるくらい美味しいと熱く熱く語っていたので、試しに買って作ったのが始まりだった。

そもそも色んなホットケーキミックスを試してたどり着いたわけではないので、なんとなくコレが当たり前だと思うようになった。

日曜日の朝、ラジオを聴きながら、ホットケーキミックス、卵、牛乳を加えて泡だて器でかき混ぜる。

馴れてくると分量など量らなくても、ミックスの粘度と色でだいたいの具合が分かるようになる。

テフロンの効いたフライパンでキツネ色に焼きあげて、たっぷりのバターをのせて、カナダ産のメープルシロップをどばーっとかける。

・・・ああっ、なんというシアワセ。

もともと子供のころからホットケーキが好きなこともあって、なんとも愛すべき日曜日の習慣となった。

日本に戻ってきてからは、ナショナル麻布マーケットで手に入れていたのだけど、あるときから突然姿を消してしまった。

その後はネットなどで見てもほとんど売っているのを見たことがない。

仕事で英国に行くことがあるとスーパーを覗くのだけどやはりどういうわけか見当たらない。

何かしらの事情がありそうだけど、残念至極であります。

今日の写真は、そのBisquickの箱だけ保管してあったので撮ってみた。

ひょっとするとプレミアム・ショットなのかも??




2013年3月30日土曜日

パンジー・パンジー・パンジー


厳しい冬はどうやら峠を越して春がやってきたと実感できる今日この頃。

花屋さん、園芸店などに足を運べば、日に日に花の種類が増えてきていることが分かる。

冬の間、花壇を作らなくてはならないような場合、植えられるものというのはかなり限られる。

当たり前だが冬の間に花を咲かせるものがそんなにたくさんある訳ではないのだ。

そんな中、冬場の花形といえばなんといってもパンジー、ビオラの類ではないだろうか。

スミレの仲間ゆえ、花の姿形もカワイイし、色やパターンのバリエーションがハンパではない。

小さい花で攻めるならビオラ、フリフリ感を出すならパンジー。

で、どういう色の系統で攻めるか、なんて思索もめぐらす。

寒色系でいくか、暖色系でいくか、ビビッドにいくか、シックにいくか・・・・

様々なパターンやカラバリ(カラーバリエーションのことね)の中から、選択をしてテーマ性を持たせたり、統一感を醸したりする。

・・・というのが通常の発想かと思う。

でもね、「テーマ性、統一感?そんなの関係ありませんよ」という無頼な思想に基づく花壇もときどき見かける。

今日の写真なんかはそんなカンジ。

赤、オレンジ、黄、白、青、紫・・・・ 目がチカチカするくいらいハジけている。

まぁ、こんなのも楽しくて良いかもね。

ちょっと落ち着かないけど。

2013年3月29日金曜日

新緑の季節



3月もそろそろ終わりに近づいた。

日に日に日が長くなるし、気温も徐々に高くなってくる。

近所を流れる川の川面にはサクラの花びらがビッシリとなって、まるでピンクの絨緞のようだった。

人々の服装も、素材、色などもどこか春めいてきた。

今朝の新聞折込広告ではユニクロが、リネンシャツを大きく取り上げていた。
ついこの前まで、ヒートテックだ、ダウンだ、といっていたばかりなのに。

というわけで季節は着実に、そして急速に前進しているようだ。

一方、やはり気になるのは英国で、ロンドンでは今は雪こそ降っていないが気温は相変わらず2~3度と上がらないらしい。
植物たちの生育もかなり遅れているようだ。

5月のチェルシーフラワーショウに合わせて開花調節をしている場合は、これは大問題だと想像できる。
ショウまで2ヶ月を切ったので、ガーデンデザイナーたちは代わりの植物をどうやって調達するか今大慌てしていることだろう。

異常気象、あるいはこの気象の変化とフラワーショウというのも深い関係がある。

このへんのホットな話題も今後リサーチして、ご紹介していきたいと思う。

さてもっと身近な春の話。

冬の間、枝ばかりの落葉樹がどんどん芽吹いている。

その様子は一日で大きく変わっていくようだ。

芽吹いたばかりの新緑というのは、いわば赤ちゃんのようなもので夏ごろに見かける生長しきった葉とは様子がことなる。

色が、赤味がかっていたり、薄かったりするし、触ってみればとても柔らかい。

芽吹いたばかりの様子、そしてそれが育っていく様子なんてのも気に留めておくだけで面白いはずだ。

例えば上のケヤキの写真は3月28日に撮影したもの。

そして下のケヤキの写真は3月22日ということで、わずか一週間も経たない間に着実に生長していることが分かる。

新緑の季節。

楽しみだね。


2013年3月28日木曜日

羽田のサクラ


昨日は霧雨ながら、冷たい雨が長く降った。
午前中は屋外にいたのだけど、しまいには手がかじかんできてしまった。

夕方、用事があって車で羽田空港に向かった。

首都高では、ちょうど千鳥ヶ淵のあたりでトンネルに入るのだが、そのトンネルの直前がサクラのライトアップが浮き上がって息をのむくらい美しかった。

サクラに見とれて事故を起こしかねないよなぁと思った。

さて、羽田空港がリニューアルした、というのは随分前の話。

お恥ずかしながら、以来初めて羽田空港国際線ターミナルに行った。

なんというか、キレイで人も少なくて良いなと思った。

ロンドンへも羽田から行けるようになれば良いのに。
成田と羽田では、都内に住む僕としては、アクセスの負担がまったく違う。

テレビや雑誌で、その様子をチラチラと見てなんとなくは知っていたが、「江戸」を意識した店舗が軒を連ねる。

メガネ屋さんもあって、ナント100万円を超える鼈甲のメガネフレームなんてのを見てコーフンした。
昔の政治家が掛けていたメガネという印象なんだけど、ひらすらにスゴイ。

そして、空港内にはライトアップされたサクラが。


空港ビルの壁という無機質なカンジと、サクラがなんとも言えないコントラストで面白いなと思った。

それ以外にも店舗の軒の上にもサクラがぐるりと。

・・・これら全て造花であります。

ジックリ見るまでもなく、枝ぶりがサクラではないものなぁ。


でもこれはこれで雰囲気は良かった。

空港ビルという屋根も高いオープンスペースではあまり細かいところまで目がいかないので、造花ながらスゴク本物っぽく見えた気がする。

一番上の写真にある2本のサクラの前では記念写真を撮る人もいたくらい。

都市景観を考えた場合、TPOによって造花という選択肢もアリなんだと思わされる一件でありました。


2013年3月27日水曜日

黄色のニクイ奴


昨日「写真を撮るのが難しい」と書いたのがコレ。

ヤマブキ Kerria japonica

クレヨンなんかでヤマブキ色っていう色があるくらいだから、この黄色は独特なんだと思う。

黄色の花がわっさわっさと咲いているので良く目立つでしょ。

サクラと同じくバラ科なので、花をじっと見ると色以外はかなり似ていることが分かる。

花びらが全部で5枚。
そしてそれぞれの花びらが一枚一枚離れて付いている、離弁花。

雌しべが数個、雄しべが多数。

ねっ、似ているでしょ。


しかし、花びらも雄しべも雌しべも全て同じ山吹色一色なので、写真写りが悪いというか難しいのだと思う。

雄しべなんか花粉の入っている袋である葯とそれを支える花糸までが同じ色だものねぇ。

こうなると陰影でしか、写真のような平面な媒体で説明するのは難しいと思うのだ。

何から何まで黄色い花ってことで、是非今度ジックリ見てみて欲しい。


2013年3月26日火曜日

360度美人


バラ科サクラ属のサクラが今もっとも脚光を浴びているが、サクラソウ科サクラソウ属も忘れないでいただきたい。

サクラソウ属ってラテン語表記するとPrimulaであって、すなわちプリムラなんですね。

今色んなお宅の家の前の植木鉢やプランターで盛んに咲いている。

植木鉢やプランターというのがミソであって、本来はサクラソウの野生種が日本にはあったのだけど、今はそれはほとんど見ることができない。

代わりに園芸品種が色んな愛好家のもとで育てられているというわけだ。

最近は本当に色んな植物に「春の動き」が見られるので、毎朝散歩に出掛ける時も
「今日はどんな発見があるか」「昨日のアイツは今日どうなったか」
なんて、結構ウキウキしながらカメラを持って歩いている。

そのなかでもこのサクラソウは特に写真写りがヨロシイ。

どんな角度から撮っても、花の持つ色の優しさからなのか、とても見栄えがする。

逆に写真写りが悪いのはヤマブキ。
黄色が光を反射するせいなのか、全体にのっぺらぼうのような写真になってしまう。

露出に補正をかけても、なーんか平面的で立体感がないのだ。

まぁそんなことはさておいて。

サクラソウの面白いところは、花柄が一本すーっと立ち上がってその先端から10個くらいのツボミを輪生させる。

その中心からさらに花柄を伸ばして、また10個くらいのツボミを輪生させる。

グルリ360度、どこから見ても美人さんなのである。

まさに八方美人的な花と言えよう。


興味深いのはその学名。

Primula sieboldii というその種小名からも分かるように、かのシーボルトが名付け由来となっているのだ。

120年以上前に、ドイツ人のシーボルトはこの花を見てどう思ったのだろうか?

ソメイヨシノのサクラに目がいきがちだけど、是非こっちのサクラも見てやってほしいゾ。


2013年3月25日月曜日

「自分だけの植物図鑑をつくろう!!2013」のお知らせ


春到来!

そう、今年も植物観察の季節が近づいてきました。

全4回シリーズの植物観察イベント。

毎回テーマにしたがって僕と一緒に代々木公園を歩いて、気づいたことをまとめていくと、最後に世界にたったひとつ自分だけの植物図鑑ができあがるという、とても楽しいイベントです。

早いもので今年が4年目となり、少しづつ植物好きの輪が広がっていく実感がもてることは大変有難い限りです。

今年は幾つかの改善点を踏まえてこれまでよりもバージョンアップしています。

まず全4回シリーズの日程を事前に決定。

これによって参加される方々の予定を立てやすくしてあります。

 *第一回 04月21日 「葉っぱについて」
 *第二回 06月01日 「花について」
 *第三回 10月27日 「茎・根っこについて」
 *第四回 11月23日 「実について」
 *夏休み特別回 8月8日

基本的に夏の暑い盛りを避けて日程を組んでいますが、夏休みの自由研究にも、というお声にお応えして8月には夏休みスペシャルも開催する予定です。

参加費はこれまで通り、一回につき3000円ですが、第一回から第四回まで通してお申込みいただける場合は10,000円の割引価格もご用意しました(夏休み特別回を除く)。

申込定員を各回20名として、参加されるお子様に目が行き届くようにします。

さらに、今年から古橋さんとおっしゃる女性講師も新たに加わり、講師2名体制としますので今まで以上にキメの細かい対応ができることと思います。

いかついヒゲ面男よりも、やっぱり優しいお姉さん先生が良いというムキも多いことと思いまして。

ということで、初回は葉っぱについて。
4月21日(日)10:00~12:00 於:代々木公園

お問合・お申込は event@hanasaka-engei.com

上記チラシが見づらい場合は花咲園芸総研HPをご覧ください。

併せて花咲園芸facebookでも随時告知、イベント報告などをおこなっていきます。

皆様の御参加をお待ちしております。




2013年3月24日日曜日

日曜放談 3月24日


日曜日。

一週間って本当に早い。

あれよあれよと3月も残りわずか。

一年の4分の1が過ぎようとしている。

花見に出かけた人も多いことと思うが、僕は花粉症なのか風邪なのか、一昨日くらいから鼻水は止まらないし、咳も出るようになってきたので、今日は朝の散歩に出掛けた以外は家でゆっくりしていた。

ここ数日、自分には大仕事があった。

実は最近パソコンを新調した。

これまで使ってきたパソコンの調子が最近良くなく、クラッシュする前に新しいものにしようと。

仕事づかいがほとんどなので、いわば命綱だ。

当然サクサク動いてもらわねばならない。

調子が悪いパソコンは、文字を入力しても変換までにワンテンポずれたりして、その間に発想やアイディアが消えていってしまう感覚があった。

僕はマックづかいではない。

狙ったのはwindows7搭載機。

新しく出たwindows8には目もくれず。
だって画面に直接触れたりするタブレット的な使い方はしないもの。

HDDは500GBもある。
因みに今まで使っていたのは150GBあるかないか。

単純に3倍程度の容量アップとなる。

新しいパソコンで容量も大きい。

文句はない。

でも「サクサク」使いたいのだ。

新しいパソコンの電源を入れてみて、ちょこちょこ触ってみたがそれほどの差は感じられない。

そこで、かねてから思っていたHDDをSSDに換装しようというプランを実行することに。

・・・とここまでは実は3月上旬の話。

そのころは確定申告を含め、あれこれと忙しかったのでパソコンをいじる暇はなかった。

そしてようやく最近になって、このプロジェクトを実行する余裕ができた。

正直なところ、パソコンにスゴク詳しいわけではないので、SSDにしようという発想までは良かったが、果たしてそれが自分のパソコンに当てはまるのか、どういうSSDを買えば良いのか、容量はどのようなものが良いのか、そして一番の問題点は自分でできるのか、ということなどなど、あれこれと考えに考え、リサーチを繰り返した。

そして最終的に「やれそう!」という感触をつかんで実行に移した。

まずSSDは韓国メーカーのもので、奮発して512GBものを買った。

すると、取り出したHDDが宙に浮くので、それを外付けHDDとして使うためのケースを入手。

さらには、メモリを増設すべく4GBのメモリも。

SSDに換装するための手順を今一度頭のなかでシュミレートする。

そしてやおら取り掛かる。

こういう作業はプロにお任せするものであって、素人が勝手にやっちゃいけないような不安な気持ちになる。

しかし相手は新品のパソコンゆえ、失うデータは何も入っていない。

強気で攻めるのみ。

どうにかこうにかHDDを取り出して、SSDに換装し、電源を入れる。

イメージトレーニングによれば、ここでリカバリーディスクを入れてwindowsを再インストールするはず。

しかし、リカバリディスクを入れたDVDドライブがウンともスンとも言わない。

万事休す。

ここで手がとまってしまった。

頭のなかで手順が間違っていなかったか確認するが、問題はなさそう。

何故だ、何故なんだ?

この分野に強い友人にHELPメールを送って相談をしてみたところ、BIOS設定でDVDの電源がOFFになっているからではないか、との指摘。

早速、それをONにしてみたところ、DVDドライブからウィーンという音がして読み込み始めた。

その後は、順調にいってどうにかこうにかやっとの思いでHDDからSSDへの換装作業を終えることができた。

作業が終わったのは深夜だった。

途中で寝るわけにもいかず、作業を見届けねばならない。

その日はそこまで。

日を改めてメモリを増設し、オフィスソフトやプリンタのドライバを再インストールしたり。


結構やることが多い。

でも折角なので、旧PCからそっくり引越すのではなくて、データやプログラムの「断捨離」をしようと思って個別の引越をすることにした。

で、肝心のサクサク度はどのように改善、向上されたのだろうか。
これがもうビックリ。

電源を入れてから、立ち上がるまで20秒かかるかかからないか。

これまでは1分以上、下手したらば2分近く掛かったので、それがイヤで電源を切らずにスリープを多用していた。

これからはTPOに従って、電源を落としたり、スリープにしたりできる。

確かに安い買い物ではないけど、毎日仕事で使うものゆえ、なるべくストレスの少ないものを選びたい。

そういう意味ではとても意義のある買い物だった。

「換装」なんて言葉も今回初めて知った単語だが、こういう作業も人に尋ねながらも、なんとか自分でできたというのが良い経験だったなぁと思った。

パソコンが遅いなぁと思っている方、SSDはオススメですよ。


2013年3月23日土曜日

春のシソ科


お花見ウィークエンドでしょうか。

昨日の夕方にニュース番組を見ていたらば、気象庁の担当官が靖国神社のサクラの標本木を慎重に観察して、やおら携帯で気象庁に電話を入れて 「満開で!」 なーんて言うのを流していた。

ある意味事務連絡なんだからヒッソリとやれば良いのに、カメラに向かってこういうことをやるというのは、サクラ狂想を煽っているようなカンジもしなくもない。

ともあれ、都内のサクラは満開の墨付きとなった。

あるラジオ番組を聞いていたらば、今年はあまりにも予想よりも早く咲いたので、今更お花見のスケジュールを変更できない、もう勝手に咲いてくれというカンジですよ、なんて言っていた。

それはそれで良し。

一方、英国のラジオを聞いていると、今は寒波が襲い雪が舞っているらしい。
今日の天気予報によれば最低気温マイナス1度、最高気温4度と、かなり冷え込んでいる。

昨年の場合であれば、今頃は半袖のポカポカ陽気だったらしいので、最近の異常気象振りが伺える一件ではある。

申し上げているように5月にはチェルシーフラワーショウツアーで英国にいくので、どんな天気が待ち受けているかちょっとドキドキである。

まさか雪ってことはないと思うけど。

さて、春爛漫。

色んな花が咲いていると書いたが、例えばシソ科の皆さん。

上の写真はその代表格であるホトケノザ Lamium amplexicaule

対生についている葉っぱの形が仏様が座る蓮座のような形をしているのでついた名前であると言われている、

花は左右対称花で、大きさも1センチあるかないか。

もうひとつ代表的なシソ科の春の花がヒメオドリコソウ Lamium purpureum 。



属名はLamiumでホトケノザのヒメオドリコソウも同じ。
ということは同じ仲間。

ヒメオドリコソウの種小名purpureumは、英語で紫を意味するpurpleの語源となっていることは想像に難くない。

どこが紫色かといえば、葉、特に葉の基部が赤みがかっている。

これを指しているのだと思う。

2番目の写真は紛うかたなきヒメオドリコソウであるが、中にはこんな変種もある。


葉の基部がそれほど紫色をしていないでしょ。

じゃぁ別の何かといえばそうでもないと思う。

明らかにホトケノザではないし、オドリコソウ Lamium album でもない。

自然界には近種が存在し、それらが近場で交わっていくうちに中間的なものができることは稀ではない。

まさか、新発見??

そんな淡い期待を抱きつつする散歩途中の自然観察も面白い。




2013年3月22日金曜日

感動のローダンセダム


東京のサクラは満開なんだそうで。

サクラなんてどうでもよくなっちゃう出来事が身近に起きた。

って、ちょっと大袈裟かな。

我が家のベランダに小さな植木鉢があって、そこにローダンセダム Rhodanthemum というキク科の植物が植えてある。

これを植えたのは昨年の5月か6月だったか。
もう花を終えて処分されそうになっていたものを、可哀想なので拾ってきて植えたのだった。

もちろん花は終わっていて、単なる葉っぱだけだった。

ご覧のように、ちょっとシルバーがかっている葉っぱで、こりゃ観葉植物だな、なんていってベランダで育てることにした。

しかしベランダというのは室外機の風も当たるし、台風などでは吹き飛ばされそうになるし、乾燥しやすいし、加えて旅行や出張で水もあげられないこともあった。

枯れちゃうんじゃない?というくらいにグッタリしたこともシバシバ。

でも忍耐強くジッと耐えて今までやってきた。

しかし葉っぱだけってのもねぇ。
いったい花は咲くんだろうか?

そんな疑問を抱いていた矢先、葉っぱと葉っぱの間からポツポツと花芽らしきものができたのは、2週間くらい前だった。

それが日々大きくなっていって、つい2日前に花が咲いた。

ご覧のように白くて清楚な、いかにもキク科の花ですっていうカンジの花。

花芽もたくさんついていて、これから次々と咲いてくれることと思う。

これを見て、毎度のことながら僕は感動してしまったのだ。

ちょっと目頭が熱くなったくらい。

何故といって、これまでかなりぞんざいに扱ってきたし、枯れそうになる一歩手前までいったこともあった。

ああ、それなのに。

春がやってきて、それを感じてちゃーんとこうやって花を咲かせてくれたのだ。

ゴメンね、これまでの事を許しておくれ。

特に夏場にエアコンの室外機からの温風に耐えきったというのがスゴイ。

一緒に他の苗も植えてあったことがあったけど、何を植えてもすぐに枯れてしまったが、このローダンセダムだけは温風に耐えて青々としていたのだった。

そして春の開花。

改めて植物の生命力には驚かされる。

強くて可憐なローダンセダム。

僕はこれから色んなところでオススメしようと思う。



2013年3月21日木曜日

押し寄せる春


うわーい、春だ。

サクラだけが春の花ではないし、花が咲くだけが春のサインではない。

もうちょっと目を凝らしただけで、いたるところ春の話題で溢れている。

花だって、ナズナ、ノボロギク、ハコベ、ホトケノザ、ハナニラなどの草の類はもちろん、トサミズキ、レンギョウ、ユキヤナギ、ヤマブキなどの灌木類もたくさん咲きはじめた。

もう右を向いてはオオッ、左を向いてはヤヤッ、下を見てはホホーッ、上を見あげてはムムッと忙しいったらありゃしない。

言い換えればブログで書きたいことがたくさんありすぎて追いつかないカンジなのだ。

例えば、このモクレン。

大きな木には、白くて大きな花が無数についている。

それだけで壮観である。

道行く人たちが足をとめてカメラを向けたりしている。

そりゃそうだよね、見ごたえあるもの。

青い空と白い花のコントラストがとても美しかった。

幹には木の名前を記したラベルが掛かっていた。

モクレン
中国原産で、春に紅紫色の花を付けます。花色からシ(紫)モクレンといいます。

そう書いてある。



でも花は、これっぽっちも紅紫色はしていない。

これは、シモクレンではなく、ハクモクレンでしょう。

かねがね僕は、ハクモクレンとシモクレン、あるいはモクレンとコブシの違いにあまりこだわるのはやめようよ、と提唱してきた。

学名ではすべて Magnolia なんだから同じ仲間なんだし、まとめてマグノリアでいいんじゃないかと思っている。

こまかくこわだると、ハードルが高くなって、「ホラみたことか、植物ってなんか難しくてイヤなんだよね」と敬遠する人がでてくると思う。

逆に、良いんだよ、そんなに違わないんだから、まとめてマグノリアにしましょうよ。

で、余力があれば細かい違いなんかも分かると楽しいよね。

そんなゆるめのスタンスで向き合った方がよっぽど楽しめると思うのだ。

いやいやそんなことないぞ、っていたって肝心のラベルですらアテにならないわけでしょ。

植物学者を目指すならまだしも、日ごろ植物と楽しくお付き合いするならば、肩肘張らずにね。




2013年3月20日水曜日

森を見て木を見ず


またサクラの話?

そうウンザリしないでいただきたい。

今、サクラの話をしなかったらいったい何時するのだ?

ここ数日はちょっと鼻を膨らませてあれこれと書いてしまった。

別に怒っているわけでもなくて、ただ普段からぼんやりと感じていたことが、キーボードを叩いて文字を入力していたらばあんなカタチになってしまった。

御不快に感じられた方がいらっしゃったら申し訳ない。
大意はございませんので・・・。

さて、今日はそんなんじゃなくて。

暖かい、というか暑いくらいの日が続いているせいもあってか、開花宣言が出たばかりのサクラはあれよあれよと開花が進行しているようである。

今日、都内で見たサクラはすでに満開に近いものもあった気がする。

この調子でいくと普段であれば開花宣言から2週間くらいは楽しめるサクラも一週間くらいで散ってしまうかもしれない。

雨や風の少ないことを祈るばかり。

東京はこんなに暖かいよ、サクラも咲いたよ、と例のキューガーデンのボスにも知らせてやったらば、
「こちらは真逆で気温はマイナス4度、霜が降りて寒い日が続いている。花なんか咲いてやしない。」という嘆きにも似た返事がきた。

どうやらロンドンはまだまだ寒そうだ。

寒い方が良いか、暑い方が良いか、悩ましい選択である。

話が逸れてしまった。

満開のサクラを見るのも良いが、花がどのようについているかなんてのをジックリ見るのも悪くない。

枝を手繰り寄せて、間近に良く見てみると結構興味深いものだ。

いわゆる芽の部分がほころんで中から花のツボミがニョキっと出ている。

まず不思議というかスゴイと思うのは、冬のあいだの茶色くて小さな芽(冬芽)には到底収まらない大きさの花のツボミが出てきていることだ。

もちろんこれは冬芽を破ったのちに生長してこうなったのだろうけど、あんな小さな冬芽にこんなに大きな可能性が秘められていたとは、ちょっとした驚きだと思うのだ。

さらに花のツボミをよく見て欲しい。


ひとつの冬芽を破った中から花のツボミが3つか4つ出ているでしょ。

ひとつの冬芽からひとつの花のツボミではないのだ。

一箇所から3~4の花が咲くので、全体としてあのようなボリュームがでるのだと思われる。

そして小さいツボミのくせして、ちゃーんと花のガクもついている。

サクラはバラ科なので、花びらも5枚、ガクも5つに割れている。

ツボミのいろだってホラ。
サクラ色とはよく言ったもので、なんともいえない可愛らしいピンク色をしている。

こうやってつぶさに見てみるとサクラの新たな魅力に気づくことと思う。

森を見て木を見ず、ではないが、サクラを見てもひとつひとつの花をつぶさに見たことがない人は案外多いのではないだろうか。

是非、「花見」に出かけましょう!


2013年3月19日火曜日

開花賛否両論


なんかお寒いお花見事情。

は節度の問題だと思うよね。

皆、紳士淑女たれってことで。

さて、お花見について意気盛んなのは花見客ばかりではない。

受け入れる自治体などもそれなりに盛り上がっているのだ。

例えばこの江戸川公園花まつり。

看板によれば4月1日から10日まで開催されるとのこと。

・・・でもねー、今の調子でいったらば4月1日にはすでにサクラは散ってなくなってしまっていると思うんだ。

散ったあとに10日間に渡っての花まつり。

結構「痛い」おまつりになってしまうのではないかとこっちが心配になる。

そういえば、日曜日のお昼のTBS系の噂の東京マガジンで興味深い問題を取り上げていた。

見ましたか?

僕はかいつまんでチラチラとしか見ていないのだけど。

カワズザクラで有名な河津町で、カワズザクラを目当てにやってくる観光客を落胆させないために、開花促進剤を散布しているという話。

なんでもカワズザクラが咲いているとツアー客が期待してやってきたときに、たまたま気温が低い日が続いてサクラが咲いていなかったらしい。

やってきた観光客は落胆し、ツアーのキャンセルも続出したらしい。

町としては、町の人口よりも多くの観光客がやってくることでかなり潤っていたらしいが、キャンセルが続出してはうま味が減ってしまう。

そこで開花促進剤をまいて観光客を引き留めようという作戦だろう。

問題になったのは、開花促進剤をまくことへの賛否。

それで観光客がやってきてくれるのであれば、と了とする意見。

開花促進剤というのは自然に反するのではないか、と否とする意見。

どちらにも言い分は認められる、というのが番組の主旨だった気がする。

バカをいってはいけない。

観光客を引きつけるために開花促進剤を散布するだなんて、愚の骨頂以外のなにものでもない。

人間の驕りはいったいどこまでいくのだろうか。

カワズザクラの観光価値は認めるが、それは自然の営みのひとつとしてである。

カワズザクラが咲けば、それをめがけてやってくる虫や鳥がいて、さらに周辺の自然もそれに呼応する。

ひとつひとつの植物が、自然全体を構成する需要な役割をもっているはずだ。

気温があがったり、日照時間が延びたりする中で、彼らはそれを察知して絶妙のバランスをとりつつ花を咲かせたり実をつけたりしているはずである。

それを薬をまいて開花を早めるだなんて。

全体のバランスを著しく欠くことこのうえない。

今年は例年になく寒かったらかサクラはまだ咲いていないね・・・。
それで良いじゃないか。

それを来た人をガッカリさせないために開花促進剤をまくとは、なんとも貧困な発想だと思いませんか?

この件についてあまり深入りする気はないけど、どうにもこうにも人間の浅はかさ、というか愚かさを感じずにはいられないお話でありました。



2013年3月18日月曜日

民度をあげるチャンス




サクラが咲きました。

となるとお花見のことで頭が一杯になっちゃう諸兄もいらっしゃることでしょう。

お花見は長く寒い冬がようやく終わって、春がやってきたなぁと実感できる楽しくも意義のあるイベントである。

薄いピンク色の花びらがヒラヒラと舞うのを見ながら、お弁当を食べたり美味しいお酒を飲んだりするのは別に悪いことではないと思う。

しかしそれはあくまでも静かに花を愛で、春の訪れを喜ぶにとどめた場合。

世間でいわれるお花見というのは、残念ながらお花見本来の目的を見失って大きく逸脱したものになってしまっているようだ。

人と競って場所取りをして、大きな声を出し、ゴミを散らかし、酔っぱらう。
花なんか見ちゃいないのだ。

そういう光景を見るたびに、お寒いなぁと思って興醒めしてしまう。

さて、昨年のちょうどこの時期にお花見の場所取りのために公園のいたるところに貼り紙がしてあったことを書いた。

当日ならまだしも、数日あるいは一週間以上先の特定の時間帯にこの場所をお花見の場所とりをしていますよ、というものもあって呆れるやら、憤るやら。

あきらかにこれはおかしいでしょ、と。

そんな声が届いたのか、今年の公園にはちょっと変わった立て看板が立っていた。

それが一番上の写真。

注意事項の筆頭に「貼り紙禁止」が謳ってある。

公園の柵にも貼り紙禁止の札が。



たしかに一定の効果はあるようで、昨年ほどの貼り紙は見られない。


しかし逆にこの「貼り紙禁止」の貼り紙や立て看板がたくさんあって、うるさいことになっている。

なんだか本末転倒といった感じがする。


どこにでも、いくら注意されても我関せずのアウトロー的な無法者はいるもので、これだけ「貼り紙禁止」って書いてあるのに、貼り紙をしていく輩がいた。

しかしその無法者の貼り紙の上から、さらに禁止の貼り紙が・・・。

なかなかやるなぁ。
今年は行政も本気だと思わせるね。

しかしこれもまたなんとも程度が低いというか小中学生並みの攻防という気がしてしてしまう。

お花見本来の趣旨をちゃんと理解して、そういう気構えがあれば、何をしてはいけないかなんてことは分かりそうなものだ。

しかしながら、こういう人たちの第一目的は、人よりも良い場所を確保してドンチャン騒ぎをすることなのだからこういうことが起きるのだろう。

このことは別にこの公園に限ったことではないと思う。

どの公園でもこういうことは起きているだろうし、お花見に限らず最近の日本社会では本来尊重されてきたはずのルールやマナーが守られなくなってきてしまっていると感じている人も多いのではないだろうか。

しっかりしようよ!我ら日本人!!
ちょっと寂しいゾ。

たかがお花見、されどお花見。

小さなところからまず大人のマナーを見せていきたいものである。