2015年9月30日水曜日

八ヶ岳


火曜日、水曜日と八ヶ岳方面で開催されていたフラワートライアルジャパン2015を見に出かけておりました。

トライアルそのものは3日間。

会場が諏訪のあたりから小淵沢にわたって点在しているので全部まわろうと思ったら2日は必要。

2日とも秋晴れでとても気持ちが良かったです。

あの形の良い山はなんだろう?富士山みたいだなぁ。

そんなことを思っていたらば、やっぱりこれは富士山でした。

いつも見る角度と違うせいなのか、なんとなく富士山に見えなかった。

ご覧のようにススキも黄金色に光り、すっかり秋めいてきました。

さぁ明日から10月。

今年も残り3ヶ月になりました。

気合を入れなおします!

2015年9月28日月曜日

災難


今朝の産経新聞を読んでいて思わず「げげっ」と声が出てしまった。

盛岡市にある国の天然記念物「石割桜」にトラックが接触し、枝の一部が折れていたのだという。

枝といっても長さ3~4メートルだっていうんだから、結構大きな枝である。

このサクラ樹齢およそ360年のヒガンザクラ。

サクラは傷などから腐朽が入りやすいのでこれが原因で枯れるようなことがあったら、このトラックの業者は切腹ものというか訴訟ものだと思われる。

記事によれば資材の搬出入のために来た中古品業者だったらしい。

もし自分がトラックを運転していたら・・・と考えると他人事ながら背筋が寒くなるし、胃も痛くなる。

今後のサクラの容態に注目であります。

もちろん何事もない事を祈る。

2015年9月27日日曜日

ニシキギ属


木にたわわに赤い実がぶら下がっている。

これはツリバナ。

カメラではこういうぶら下がっているものにピントを合わせるのはなかなか難しい。

数枚撮った写真は全てピンボケしていた。

そうだろうな、と思って実を手でつまんで撮ってみた。

これは大丈夫。

最初は緑の丸い実がぶら下がっているのだけど、これが熟すと実についていた「裂け目線」のとおりにパカッと裂けて中から赤い実が露出する仕組みになっている。

それにしてもこの実をジッと見ていると、マユミにも似ているし、ニシキギにも似ている。

似ていて当たり前、全てニシキギ属 Euonymus だから。

ニシキギ属はニシキギ科に属するが、属名が Euonymus だから科名は Euonynusaceae になるのかというと否で Celastraceae となるのがややこしい。


2015年9月26日土曜日

散策日和


今日は赤城自然園に。

30名を超える参加をいただきました。
ご参加いただいた皆様有難うございました。

昨日は終日の雨。

今朝起きたときもまだ空模様は怪しかった。

でも、どんどん雲が切れてきて晴れ間がのぞきました。

カラッとして暑からず寒からずの散策日和に。

今年は冷夏だったような、猛暑だったような、雨も少なかったような、多かったような、なんとも微妙な夏でした。

その影響なのか、咲いている花も初夏のものから秋のものまでマチマチ混在していて異常を感じました。

日の光がカエデの葉ごしにさしてきてとてもきれいだった。

カエデはまだ緑が濃かったけど、これも今後の気温次第で紅葉がすすむことでしょう。

10月も目前。

そろそろ秋です。

2015年9月25日金曜日

羨ましい市民農園


園芸が好き、植物ももちろん好き、でも育てる場所、実践する場所がない。

なーんて嘆くむきも多いことだと思う。

そんなときの選択肢のひとつが市民農園なのかもしれない。

市などの地方自治体が有する土地を借りて、そこで野菜などを育てる。

公共という面が強いので、価格もかなり良心的。

これが私立(プライベート)となると、お値段も目玉が飛び出るほど高かったりする。

小田急線沿いに有名なプライベートな菜園があるけど、これはもう高級スポーツクラブのようなお値段だ。

そんなお値段だったら、高級スーパーで野菜を存分買ってもお釣りがでるのではないかと思ってしまう。

まあ、お値段だけの問題で野菜を育てるわけではないけどね。

写真は千葉県で見かけた市民農園の様子。

さすが千葉県だけあって、かなり広々とのびのびとしている。

コンポストをつくるバケツも見受けられたりして、良いなぁと羨ましくなる。

都内でも23区全てに市民農園があるわけではない。

中央区、千代田区、港区など都心は地価が高いこともあって、こういう施設はない。

都会にこそ必要な施設だとは思うのだけど。


2015年9月24日木曜日

似たもの同士

クワ

カジノキ

今日の2枚の写真を見比べてみてほしい。

ともに良く見かける葉っぱの形ではなかろうか。

散歩していると、道端に普通にはえている。

お互い外見的に似ているけど、微妙に違うのだ。

上の写真はクワMorus で、昔小学生のころカイコを飼っていたときのエサだった。

下の写真もクワにとても良く似ているけどこれはカジノキ Broussonetia

葉の複雑な切れ込み具合がとても良く似ているけど、それでも良く見ればカジノキのほうが葉の切れ込みが深い気がする。

そして決定的に違うのは葉の質感、手触り。

クワの方が堅くてツヤツヤした感じ。

カジノキは柔らかくて産毛のような細かい毛が生えている。

それにしても良く似ているなぁと思った方。
間違いではない。

ともにクワ科ゆえ似ていて当たり前なのだ。

身近にあって、似ているなぁと思っていたけど、それぞれ別物なんだよという今日のお知らせでした。

2015年9月23日水曜日

恐るべしアカメガシワ


アカメガシワ Mallotus japonicus をご存知か。

空地があるとすると真っ先に生える先駆的な植物である。

その生命力もなかなか大したもので、植物にとってかなりしんどいと思われるような場所にでも逞しく育っているのをよく見かける。

例えばこの石垣に生えているのは間違いなくアカメガシワ。

まだ小さい。

ここで問題なのは、このアカメガシワはこの石と石の隙間にタネが入り込んでこうなったのだろうか、ということ。

タネがやってきて、そこで発芽し成長していくというのが通常パターン。

これもそうなのかなと一瞬思ったけど、よくよく見ていたらひとつの仮説が思い浮かんだ。

この壁を見ていただきたい。

なんの変哲もない石垣の壁だけど、その石の隙間にアカメガシワが相当数芽を出しているのが分かる。

黄色く囲ったのが全てアカメガシワ。




これら全てが石の隙間にタネが付着して発芽したのだろうか?
たぶんそうではないと思うんだよね。

これはあくまでも自分の見立てだけど、恐らく大きなアカメガシワがこの石垣の上に育っていたことがあって、その部分は過去になんらかの理由で枯れてしまった。

ところが根はしっかり生きていて、その根から石垣のそとに向かって芽が出てきたのではないかと思うのだ。

であるならばこれらアカメガシワ全てひとつの根で繋がっているということになる。

以前アカメガシワを堀りあげようとしたことがあったけど、その根の旺盛な張り方にこちらの体力がもたなかったという経験がある。

そういうことから考えるに、これら全て同じ株だと思うし、たぶん間違いないと思うんだけど。

できれば石垣を崩してその内部を見てみたいものである。

2015年9月22日火曜日

プロのナイフ


連休はいかがお過ごしでしょうか。

天気も良いし、カラッとしていてとても気持ちがよろしい。

近場でも、遠出でもいいけど、できれば外出をしたいものであります。

さて、久し振りに身辺整理というか身の回りの整理をしていたらば、こんなものが出てきた。

ナイフ。

でもただのナイフではございません。

形がちょっと変わっているでしょ。

これは挿し木をするときの挿し穂を採るためのナイフであったり、接ぎ木をするためのナイフだったりするのだ。

イギリスの植物園で働いていたときには欠くことのできない仕事道具でありました。

最近使ってないなぁ。

こんなの使って結構な高等園芸テクを駆使していたんだな、と思うとなんとなく他人事のような気がしてしまう。

まぁ今は季節的に挿し木をする時期ではないので、春になったらあれこれと挿し木などして植物を増殖させてみようかな。

2015年9月21日月曜日

秋めく店先


散歩をしていて咲いている花から季節を感じるということはもちろんある。

しかし、それと同様に季節を感じるのは花屋さんや園芸店の店先なのかもしれない。

さすがにニチニチソウやランタナなどは蔭をひそめ、最近はコスモスやらキバナコスモス、はたまたマリーゴールド、ダリアなんてのが賑やかだ。

コスモスも良いんだけど、花期が短くてせっかく植えたとしてもそれほど長くは楽しめないのがネックかな。

もう少しすると、パンジー、ビオラ、ガーデンシクラメンなんてのが出回ってくるに違いない。

今年は残暑もそれほど厳しくないので、冬を迎えるのが早そうだ。


2015年9月20日日曜日

快挙 (久々の日曜放談)

本文とまったく関係ないけど、イギリスってことで

現在、イングランドにてラグビーのワールドカップ開催中。

申すまでもあるまい。

昨晩の快挙。

日本ラグビーの暗黒をついに抜け出したというか、過去のもやもやを全て払拭する驚くべき出来事。

日本の試合だからというだけでなく、ラグビーの試合として手に汗握る素晴らしい試合だった。

ああ、こんな試合をやっているときにイギリスにいれればなぁ。

イギリスに7年暮らしていた間にはラグビーのワールドカップが2回あった。

発祥の地だけにイギリス国民の盛り上がりを、自分のことのように感じて一緒に盛り上がった。

1999年のときには日本の試合も会場で観たし、その他の試合も数試合観にいった。

いいなぁ、ラグビーを愛する国民性は、とちょっと羨ましくなった。

次回ワールドカップは日本での開催。

今回の快挙でラグビーファンが増えてくれると良いなと思う。

大物を仕留めた今、この先どこまで行くのかとても楽しみ。

しばし寝不足になってしまうなぁ。

2015年9月18日金曜日

高嶺の花


先日、チェルシーフラワーショウで見かけたトチノキの置物をご紹介した。

実はあれ、トチノキだけではなくて色んなモチーフがあるのだ。

そしてそのどれもがなかなか精巧に出来ていて、質感も高い。

ついでにお値段も高い。

チェルシーフラワーショウというと、ショウガーデンなどのコンテストだったり、道具、書籍、家具などがメインなんではないかと思っている人がいると思う。

それはそれであながち間違ってはいないけど、ときどきこういう気の効いたアイティムに出会ったりする。

これを手に入れる財力も必要だけど、よしんば買ったとしてこれを置く家に住んでいるか、なーんて問題もあるね。

置けるスペースの問題だけではなくて、これをおいて「洒落てるね」といえる家全体のポテンシャルが必要であります。

うーん、なかなかの高嶺の花だ。



2015年9月17日木曜日

ヒガンバナもキンモクセイに続く


ちょっと早いキンモクセイをご紹介したが、もう秋がどんどん押し寄せてきているカンジ。

ヒガンバナだってこのとおり。

ヒガンバナについては9月中旬というのはまぁまぁアリかな。

赤いヒガンバナであれば咲いたばかりの色が鮮明なのが美しい。

しばらく経つと色が褪せてインパクトも薄れてしまう。

ヒガンバナの特徴としてはまず花が咲いてから、後に葉が出てくるということ。

花はだれが見てもヒガンバナなんだけど、上級者としては花のない葉の状態を見ても即座にヒガンバナであることを言い当てたいものである。

そしてヒガンバナは圧倒的に赤が多いが、白もわりとよく見かける。

白ったって純白というよりはクリーム色といった風情。

やっぱり赤いヒガンバナのほうが個人的には好みかな。


2015年9月16日水曜日

キンモクセイ異例の早さで開花


外を歩いていたらばポワ~ンと甘い香りが漂ってきた。

!!

これはキンモクセイだ。

しかしちょっと待てよと思った。

なぜなら今日は9月16日でしょ。

9月もまだ中旬である。

普通はもっと秋めいてから、この香りが漂っていたのではないのか?

そんなときに案外便利なのがこの花咲ブログ。

だいたいキンモクセイが咲いたなんてことは毎年書いているはずなので、それがいつだったのかを辿れば参考になる。

どうやってそれを調べるか?

この花咲ブログの上のボックスに「キンモクセイ」と入れてみると・・・



過去にキンモクセイについて書いた記事と日付が出てくる。

それによると
2008年10月07日
2009年10月14日
2010年10月11日
2011年09月30日
2012年09月30日
2013年10月07日
2014年09月30日、10月12日
となっている。

結構まめまめしく書いているねぇ。

これを見ても9月16日にキンモクセイについて書いているということはないのだ。

ということで、例年にない早めのキンモクセイ開花のお知らせでした。


2015年9月15日火曜日

ちょっと良いもの


トチノキの話が続いて恐縮ですが、ついでに。

これはまさにセイヨウトチノキの実。

でもこれは作り物なんですね。

実はこれは今年のチェルシーフラワーショウに出展されていたもので、とてもよくできたイミテーション。

セラミックに塗装して光沢まで持たせてとてもリアルに出来ている。

これはこれでインテリアにもなる。

もちろん腐ったり、虫がわいたり、朽ちたりすることはない。

優れた置き物なんであります。

しかし問題はそのお値段。

見るからに質感は良いのでそれなりのお値段だと分かると思うけど。

だいたい1万円~2万円。

これを安いとみるか、高いとみるか。

僕はこの精巧な出来具合と、洒落っ気からするとまずまず妥当な金額ではないかと思った。

買ってないけど。


2015年9月14日月曜日

トチノキ


昨日書いたブログの写真は
Illustrated Glossary Of Botanical Terms

オッと気づいた方がいるかもしれないけど、表紙のイラストはトチノキでした。

正確にはセイヨウトチノキ Aesculus hippocatanum で日本国内で一般に見かけるトチノキ A. turbinata とは区別している。

特徴的なことは幾つかあるけど、そのひとつが実だ。

ご覧のように卓球のボールよりも大きく、テニスボールよりも小さい。

外皮のなかに栗のような実が入っている。

地域によってはこれをよく灰汁抜きしてトチ餅なんかを作ったりするのだろう。

しかしこの実はこれだけ大きくて堅い。

トチノキが街路樹に植えられていて、この実がどんどん落ちてきたら怪我をしかねない。

そんなこともあって、高所作業車、作業員、誘導員などを動員して大袈裟にトチノキの実を取り除いているのを都内で見たことがある。

なんという不毛な作業。

そもそも「何処に何を植える」「植えた後にそれがどうなる」というイメージが予め持てればこういうことにはならなかったはず。

なんだかねぇ。


2015年9月13日日曜日

園芸英語 4周年


今日は第二日曜日。

ということで恒例の池袋コミカレにての「園芸英語講座」の日でした。

なんとこの講座、開始から丸4年を迎えました。

ネタは無限にあるので続けることに困ることはない。

それよりも、この講座を楽しいと思って来てくださる方がいらっしゃることが嬉しいわけです。

僕も「来て良かった」と思って帰っていただきたいので手抜き無しでやってますし、実はやっている本人も楽しいし、勉強にもなるのでまさに一挙両得。

中には調べないと分からないことも出てくるわけで、そんなときはインターネットも使うけど、本棚にある本から解決を見出すことが多い。

これらの本は自分がイチから園芸を学ぶ中で出会い、選び、そして今もなお活用している本。

いわば良書というか、お薦めの本ということです。

こういう本も講座の中では紹介するようにしています。

ただ、これがすぐに日本で手に入らない場合もあるのだけど、最近はアマゾンなどでたいがいのものは手に入る便利な時代になった。

因みにこの 
Illustrated Glossary Of Botanical Terms
はアマゾン(日本)で8000円もしたりするのでちょっとビックリ。

でもこんな本は僕がご紹介しなければたぶん多くの人は知らないで終わってしまう本かもしれない。

中はイラスト満載で、植物の用語などについて解説してあります。

植物のことって、写真よりもイラストのほうが的を得ていて分かりやすいというのも、これまでずっと言ってきたとおり。

お薦めです。

2015年9月12日土曜日

天変地異

まだまだ元気なヘクソカズラ

7月のはじめはずっと雨が続いて寒いくらいだった。

ところが中旬から盛り返して連日の猛暑日。

呼吸もしんどいくらいだった。

それが9月に入ったとたん、またしても雨、雨、雨。

気温が下がったことにちょっとは安堵したけど、これまた極度の雨と低温。

もうこのまま冬に突入するのかと思った。

そして今回の水害でしょ。

おまけに今朝は大きな地震があったりして、「もう、大丈夫なのか、地球よ」と不安になった。

まぁ地震は別として、大雨、高温、低温は概ね地球の温暖化に起因するのではないかと思う。

堤防を築いたって、それは対処方法であって、根本解決にはなるまい。

これまでに日本に見られなかった外来の生物、植物が押し寄せ日本のアイデンティティも怪しくなりつつある。

今ならまだ間に合う。
今一度、現在起きている問題を検証し、自分にできることは何かを真剣に考えるときにあるのかもしれない。



2015年9月11日金曜日

研鑽せよ


おぞましいほどキノコの生えたサクラの伐採の手伝いをしました。

今の時期に葉っぱが一枚もないことからも枯れていることは一目瞭然。

問題はこの腐った木に登らないと作業ができないこと。

さらにすぐ横には家屋があり、枝を落とせるスペースも小さいという厳しい現場でしたが、チームワークとリーダーの技術により概ね目処がつきました。

こうやってみると改めてキノコの同定力をアップさせる必要があるなと思います。

このサクラには4種類以上のキノコが生えていましたが、分かったのはカワラダケだけ。

もっと勉強します。

カワラダケ

2015年9月10日木曜日

根回しは大切


「根回し」を辞書でひいてみる。

①大木を移植する1~2年前に、その周囲を掘って側根の大きなものと主根とを残し、その他の根を切り、鬚根を発生させ、移植を容易にすること。

②比喩的に、ある事を実現しやすいように、あらかじめ周囲の各方面に話をつけておくこと

普段「根回し」というと頭に浮かぶのは②のほうでしょ。

私は仕事柄、①の根回しも知っていたけど、それは知識としてだけ。
今回、初めて環状剝皮をはじめとした根回しの実際を目の当たりにして本当に勉強になったと思う。

あらためて「根回しは大事」と思いましたよ。
もちろん①も②もね。

2015年9月9日水曜日

根巻き





根回しをして移植の準備が整ったとします。

そうするといよいよ次は堀上げて麻素材の布で巻くのだけど、これを根巻きという。

この根巻きが施された苗はこれまで幾度となく見てきたし、植えてきたけど、根巻きをするのを見たことはなかった。

熟練の職人3人が無言のまま、黙々と根を巻きあげていく。

結びは幾何的に美しく仕上げられ無駄がない。

へーっ、こうやっているんだ、と改めて勉強になったし、その全てのプロセスを見ることができたので今後植樹するときに役立つと思う。

一点、とても印象に残ることを、ここの社長さんがおっしゃっていた。

「木を横に寝かせることは、人間を逆さに吊り下げるのと同様に不自然なこと」

それだけ木にストレスがかかるので、極力直立した状態を保つことが好ましいらしいのだ。

知らなかった。

運んできて植えるまでのあいだ、普通にその辺に横たわせていたりしていたけど今後は気をつけようと思う。

まだまだ勉強だな。

2015年9月8日火曜日

環状剥皮なるもの


移植したい木があるとする。

その木の周囲を掘って、木の根を露出させる。

特にメインとなっていそうな太目の根を刃物で幅15センチ程度表面を剥く。

もうちょっと正確に言うと、根の師部といって栄養分を通す管を剥ぐのだ。

すると派手作られた栄養分(糖分)が根の先端まで届かず、剥かれたところで溜まる。
これにより形成層の細胞分裂を促し剥いた根から細かい根が発根する。

根の機能は大きく分けて①支える ②栄養分、水分を吸収する ③吸収した栄養分、水分を全体に分配する ④呼吸する ということが挙げられるが②は主に細かい根で行われているのだ。

移植にともなって根の先端の細かい根が大量に失われるのを、木の本体近くで細かい根を増やしてカバーしようというのがこの環状剥皮の目的。

この作業をした後は、剥いた根が腐らないように薬剤を塗布し、さらには発根を促す場所に発根促進剤を塗って、この穴を埋め戻す。

そして一年後に注意深く同じ場所を掘り返すと、剥いた根の箇所から細かい根がたくさん出ているので、これで移植準備完了ということになる。

うまく言えないのだけど、分かりますか?


一年後には白くて細かい根がたくさん生えている

2015年9月7日月曜日

ブログの緩みは気の緩み?


大変ご無沙汰しております。

先週は樹木医の研修に加えてあれやこれやと盛り沢山でなかなかブログと向き合えず。

気合が足りないのか、気の緩みなのか、以後引き締めていきますので引き続きご愛顧のほど。

さて樹木医研修でやったことのなかで一番ためになったこと、興味があったことは「根回し」「環状剥皮」「移植」だったと思われます。

すべて概ね同じことを指していますが、要は樹木を移植するときにどうするかってこと。

詳しくは追って述べます(かなり大切なことであり、情報量も多い)ので、今日はサワリだけ。

花の苗を花壇のなかで植え替えるときは移植ゴテでザクッと掘りあげて移したい場所へ植えればよろしい。

その移植ゴテで掘りあげるなかに根のほぼ全てが収まっているはずだから問題はない。

でも大きな木だったら。

木は根を張っているので、いきなり移植するサイズで根を切ってしまったらショックが大きすぎて枯れてしまう。

そこで根回しというテクニック、そしてそれをするための環状剥皮という手順があるのだ。

理屈では分かっていても、やったこと、実際に見たことはなかったので今回は本当に勉強になった。

何言っているのか分からんという人も焦ることなかれ。

明日以降また解説をしていきます。


2015年9月2日水曜日

留守事情


スッカリご無沙汰してしまっています。

これだけの期間、無断休載は初めてのことかも。

先週末からちょっと立て込んでいたのは事実。

そして現在は筑波にて泊り込みの研修を受けています。

これ、樹木医の研修でかなり実践的な内容ゆえ受けることにしました。

幸い雨にも降られず順調に進んでいます。

筑波の研修センターは普段の生活とはまったくかけ離れたところで、昭和の香りがプンプンする場所。

お世辞にも快適とは言いがたいけど、仕方ない。

金曜日まであと二日頑張ります。

ちょっとブログの更新も危ういかなと思います。

また家に戻ったら報告を兼ねて書きますのでよろしくお願いいたします。