2008年11月30日日曜日

キウイ Actinidia chinensis
   

  
ちょっと変わった角度からキウイについてお話したい。
  
このキウイは、花咲ジジイの母校にあったもの。
実はこのキウイは僕が高校時代に当時の園芸好きの校長先生が 「キウイを植えます」 といって植えたものだ。
  
当時の僕は園芸に興味がないのはもとより、キウイなんて果物の存在すら知らなかった。
何でもかんでも一応反対する反抗期年代だった僕は 「なにがキウイだ」 くらいにしか思っていなかった。
   
思えばこの高校は変わっていて、作業の時間と称して雑草取り草刈り芝貼り などいろんなことを「させられた」
そう、正直に言うと自ら進んで楽しみながらやったという記憶は全くなくて、なんとなくやらされたという記憶しかない。
  
それは自分が反抗期にあったからかもしれないし、単に興味がなかったからかもしれない。
  
とにかくサボることばかり考えていた。
  
それが25年経った今、僕はこの園芸を生業としている。
  
不思議なものである。
   
この園芸の愉しさを説いてくれた校長先生が先月お亡くなりになった。
  
今日、校長先生を偲ぶ会なるものに出席したときに、校内を歩いていて藤棚のような棚一杯に茎が伸びて立派に育ったキウイを見て、麦藁帽子に長靴、ジャージ姿の校長が「キウイを植えます」といったあの日を鮮明に思いだした。

高校生の頃、ちょっと煙たかった校長先生の教育方針のもと土をいじっていた僕も25年経って 園芸で飯を食っていこうとしています と献花をしながらそっと報告した。

校長先生の御冥福を心から祈りたい。

2008年11月29日土曜日

イチイ Taxus cuspidata
   
  
赤い実をつけたカワイイやつである。
しかし、これは高さ20メートルほどの高木となる。
   
こう見えても常緑針葉樹で、この赤い実は種子のもとになる胚珠が外に剥き出しになっているという裸子植物なのである。
   
  
触ると柔らかい赤い果肉のような部分は仮種皮といって、その中に種子があるのが覗き込むと見える。(上から2番目の写真)
赤い果肉は糸がひくほど粘性がある。(左上)
  
見た目的には、なんか美味しそうなカンジもする。
確かに食べられる。しかしそれは外の赤い部分だけだ。
中の種子には毒性があるので要注意である。(右下)
   
食べてはイケナイ。
小さいお子さんのいる方などは、注意していないとパクッといってしまう。
   
ヨーロッパでは同属のイチイ Taxus baccata がある。
これは英国の庭に欠かせないもので、あちこちで見かける。
  
どうしてかというと、生垣として人気が高いのだ。
そして毒性もあるということで、植物の同定試験では必ず出てくる。
という訳で Taxusu baccata は最も試験に出る植物の筆頭だと思われ、忘れようもない植物なのである。
  
  

2008年11月28日金曜日

おお、インドよ
   
  
現在ニュースの筆頭は何だ?
間違いなく、筆頭をあらそっているニュースのひとつが ボンベイ(ムンバイ)のテロ ではないか。
  
この事件、人質がまだ解放されていないなど、未だ解決をみていない。
  
今日の話と植物がどのように結びつくかは微妙なところであるが、プローフィールにも書いたように花咲ジジイは幼少の頃このボンベイに住んでいた。
なのでとっても気になるのである。
  
特にテロの現場となっている オベロイ・トイライデントホテル(昔はオベロイ・シェラトンだった) や タージマハールホテルは今でも良く覚えている。
  
実は2年前に独りで彼の地をおよそ30年振りに訪れたのだけど、そのときはモチロン今日のテロなど想像するすべもなかった。
  
ボンベイの象徴であるタージマハールホテルを写真に収め、ホテル内を冷やかしたのが上の2点。
花咲ジジイは貧乏旅行を旨としているので、こんな超・高級ホテルは見るだけで宿泊はその近くの安宿だった。
平和と富の象徴に見えたこのプールにも死体が浮いたというのはにわかに信じ難い。
   
  
ホテルを一歩外に出て歩いてみると、牛が歩道でムシャムシャと草をはんでいたりする。
  
カネはないが元気はあるぞー、これから頑張るから見ていてくれー
と街のひそかな叫びが聞こえるようだった。
「なんか今のオレと似てたりなんかして・・・」 などと独りつぶやきなんとなく親近感をもったものである。
  
それが今回のテロ。
一刻も早い事態の収拾と、日常を取り戻すことを祈ってやまない。
  
植物をなんとかこじつけてどこかに書いてみようかとも思ったのだけど、たまにはこんなのもお許しいただきたい。
  
  

2008年11月27日木曜日

地下足袋 最新情報
   
  
7月26日付の当ブログで職人気質の藍染地下足袋を買ったのだ、とうかれてみた。
  
それから4ヶ月経った。
   
   
パートタイム植木屋とはいっても、かなりの頻度で植木屋仕事をしているのでご覧のように脇の部分、つま先の部分などがあいてきた。
加えて、最近朝晩冷えるようになり、靴底厚さ数ミリの地下足袋ではたまらなくなってきた。
  
以前、藍染の地下足袋を買いに浅草まで行ったときに、靴底がスニーカーのような、まるでナイキエアのような地下足袋を見たので、それがどんなものだったか、そして良かったらば買おうと先週末サイクリングがてら浅草に行ってみた。
  
お店の名前を出しても別に怒られることではないと思うので言ってしまうと、浅草寺わきの「中屋」というはっぴ等のお祭り用品を売っている粋でいなせなお店である。
  
店に入って早速そのナイキエアのような地下足袋を物色する。
  
あった!
  
しかし、4400円もする。 フツーの地下足袋が1000円前後なのでやおら気持ちが萎えてしまった。
諦めかけたときに目に入ったのがこの中屋オリジナル地下足袋
触ってみると靴底が厚い。試着して靴を履いているかのような感触があってスグに気に入ってしまった。
  
お値段は2300円するが、ナイキエアもどき地下足袋の半額である。
これで快適に冬を乗り切れるのなら・・・と納得して買った。
  
この浅草にこういった靴底の厚い地下足袋があるのは浅草寺近辺で人力車を引っ張るお兄さんたちからの熱い要望があるからだろう。
  
中屋オリジナルだけに、そんじゅそこらの作業着屋にはないシロモノだと思われ、わざわざ浅草くんだり出掛けた甲斐があったというものである。これで、霜柱の立った冬の庭でも元気に駆け回れるというものである。
  
一番上の写真の解説: 
右が藍染のこれまでの地下足袋。左が今回の中屋オリジナル。
左のほうがややスリムなのが分かる。
履き心地は・・・・、履いた人にしか分からない。

【番外編】 じゅんぺいさんに捧ぐ・・
  


イチョウがとてもキレイでございました。

2008年11月26日水曜日

そりゃねーぜ、シロガネーゼ



やっちゃったなぁ、今日のタイトル。
しかも恥ずかしいのは、これを書くのが今日これが2回目だということ。

数時間前にこれをセコセコと書いてアップしたはずだった。
あとで自分で読み返そうとしたら、それが全く無い。
どこへいったのか?

折角書いたのに、同じ事を思い出しながら同じ事を書かねばならない。なんたる、無駄。
以下、思い出しつつ・・・・。

東京都港区白金あたりに住まうチョイとセレブなマダムたちをシロガネーゼというらしい。
おっと、これは既に死語なのかもしれないがあまり気にしないでいただきたい。

そんなシロガネーゼが闊歩するという白金が今日の仕事場であった。

自転車で白金の現場に向かう途中で、チョイとお洒落な花屋があった。
開店前の軒先にはモミの木が置いてあった。

これはまさしく来月の一大イベントであるクリスマスを当て込んでのことだろう。
モミの木は生産農家から掘り上げたままの姿で、鉢にも入らず置いてあった。
背の高さはおよそ250センチ。 まずまず立派なクリスマスツリーだ。

ここで問題なのはお値段。

幾らだと思います?

じゃじゃーん。



ナント ¥42000
いちじゅうひゃくせんまん・・・ よんまんにせん円ですよ。

これがスゴイことなのか、そうでもないことなのか、以下のエピソードをご覧いただきたい。

僕はこのモミの木を写真に撮って、値段を知らせずに親方に見せて聞いてみた。

このモミの木幾らくらいだと思います?
そうだなぁ、卸値で7000円くらいかなぁ。で、幾らで売ってたのヨ?

¥42000円だと言うと、親方は スゲーなぁ、ヒデーなぁ と驚くやら、呆れるやらなのでありました。

これがいわゆる白金価格というやつなのだろうか。
まさにプラチナ価格である・・・。

2008年11月25日火曜日

メタセコイア Metasequoia glyptostroboides
   
   
イチョウにうかれた花咲ブログであったが、今日はまだまだあるぞ秋の色ってことでメタセコイアである。
   
イチョウを黄金色と形容したが、このメタセコイアはなんとすれば良いだろうか?
赤とも違うし・・・。
  
アイルランド人などで ginger-hair (ジンジャー・ヘアー = ショウガ色の髪)というように呼ばれる髪の毛の色の人がいるけど、こんな色だろうか。
あるいは copper (銅色)もこれに近いような気がする。
  
ここでは珍しくメタセコイア並木があって、これだけメタセコイアが並んでいると見ごたえがある。
樹形も美しいし、秋の紅葉も見事だ。
  
針葉樹で落葉する数少ない樹のひとつである。
  
  
もともとは中国原産なのだそうだが、アメリカやカナダなど北米で良く育っている。
樹高も30~40メートル、あるいはそれ以上になるので、都会の街路樹としては適していないかもしれない。
  
実はこのメタセコイアは生きた化石として有名なのだ。
というのは、それまで化石の存在が知られていたのだけど、1945年に四川省で生きた樹として発見されて一躍脚光を浴びたのだ。
  
ともあれ、今朝から昼頃まで晴天に恵まれ、太陽の光を浴びつつ赤茶色に輝くメタセコイアに魅せられて、狂ったようにシャッターを押しまくった。
その中から3枚を厳選してお送りしたい。
どうぞ御堪能ください。
  
  

2008年11月24日月曜日

外苑イチョウのウンチク話
   

   
申し上げているように昨日は早起きをして外苑までイチョウの黄葉を見に行った
色づきは 独断で35%
まだまだこれからといった風情であった。
  
この都内でも有数のイチョウ黄葉スポットには意外なウンチクが隠されているのであった・・・。
  
* ここのイチョウはもとは新宿御苑にあったイチョウのギンナンを1908年に蒔いて育てたものを1923年に植栽したもの
  
* 並木の総数は146本 (雄木44本・雌木102本)
  
* 背の高さ 一番高いもの=24メートル 一番低いもの=17メートル
  
* 並木道の長さ = 300メートル
  
* 木と木の間隔 = 9メートル
  
* 青山通りから絵画館に向かって下り勾配で、およそ1メートル下がっている
   これに合わせて木の高さも絵画館側が低くなっていて、青山通りから見たとき距離があるように見せる遠近法のテクニックが使われている
  
* 樹形を保つための剪定は4年に一回。冬季に完全に落葉した時期に行われる
  
など、外苑のイチョウについてチョット下調べをして、さらに花咲ブログでこれまで書いてきたイチョウに関するアレコレを織り交ぜながら朝のイチョウ並木をそぞろ歩いた。

  
本当に146本もあるのか?そうは見えないけど・・・・
と思って青山通りに立って数えてみた。 確かにあった。
  
それにしても結構な数だ。冬場の剪定は10日くらい掛かるのではなかろうか。
剪定に伴うゴミもかなりのものだろう。
  
剪定が4年に一回というのもどうだろう?
そうだとするとかなり茂ってしまって樹形を保てなくなる気がする。予算などもあるだろうが、せめて2年に一回ぐらいではないか と調べた資料をヨソに思うのであった。
  
参加者の方が 「これを剪定するときには木に登るんでしょうか?」というスルドイ質問を頂いたが、答えられなかった。 職人が登ることも考えられるが、これだけの高さと本数なので大型クレーンにゴンドラをつけて作業するのではないかと想像するが定かではない。
  

   
ホホーと思われたアナタ。
イチョウはまだこれから見ごろを迎えるので、今日のウンチクを胸にお出かけになってみたらいかがでしょうか。
イチョウ祭り なるものも12月14日まで開催されているようなので、焼きそばに焼きイカ、そしてビールなんて お祭り気分でイチョウ並木を歩くのも悪くはない。
  
  

2008年11月23日日曜日

都内イチョウ巡り
   
今朝は早くから自転車屋さん あしびなさん とそのお客様、お仲間たちと自転車で駒込のお店から本郷通り~御茶ノ水~竹橋~麹町~四谷、そして外苑前の銀杏並木までイチョウを見にいってきた。
  
天気予報では晴れだったのだけど、やや曇りがちで黄金色に輝くイチョウを期待していた僕としてはやや残念な天気だった。
   

   
集合は朝6時
ご覧のようにまだ真っ暗だ。 (左上写真)
そして御茶ノ水に着いたあたりで明るくなった。 (右上写真)
なんともすがすがしい気分である。
  
ゆっくりと寄り道をしながら行ったので外苑前に着いたのは8時ころだったと思う。 (左下写真)
ここで花咲ジジイがイチョウについて解説をしたのだけど、この詳細はまた明日書こうと思う。
  

   
我々一行はその後赤坂のファーストキッチンでコーヒーなぞ飲んで身体を暖めて、皇居で解散となった。 (右上写真)
  
僕はそのまま秋葉原~上野~浅草とペダルをこいで、ニュー地下足袋を買ってきた。
この地下足袋の話もあるのだけど、これもまた後日詳細を書こう。
  

  
浅草の浅草寺境内には以前このブログで 御神木 として御紹介したイチョウが悠然と佇んでいたのだけど、黄葉はまだこれからのようだった。 (左上写真)
  
その後家に向かう途中で天気が回復。 日差しが眩しいほどに射してきた。
靖国神社で見たイチョウはまさに黄金色に輝いていた。 (右上写真)
  
くっそー、これが絵画館前で見れていれば・・・、と悔しい思いを胸に家路に着いた。
先週通して肉体労働にいそしんだ疲れと、今朝の早起きが効いたのか、缶ビールを1本飲んでソファの上で長いうたた寝をした。
  
なんというシアワセ。
  
  

2008年11月22日土曜日

防犯バラ
   

   
タイムリーなお話をさせていただくと、つい先ほど埼玉と中野で起きた元・厚生事務次官夫婦殺人事件の犯人が自首したのだそうだ。
   
これと植物がどう結びつくのか?
  
実は先週はずっと中野区の鷺宮という場所で手入れ仕事をしていたのだ。
事件が起きた翌日は一日中ヘリコプターが近所を飛んでいた。
  
ぶっそうな世の中になったもんだ、と親方とも話していた。
良く書き込みをしてくれるぴーさんが以前言ってように、茨城県水戸市で植木屋職人が手入れに行った先の女性を殺害してしまったなんて事件もあったようで、我々善良な植木屋は胸を痛めた。
  
鷺宮でお昼を食べて腹ごなしに近所を散策したらご覧のようにバラが電柱の脇をブワーっと覆うように育っているのを見かけた。
  
スゲーなぁこりゃ。切りゃ良いのに・・・と思った後でハッと気付いた。
これは防犯目的なのではないか、と。
  
電信柱(親方はこれを電信棒と呼ぶ)は家にほぼくっついていて、電信柱をつたっていとも簡単に2階のベランダに登れてしまう。
これは狙われる。
  
そこでこのバラをわざと育てたのではないだろうかと思うのだ。
茎からはかなり鋭いトゲが出ていて、2階に登るのは無理だ。
  
イギリスにはあちこちに野ウサギがいるのだけど、彼らも野バラの奥に巣を作って住んでいる。
外敵がやすやすと近づけないのだ。
ピーターラビットの世界だね。
  
話が逸れてしまった。
防犯の目的で有刺鉄線を張ったり、ガラスの破片をコンクリートに埋め込んだりするのをよく見かけるけど、アレはあまり美しくない。
こういった花が咲いちゃうような防犯の工夫はステキだと思うのだけどいかがだろうか?
  
  
明日は自転車さん あしびなさんと神宮外苑のイチョウをサイクリングして見に行くイベントの日だ。
6時あしびな集合なので、もう寝ます。 明日は黄金色に輝くイチョウを御紹介できることと思う。お楽しみに。 オヤスミナサイ

2008年11月21日金曜日

宝の山
   
  
今日も植木屋仕事。
  
幾つかの木を剪定した中に クロガネモチ Irex rotunda があった。
クロガネモチなどと「黒」を名前の一部に持ちながら、とてもステキな赤い実をつける。
  
大量の枝を切り落とし、トラックに載せて捨てるのだけど、ちょっともったいないという気持ちになった。
少し家に持ち帰ってトイレに飾ってみた。割とイケる。
  
一輪挿し的なモノがこれしかなくて、合っているような、合っていないような・・・であるが。
  
これからの季節、クリスマスに飾るリースなんかにもこれは使う人もいるのではないかと思う。
大量に切り落とされた赤い実をつけた枝を見て、これは何か商売でもできるんじゃないのか、などとアレコレと考えていた。
  
最近は山に行ってモミジの葉っぱなどを採取して、それを売るビジネスが成功していると聞く。
モミジの葉っぱを採ってきて売っているのはおばあさん達が多いらしいのだが、彼女らの年収は1000万円を超えるのだとか。
イッセンマン円!! 葉っぱが!!!
  
そう言うことを聞くとこのトラック一杯のクロガネモチが宝の山のように見えたのも無理もない。
  
  
植木屋をやっていると、通りがかりの人が
染物をするので、と言ってキンモクセイベニカナメモチの葉を
煎じて飲むので、と言ってカキドクダミの葉を
お灸にするので、と言ってビワの葉を
縁起が良いので、と言ってユズリハの葉を
といった具合に ください と言って持っていく場面に何回も遭遇した。
  
これはヒョットしてビジネスになるのでは??
問題はその日の仕事内容と行った先に何が植えてあるかによるので、安定供給が出来ないということ。
  
一考の余地がある。
  
  

2008年11月20日木曜日

芝の校庭
  

  
今朝、青梅街道を自転車で疾走していたらば、何やらとてもグリーンな学校を見つけた。
  
ちょっと通り過ぎたのだけど、わざわざUターンして戻って見てみた。
  
これがいわゆる校庭の芝生化ってやつだ。
  
校庭に芝をはるというのは東京都がかなり力を入れてやっているようで、補助金も出るらしい。
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/heat/kouteisibahu/index.htm
  
芝生化することで「ヒートアイランド現象の改善」「子供がノビノビと校庭であそぶ」「怪我をしない」「人が集う」などなどメリットが一杯のようで、今かなり注目されているようである。
  
現にこの小学校では芝生の校庭でコンサートなんかもやっているらしい。
  
花咲ジジイはずっとラグビーをやっていたのだけど、校庭は砂利が沢山あって擦り傷が絶えなかった。
イギリスに渡って、グランウンドといえば芝のグラウンドばかりで砂利のグランウンドなんてただの一度も見たことがなかった。本当に羨ましい。
  
これによってラグビーやサッカーをやってもより思い切ったプレーができて、それが競技レベルの違いとなって現れると聞いたことがある。 さもありなん。
  
今日の写真を撮ったのは校門越しからだったのだけど、この校門の脇には当番の小学生が寒い中立っていて、登校する他の生徒たちに「おはようございマース!」と元気良く挨拶していた。
  
その当番の殊勝な生徒はこの怪しげな僕の姿にも「おはようございマース!」と他の生徒に注ぐのと同様の愛を注いでくれた。
校庭がミドリになると、子供の気持ちも潤うのだろうか。 そんなことをフト考えながら「おはようございます」と返事をした挙動不審な花咲ジジイでありました。
  
  

2008年11月19日水曜日

秋晴れ 目白通り
    

   
今朝はスカッと晴れた。
澄んだ空気が気持ちよかったが、ちょっと寒かった。
  
秋の空と申しましょうか、空の高さが印象的だった。
遠くには秩父山系の山並みもシッカリ見えた。
  
朝の7時半頃、目白通り、今話題の首相の母校の前を通ったときに朝陽に照らされて黄金色に輝くイチョウに目を奪われた。
  
イチョウってやつも不思議なもので、もうスッカリ色づいているのもいれば、まだ青々としているのもいる。
この目白通りのイチョウたちは今がほぼ見ごろで、足元には黄色の絨毯がひかれようとしていた。
  
早起きは3文の徳だと実感した今朝の出来事である。
  
  

2008年11月18日火曜日

ヒーロー2 Hero 2
   

  
昨日に続いて親方のお話第二弾である。
  
この写真は僕が親方と知り合った10年前、一緒に横浜の山手に仕事で出掛けたときのものだ。
  
え?どこに? と思われるかもしれないが、目をこらしてよく見ていただきたい。
写真中央に白いタオルを頭に巻いた人間が写っているのが分かるだろうか?
  
それが親方である。
  
かなり高い木に登って剪定をしていた。
  
眼下に見えるのが本牧あたりであろうか。
浦賀水道に出入りするタンカーなんかもチラホラ見える。
  
今更ながらスゴイ絵である。
  
この時の親方は命綱もつけずにホイホイと木を切っていた。
  
まだ駆け出しの僕は親方の姿を写真に収めるのが精一杯だった。
  
しかし、どうだ、この写真は。
親方は昨日言った仏様ではなく、仙人のようだ。
  
口先だけは評論家のように達者な人がイザ手を動かしてみると何もできない、というのは良くあるパターンだけど、親方はその逆で、やや口下手だけど手がスイスイと動く。
  
10年前にほぼ偶然のようにこの写真を撮ったのだけど、今も「何か」を思い起こさせてくれる貴重な一枚である。
  
今日親方に会ったら 「ブログ見たよ。俺はそんなに立派じゃないよ」 とちょっと照れくさそうに僕に言った。
それはそれとして、尊敬できる人が身近にいる僕はシアワセ者である。
  

  

2008年11月17日月曜日

ヒーロー1 Hero 1



先週、とある個人のお宅の手入れに行った。

気持ちの良い小春日和で庭仕事を本当に楽しく感じてしまう。

身体をちょっと動かすとうっすらと汗をかく。

僕は庭でツゲを刈り込んでいたのだけど、親方の方向に耳をそば立ててみても音がしない。

静かなのだ。

どうしたのかな、と思って見に行ってみると独りで玄関の門にある松の手入れをしていた。

松の手入れは独特で、古い葉を手でむしって「すかして」いく手作業だ。

かなり根気のいる作業で、手先は動かすが身体はあまり動かさないため、冬場の底冷えのする日には身体の芯まで冷えてしまう。

普段は木にスルスルと登って作業をするのだけど、この日は親方のトラックにクレーンがついていたので、親方はこれを伸ばしてその先端にチョコンと座って松と向き合っていた。

僕はその図を見てなんとも言い難い気持ちになった。

まず、その崇高さ とでも言うのか、クレーンの先っちょにチョコンと座っている様に、何やら仏様のような神々しさを感じてしまったのだ。

さらに、天気の素晴らしさもあってか親方が松に向き合う姿を見て、とても平和な気分に満たされた。

そして親方の表情を見て いい顔をしてるなぁ、と感じ入ってしまったのだ。
     

   
今回本邦初公開となる親方であるが、この人は本当にスゴイ
   
まず仕事が出来る。そして手が早い。さらに邪念がない

別に褒めて何か貰おうってつもりはなく、本当に今どき珍しい人だと思う。
    
思えば僕が園芸の道を志した10年前に偶然知り合った。
    
当時は僕はまったく経験も知識もなかったのだけど、イチから懇切丁寧に教えてくれた。
   
「よくぞ右も左も分からなかった僕を使ってくれましたよねぇ」と言うと

「おおっ、あの時は人がいなくて誰でも良かったのヨ」と笑う。
   
「君に何か光るものを感じたのだ」とか何とか言ってくれれば良いのに正直な人である。
   
そして10年経った今、親方の手の足りないときに手伝いをしている。
    
お互い当時よりも10歳年をとったけど、体力ひとつとってもまだまだ勝てない。
   
素晴らしき我がヒーローである。
  
  

2008年11月16日日曜日

花世界のアンチエイジング?!
   

  
これはいわゆるプリザーブドフラワーというやつである。
  
最近わりと流行っているようで、気の利いた花屋さん気の利いた雑貨屋さん気の利いたデパートなど「気の利いた」ところで売っている。
  
これは造花ではなくて、生の花を脱水させ、特殊な溶液を吸わせたものということで、生っぽい雰囲気のまま長い期間の保存が可能らしい。
これなんかは我家の食卓の脇に水もやらずにかれこれ1ヶ月以上このままの状態である。
  
水はやってはイケナイのだ。
  
特殊な溶液に色んな色素を混ぜることでご覧のような自然ではありえない色がでる。
これは賛否両論あると思うが、これは貰ってきたものでコメントは差し控える。
  
最近の造花も造花っぽい安っぽさは微塵もなく、良くできているなぁと感心してしまうようなものが出回るようになった。
  
お値段はチト高いけど、これで世話いらず、しかも長持ちとなるとそれなりのニーズはあるのかもしれない。
  
  
さて、昨日謎のマメ科の花として御紹介した黄色い花に関して早速情報が寄せられた。
モクセンナ Cassia surattensis ではないかとのことで、調べてみるとほぼ間違いないと確信するにいたった。
英語名では スクランブルドエッグ・ツリーというらしいのだけど、これまで知らなかった。
  
いやいや勉強になっちゃうなぁ。
情報提供ありがとうございます、ひろがおさん。
  
  

2008年11月15日土曜日

謎のマメ科植物
   


  
黄色くて目立つ花を見かけた。
  
なんだ?
  
近寄って観察して分かったのは マメ科 の何かってことだけで、それが何なのか家に帰ってチラリと調べただけでは分からなかった。
  
植物の情報提供をするブログなんだからもっと真剣に調べろ、とお叱りを受けそうだけど、調べているうちに時間が経ってしまって旬を過ぎてしまうのもどうかと思って、今回は思い切って 良く分からんマメ科 ということで書くことにした。
  
恐らくジャケツイバラ Caesalpinia decapetala ではないかと思うのだけど、そうであれば花が咲くのは5月頃のはず であって、今花が咲いているあたり、ジャケツイバラという線を否定している。
  
どなたかこれが何なのか御存知の方はコメントに書き込みをお願いいたします。
  

  

2008年11月14日金曜日

イルミネーション



実は今日恵比寿ガーデンプレイスに行ったのだけど、男二人でそぞろ歩くにはちとロマンティック過ぎた。

大きなクリスマスツリーが早くも点灯され師走の様相を呈していた。

もう今年も終わりなのかぁ・・・とタメ息が出ないわけでもない。

このイルミネーションというやつが脚光を浴び始めたのはいつ頃からだろうか。

表参道のケヤキにイルミネーションが施され、遠路はるばるこれを見に人が集う。
更には交通渋滞をも引き起こす。

電灯をつけっ放しは如何なものか?といったエコ的疑問が沸き起こり、一旦自粛ムードがあったものの、消費電力が少ないLEDライトなら良かろうと再び息を吹き返す。

都心から電車で40分位行った住宅地にも地域の住民が結託して辺りをライトアップした結果、遠路はるばるこれを見に来る人がいて、辺りは縁日のような騒ぎにもなったなんてニュースを去年見た。

日本人はライトアップがつくづく好きな民族なのではないかと思う。
ライトアップ・アーチストなんて名乗って脚光を浴びている人もいるらしいし。

これを樹の立場にたって考えた場合どうだろうか?

身体中にぐるぐると電線を巻かれても、彼らはそれを気にしないだろう。
それよりも、ライトアップによって本来は暗くて眠りにつく時間帯に光に照らされ、ライフサイクルに狂いを生じる ということはありうるだろう。

実際、スズカケノキ(プラタナス)は本来冬は完全に落葉するはずなのだけど都会のスズカケノキは冬でも街灯の光のせいで冬のさなかでも葉っぱを残しているのを見かけることがある。

あと悪いのは、それだけ人が集まればそれだけ地面を踏み固めてしまうということ。
樹にとって根っこはとても重要で、呼吸をし、根をはり、栄養、水分を吸い上げる という意味で土に適度なスペースがなければならない。
それが踏み固められてしまうことで、土の中のスペースがなくなってしまい「窒息状態」になってしまうのだ。

ライトアップしてロマンティックな気分にひたるのも悪くないけど、その裏で樹の気持ちになって考えると一味違ったクリスマスになることと思う。

今日の一枚は恵比寿のライトアップと行きたいところだけど、生憎カメラを持ち合わせなかったので、この前行った新浦安駅前のライトアップを代わりに御紹介しておこう。

これから暮れに向けていくつかライトアップを見ると思うのでコレといったのを見かけたらばここで御紹介していきたいと思う。

2008年11月13日木曜日

ユリオプスデージー Euryops pectinatus
  

  
植木の手入れに行った際、何かブログに書けるような目新しいものは無かろうか?とキョロキョロしてみるのは今や習慣となってしまった感がある。
  
しかし今日そこにあったものはほとんど少なからず一度はこの花咲ブログで触れたことのあるものであった。
イチョウ、ケヤキ、キョウチクトウ、アベリア、ヤマモモ、ツバキ、シイ、サクラ・・・、どれも書いたことあるなぁ・・・。
  
思えば今年1月からスタートしてほぼ毎日更新してきた。
扱った植物もそれなりの数になるのは当然といえば当然だ。
  
でもこの世の中にはまだまだ沢山植物は存在するし、同じ植物であっても季節ごとに様子が違ったりする。
  
あくまで植物にこだわって、シーズナブル(seasonable)な話題をこれからも提供していきたいと思う。
  
で、今日はユリオプスデージーである。
放射相称の典型的なキク科のカタチをしている。
  
初冬のやや寂しいこの季節にご覧のような黄色い花を咲かせて我々の目を楽しませてくれる。
冬を通して花をつけるので、寂しいお庭の味方と言えよう。
  
  

2008年11月12日水曜日

はかなき高級地下足袋



7月に、藍染のチョイとお高い地下足袋を買ったのだ、と書いた。

何しろ通常の地下足袋の2倍の値段である。

かなり興奮したものであるが、4ヶ月ちょっと経った現在はご覧のような状態である。
つま先、そして脇の部分が擦り切れてがあいてきた。

この高級地下足袋は通常の地下足袋に比べて耐久性に難があるようで、もはやあと数日もつかどうかといった具合だ。

しかしこの地下足袋ってシロモノは木に登って繊細な感覚を足の裏で感じるには都合が良いが、これから迎える本格的な冬のシーズンには涙ものの寒さである。
なんてったって靴底が数ミリしかないのだ。

この高級地下足袋を浅草に買いに行ったのだけど、そのときに靴底が「ナイキエアー」のようになった地下足袋があった。
これは浅草寺界隈を観光客を乗せて走る人力車のお兄さん たちが履いているものだという。

目的はやや違うけれど、靴底が厚いとなれば、その分保温効果は期待できる。

これも地下足袋としては決して安いものではなかったけど、次なるターゲットとして現在考慮中である。

2008年11月11日火曜日

大手町 午前07:16
   



それにしても今日は寒かったねぇ。
  
花咲ジジイは植木屋仕事の現場に早朝自転車で向かった。
今シーズン初の手には手袋である。
  
昨日も寒かったのだけど、手がチトかじかんだので、今日は手袋をはめてみた。
  
快適
  
しかし もう手袋の季節かぁ と思うとなんとも季節の移り変わりの速さを感じてしまう。
  
で、今朝07:16に皇居の脇を自転車で疾走した際、黄色く色づいたイチョウを馬場先門あたりで発見した。
  
色んなイチョウを見るけど、今日時点で都内でこれほど色づいているのは珍しいのではないだろうか。
そこで自転車を急停止させて一枚パチリとやった。
  
実はお世話になっている自転車屋さん あしびな とコラボして来る11月23日(日)に都内をサイクリングして絵画館前のイチョウを見にいって、花咲ジジイが解説を加えることになっている。
http://www.asibinaa.com/?pid=14335
  
その頃に絵画館前のイチョウが真黄色だったらいいのになぁなどと願わずにいられない。
  
自転車をこぐのが趣味の植物を愛するアナタ。
もしよろしければ一緒にいかが?
  
  

2008年11月10日月曜日

ツワブキ Farfugium japonicum
  

  
この前植木屋仕事をしていて、地面に這いつくばって落ち葉を掃除していたら、何やら良いニオイがした。
  
フト、顔を上げてみると目の前にツワブキが咲いていた。
  
今の季節でこそこうやって黄色の花が咲いているけど、それ以外の季節は緑色でいびつなハート型をした大きな葉っぱしかない、これといった特徴の無い植物なのである。
  
日陰でも割りとよく育つので日本家屋の北側に アオキ なんかと一緒に見かけることが多い。
  
そんな訳で 「あまり心ウキウキせんなぁ」と普段気にも留めないツワブキがこんなに良い香りを放つとは知らなかった。
  
ちょっと見直したゾ、ツワブキよ。
  
  

2008年11月9日日曜日

ナンテン Nandina domestica



気の利いた小料理屋なんかにいくと、皿の隅にこのナンテンの葉が添えてあったりする。

もともとは中国からきたものらしいけど、茶花として茶室の床の間の一輪ざしに活けてあったりする場合もある和のテイストも併せ持つ。

赤い実が特徴で鳥がついばんでいく。

ナンテンというと、ラジオを聴いていると「ナンテンのど飴~♪」と何度もしつこく流れて耳にするので、自然と刷り込まれてしまって、のど飴しか頭に浮かばなくなってしまった。
でも 「難を転ずる」ということで縁起が良いとされているという話も聞いたことがある。

この花咲ブログで、赤い実をつけるものをサンゴジュピラカンサなど紹介してきたけど、赤い実だけ机の上に並べてそれが何なのか言い当てるくらいになりたいものである。

2008年11月8日土曜日

ヨウシュヤマゴボウ Phytolacca americana
  


  
空地なんかでよく見かけるのがこのヨウシュヤマゴボウだ。
  
良く熟れたブドウのようなとても美味しそうな色をしているが、毒性があるので食べてはイケナイ。
  
手でつぶしてみると、手がというかに染まる。
手についたのはある程度時間が経てば取れるけど、洋服につくと取れなくなるので気をつけて遊ぶべし。
  
ルバーブというのを御存知だろうか?
ジャムにしたりして茎を食べるもので、僕はルバーブを茹でたものに温かいカスタードをかけて食べるのが好きなのだけど、このヨウシュヤマゴボウの茎の色は茹で上がったルバーブを髣髴させる。
  
美味しそうでも食べれないもの食べれなさそうに見えて美味しいもの、植物の世界にも色々ある。
  
  

2008年11月7日金曜日

嘆きのサクラ
   

  
これはどういう写真でしょうか?
  
これはサクラなのだけど、樹の幹の痛々しい傷跡が人の顔のように見えないだろうか?
とても苦しそうな顔をしていて、更には両手を挙げて「うぎゃー」と叫んでいるように見えなくもない。
  
実はこれ、左にちょっと見えるガードレールがちょっと前まであって、そのガードレールに樹の幹肌が食い込んだと思われる。
これはイカン、と慌てて樹に接触しているガードレールを誰かが外したのだろう。
でも、まだ痛々しい傷が残って人の顔のような模様を醸しだしている。
  
この前もガードレールをすっかり包み込んだスズカケノキを御紹介したけど、都会に生きる植物は苦労が多いとちょっと同情してしまう。
  

  

2008年11月6日木曜日

ユリ根



旧知の先輩と飲みに行った。

名前を出しても怒られることは無いと思うので、あえて出しちゃおう。

日比谷の国際劇場地下1階の とかちの という飲み屋さんである。
ここはスペースは小さいながら、出てくるもの全てが美味しい

国内産のワインも自慢で、特に甲府のアルガワインは絶品である。

名前からも分かるように、北海道十勝地方の食材をふんだんに使った料理が自慢のお店で隠れ家的にときどきお邪魔している。

そこで食べたのがユリ根

生まれて初めてユリ根を食べたのはおととしのこと。
北海道に住んでいる叔母から送ってもらったものを食べたのだ。

最初は「ユリの根っこぉ??」と口にすること自体に懐疑的だったのだが、食べてみてその甘味とホクホクした食感に驚いた。

そしてとかちののユリ根。
これもホクホクして箸がどんどん進む。

花咲ブログなので植物的に言うなら、これはまさしくユリの根っこ部分にある鱗茎という部分である。
これが何かというと 葉っぱ である。
葉っぱが肥大して栄養を蓄えたもので、鱗茎の他の例としてタマネギがある。
我々は葉っぱを食べているのだ。

出てきたユリ根をムシャムシャ食べている最中に 「アッ、これはブログに載せたいゾ」と慌ててパチリとやった。
皿のユリ根は既に半分なくなっていたけど御愛嬌である。