2012年4月30日月曜日

遠くから、近くから


GWの天気はどうやら下り坂なんだそうだ。

外に繰り出そうと思っていた人にとっては残念なこと。
そうやって考えると昨日、快晴の新宿御苑に出掛けてよかった。

昨日ちらりと書いたけどオオアマナが今満開だ。

上の写真を見て欲しい。

白い花畑のような場所に、なにやらニョキニョキと棒のようなものが出ている。

白い花がオオアマナで、棒のようなものはラクウショウという大木の根っこだ。

ラクウショウは水辺に育つので、地中で根っこが十分呼吸できない。
よって、このように潜水艦の潜望鏡のような根っこを地上に出して呼吸しているのだ。

白い雲海から、尖った山の頂きが見えるようで、ロードオブザリングのワンシーン、もしくは中国の水墨画のようでもある。

このラクウショウとオオアマナのコンビネーションは新宿御苑ならではだと思われる。
見ごたえがあって、かなり美しい。

都内にもう一箇所オオアマナの名所がある。
それは小石川植物園だ。

ここはほんとうに白いカーペットのようにオオアマナが群生している。

いずれも一見の価値があるが、恐らく花はこのGW一杯ではないだろうか。


オオアマナと書いたが、正確にはどうやらホソバオオアマナ Ornithogalum tenuifolium らしい。

オオアマナは在来種、外来種など幾つかあるが、このホソバオオアマナは外来種でかなりの勢いで増えているようだ。

ひとつの茎に複数の花が咲くのが特徴のひとつで、在来種の場合ひとつの茎にひとつの花というのに比べると繁殖力が旺盛であることが想像できる。


ユリ科なので、花の基本構造はユリやチューリップなどと同じだ。
6枚の花びらに見えるのは、正確には外側の3枚がガクが変化したもの(外花被)で、内側の3枚が花びら(内花被)である。

おしべは6本、すなわち3の倍数で、めしべもよくよく見ると6つにくびれているのが分かるだろう。
単子葉のユリ科などの植物たちは3の倍数好きなのだ。

一面の白い花畑を俯瞰しても面白いし、こうやってひとつの花を覗き込んでつぶさに観察してみるのも面白い。

いろんな楽しみ方があるよ。




2012年4月29日日曜日

安・近・短


はじまりました、ゴールデンウィーク。
略してGW。

GWはいかがお過ごしでしょうか?

遠出したいのはやまやまなのだけど、いろいろとやることが溜まっていて遠出もままならない。

なので、って訳でもないのだけど都内を自転車でウロウロした。

新宿御苑、北の丸公園、神保町、秋葉原、水道橋、大塚、池袋・・・

フラフラしていたらばなんとなくそれだけ移動していた。

なんといっても今日は新宿御苑が入苑料無料の開放日。
好天にも誘われてすごい人出だった。

思えば、どういう訳か毎年この時期に新宿御苑に出かけているなぁ。

毎年この時期の新宿御苑はハンカチノキの花が咲いていて、オオアマナの花も咲いていて見所満載の時期だ。


ハンカチノキもオオアマナも人垣ができるくらいにカメラを持った人が集まっているので、広い苑内でも容易に見つけることができるだろう。

都会のド真ん中にこんなに緑豊かな場所があるってのも東京の不思議であり、魅力でもある。

遠くへ行くのもめんどうだなぁというアナタ。

安・近・短をそのまま体現する都内の公園、緑地の数々。
都内の公園には見るものも多くかなりの穴場ですゾ。



2012年4月28日土曜日

翼果 samara


気温もようやく高くなってきて春本番。

今日はとくに汗ばむほどだったし、爽やかな風に吹かれていると本当に気持ち良い。

そしてゴールデンウィーク。
カレンダー通りという人もいれば、通しで休んでしまうという人もいるだろう。

とにもかくにも良い季節を向かえ行楽シーズンである。

同時に植物は日々生長し、変化を見せてくれる。

ちょっと近所を散歩するだけで色んな発見がある。

ブログネタには事欠かない。

今日ご紹介するのはカエデの実。

小さくて目立たない花が咲いていたと思ったらば、もうこんなに立派な実がなっていた。

赤い翼のような部分はまさに翼であって、秋に実が熟すと、これが風をキャッチして遠くへ飛んでいく。

翼があるので翼果という名前がついている。
因みに翼果は英語で samara ね。

カエデには緑色の実をつけるもの、そしてこうやって真っ赤な実をつけるものなどがある。

カエデの新緑と、赤い実のコントラストが美しい。
そして今日は夕日が赤い翼を透けて光っていた。

なんとも幻想的でステキだった。


ゴールデンウィークとはいってもやることは沢山あるし、あまり遠出もできそうにないので、せいぜい近所を散歩して身近な植物たちに目を向けたいと思っております。



2012年4月27日金曜日

コトネアスター


ちょっとした高級住宅地にて。

高い塀からなにやら緑がぶら下がっていて、たくさんの赤い実を付けていた。

なんだ、なんだと思って近づいて見てみた。

それはバラ科のコトネアスター Cotoneaster だった。

日本に自生しているものではないながらも、割と最近よく見掛けるようになった。

とくによく見掛けるのは
Cotoneaster horizontalis というもので、コトネアスター ホリズンタリスといって通じるようになってきた。
このホリズンタリスはその名が示すように horizontal すなわち水平(horizon)の形容詞が語源となっているように上へ上へという垂直方向ではなく、横へ横へという水平方向へ育つ性質を持っている。

なのでグラウンドカバー的に使われたり、植え込みを埋める目的で使われることが多い。

この壁からぶら下がっているコトネアスターはホリズンタリスではない。
しなやかな枝がぶら下がる様子がホリズンタリスではないと一目で分かる。

ホリズンタリスの枝はもっと固くてしなやかさは、あまり感じないものだ。


実はコトネアスターは100とも300とも言われるほど種の数が多い。

あまり自信のないところでモヤモヤ言っていてもはじまらない。

今日言いたいことは、コトネアスターのこういう使い方があるんだなぁ、ってこと。

このような壁でぶら下がるように何かを植栽するというと、だいたいオカメと呼ばれる葉が大きめのアイビーだったり、ツルニチニチソウだったりする。

なんか一本調子でつまらない。

ツルニチニチソウは花を楽しむこともできるが、ありがちだものなぁ。


その点、このコトネアスターはご覧の通り赤い実がなんともチャーミングであります。

これはなかなか良いんじゃぁないかと思うがどうだろう?




2012年4月26日木曜日

つくばにて


用事があって茨城県つくば市に出掛けた。

つくばエクスプレスで万博記念公園で降りると、駅前だというのに店のひとつもない。

タクシーを拾って目的地に向かう。

タクシーは途中でいきなりあぜ道のような細い道に入っていく。
どうやらこれが近道なのだろう。

田んぼや畑にはまだ何も植わっていなかったが、周囲の新緑がとてもきれいだった。
用水路の脇にはナズナやヒメドリコソウなどが群生していてなかなか壮観である。

空は高くひばりの声も聞こえそうだった。

のどかだな~
良いなぁ~

仕事でなければテクテクと歩いてみたいものだ。
きっと色んな発見があるに違いない。

それは叶わなかったが、ついに我慢できずにタクシーの運転手さんに
「スミマセン、道路わきの適当なところでちょっとだけ止めてください」
そうお願いして、止まった車の窓から外を眺めて写真を撮った。


撮れた写真をみると、やはりホンモノの景色の魅力をまったく伝えていないのでがっかりした。

写真だと畑の向こうに緑が繁っている程度にしか写っていないが、そうではなくてさまざまな濃淡の新緑と、サクラなどの白やピンクの花が混じってまるで絵画のようだったのだ。

わざわざタクシーを止めてまで写真を撮っている僕を不思議に思ったのだろう。
タクシーの運転手さんが
「そうですよねぇ、あたしも普段運転しているとあまり気付かないけど、今の季節なかなかキレイですよねぇ」
と言った。

タクシーの運転手さんに、この平和な田園風景の魅力を気付いてもらえて良かったなぁ。



2012年4月25日水曜日

チューリップ劇場


スイセンはとっくに終わって、今咲いている球根といえばチューリップだろうか。

チューリップすらもう後半、終わりに近い。

スイセンもチューリップも春を代表する花だけど、残念なことに花が次から次へと咲くという種類の花ではない。

もうちょっと分かりやすく言うと、球根からまず葉っぱが出てきて、そのあとに花芽が出てくる。
ところが、この花芽がついている花柄はひとつの球根にひとつしか出ない。

すなわちこのツボミの花が咲いたらばその株には今シーズンはもう花が咲かないということになる。
花は一回限りなのである。

なんともはかない、といえばはなかい。

そんなはかないチューリップの極みを目撃した。

ある花屋さんの裏に葉っぱだけのチューリップが並んでいた。
いや、正確に言うと、頭を切り落とされたチューリップということになる。

どうやら春ということでチューリップを大量入荷したは良いが、売れ残ってしまったチューリップを安値で販売しようとしているらしい。

花も魚や野菜のように生モノであるので、賞味期限が切れたらば処分するしかない。

この花屋さんは処分する前に、もうワンチャンスをチューリップに与えたのだろう。

今年の花は終わってしまったけども、うまくすれば来年また花が楽しめますよ、と。

何色の花になるか、せめて今年何色の花が咲いていたかを記しておこうというわけで「きいろ」「ピンク」といった札が付いているのだろう。

別の札には
「最終値下げ!! チューリップどれでも1ヶ¥100 2ヶ以上1ヶ¥50」

・・・・安いといえば安いかもしれない。

ここで買われなかったチューリップはおそらく廃棄処分になるんだろう。

シーズン最盛期には高値、それが少し値が下げられ、あげくに叩き売り、最後には廃棄処分。

なにやら人間ドラマを垣間見るようなフクザツな気分になった。


2012年4月24日火曜日

ヘクソ復活の日


とある駐車場。

ありがちな緑色のフェンスに茶色く枯れたツタのようなものが絡まっていた。

「枯れた」と思っているのは我々人間の浅はかなところである。

この茶色く枯れたと思われたつる性の植物はどっこい枯れてはいなかった。

これはヘクソカズラ Paederia scandens という哀れな和名のついた植物である。

園芸品種として珍重されるようなものでもなく、どこにでも生える言わば雑草である。

冬の間は茶色く枯れているように見えて、その実、春になったら再び息を吹き返す力を蓄えていたのだ。

そして春がやってきた。

茶色く枯れたように見えた枝の節々から新たな芽がニョキニョキと顔を出し始めた。


一旦枯れたように見えても、こうやって逞しく息を吹き返すというあたりが雑草の強みなんだろう。

緑のフェンスをヘクソカズラが覆う日も近い。



2012年4月23日月曜日

大きいけど小さな花ってなーんだ?


今日の東京はほぼ終日雨。

ちょっと肌寒いかんじもして、まさに三寒四温を地でいく感じである。

春の花ということで、小さな花をご紹介したが、今日の花もある意味とても小さい。

春の花木として人気が高いのがハナミズキ Benthamidia florida 

庭木としても、街路樹としても人気がある。

ハナミズキについて語るべきは、やはりその花だろう。

一般的にハナミズキの4枚の花びらと思われている部分は花びらではない、というのは有名な話。

そう、これは総苞といって、いわばガクのようなものである。

しからば花はというと、その4枚の総苞の中心にあるブツブツの部分が花なのであります。

そんなバカな。
そう思われた方は一番上の写真の中心部を見ていただきたい。
2つくらい小さな花が咲いているでしょ。

ブツブツのものはまだツボミだってことです。

ハナミズキの花はある意味小さいと書いたのは、これが理由です。
一つ一つの花はオオイヌノフグリよりも小さいと思う。

あっ、ハナミズキが咲いている!
そう思って通り過ぎるだけではなく、足を止めて花を間近に見ていただきたい。

肉眼でちゃんとこの小さな花を見ることが出来るはずであります。

今ちょうどハナミズキが咲きはじめたところなので、ツボミから開花するまでのプロセスをご覧いただこう。







2012年4月22日日曜日

春の味覚


春。

花が咲いたといって花見をする。
視覚で春を感じる。

ついこの前であればジンチョウゲが咲いてあたりに甘い香りが漂った。
これからであればジャスミンが甘い香りを放つことであろう。
嗅覚で春を感じる。

そして草もちを食べる。

ひとつ口に頬張ると口いっぱいに春の味わいが広がる。
草なので「青臭い」といってしまえばそれまでだが、それがまた良いんである。

数日前に挽き立てのコーヒーの香りが究極のアロマセラピーだと書いたが、草もちを食んで鼻をつくヨモギの香りもまた一種のアロマセラピーであるような気がする

つきたての草もちはフンワリと柔らかく、餡が適度に甘く、そしてヨモギの草の香りがハートをグッと掴んで離さない。


これらが渾然一体となって春を感じさせてくれる。
味覚で春を感じるわけだ。


ついこの前であれば桜餅、来月になれば柏餅も出回るだろう。


そうやって考えると、我々日本人は身近な植物を取り入れて季節の移り変わりを楽しむ達人なのかもしれないね。


2012年4月21日土曜日

路傍のスミレ


自転車で都内を移動していたとき。

道端になにやら濃い紫色の花が目にとまった。

一旦通り過ぎたものの、気になってUターンして現場に戻った。



それはなんてことのないスミレだった。

スミレ自体はそれほど珍しくもないが、こうやって交通量の多い道端にヒッソリと咲く様子はなんともけなげである。

よくもまぁこんなところに・・・ とちょっと感慨深い。

でもこんなところにスミレが咲く理由を僕はなんとなく知っている。
大きな手がかりは 「スミレの種を誰が運ぶか?」ということだ。

風に吹かれて?鳥に食べられて?

実はスミレの実は熟するとプチッとはじけて中のタネが飛ぶ。

それだけでも親株よりは遠くへ離れるのだけど、スミレの場合さらにもうワンステップある。

それは何かというとアリなんである。

スミレのタネのまわりにはアリの好む物質エライオソームというものがある。

これのため、アリはスミレのタネを見つけると、わっせわっせと自分たちの巣穴に運び込む。

そしてそのエライオソームを頂戴すると、不要な種の部分は巣の外にはきだす。

そこでスミレは芽を出し、根を張るというわけだ。

そうやって考えると、今日の写真にあるスミレは、わざわざ誰かがタネをまくような場所にはないけど、このあたりにアリの巣がありそうな雰囲気がプンプン漂っている。

なんでまたこんなところに!?
という謎が解けて一件落着。

おあとがよろしいようで・・・。



2012年4月20日金曜日

究極のアロマセラピー


アロマセラピーをご存知か?

アロマは芳香という意味でセラピーは療法なので、芳香をつかった療法ということである。
疲れたとき、イライラしたとき、集中したいとき、リラックスしたいとき、などシチュエーション別にカモミール、ラベンダー、ユーカリなど植物由来の精油をアロマポットで炊いたりして香りを愉しむ・・・というのが僕の理解である。

一時期、アロマポットを買って、リラックス用として既にブレンドしてある精油を使ったこともあるし、もともとバニラの香りが好きなので、バニラの香りで部屋を満たしたこともあった。

確かに香りってのは良いものだと思う。

ただし、自分のやっているのは我流というか、テキトーなものであって、専門の方からすると眉をひそめてしまうようなものかもしれない。

前置きが長くなった。

中毒ほどではないが、コーヒーは好きな飲みものだ。
毎朝必ず飲むし、日中にも一回くらいは飲むと思う。

でもそんなにこだわっているわけでもなくて、家で飲むこともあれば、ハンバーガー屋のコーヒーを飲むこともあれば、シアトルあたりを起源とするコーヒーチェーンで飲むこともある。

家では紙フィルターを使って入れるが、大してこだわっているわけではなく、スーパーで買ってきたコーヒーだ。
ハンバーガー屋のコーヒーは安いし、その昔に比べれば格段に美味しくなった。
シアトル起源のコーヒーチェーンはお値段もそこそこするが、家では絶対に出せない味であると認めざるをえない。

さて、家の冷蔵庫に密閉タッパーにて保存してあるコーヒーがそろそろなくなりそうで、買い足しにいかねばなぁと思っていたところ、この前お花見で久し振りにお目に掛かった方から大変有益な情報を得た。

神楽坂のコーヒー豆店はお値段もリーズナブルでとっても美味しい、と。

神楽坂はしょちゅう通るので昨日豆を買いにいった。

表通りからちょっとだけ入ったところにあるその店は 緑の豆 という。

店に入るとさまざまな種類のコーヒー豆が詳しい説明書きとともに並んでいる。
注目すべきは、豆はまだ焙煎されておらず青いのだ。

だから店名が緑の豆なんだろう、たぶん。


植物的にいえば、コーヒーは学名 Coffea arabica であり、常緑低木に赤い実がなるという何の変哲もないものだ。

その様子は普段よく見掛けるアオキとあまり変わらないくらいだ。

さっそく店員さんに、オススメの豆を聞いて「神楽坂ブレンド」をチョイスした。

とりあえず200グラムをお願いすると、その豆をその場で焙煎(ロースト)してくれる。
ロースト加減も注文があればその通りにしてくれるが、初回だったので「お任せ」で。

あたりになんとも芳ばしい香りが漂う。

アッという間に焙煎が済むと、不純物や不良な豆がないかをチェックしてくれて、今度はそれを挽いてくれる。
これもお好み次第だが、初回だったので「お任せ」で。

豆を挽きだした瞬間から店になんともいえない良い香りがふわっっ広がった。

僕は思わず目を閉じて、鼻腔を思いっきり開いて、その香りを胸いっぱい吸い込んだ。
その香りに浸った。
余分な思考はすべてストップして、脳のスイッチが切れたようだった。

なんといえば良いだろうか。なんと表現しても足りない気がする。
もうノックアウト級の良い香りだったのだ。

しばらく目を閉じたまま香りを楽しんだのだが、そろそろ袋詰めが終わってお会計をしなくてはいけない頃合かなと思って瞼を開く。
放心状態で支払いを済ませて店を後にした。

家につくまでの間、カバンからその香りがどんどん流れ出す。
帰宅してキッチンに置いた後も、キッチンから良い香りが漂ってくる。

スゴク良い買い物をしたような気になってとても嬉しかった。

そんな奇特な店を教えてくれた方に心から感謝である。

そこでハタと思った。
これぞリアル・アロマセラピーではなかろうか、と。

この香りでとても満たされた気持ちになったし、ストレスも吹き飛んだ気がする。

コーヒーは単なる飲み物ではなく、その苦味、酸味などの味覚で楽しむのはもちろんだが、併せて香りという嗅覚で楽しむ飲み物だ。

味も香りもそこそこっていうコーヒーも悪くはないが、味も香りも一級のコーヒーというのはごく身近にある実現可能な贅沢である気がした。




2012年4月19日木曜日

小さきものたちへ 2


足元の愛すべき小さな花たちに気付いておくれよ、ってな話を書いたのが昨日。

とりあえず3つの花を紹介した。

でもそんなものではモチロンない。

ちょっとカメラを抱えて家の周りをつっかけで歩いただけでも色んな花に出会えるのが今の季節である。

今日は写真を多めに、説明は少なめにしてみようと思う。
それぞれの花に解説というか言いたいことは沢山あるけど、ここはあえてその姿を見てもらおうかと。

まず上の写真はタンポポ Taraxacum officinale
今更説明の必要もない誰でも知っている花だと思う。

セイヨウタンポポとカントウタンポポの違いは 「がく」 を見てくれ!


ホトケノザ Lamium amplexicaule
濃いピンクの花はまだ咲いていないが、葉の根元に小さな小さなツボミが赤くスタンバイしていた。
あとちょっとだ。


ナズナ Capsella bursa-pastoris
いわゆるひとつのペンペン草ですね。
これもアブラナ科なので花びらは4枚。


ハコベ Stellaria media
花びらは何枚か数えてみて。

10枚?
ブブーッ、不正解。
正解は5枚。 
ひとつひとつの花びらが深く裂けて2枚に見えるのだ。


ノボロギク Senecio vulgaris
小さい黄色い点にしか見えないのが花だってんだからオドロキだ。
さらに1つの点に小さな花(筒状花)が100近く寄せ集まっているってんだからさらにオドロキだ。
白い綿毛はタンポポと同じ理屈ね。


オニタビラコ Youngia japonica
タンポポ、ノボロギク、そしてオニタビラコ。
今日ご紹介した6つの花のうち半分がキク科の花だ。

どうです?
あっ、見たことある!
そんな花がいくつかあったでしょ。

知ると散歩がもっと楽しくなるよ。


2012年4月18日水曜日

小さきものたちへ


そろそろゴールデンウィークがどうの・・・という話題が聞かれるようになった。

4月も後半に突入したので、もう雪が降ったり冬の気候にもどることはないと思う。
最近の異常気象ではなんとも言えないがそう願いたいものだ。

ここにきて、いっきに春めいたというのは植物たちを見ても良く分かる。

植木鉢や花壇にある花もキレイだけど、いわゆる雑草といわれるような花たちもキレイでカワイイ。

なんといっても小さいんだな、彼らは。

だからオトナの目線で忙しく早歩きしていると気付かないかもしれない。

少しゆっくりと、そして足元に気をつけながら歩いていると色んな花が咲いているのに気付くってものだ。

今日ご紹介するのはそのホンの一部。

まず上の写真はオオイヌノフグリ Veronica persica
青くて小さい花がカワイイでしょ。
一日花といって、たった一日で枯れてしまうというはかなさ。

サクラのはかなさが良い、なんて言ってしきりに花見をしたのはついこの前だが、はかなさではサクラの上をいく。


次は白くて小さな花が咲いている 
タネツケバナ Cardamine scutata

なりは小さくても立派なアブラナ科の花で、それが証拠に白くて小さな花の花びらは4枚である。


そして最後は ヒメオドリコソウ Lamium purpureum 

全体がなんともいえない赤紫色をしていて、細かい毛に覆われているのでベルベットのような独特の手触りがある。

これら全て草丈がせいぜい15センチくらい。
足元をキョロキョロと見ないと見過ごしてしまうだろう。

見つけたらば、せめてしゃがんで彼らを見てやって欲しい。
そうすると、グッと間近に見ることができて、花びらが何枚なのか、細かい毛が生えているのか、手触りがどうなのか、なんてことが分かる。

子供と接するときでも仁王立ちになって見下ろしていては子供とコミュニケーションはとれない。
しゃがんで、子供と目線を同じにすることで会話も弾むってものでしょ。

植物に対しても同じこと。

ちなみに今日の写真3点は僕が撮ったものだが、膝を曲げてどころの騒ぎではなく、匍匐前進のように地面に這いつくばって、彼らに近寄って撮ったものである。

ハタから見たら、オカシイ人に見えるかもしれないが、そんなことは一切気にしない。

むしろ、そうすることでしか見えないものも沢山あるので
「一度試しにやってごらんなさい」
とオススメする次第であります。



2012年4月17日火曜日

追加旅情報


お知らせしましたように、英国園芸協会日本支部主催『チェルシーフラワーショウツアー2012』のツアーリーダーとして5月21日~28日同行します。

ツアーの見所など多角的(ちょっと食べ物の話が多くなってしまったけど)に、花咲ブログにて2月9日~13日にあれこれと書いた。
良ければ見てみてください。

今更なんですが、ひとつ書き忘れたことを思い出した。

旅において、何をするか、何を食べるか、といったところは大変重要であるが、同様にどこに泊まるかという点も見逃せない点であると思う。

今回はロンドンとヨークという2都市に滞在するが、いずれもなかなか良い場所に宿がとれている。

まずロンドン。

右下部分の水色の蛇行している部分はいわずもがなテームズ川であります。
そしてほぼ中央にある緑色の部分はハイドパーク。

で、今回滞在する Millennium Baileys Hotel はハイドパークからも数百メートル程度。
(140 Gloucester Road South Kensington, London SW7 4QH, England)

かの有名デパート、ハロッズにも歩いていける距離である。

ビッグベンやピカデリーサーカスなどにもほど近い。

そしてヨーク。

ヨークの歴史はイングランドの歴史とも言われる歴史情緒あふれる町である。
町の周囲を城壁が囲っていて、その中に町の魅力がギュッとつまっている。

今回宿泊するホテルは The Royal York Hotel といって城壁のすぐ前にある。
(Station Parade, York, North Yorkshire YO24 1AA, England)

ヨーク大聖堂だって歩いていける。

そしてこのホテルの特筆すべき点は、ヨーク駅に隣接しているということ。


駅といったってそんなに騒がしいわけではない。
ヨーロッパの駅らしいたたずまいで荘厳ですらある。
ロンドンとスコットランドを結ぶ路線で、ときどきオリエント急行だって止まるのだ。

鉄道好きな人にはたまらないのではないだろうか。
因みに鉄道博物館もヨークにある。

ホテルのロケーションは夏の英国旅にはとても大切だと思う。

なぜなら日中の行動を終えて夕食を取ったあと、夏の英国であれば21時過ぎまで明るい。
元気さえ残っていれば、町を散策するのはとても楽しい。

これが交通機関を乗り継いでとなると面倒だが、ロンドンもヨークも徒歩で大丈夫。
これは旅の魅力2割増しくらいの価値があるのではないかなぁ。

この話を聞いてツアーに行きたくなった人に朗報です。

申込み期限は過ぎてしまいましたが、もし行きたい方がいらしたらまだ何とか間に合うそうです。

JTB 03-5909-8242 担当:銀山

ご興味のある方は問合わせてみてください。

折角の機会ですから、僕としても一人でも多くの方と楽しい旅を共有したいと思っています。