2008年3月31日月曜日

木登り
   

木登りをしたことがありますか? 最後に木に登ったのはいつですか?
    
子供のころ誰もが一度は木に登ったことがあるのではないだろうか。
    
小さいころよく行った公園に ガジュマルの木 があって、複雑に入り組んだ幹や気根にしがみついて木に登った。結構な大木で木に空洞があって 基地 を提供してくれたりもした。
     
それ以降木に登るなんてことはサッパリなくなったのだけど、イイ大人になった今、園芸の勉強の一環として木登りがあったし、最近では植木屋の仕事をするときに木に登る。
   
それは結構新鮮な感覚だ。
      
愉しみで登るのではなく 仕事 で登るのでやや趣が違うのだけど、登るにつれ見えてくる景色が違ってきたりして子供のときのようにワクワクする。
       
園芸の道を進むようになって花を植えたりするときに土に触れるのだけど、その土に触れたときのヒンヤリとした感覚を子供のときに味わったなぁとしばし思い出にふけるのと同時にその感触の良さにしばし恍惚としてしまうのと似ている。
      
地下足袋は靴底が薄くて柔らかいので素足感覚で、足の置いてある枝が強いのか弱いのかといった繊細な感覚が伝わってくる。足は枝先に置かずに極力幹に近い枝の元に置くこと。でないと枝が折れて転落する。
       
日本ではフリークライミングのように軽装備でスルスルと自分の力で登って、必要に応じて 安全帯 などで安全を確保するのが一般的のようだ。
      
一方、英国ではあご紐付きのヘルメット、ハーネス、命綱、安全靴といった万全の重装備で無理なく安全に登っていく。もうこれは文化の違いと言ってしまえばそれまでだけど、同じ木登りでも随分違いがあるものだ。
       
英国式の装備とまどろっこしさにときどき嫌気がさしたけど、安全を考えればとても理に叶っている。
     
ちょっと前に友人の紹介で 空師 といって高木の剪定・伐採を専門にやっている職人集団の手伝いをしたことがある。そこの親方は本当にプロフェッショナルで足元は地下足袋ながらもヘルメット、ハーネス、命綱を使って高木に挑んでいた。日本にもこういう人がいるのか、と興奮したことを憶えている。
     
ただ、仕事内容によっては自らをクレーンに括りつけ数十メートルの高さにイッキに登っていく様子を見て、足がすくんだものだ。
  
      
話が散漫になってしまった。
      
木登りも泥遊びも子供のころやった。
     
広い意味での園芸はこういった忘れかけていた何かを思い出すきっかけにもなるのではないかな、と。
     
もし子供がいたら 危ない と頭ごなしに禁じるのではなく一緒にやってみたらどうだろう。
子供も ここからは危ない といったことは本能的に察知できるはずだし、「意外とお父さんやるじゃない」なんて会話が弾むカモ。家にこもってテレビゲームのバーチャルな世界に浸るよりも健康的だと思うのだけど。
        
ただ、どの木でも登って良いというわけではない ので、公園や植物園に 木登りの木 というのがあると良いと思うのだがいかがだろうか?

2008年3月30日日曜日

  
 雑草魂 2
  
     タンポポ(西洋タンポポ) Taraxacum officinale

   
雑草の王者タンポポの堂々の登場である。
      
タンポポについて語ることが多い。多すぎるのでちょっと小出しにてみよう。
    
まず単にタンポポとせずにわざわざ西洋タンポポと書いたのはなぜか?
     
日本にもともとあったエドタンポポカントウタンポポなどの在来のタンポポがあったのだが、あとになって主ににヨーロッパに分布するセイヨウタンポポが外来種として日本に入ってきた。
     
このセイヨウタンポポのスゴイところは 在来のタンポポは雌しべに雄しべの花粉がつかないと種ができないのだけどセイヨウタンポポは受粉なしでも種がバンバンできてしまうということ。よって繁殖力がとても旺盛で勢力を広げていまや在来のタンポポを駆逐する勢いなのである。
      
さらに在来種は春のみ花が咲くのだけど、やつらは春にも秋にも咲いちゃうのだ。
      

    
このセイヨウタンポポと在来タンポポの見分け方はとても簡単で左下の写真にあるように ガクが外側にそりかえっているのが特徴だ。
あまり見かけることはなくなってしまったが、在来のものはガクが本体にピッタリくっついている。
        
花は黄色い花がひとつ・・・、ではなくて実は小さな 舌状花 (左上写真)という小さな花が集まってひとつの花のように見える。花びらのように見えるひとつひとつが花ということ。それぞれの花に雌しべと雄しべがちゃんとついているのが見えるでしょ。
     
これはキク科の植物に共通している構造なので、ガーベラ、マーガレット、アスター、ユリオプスデージーなど花屋さんで見かけたらグッと近寄って見てみよう。
      
花をタテ切りにしてみるとすでに種がスタンバイしているのが見える。フワフワの綿毛のような 冠毛 もキレイに納まっている。 これでザッと200位の種がなるといわれていて、熟すといっせいに飛び散っていく。
        
彼らは子孫を残すことを究極の目的としているので、近場でいたずらな競争を避けるべくなるべくその種をより遠くに飛ばそうとする。なので綿帽子のような種の集まりは、一定の風速以上の強い風が吹かないとテイクオフできないことになっている。
     
どうです?
スゴイ メカニズムがこのタンポポという、たかが雑草に隠されているものでしょ。
   
まさに雑草魂。
   
タンポポについてはまだまだ語り足りないのだけど、今日のところはこの辺で。
一番上の写真は縮小率を下げてあるのでクリックして拡大してタンポポの美しさを鑑賞してみてね。

2008年3月29日土曜日

これがオレの愛し方ダ!


なんとも大上段なタイトルをつけてしまったけど、なんてことはない。
    
サクラが咲いたといって一体アナタはどうやってサクラを愛でますか?
    
*ただ桜並木を散歩してサクラに包まれる
*花見を大々的に開催しひたすら飲みに徹する
*写真をバンバン撮る
*弁当を広げてピクニック気分にひたる
*枝を折って家に持って帰る
     
などいろいろあることだろう。
     
千鳥淵あたりにはかなり本格的なカメラを抱えた人、ちっこいデジカメを持った人、携帯シャメを構える人など、そこら中激写激写である。かくいう僕もその一人なのだけど。
     
そんな中、土手に越し掛けてスケッチをするオジサンを見かけた(写真左下に座ってる方)。
この方を見て単純に「いいなぁ」と思ってしまった。
      
僕に絵心があれば・・・とないものねだりである。
写真というのも悪くないけどどこか安易なカンジがして、サッサッとスケッチする人を見るとその高尚さに頭が上がらない気がする。心にゆとりのある人というカンジがしてしまう。
        
絵を描くということはその被写体をじっくり観察してそれを紙の上に反映させる作業と言い換えることができる。なので、その観察がしっかりなされた絵は時として正確さにおいて写真を超える。
      
植物を勉強するときに「植物図鑑」のようなものを一冊は手元に置いておきたいものだけど、オススメなのは写真の図鑑よりはイラストのもの。
      
写真はその写真を撮ったときの一瞬の光、時間を捉えていて、必ずしもその植物の特徴を捉えているとは限らないのだ。
その点、イラストは実によくその特徴を捉えていて、撮影時の状況の影響を受けず普遍的で写真よりもズッと分かりやすい。これホント。
        
話が逸れてしまったけど、人が花を愛でるそのやり方はマチマチ。どれが正解というのはないのだけど、今を逃すとまた一年待たねばならない。その瞬間瞬間に感謝しオレ流の愛し方を貫いていただきたいものである。
      
でも枝を折って持って帰る愛し方はNGだぞ

2008年3月28日金曜日

雑草魂 1





うららかな日差しのなか、荒川沿いを散歩していて一面ピンク色のパッチを見つけた。
なんだ?としゃがみこんでみると、それはホトケノザだった。

これだけまとまると見ごたえもあるし、キレイでカワイらしい。
で、このホトケノザはよく雑草と言われて一言で片付けられてしまうのだけど、そもそも雑草ってなんだ?

辞書をひもといてみると
自然に生える色々な草。また、農耕地で目的の栽培植物以外に生える草。たくましい生命力のたとえに使うことがある」とある。

つまり要らぬところに生える要らぬ草、ってことで、要る場所か要らぬ場所かの線引きは人間がしているわけだ。 (unwanted plant at unwanted place)

そもそも分類学上には 雑草 というカテゴリーはなく、人間自分の都合で勝手にひと括りににしちゃっているだけで、それをよくよく見てみると結構チャーミングな奴らが多いのに気付く。

言い換えれば 野草 とも言えるわけだし。
そこでよく見かける雑草たちに、グッと寄って幾つか見ていこうと思う。

トップバッターは ホトケノザ Lamium amplexicaule 
和名ホトケノザは葉っぱのカタチが仏さまの座る台座に似ているのでついた名前だといわれている。

これはシソ科の植物。このシソ科に共通することを幾つか覚えておくとオモシロイ。

  1. 茎の断面が四角
  2. 葉は対生
  3. 毛が生えている

あたりが代表的な特徴。

1は茎を持って指先で転がしてみよう。カクッカクッと角張っているのが実感できるハズ

2は見ての通り、葉っぱが常にペアになって茎から出ている

3は花、茎、葉などあらゆる場所に産毛のように細かい毛が生えている

今回の写真はちょっと縮小率を下げてあるので上の2枚は毛が生えているのがみえると思う。

他にも花の形が以前述べたことがある 左右相称 になっていたりする。(3月14日ユリオプスデージー)

シソ科にはおなじみものがかなり多くて、シソは言うに及ばずラベンダー、ローズマリーなんかもそう。

お刺し身の薬味でホジゾがでてきたら見てみてねん。

2008年3月27日木曜日

 
花咲ジジイからのお知らせ
 


今週発売になりました 雑誌 PLANTED #7 95ページにて森林浴についてチョット記事を書きました。

お花見も良いが、森林浴も良いゾ!

  
花咲ジジイ拝
コブシ   Magnolia kobus




  
まだこのブログを始めた寒い1月ころ、このコブシの蕾について書いた。
まだまだ蕾はかたくて、暖かそうな毛に覆われていた。
   
そして今満開だ。
   
大きな花なので遠目にも目立つし、ほのかな香りもあたりに漂ってまことに春らしくてヨロシイ。
6枚の花びらが枝の上に立っているようで、コーヒーカップのようでもある。
    
このコブシやモクレンなどは植物が地上に現れてたあとの歴史をたどると、とても昔からあった原始的な植物といわれていて進化もあまりしていない。その証拠が雄しべも雌しべも不特定多数にあって らせん状 にならんでいることから見てとれる。進化したした植物は雄しべ、雌しべ、花びらの数がキチッと決まっている。花びらをの中を覗き込んでみるべし。(写真右上)
   
満開の今の頃は壮観ではあるけど、庭の手入れをしているものから言うと掃除が厄介なやつである。
ご覧のように花びらがハラハラではなくバラバラ、もしくはバサバサと落ちて一面が散らかってしまう。
さらにこの花びらは純白のままあればそれはステキなのだけど、アッという間に痛んだバナナのように茶色になってしまう。(写真右下)
   
美人薄命
   
人間の世界も植物の世界も 真理は共通のやうである。

2008年3月26日水曜日

レンギョウ  Forsythia suspensa





巷は今まさに百花繚乱。

なにもサクラに限ったことではない。
赤あり、ピンクあり、白あり、黄色あり、我々の周りがいかに色で溢れているか気づかされる。

この黄色はレンギョウ。株立ちの潅木として見かけることもあれば、生垣などにも使われる。
上の写真は植え込みに使われている例で、日曜日天気が良かったので荒川を散歩して見かけたものだ。

花が咲いていればそれが何なのかは区別しやすいのだけど、この花が散ったらどうだろう?
葉、茎、樹姿などで見分けるには結構その特徴を日頃から観察する目を持っていないといけない。
言い換えれば 好奇心 をもって、あるいは 興味 をもっていよう、ということになるか。

ちなみにこのレンギョウはモクセイ科なので、もしキンモクセイを見かけたら比べてみるといい。
枝が硬くて木のよう、とか何かしら共通点も発見できるかもしれない。

昨日書いたユキヤナギの欄で 「ユキヤナギとコデマリが区別できるようになった」 というコメントを頂戴した。
知っている植物が増えると街歩きがもっと楽しくなるはず。

2008年3月25日火曜日

ユキヤナギ Spiraea thunbergii


いま最も見かける花ではないだろうか?
    
ときに鉢植えで家の軒先に、ときに川沿いに、ときに日本庭園に、とあちこちで大活躍である。
     
白い可憐な花を枝一杯につけている。
白くしだれるその様はその名のとおりヤナギに雪が積もってしだれているかのようだ。
      
えっ、今日は妙に言葉が少ないじゃないか、ですと?
そう、美しいものには言葉は要らないのである。
       
そういえば正直ジジイが自転車がどうのこうのと浮かれていたゾ。

2008年3月24日月曜日

樹 木 医


昨日の 情熱大陸 見ましたか?
屋久島の杉を救う樹木医のお話でした。

本ブログでも22日に樹木の根の大切さを書いた矢先でしたので、とても興味をもって見ました。

根の周りの状態が樹木にとっていかに大切なのか、改めて勉強になりました。

この仕事のツライというかキビシイことは、その効果を目で見て確認できるようになるのは数年、あるいは十数年先のこと。逆に処置が適切でなくて状態が悪くなるのはすぐテキメンに表れるということではないかなと思いました。Good News はスグに聞けないけどBad Newsはスグに耳に入るということ。

やるだけやって枯れてもしょうがないとある程度腹をくくれる木の処置はそうでないにせよ、国宝級の樹齢数千年の樹に処置を加えるというのはエラいプレッシャーだと思います。ビビッて出来ないカモ。

それにしても「樹」というのは本当に魅力的な存在だ。
そのカタチや大きさ。我々なんかよりもはるかに長生きであり、その場から動くことなくジッと全てを見つめているようだ。動物、鳥、虫などにも住処を提供し、文字通り屋根となっている。神木などといわれるように神なりなんなり宿っているのは間違いない。

昨日の番組で屋久島の杉を見た外国人が「Amazing」と言っていたけど、まさに。

そんな木々をもっと尊び、敬わなくてはいけないのではないだろうか?
今日の一枚のように針金をまいたままにして、木の成長がそれを追い越していく・・・なんて仕打ちを受けているのはザラ。

この木はすでにこの針金を木肌の下に包み込んで更に成長しようとしている。そんなの関係ねぇ、とでも言いたげではあるが関係なかねぇデス。針金より上の部分は明らかにその下よりも細っている。人間はなんでこんなことをするのか・・・?

昨日の樹木医の方、スゴク良い顔をしていた。
しきりに「儲からない・・・」とボヤいていたけど、カネにならなくても、必要とされ頼られて樹と向き合うというのは樹木医冥利に尽きるのではないかなぁ、ってのはキレイごとでしょうか。

単純な僕は カッコエエなぁ と思って見ていました。

2008年3月23日日曜日

人気者


ついに出ました 開花宣言
列島トップで東京で開花宣言が出たとのことで、新聞、テレビなどマスコミが靖国神社でこの騒ぎの張本人のサクラ君を激写激写である。
  
ちょとしたアイドルの出待ちといった風情である。
今朝の新聞でこの写真を見た方も多いのでは?
   
新聞によりますと・・・
東京が列島トップの早咲きとなったのは昭和53年、平成5年、平成19年に続いて4回目
なんだそう。
そういう記録もマメマメしく存在するというのもオモシロイし、我々日本人のサクラ好きのほどが知れる。
   
ともあれ咲いた、と。
さて、これから一週間ちょとサクラの話題で盛り上がりますか。

2008年3月22日土曜日

樹木をめぐる イジメ問題




昨日書いた「花見の流儀」で上野公園で花見の際やってっはイケナイことのひとつに 桜保護のため植え込み地内への立ち入りはおやめください というのがありましたね。
   
木にとって一番よろしくないのは根の周囲を踏み固めること
      
そうなると土がしまって、根が呼吸できない、根に必要な水分や養分が行き渡らない、根が健やかに育つのに充分なスペースがない、などの理由で樹勢が弱ってきて、悪くすると枯れてしまう。
   
屋久島の屋久杉は茲許の観光客増加にともない根の周りが踏み固めれて弱ってきたので、最近は樹の周りにはロープを張って近づけないようになった、なんて話も聞いたことがある。
    
都会の街路樹の根の周りにコンクリートやアスファルトがあるのは、木にとっては本当に気の毒なこと。
    
木だって黙っちゃいない。
アスファルトを持ち上げたりして根を張ろうとする。自然の底知れぬパワーに圧倒される。
彼らは主にアスファルトと基礎の間の僅かな土を手掛かりに根を張っているのだ。
      
で、見かけたのがこの甲州街道沿いのケヤキ。
     
これはビミョーなところに植えられていて、半分はアスファルトの下、半分は地盤の弱そうな斜面にはみ出ている。アスファルトはひび割れて根っこの抵抗したあとが見える。
    
斜面の部分は踏み固められてはいないものの、地盤の土が寝食されて土が流れ出てしまっている。根を支える土がない状態。木はしかたないと思ったのか、根を横ではなく下方向に張って凌いでいるようだった。
       
木を植えるときによくよく考える必要がある。
この木はどのくらいの大きさになるのか?それによって根を張るのに必要なスペースもある程度予想ができる。それだけのスペースがそこにあるのか?将来を見据える必要がある。
       
木は生きている。
生きるのに必死なので、黙って討ち死にしないようにアレコレと抵抗している。
そんな抵抗のあとをみると、これは人間の木に対するイジメではないかと思うこともシバシバである。

2008年3月21日金曜日

花見の流儀



今日は冷たい雨。風もけっこう強い。
でもサクラをみると、ツボミが膨らんでいるのに加え、遠目にもツボミがピンク色度を増しているのに気付く。そろそろですねぇ。

昨日のコメントで花見のことがあったのでちょっと。

この前上野の東京都美術館に写真展を見にいったときのこと。
一枚の看板が目にとまった。

花見のルール とある。
ここ上野公園はいうまでもなく花見のメッカ。
で、この看板である。
  • ガスコンロなどの火気の使用は禁止します
  • 桜保護のため植え込み地内への立ち入りはおやめください
  • 朝からの席とりは禁止します
  • ゴミはなるべくお持ち帰りください
  • 発電機の使用やカラオケなどは禁止します
  • ボンボリは午後8時に消灯します

と、以上6項目。

中には あたりまえ、常識というものもある(というか全部そうかも)けど、3番目の席とりでちょっと思い出したことが。

平成バブルでわいた頃、僕はサラリーマンをしていた。当時新入社員の4月の大仕事として、この花見の席とりがあった。寒いさなかゴザを引いて昼過ぎくらいから場所を確保する。トイレにいく間に席がどうにかなりやしないかなんてことでハラハラしながら1日を過ごす。

仕事を終えて皆が到着する頃にはカラダが冷え切っていて、ビールなんかより暖かいコーヒーください、などど涙目で訴えたものだ。

そんなことがフツーにあった、良くも悪くも破天荒、ノンビリ、お気楽極楽な時代を思い出してちょっと懐かしくなった。

2008年3月20日木曜日

花咲ジジイより 

せっかく書いているブログなのでより多くの方と愛すべき植物たちについて分かち合えるといいなぁ」 と思っておりましたら、
「ブログランキングに登録したらどうだい?」 という有難いアドバイスを頂戴しました。

ちょっと俗っぽいんじゃぁない?と御批判もおありかと思いますが、ちょっと試しにどんなものかと。
ヨロシクお願いいたします。

花咲ジジイ拝
サクラソウ Primula sieboldii



春らしい花である。

もうあと数日でサクラは咲くと思うので、その前にちょっとサクラの名にちなんでみた。

このサクラソウは植木鉢に入れられて、軒先などでよく見かけるのでなんら珍しい花のようには思えないでしょうが、それは園芸品種のこと。
野に咲く原種は、なんと環境省のレッドリストにて 準絶滅危惧種 に指定されているレアな植物なのである。

ピンクの花はシンプルでなんとも可愛らしい。

ここで学名に注目してみると sieboldii とあって、これはかのシーボルトに由来している。
シーボルトは教科書でもでてきた我々日本人にも御馴染みのドイツ人のオッサンであるが、植物を多く命名して彼の名前がかなり残っている。

この写真のサクラソウは近所の寿司屋の前のプラスチックのプランターに植わっていたもので、サクラが咲いて皆がサクラに心が奪われるまえに御近所の植物をチェックしてみてはいかがでしょう?

2008年3月19日水曜日

ナスタチウム Tropaeolum majus



昨日のカプレーゼのコメントに ナスタチウムを育てているという方からの書き込みがあって思い出したのがこのケーキ。
   
これはロンドンにいたときクラスメートのフィルの誕生日を祝うべく同じくクラスメートのジューンが手作りしたケーキだ。その鮮やかな彩りと斬新なアイディアにクラスメートの皆からは感嘆の声が上がったものだ。
    
ケーキそのものはシンプルなシフォンケーキというかスポンジケーキなのだけど、その周りにナスタチウムの花がデコレートしてある。生クリームにもこの花がすり込んであってほのかなピンク色をしている。
     
このナスタチウムは花、葉、種とすべて食用が可能で、ちょっとピリッとした味わいだ。
    
なのでケーキにはちょっとどうかなとは思うけど、どにかくその華やかな楽しいケーキにフィル君もそして集まったみんなもご満悦だった。
    
身近な素材で食を彩るっていうのは本当に楽しいしシアワセである。

2008年3月18日火曜日

そして哀愁 カプレーゼ



たかがバジル、されどバジル。
たかだかバジルでアレコレと書いてきましたが、これで一旦打ち止めデス。

昨晩、ついにバジルの葉を4枚摘んで、モッツァレラチーズとトマトでカプレーゼをつくって食べました。
バジルはご覧の通り包丁で切って使いましたが、本当は切らずに葉っぱ丸ごと使いたかったのだけど、たった4枚ではそれも叶わず。

思ったのはこのカプレーゼ
  • ウマイ トマト
  • ウマイ モッツァレラ
  • ウマイ バジル
  • ウマイ 塩
  • ウマイ コショウ
  • ウマイ オリーブオイル

さえあれば、ウマイ カプレーゼができるのですね。当たり前か。

火を通して調理するわけではないので素材が大切といいたいのですね。

コショウも挽きたてが香りがたってウマイし。

そういった場合、自宅で摘みたてのフレッシュなバジルを使うと美味しさはアップするのは自明の理というもの。

めでたくバジル君は胃袋におさまり、長らくお伝えしてまいりましたバジルニュースは一旦お開きに。

お付き合い有難うございました。

2008年3月17日月曜日

ビール



春のうららかな・・・という表現がピッタリだった日曜日 茨城県のさる醸造所に ビールつくり に行ってきた。
    
なにを隠そう、僕は大のビールファンで ニオイ、味、そこから生まれる人間関係などなどその全てを愛してやまないものである。
  
まあ、そんな大袈裟に書かなくても、とにかく好きだ、と。
    
醸造所に到着し、ビールを飲みながらビールをつくる。至福のときであった。
    
ロンドンでは大手醸造所の近所に住んでいたことがあって、あたりに漂うこの麦芽とホップのニオイにいつもシアワセを感じていたものである。ビールの完成品のニオイよりもこの製造過程のニオイのほうが好みで、当時はまさに住まう喜びを感じていた。
    
で、このビールと植物がどう繋がるのか?
   
そう、そのとおり。このパターンに慣れてきた方々は 「」 とすぐに思いついたに違いない。
   
これは大麦の麦芽であって・・・・ と続けようかと思ったのであるが、とても長くなりそうだし、そんなことは専門家に任せておこうと思う。
    
実はビールをつくりつつ、したたか飲んでしまい、かなり気持ち良くなっちゃったのですね。
  
理屈じゃない。ウマイものはウマイと言いたい。
    
では、また。

2008年3月16日日曜日

開花宣言
  




昨日の陽気はいったい・・・。
気持ちヨカッタ。半袖はモチロンだが、思わず短パンを引き出しの中から探し出してはこうと思ったけど、これはさすがにやめておいた。

靖国神社に散歩がてら寄ってみた。

そういえばここ靖国神社には サクラの標準木 というのがあって東京のサクラの開花宣言はこのサクラで出されると聞いたことがあったので、どれどれどれがその有名なサクラだ? と野次馬的にそのサクラを探した。

聞くと靖国神社には3本の標準木があるそうで、そのうちの一本がこの能楽堂わきのこれ。

まだツボミは硬かったけど、かなり膨らんでいるようだった。
開花宣言も遠くないな、と。

開花宣言はこのサクラが 5~6輪咲いたらだされるそうなのだが、お恥ずかしながらこの5~6リンを「」ではなく「」だと思っていた。
なぜならサクラは「××分咲き」という表現をするではないか。で開花なのでホンのちょっと咲いているのを気象庁のエキスパートの方が見分けるとすれば「分」のひとつ下の単位「厘」ではないかと思うのは道理だと思うのだけど。

どうやって5厘を見極めるのかは大いに興味があった。
全体の花のつぼみの数を数えて分母を導いて・・・・、などと変に感心していたのだけど、ナーンダである。

2008年3月15日土曜日

ウィークリー・バジルニュース
      ~Weekly Basil News vol.4
        。
    


この前間引きをするときに、間引いたバジルを捨てるのはもったいないので鉢上げした、と書いたあとどうなってるか。

ご覧になって分かるかと思うのだけど、もともと育てていたポケットティッシュのような容器のバジル君たちはスクスクと育ち、葉っぱはもう食べごろです。

かたや植木鉢に植えたほうは、葉っぱのサイズが半分くらいで色も濃い緑色をしている。
明らかにアンハッピーなシチュエーションと申せましょう。

でも、たった一週間やそこらでこれだけの差がでるっていうのはある意味スゴイと思いませんか?
  
ちょっとショック。
良かれと思ってやったのに。

で、どうしてか?と原因をつらつらと考えてみるに、
①植え替えのときに細かいヒゲ根を傷つけてしまった
②植え替えのときに使った土にいらぬものが入っている
かな、と。

①は、仮にそうだとしてもそろそろ根を再生して元気を取り戻すころである。現にアンハッピーそうではあるが、枯れちゃいないので根にはあまり問題がなさそうに思える。

一番疑っているのが②である。今回鉢上げのときに使ったのはホームセンターで買ってきた「種まき・さし芽 緩効性肥料入り」という土。都会のベランダでは、不本意ながらこういったものを買わざるをえないのである。

で、何でそう思っているかというと、バジルの葉っぱの色とサイズ。
ハッピーなバジル君に比べると明らかに葉っぱの緑の色が濃くて小さい。植物、とくにバジルのように葉っぱが柔らかい草本は「肥料やけ」のように過剰な肥料の影響を受けやすいのだ。
人間でもオトナ、特にオッサンはユンケル黄帝液をガブ飲みして「パワーついたっ!」と満足顔だろうが、赤ん坊にそれをしたらどうだろうか?

改めてその買ってきた土の袋を詳細に見てみると、「醗酵海藻土入り」「貝化石入り」「緩効性肥料」などとアレコレ入っている。百歩譲って前者ふたつがいわゆるオーガニックものであったとして、緩効性肥料はどうも化成肥料のようである。化成肥料は即効性があるけど、それがバジルのように柔らかい植物には利きすぎちゃうのだと思う。

化成肥料を使ったこのバジルを食べるというのは、自分が育てたものとはいえちょっとだけ二の足を踏んでしまう。
世の中オーガニック流行りなのもうなずけるのであった。

*多分ポケットティッシュ状のバジル栽培キットの土にもなんらかの化成肥料が入っていると思うけど

2008年3月14日金曜日

花咲ジジイからのお知らせ

この度、私の友人「正直ジジイ」がブログを立ち上げたとのことでこの場を借りて皆様にお知らせいたします。

http://blogs.yahoo.co.jp/chickentikkamasaya

彼は植物のことには全く無頓着で自分の趣味でアレコレ勝手にホドホドにモノ申すと言っております。
大した内容ではないと思うのですが、お茶のみ友達でもありますのでたまにのぞいてやって下さい。

花咲ジジイ拝
ユリオプスデージー Euryops pectinatus



冬場にこの黄色が目を引く。
花期が長くて5月ころまで咲く。
.
鉢から出して地植えしても立派に育って背の丈くらいになることも。
子供に「花の絵を描いてごらん」というと大抵チューリップ型かこのヒマワリ型の絵を描くとおもう。
.
このヒマワリ型の花は キク科 COMPOSITAE/ASTERACEAE に属すことが多くて、その特徴は放射相称花(actinomorphic)といって花のどこに線を引いても相称になるというもの。
因みに広辞苑では
生物体の構造が対軸を通る3個以上の面に対して互いに鏡像関係にある2部分に分かれること」を指すらしい。
.
コレに対してランなどのように真中に垂直に線を引いたとして左右が相称のものを左右相称花(zygomorphic)という。
同じく辞書では
生物体などが一平面によって互いに鏡像関係にある二つの体部に分けられること
となる。
.
さらに英語での表記も参考までに書いたけど
actino- 放射状の
zygo- 一対をなしている
という意味がある。
.
なにやらムズカシイことを書いてしまったけど、言いたいことはシンプルで、花にはふたつの代表的なカタチがあるよ。ひとつは円いどこを切ってもシンメトリーなヤツ、もうひとつは左右シンメトリーなヤツってこと。
.
たまにはこんなことも書いておかないと、昼間っからノンキにピクニックしている脳天気君だと思われてしまう。まぁそれも間違っちゃいないけど。
.
タンポポ、マーガレット、ガーベラ、キク、ヒマワリ・・・みーんなキク科の仲間だ。

2008年3月13日木曜日

ジンチョウゲ Daphne odora


アナタの一番好きな花はなんですか?

もしこんなことを聞かれたらあなたなら何と答えるだろうか?

僕は迷わずコレをあげる。

一番かというと当然他にも魅力のある花は沢山あるのだけど、心の琴線にふれる花としては間違いなくナンバーワンである。

もうこれは個人的趣味のもんだいなので、「そんなことあるか」と一蹴されてしまえばそれまでなのだけど。

まだ小学生、中学生のころ、まだまだ植物なんてものに全く興味がなかったころ。

この2月の終わりから3月にかけてこの独特の甘いニオイが早春のキリッとした冷たい空気とともにあたりに漂っていた。丁度この時期は卒業とか入学あるいは入社なんていう人生の曲がり角で、これまでの過去にすがりたいような気持ちと新たなる生活にはせる期待が入り混じったとてもナイーブな心持だった。そこにもってきてこの香り。

なので、この季節の春風に吹かれながら、このジンチョウゲの香りをかぐと胸がグーッと締めつけられちゃうのである。
一緒に柏原芳恵の「春なのに」なんか流れてきたらテキメンである。

それはそうと、このジンチョウゲの拡大写真をみて何かお気付きでしょうか。

何かに似てませんか?

そうです、これは 3月6日に御紹介した ミツマタ と同じ「科」なのですね。
じーっと見るとかなり似ている。花のつきかたとか花の咲きかたなど。
これはその名も
ジンチョウゲ科 THYMELAEACEAE
秋のキンモクセイ、そして春のジンチョウゲ。
街を歩いてニオイに包まれよう。花粉に負けるな。

2008年3月12日水曜日

ピクニック日和


昨日は暖かかった。
春到来、来々!という陽気だった。
    
昼過ぎにちょっとばかりウキウキと浮かれて一人散歩に出掛けた。
市ヶ谷そばの外堀のほとりに腰掛けて、柔らかい日差しのなかでお弁当を食べてみた。
    
ちょっと離れたところではオジサンが日がな釣りに興じている。
お堀の対岸では黄色の総武線、オレンジの中央線が行ったり来たりしている。いつもはあれにのってこちらを見る側なのに、今日はこちらでピクニックとはなんと優雅なことよ。ちょっとした優越感である。
    
陽だまりに腰掛けて弁当をつつく・・・ こんな単純なことがこれほどシアワセとはちょっと意外だった。
     
オマエは仕事してんのか?というスルドイ ツッコミ が聞こえてきそうである。
   
サクラの頃にはこの辺はスゴイ人出だけど、つぼみはまだ固い。
    
弁当を食べたあと、改めて地面に目を落としてみると、咲いていましたブルーのカワイイやつが。
    
オオイヌノフグリ (Veronica persica
      
日本語の意味的には「大きな犬のフグリ」ってことらしくフグリが何なのかは辞書を引かれたい。
なんでこんな名前なのかなぁとちょっとガッカリである、こんなにカワイイのに。
そもそもはヨーロッパ原産の帰化植物で英語では speedwell というので、そっちのほうがマシな気がする。学名の persica はペルシャの意味で、ペルシャからヨーロッパに至りその後日本へも伝わったのだろうと想像できる。
       
茎が地面をはうように広がり、ポツポツと青い花が点在するのは 雑草 と一括りにして片付けてしまうには惜しい気がする。
        
子供と話すときに腰をかがめて子供と同じ目の高さで話すことがあると思うけど、植物も彼らと同じ高さにあわせてみると、見えないことも色々見えてくるよ。

         

2008年3月11日火曜日

カカオ



 
昨日頂戴しました、チョコレート。
別にバレンタイン云々というわけではなく、さりげない気の利いたプレゼントとして。
まさにこれは、「そふぃすてぃけいてっど」(sophisticated)ってやつですね。
   
で、この洒落たチョコの箱に目をやるとババーンと金色の文字で「Theobroma」と書いてあります。
   
ここで試験でヒーヒー言っていたころを思い出した。
  
というのは園芸を学ぶうえで学名(ラテン語)は避けて通れない道で、これは何だ、と見分ける力は不可欠なのである。
そんなひねったものを全て網羅する必要はないけど、代表的なものはやはり抑えておかないと。
   
英国にいたときには、どの園芸学校で学ぼうともこのPlant ident (plant identification test = 植物同定試験)はついてまわっていた。だいだい毎週、もしくは隔週20個ほどの植物を判定する試験があった。
英語だけでもアップアップなのに、それに加えてラテン語とは脳ミソから煙がモクモクと出そうだった。
        
もう理屈じゃなくて、書いて書いて手が折れるほど書いてスペルを覚えた。
まさに肉体派の真骨頂である。悲しいかなあまり賢くはないのである。
    
で、このカカオというのは試験では本当によく出た植物のうちのひとつ。
日本語では 
アオギリ科カカオ属カカオ 
となるようだが、
ラテン語では
STERCULIACEAE Theobroma cacao
となる。 
    
「スタキュリエーシーセオブロマカカオ」と一息でよどみなく勢いで覚える。もう勢いしかないのだ、こういうことは。
   
頂戴したチョコレートの箱にあったのはこの Theobroma でカカオをあらわすラテン語だったわけで、ちょっと苦労したあの日のころの記憶が、口にしたチョコレートのほろ苦い味とともに蘇ってきた。
   
ラテン語は確かに厄介に思えるかもしれないけど、これは全世界共通のことなので、国や地域が違っても何の植物のことをいっているのかが分かるというユニバーサルなものなのでこれからもっと普及すべきだと思う。
   
それにしても頂いたのはご覧のようにゴージャスな箱入りチョコレート。
かたや、普段僕がお茶のお供にしているのは某コンビニで買った「街のお菓子屋さん ココアサンドビスケット」13枚入り105円也である。
カカオの世界も格差社会である。

2008年3月10日月曜日

ウイークリー・バジルニュース

   ~Weekly Basil News vol.3






晴天の日曜日、外出先から戻ると我家のバジル君がグッタリしていた。(写真左上)

水遣りには注意していたはずだけど、ここのところ好天が続きでベランダ脇の日当たりのいい場所に置いてあったので水分が一気に蒸発してしまったようだった。

バジルのように柔らかい植物にとって水不足はテキメンですぐにグッタリしてしまい、それが過ぎると致命傷になってしまう。見たところまだそこまではいっていなかったので、あわてて水をやって日陰で様子をみた。

数時間後。
我家のバジル君はシャキーンと見事な復活をとげた。

改めて見てみると間引きをしてきたとはいっても、まだ込み入っているようだったのでこの際さらなる間引きを敢行することにした。

ただ、間引いたものをポイしてしまうのはいかにももったいないので、それを別の鉢に植えて有効活用することにした。これを園芸界では「鉢上げ」というらしい。因みに英語ではpotting upと言っていたな。

そーっとなるべく根っこを傷つけないように引き抜くと立派な根が生えていた。(写真右上)

なぜそーっとなのかといえばモチロン根を傷つけないようになのだけど、もっと詳しく言うと「根毛」を傷つけないようにということ。

このバジルなどは一本メインの太い根(主根/primary root)があり、そこから何本かに枝分かれしていて(側根/lateral root)、さらにそれらから細かいヒゲのような根(根毛/root hair)が生えている。植物が水や栄養を摂取するのは主にこの根毛からなので、なるべくこれを傷つけないようにということなのですね。これは他の植物にもあてはまるので、もし植え替えなんかやろうという人は覚えておくと役に立つハズ。

結局、もとのポケットティッシュのような容器に残ったのは2苗。(写真左下)

テラコッタの新居には3苗が引越した。(写真右下)

これがチャンと根付けば、スクスクと大きくなってカプレーゼを何回か楽しめるハズ。

あるいはパスタも何か作っちゃおうか。夢は膨らむ。

ベランダに土を広げてアレコレやったついでに鉢植えのゼラニウムPelargonium)を増やしてみることにした。

挿し木である。

基本的な園芸テクで、案外簡単。

それで植物が増えちゃうわけなので花屋さんなんかはあまり教えたがらないんじゃないだろうか。

まだ若い芽を5本選んで親株から切って、大きな葉っぱをナイフで取る。

花芽もいらないので取る。
花芽があると花を咲かせるために貴重なエネルギーがそこにとられてしまうからだ。当面エネルギーが必要なのは「発根」、つまり根付かせることで、そこに集中させる。

水をたっぶり含んだ土に浅からず、深からず挿し穂を等間隔で植えて、あとはビニール袋をかぶせてそっとしておく。

ビニールを被せておくのは余分な水分の蒸発を防ぐため。
   
これで2~3週間で根がつくハズ。100%の成功率であればそれはスバラシイけど、仮に50%としても2~3本新しい株ができる。それを大きくなるにしたがって鉢上げしてやれば、我家のゼラニウムはお金をかけずに増やすことができることになる。
   
でもこれを売ったりして商売に結びつけると、知的財産権の侵害などとややこしいことになると思うので気をつけないといけません。
  
さて、うまく根がつきますでしょうか、お楽しみ。

2008年3月9日日曜日

フクジュソウ Adonis ramosa


これも春を代表する花である。

雪の下からヒョッコリと黄色い花がのぞくとシャッターチャンスなんでしょうが、都会ではそれもかないません。

カワイイ花のわりにがあって、人によってはふきのとうと間違えて食べてしまって大変なことになるらしい。

風媒花とか虫媒花とかいう言葉を聞いたことがあるでしょうか?
花は花粉を雄しべから雌しべに運んでもらって(受粉)子孫を残そうとアレコレと工夫をしているのわけです。その代表例は蜜をだしてハチを呼び寄せ、蜜を吸いにきたハチがカラダに花粉をつけて次の花へと行くというやつで、この手段をとるものを虫媒花というのです。なんか小学校もしくは中学校のときの理科でやったでしょ。

かたや風媒花はムシによらずに風に花粉を運んでもらうもの。ムシを呼び寄せる必要がないので地味な色をしていて、蜜もださないのが多い。

で、このフクジュソウはチト変わっている。

雪の下から顔をだすように、この花が咲くのはまだあたりが寒い季節。
このフクジュソウは、「暖かさ」でムシを呼ぶのだ。

どうやって?

この花は太陽の方向を向いて、パラボラアンテナのようなそのカタチで太陽光を花の中心に集めて温度をあげるのです。実際に測ってみると温度が数度ちがうらしいってんですから、自然のなせる業の不思議なことよ。

温泉につかるニホンザル、フクジュソウにとまるムシ。どこか似てると感じるのは僕だけだろうか?

2008年3月8日土曜日

脇役たち


先日かつおの刺し身を食べた。
初がつおと呼ぶにはまだ早いらしく、5月頃のほうが脂がのってウマイのだとか。
なんのなんの、かつお好きの僕としてはいつ食べてもウマイと思える。

で、なんでこんな話かというと、出された皿に目をやるとメインのかつおに当然目がいくけども、そこを「花咲ジジイ」的目線で見てみると・・・・。
  • ホジソ
  • ダイコン (つま)
  • 万能ネギ (薬味)
  • ニンニク (薬味)

と植物のオンパレードである。さらに厳密にいえば、醤油もダイズからということで、植物界からの堂々のエントリーである。

かくして主役のかつおを控えめな植物たちで脇をかためるという図になる。

素晴らしいじゃぁありませんか。

もしこのひとつでも欠けるとかつおの旨さは活きてこないと思うのだけど。

そういった意味ではつまのダイコンにも敬意を表して残したりしてはいけません。

イヨッ!!名脇役!!

2008年3月7日金曜日

バジル・ウイークリーニュース

           ~Weekly Basil News  vol.2



早いもので40日目である。

世話をしてあげている主人の私の悩みごとなぞ知る由もなくスクスクと育っている。

 (そう、最近ちょっとだけ壁にぶちあたっているといいますか、悩んでんですね)

もはや双葉から本葉へと完全移行し、本葉も2枚目がでてきました。

もうちょっと背丈が欲しいところですが、今後に期待しましょう。

この調子でいくとカプレーゼが我家の食卓を彩る日も近いと思われる。

頑張れバジル君!!オレも頑張る!!