2008年3月11日火曜日

カカオ



 
昨日頂戴しました、チョコレート。
別にバレンタイン云々というわけではなく、さりげない気の利いたプレゼントとして。
まさにこれは、「そふぃすてぃけいてっど」(sophisticated)ってやつですね。
   
で、この洒落たチョコの箱に目をやるとババーンと金色の文字で「Theobroma」と書いてあります。
   
ここで試験でヒーヒー言っていたころを思い出した。
  
というのは園芸を学ぶうえで学名(ラテン語)は避けて通れない道で、これは何だ、と見分ける力は不可欠なのである。
そんなひねったものを全て網羅する必要はないけど、代表的なものはやはり抑えておかないと。
   
英国にいたときには、どの園芸学校で学ぼうともこのPlant ident (plant identification test = 植物同定試験)はついてまわっていた。だいだい毎週、もしくは隔週20個ほどの植物を判定する試験があった。
英語だけでもアップアップなのに、それに加えてラテン語とは脳ミソから煙がモクモクと出そうだった。
        
もう理屈じゃなくて、書いて書いて手が折れるほど書いてスペルを覚えた。
まさに肉体派の真骨頂である。悲しいかなあまり賢くはないのである。
    
で、このカカオというのは試験では本当によく出た植物のうちのひとつ。
日本語では 
アオギリ科カカオ属カカオ 
となるようだが、
ラテン語では
STERCULIACEAE Theobroma cacao
となる。 
    
「スタキュリエーシーセオブロマカカオ」と一息でよどみなく勢いで覚える。もう勢いしかないのだ、こういうことは。
   
頂戴したチョコレートの箱にあったのはこの Theobroma でカカオをあらわすラテン語だったわけで、ちょっと苦労したあの日のころの記憶が、口にしたチョコレートのほろ苦い味とともに蘇ってきた。
   
ラテン語は確かに厄介に思えるかもしれないけど、これは全世界共通のことなので、国や地域が違っても何の植物のことをいっているのかが分かるというユニバーサルなものなのでこれからもっと普及すべきだと思う。
   
それにしても頂いたのはご覧のようにゴージャスな箱入りチョコレート。
かたや、普段僕がお茶のお供にしているのは某コンビニで買った「街のお菓子屋さん ココアサンドビスケット」13枚入り105円也である。
カカオの世界も格差社会である。

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