2008年3月22日土曜日

樹木をめぐる イジメ問題




昨日書いた「花見の流儀」で上野公園で花見の際やってっはイケナイことのひとつに 桜保護のため植え込み地内への立ち入りはおやめください というのがありましたね。
   
木にとって一番よろしくないのは根の周囲を踏み固めること
      
そうなると土がしまって、根が呼吸できない、根に必要な水分や養分が行き渡らない、根が健やかに育つのに充分なスペースがない、などの理由で樹勢が弱ってきて、悪くすると枯れてしまう。
   
屋久島の屋久杉は茲許の観光客増加にともない根の周りが踏み固めれて弱ってきたので、最近は樹の周りにはロープを張って近づけないようになった、なんて話も聞いたことがある。
    
都会の街路樹の根の周りにコンクリートやアスファルトがあるのは、木にとっては本当に気の毒なこと。
    
木だって黙っちゃいない。
アスファルトを持ち上げたりして根を張ろうとする。自然の底知れぬパワーに圧倒される。
彼らは主にアスファルトと基礎の間の僅かな土を手掛かりに根を張っているのだ。
      
で、見かけたのがこの甲州街道沿いのケヤキ。
     
これはビミョーなところに植えられていて、半分はアスファルトの下、半分は地盤の弱そうな斜面にはみ出ている。アスファルトはひび割れて根っこの抵抗したあとが見える。
    
斜面の部分は踏み固められてはいないものの、地盤の土が寝食されて土が流れ出てしまっている。根を支える土がない状態。木はしかたないと思ったのか、根を横ではなく下方向に張って凌いでいるようだった。
       
木を植えるときによくよく考える必要がある。
この木はどのくらいの大きさになるのか?それによって根を張るのに必要なスペースもある程度予想ができる。それだけのスペースがそこにあるのか?将来を見据える必要がある。
       
木は生きている。
生きるのに必死なので、黙って討ち死にしないようにアレコレと抵抗している。
そんな抵抗のあとをみると、これは人間の木に対するイジメではないかと思うこともシバシバである。

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