2015年9月8日火曜日

環状剥皮なるもの


移植したい木があるとする。

その木の周囲を掘って、木の根を露出させる。

特にメインとなっていそうな太目の根を刃物で幅15センチ程度表面を剥く。

もうちょっと正確に言うと、根の師部といって栄養分を通す管を剥ぐのだ。

すると派手作られた栄養分(糖分)が根の先端まで届かず、剥かれたところで溜まる。
これにより形成層の細胞分裂を促し剥いた根から細かい根が発根する。

根の機能は大きく分けて①支える ②栄養分、水分を吸収する ③吸収した栄養分、水分を全体に分配する ④呼吸する ということが挙げられるが②は主に細かい根で行われているのだ。

移植にともなって根の先端の細かい根が大量に失われるのを、木の本体近くで細かい根を増やしてカバーしようというのがこの環状剥皮の目的。

この作業をした後は、剥いた根が腐らないように薬剤を塗布し、さらには発根を促す場所に発根促進剤を塗って、この穴を埋め戻す。

そして一年後に注意深く同じ場所を掘り返すと、剥いた根の箇所から細かい根がたくさん出ているので、これで移植準備完了ということになる。

うまく言えないのだけど、分かりますか?


一年後には白くて細かい根がたくさん生えている

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