2008年12月29日月曜日

ヤドリギ 最終章
    
   
3日間に渡って、ヤドリギについての熱い思いを語ってきたが今日が一応締めくくりである。
    
何でそんなに思い入れがあるの? と疑問に思われるかもしれないが、とにかくその生態の不思議さと、人々から愛されながらもわざわざそれを育てている人がいない、という辺りに惹かれたのだと思う。
     
さて、英国で一番有名なヤドリギのセリ市がロンドンから北西に160キロほどいった Tenbury Wells という小さな小さな田舎町である。バーミンガムのちょっと下、あたりで、ウスターソースの発祥の地であるウスター州( Worcestershire )にある。
    
セリ市はクリスマスの需要にあわせて冬に日にちを限って開催されるもので、100年以上の歴史を誇る。
    
何故この場所なのか?
これは昨日書いたヤドリギの不思議とも関連するが、どういうわけかこの地域のリンゴの樹にはヤドリギが宿りやすいらしく、昔からヤドリギの一大産地であったことによるらしい。
    
あれは確か2003年だったと思うが、日にちを調べてこの小さな田舎町を目指して早朝オンボロ車で繰り出した。
    
着いてみると想像にたがわぬ小さな田舎町。
しかし、あちこちからヤドリギをセリ落とそうという業者が集まってきていた。
    
熱い紅茶をすすりながら、出品されるヤドリギやヒイラギなどを皆真剣なまなざしで見て回っていた。
そして時間がくると、ハンチング帽、長靴、ハンタージャケット、そして杖、という典型的な英国田舎のジェントルマンのいでたちのセリ人が威勢のよい声でセリを進めていく。
     
     
このセリ場はその昔、羊や牛などの家畜のセリ場として使われていたもので、ケージの中に整然と並べられたヤドリギやヒイラギにその名残が見てとれる。
     
     
しかし、このヤドリギは最近はフランス産におされて、英国産は減ってきているのだという。
確かにフランスの田舎にいくとポプラの樹におびただしい数のヤドリギがぶら下がっている。
     
僕がこの市場に行った2003年をもってヤドリギのセリ市は終わり、今後は大きなスーパーマーケットがセリ場跡地にできると聞いたのだけど、今回この記事を書くためにネットでみてみたら、2004年から Tenbury Mistletoe Festival として再スタートしてこれまでにも増して活気がありそうである。
簡単に伝統を絶やさないというあたりがイギリス人のエライところである。
当花咲ブログは、身近な植物を取り上げることを旨としているが、このヤドリギは身近にないことはないが、あまりピンとこなかったかもしれない。
写真は全て英国で撮ったものだし。
その辺りはポリシーとズレてしまい申し訳ないのだが、この時期TVで特番が多いように、花咲ブログ年末スペシャルということで御容赦いただきたい。
  
   

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

クリスマス前に知人からヤドリギの話を聞いたばかりだったので、自分でも色々調べてみたくなったのですが、師走ならではの時間のなさで進んでいないところに爺さまのブログ。。勉強になりました。
確かに疑問に思うこと盛りだくさん。。課題が増えました★

個人的に白玉系の植物が好きなので、ストライクでした。シンフォリカルポスも好き♪

匿名 さんのコメント...

シンフォリカルポス・・・ですか。
通ですね。
あれは白もあるけど、ピンクがかったのもありますね。

白玉系というと 数日前にご紹介したマンリョウにも白玉の品種がありますね。

匿名 さんのコメント...

Very good!

匿名 さんのコメント...

Although we have differences in culture, but do not want is that this view is the same and I like that!

匿名 さんのコメント...

longing25800