2008年12月31日水曜日

植木屋という職業
    

   
いよいよ大晦日
子供の頃、異常に興奮したあの気持ちはもうない。
サバサバしすぎちゃって、単なる月末という気もしないでもない。
    
さて、この一年の多くを植木屋の親方の手伝いをして過ごした。
僕は自称パートタイム植木屋なんていっても、かなりの稼働率であった。
    
そこで見えてきた(今更ながら)植木屋という職業について深くあれこれ考えることが多かったので、ちょっとその辺を一年の締めくくりとして。
     
12月に入ってから御近所を散歩していて植木屋さんをあちこちで見かけなかっただろうか?
   
あの家も、こちらのお宅も、といった具合で、世の中にこんなに植木屋がいるのかと思うくらい見かけた人もいるだろう。
    
僕は昨日(12月30日)自転車に乗って家の近くを走っていて、あちこちで店のシャッターをたわしでこすっている人、店の棚の下を雑巾がけしている人、など大掃除に精をだしている人をあちこちで目にした。
    
ここがポイントである。
   
どうやら日本人の気持ちとして、新年はさっぱりキレイにして迎えたい というのがあるのだろう。
   
そうなると、どうなるか?
    
12月の声を聞くと「ウチの庭の手入れをお願いしますね」という依頼が殺到する。
    
植木屋さんは仕事なので出来るだけ日程調整してこれに応えようとする。
    
まさに書き入れ時ってやつである。
ウチの親方は11月半ばくらいから文字通り休日返上、無休で手入れ仕事をしていた。
    
風邪を引いたり、インフルエンザになっている暇はないのだ。
    
そしてようやく新年を迎えるとどうなるか?
    
a まだまだ引続き忙しい
b 通常ベースの仕事量になる
c 仕事がガクッと減る
    
答は c の仕事が減る、もしくは無くなってしまうだ。
   
植木屋仕事というのは本当に季節によって閑期と繁忙期の差が激しい職業だと思う。
皆、正月前にサッパリしたいというのに、正月を過ぎるとパタッとそういう気持ちが失せてしまうらしい。
とっても不思議だ。
     
植木屋さんは「不思議だ」なんて呑気なことを言ってられない。
まさに死活問題だ。
     
手入れ仕事は1月~3月頃までほぼ開店休業状態で、4月頃から少し上向き、夏に一旦ピークを迎え、初秋にスローダウンし、暮れに一気に爆発する・・・・というのが一般的なパターンであると聞く。
     
そうなると閑期に何をするか、何が出来るかが問題となる。
マンションやオフィスビルの外溝植栽の定期的メンテナンスの契約なんかがあると、季節を問わず定期的な仕事が見込める。
あるいは季節に関係がないのが、庭の手入れではなく「庭造り」である。
    
とにかくいかに仕事量の平準化を図るかが分かれ目となる。
    
もし、従業員を数人抱えているような植木屋さんであれば、仕事があろうとなかろうと人件費は待ったなしで発生するし、事務所や資材置き場を借りていれば、家賃が発生する。固定費を負担しなければならない場合、致命傷になる場合がある。
    
植木屋さんは木を切ってれば良いのか?となると、まぁそれはそれがメインなので間違いはないのだけどもっと問題は奥深い。
    
木を切るのはある程度経験すれば出来るようになる。
問題は切ったことで出てくる ゴミ なのだ。
    
大きなポリ袋に入れて家庭ゴミとして出せる量ではない。
となるとトラックに満載したゴミをどこかに捨てねばならない。
   
産業廃棄物の不法投棄の問題もあって、やたらにどこかに捨てたり、燃やしたりも出来ず、それを引き取ってくれる業者に引き取ってもらう。モチロン有料である。
    
草刈りをする機械、生垣を刈り込む機械、トラック、各種ハサミ、ハシゴ、などなどTPOに合わせた色んな設備を持たねば効率の良い仕事はできない。それらを購入する金額も並みではない。ケチって安い道具を使ったのでは仕上がりに差が出たり、怪我をするかもしれない。
   
持った設備、備品はどこかに保管せねばならない。
   
・・・・とまあ、一言で植木屋さんといっても本当に大変な職業なのである。
   
さらに自然には逆らえない
株価やスポーツの結果を熱心にチェックする人がいるのと同様、われわれは天気予報をマメマメしくチェックする。
植木屋殺すに刃物はいらぬ、雨の3日も降ればいい と誰かが言ったとか言わなかったとか。 確かに。
     
雨でもカッパを着てやることもあるけど、足元が悪いと滑ったりして怪我をしかねない。作業効率も下がる。
親方の判断で、雨ではやらないことが多い。
    
怪我も付きまとう。
知り合いの高木剪定を専門にしている植木屋さんは、昨年木から落ちて肺に穴が開いて骨も折ったらしい。同じ人なのだが今年はノコギリで自分の手の甲を切って、手の腱まで切れる大怪我をしたらしい。
聞くだに恐ろしい。
     
まあ、植木屋を取り巻く様々な環境は決して楽観できるものではないけど、外にいることが好きだし、植物と向きあう毎日は本当に楽しい。生きている実感がある。
こうやって12月31日に今年を振り返って怪我もせず楽しく充実した一年を送れたことを本当に有難いと思う。
     
そして、1月25日にスタートしたこの花咲ブログはこれで350エピソード目となり、無事に2009年を迎えられそうである。
毎日、立ち寄って拙い文章を読んでいただき心から感謝感謝である。
身近な植物のアレコレを取り上げつつ、2009年はちょっと新しいことも考えていて花咲流「 change 」にご期待いただければと思います。
    
今後とも花咲ブログをよろしくお願いたします。
皆様どうぞ良いお年をお迎えください。
  
花咲ジジイ拝
  
  

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

1年間大変ご苦労様でした。
来年も記事を楽しみにしております。
(花咲ジジイさんの元気な証拠でもありますし・・)

良い年をお迎え下さいませ♪
来年もどうぞ宜しくお願い致します。

匿名 さんのコメント...

i think the archive you wirte is very good, but i think it will be better if you can say more..hehe,love your blog,,,

匿名 さんのコメント...

I will pass on your article introduced to my other friends, because really good!

匿名 さんのコメント...

longing25800