2008年12月28日日曜日

ヤドリギ2
     
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昨日に続いて不思議植物ヤドリギ第二弾である。
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ヤドリギについて注意を払って見ていると色んな疑問が湧いてきて、それに明確に答えている人、答えている書物に出会えず、ついには自分で試行錯誤するようになった。
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ヤドリギの中でも今回取り上げているオウシュウヤドリギ(Viscum albumについての疑問として
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* 何故落葉樹にのみ繁殖するのか
* 同じホストとなる樹であっても、ヤドリギの繁殖する個体とそうでない個体があるのはなぜか
* 上記の疑問としてA地区ではヤドリギを多く見かけるのに、僅か数キロ離れたB地区では一切みかけないといったことは何故起きるのか
* 鳥が種を運ぶと思われるが、それはくちばしに付着した種なのか、それとも糞として排泄された種なのか
* 糞として出された種だとして、鳥の消化作用の過程で特に胃袋の酸が発芽に関係するか
* 風媒花なのか、虫媒花なのか、一体何が花粉を媒介するのか
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本当に分からないことだらけだ。
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しかも英国で自分が身を置いていた植物園は世界で一番デカイ植物園と呼ばれていたのにもかかわらず、このオウシュウヤドリギは無かったのだ。
たった数キロ離れた公園には沢山垂れ下がっていたのに・・・。
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そこで、僕は植物園の大ボスに相談をして、「ヤドリギを繁殖させてみたいのだが・・・」といって交渉して、幾つかの樹で試す許可をもらおうとした。
大ボスからすれば貴重な樹のコレクションにそんな要らないものを繁殖させて、肝心の樹が枯れてしまっては困るわけだ。
  
一度では首をタテに振ってもらえず、何度か通って説得した。
  
ついに許可を得て10本のホストとなる樹に約400粒の種をなすりつけた。
詳細は省くが、結果として2つ(繁殖確率0.5%!)のヤドリギがリンゴの樹に繁殖して、現在も成長を続けている(ハズ)。
    
以来、僕はちょっとした変わり者の「ヤドリギ男」として注目を浴び、全国紙の取材をも受けることになった。
何故ならヤドリギは自然に生えるものであって、わざわざ好き好んで繁殖させる人はいなかったからである。
      
僕はこの種を入手するためロンドンから車を飛ばし、ケンブリッジまで種の採取をしにいったり、ヤドリギをクリスマス時期に出荷している農家へ話を聞きにいったりした。
この写真は採取してきたヤドリギの実たちだ。どうです、キレイでしょ。
    
     
農家といってもリンゴ農家で、自然となっちゃったヤドリギを「ついで」に出荷して臨時副収入を得ている農家でヤドリギ専業農家ではないので念のため。
  
生態はとても変わっていて、まずオスの株とメスの株が異なる雌雄異株である。
ちょっと分かりづらいかもしれないが、一番上の写真がオスの花で下がメスの花である。
  
いったん根付くと、根はホストとなる樹の幹をめぐり、樹の皮を破って新たな芽をあちこちに出す。
   
    
こうなると樹のあちこちにヤドリギがぶら下がることになる。
    
   
果実は白く中はネチョネチョと粘性のある果肉で種が覆われている。
この粘り気のある果肉が糊の役割をして樹の幹肌にくっついて発芽の時を待つ。
指先にあるのが種で、関節あたりにあるのが白い皮です。
    
なんか想像つきます?
スゴイ植物でしょ。
  
ちょっとした本が書けるくらい色んなことがヤドリギについてはあったけど、あまりここで書いても「ヤドリギ飽き」してしまうと思うので、今日はこのへんでやめておこう。
    
明日は一応今回のヤドリギストーリーの最終回ということで。
     
    

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

cool blog

匿名 さんのコメント...

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