今日はいつもと違う角度からイチゴを語ってみよう。
昨日書いたけど、栃木県といえば「とちおとめ」ということで、栃木弁の漫才コンビが
「とちおとめだっぺよ!」
なんて言うのを聞いたことがあるだろう。
このとちおとめには育成者権という、知的財産権があった。
1996年に品種登録されて、15年間の登録期間を2011年に満了した。
それまでは育成者権者である栃木県に許諾をもらわないと勝手にとちおとめを作ってはいけなかったのだけど、登録が切れた今となっては誰でも自由にとちおとめを作って販売することができる。
いわば版権フリーになった、といえば分かりやすいだろうか。
そこでとちおとめに代わる次の主役として登場したのがスカイベリーというわけだ。
福岡のあまおう、佐賀のさがほのか、静岡の紅ほっぺなど、日本各地でイチゴ戦争が活況を呈している。
それぞれ開発には長い年月、そして気の遠くなるような試行錯誤を重ねている。
たった一つのいちごの品種を開発するのに10年くらいかかることはザラなのだ。
そんな苦労のすえにできたいちごを誰でも勝手に作る(栽培して販売する)ことができたら、作り手はやる気を失ってしまうでしょ。
なので、作り手に育成者権という権利を与えて一定期間これを保護しましょう、という法律が種苗法なのであります。
まぁ植物版の特許権と思っていただければいいだろうか。
特許権も、この育成者権も知的財産権というもの。
略して知財。
最近この知財というのをよく聞くでしょ。
デザインに関係する知的財産権は意匠権、商号などに関係する知的財産権は商標権、音楽や書籍など著作物に関係する知的財産権は著作権など、幾つかの種類があるのであります。
で、この前買ったイチゴについてきた箱を見ていたらば、様々な知的財産権がこのイチゴに絡んでいた。
それが今日の写真。
ちょっと分かりにくいかもしれないけど。
①意匠権(左上)
「意匠登録番号第708378号」とある。
これはこの赤い丸が連続しているデザインに対して。
②商標権(右上)
「全農」登録商標第1545172号とある。
これは白黒にした「全農」のロゴに対して。
③商標権(右下)
「博多あまおうはJA全農の登録商標です。」とある。
これは書いてある通り、「博多あまおう」の名称に対して。
それ以外にも、もちろんイチゴそのものに育成者権が存在する。
どーです?
たかがイチゴなんだけど、エラク大袈裟なほどに知的財産権が存在するものでしょ。
携帯電話機には沢山の知的財産が詰まっていると言われている。
だからサムソンとアップルが揉めたりしているわけだ。
イチゴもなかなかどうして知財の宝庫なんだなぁ、という今日のお話。
2 件のコメント:
毎日ブログ読ませて頂いています。イチゴ大好き人間としては、勉強になりました!こういった話を主人にしてやりまして、私は優越感に浸るのです。まったくの受け売りなのに、、、
匿名さん コメント有難うございます。
イチゴも食べるだけではなくて、色んな興味がある果物ですね。
例えば、「イチゴのタネはどこにある?」なんて分かりますか?
御主人と楽しいコミュニケーションができる面白いネタだと思いますよ。
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