先月25日。
そう、ちょうどクリスマスの日。
新聞のテレビ欄を見ていたらばNHKのニュースウォッチ9で
「ご神木立ち枯れ事件・・・ 幹には多数の不審な穴」
という特集が組まれていたのに気付いた。
そのタイトルを見たときに、
「ああ、テッポウムシのことね」
と反射的に思った。
テッポウムシとはカミキリムシの幼虫のことで、木の幹の内部を食害して枯らしてしまうので問題になっている。
テッポウムシがその木に存在するかは、木の幹に小さな穴があるかで分かるので、そのことを番組では言っているのだと思った。
で、実際に番組を観て驚いた。
事態はテッポウムシどころではなかったのだ。
番組の内容を簡単にご紹介すると、
最近、四国、近畿、中部などで樹齢数百年というスギやヒノキなどの御神木が立ち枯れるという事態が起きている。分かっているだけでも5県で14本。それらに共通しているのは、幹の周辺に不審な穴が深さ4センチ程度で数ヵ所あいていること。穴からは除草剤の成分が検出された例もある。
そして御神木が立ち枯れた絶妙のタイミングで買い取りの話が持ちかけられているという。
深さ4センチというのには意味があって、樹木は樹皮から厚さ4センチくらいの部分で水分を運ぶ道管、栄養分を運ぶ師管という人間でいう血管のような管があり、ここに除草剤が注入されると樹木全体に除草剤が行き渡ることになる。
まず枯れるのは枝葉部分で、肝心の幹にダメージが及ぶのは立ち枯れてから3~4か月後。
木材としての商品価値を下げないような方法とタイミングでこのような蛮行が繰り広げられているのだという。
このような木材はもっぱら神社仏閣の修復などに使われるのだそうだ。
植林をして伐採されるスギやヒノキは、「小物」ばかりで、大木の需要には応えられていない。
なので、業者はあろうことか神社などにある樹齢数百年という御神木に目をつけたらしいのだ。
警察も動いていて器物損壊などで捜査はしているらしいが、目撃者もおらず捜査は難航しているのだという、そんな内容だった。
・・・なんちゅー奴らだ。
こういうことは樹木に対する知識がなければできないが、それがあるということは樹木に普段から接しているとか、接していたとか。
そんな樹木の良き理解者であるはずの人間がその知識を悪用してこのような蛮行をはたらくというのには憤りを禁じえない。
僕も普段から大木、古木、巨樹にはなみならぬ関心があので、この番組はかなりの衝撃だった。
テッポウムシよりもたちが悪くて、なんとも悲しい話だった。
今日の写真は元旦サイクリングより、浅草の浅草寺境内にあるイチョウの御神木。
源頼朝が参拝したときに挿した枝から発芽したとされている。
生憎、昭和20年の戦災で大半を焼失してしまったが、今もこうやって静かに境内に佇んでいる。
古木、巨木は一日してならず。
数百年という年月を経て、その場に立ち続ける。
そんな彼らをもっと敬いたいものである。
金儲けのネタにするなんて、それこそ罰当たりである。
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