一部を除いて都内の落葉樹はだいたい葉が落ちてしまったのではないだろうか。
紅葉、あるいは黄葉がきれいねぇ~ というのは一時のことで、問題は落ちた葉の始末である。
山の中であれば、それはそれで放っておけば少しづつ朽ちて腐葉土となるだろう。
しかし都会ではそんな悠長なことは言っていられないし、街の美観との兼ね合いもあるので、誰かがせっせと落葉をかき集めて掃除することになる。
この様子を見ていると、都内に雪が降った時の雪かきに似ていると思ってしまう。
雪が降るや、せっせと雪かきをして自分の家の前には雪がまったくないというお宅もある。
一方、まったく気にせずに放置し、いつまでたっても雪が残っているお宅もある。
落葉に関しても、スッカリきれいになっているお宅と、落葉の絨緞を敷き詰めているお宅があるというのは興味深い。
雪はそのうち溶けるが、落葉は溶けない。
通常であればゴミ袋に入れて収集車を待つ。
これが結構な作業だと思う。
掃いても掃いても後から後から落葉はふってくるのだから。
完全に落ち切るまでイタチごっごだ。
ご覧のように大きなビニールのゴミ袋に詰められた落葉をみるとなんとなく不毛な作業のように思えて仕方がない。
この袋に入っている落葉のほとんどはケヤキだと思われる。
ケヤキは総じて大木であり、落葉の量もハンパではないのでこの時期は厄介者扱いされることもあろう。
しかし、この袋一杯のケヤキの落葉、見方を変えれば「宝の山」と言えなくもない。
どういうことか?
これまで何回か花咲ブログで書いたことがあると思うが、ケヤキの落葉には沢山のタネが付いているのだ。
ケヤキは葉が一枚ずつヒラヒラと落ちてくるのではなくて、通常は小枝に数枚の葉が付いた状態で落ちてくる。
この葉の腋に小さな粒状のケヤキのタネが付いているのだ。
ケヤキのタネはこうやって枯葉ごと風に飛ばされて遠くへ行こうとしているのだ。
タネのついている小枝、そうでない小枝とそれぞれだが、全体的におびただしいケヤキのタネが飛び散っていることになる。
それらをかき集めてゴミ袋に入れているわけで、この袋にいったい何粒のケヤキのタネが入っているだろうか?
ケヤキのタネを袋詰めにして売ろうとした場合、このゴミ袋は宝の山となるわけだ。
まぁ実際にはそんな人はいないけど。
でもこのゴミ袋にケヤキの小さな命がたくさん詰まっていることは間違いない。
秋~冬。
色んな植物たちのタネがあの手この手で旅をする季節となった。
楽しい季節がやってきた。
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