2012年12月15日土曜日

巨木探訪 その8


巨木探訪も一周して東京へ戻ってきた。

場所は東京都港区。

こんな都心に都内で一番大きなイチョウがあるというのも不思議なものである。

樹高20メートル 幹周10.4メートル 樹齢約750年

そのどれをとっても巨木の条件を満たすように思える。

しかし実際にこのイチョウを見ると「満身創痍」という印象をうける。

まず、順調に育っていれば樹高20メートルってことはないだろう。
実際、樹冠が大きく損なわれていて、本来の高さよりも圧縮されているような感じがする。

さらに幹もボロボロに剥がれ落ちて分解しそうなのを金属バンドで結束してあったりする。


飛騨高山の飛騨国分神社のイチョウはとくに大きなダメージも見当たらず、あと数百年は磐石な感じがしたが、この善福寺のイチョウはあとどのくらい生きるだろうか。

善福寺のイチョウは日本国の天然記念物にも指定されていて、その希少性と価値が知れる。

都心のド真ん中にこういった巨木があること自体、奇跡のようなものなのかもしれない。

空爆だって受けただろう。

戦火をくぐって、都心の土地開発をうまくかわして、日照の問題や、根の周辺に起きる踏圧などの問題もあるだろうに・・・。

それが善福寺というお寺の、さらには墓地内にあるということが、種々の問題を軽減してきたのではないかというのが僕の見立てであります。

訪れたころは、ちょうど黄葉真っ盛り。

善福寺のイチョウのバックには都内屈指の億ションの姿も見えたりして、そのコントラストがなんとも不思議。


自転車で行ける距離にこんなに価値のあるイチョウがあるんだから、これからはちょくちょく様子を覗いてみたいと思っている。

そんなわけで、お届けしてまいりました巨木探訪シリーズもこれで一旦筆をおきたいと思います。

巨木・古木にはとても魅かれるので、これからも何か見つけたらばこのブログでご紹介していきたいと思っています。

今回感じたのは、巨木・古木に魅かれるのは僕だけじゃぁないんだということ。

色んな方々が日本全国の巨木・古木を訪れて、ブログや出版など色んな手段でそれを表現していることが分かった。

別にそれらと競うということではなくて、自分なりの目線で、自分なりの解釈で巨木・古木と向かい合えればいいかな、と。

この世は広い。
そして人間である自分はちっぽけな存在なのだ。

そんなことを気付かせてくれる巨木探訪でありました。


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