2010年4月19日月曜日

イチョウをめぐる冒険 エピローグ
     
    
というわけで、花咲ジジイは情報にしたがって古川橋方面へとペダルを踏んだ。
    
地図も持たず感覚的にペダルをこいだので、白金に出てしまった。
大筋は間違ってはいない。
   
途中にいわゆるプラチナストリートというイチョウ並木があったのでそれらを見上げてみたものの何ら見つけることは出来なかった。
古川橋ね・・・と桜田通りを左折して、ついに幸運は訪れた。
大きくて、いかにも古そうなイチョウの巨木があったのだ。
ひとつの枝が手の届く高さに伸びてきていた。
   
昨日書いたように、雌花があるとすれば木の上のほうではないか、と思っていたので大して期待もせずに新葉の芽吹いた枝を手繰り寄せてみた。
   
!!!!!
おおおっ、もしやこれは!!!!
   
そう、ついに雌花を間近に発見したのだ。
   
もう大興奮であった。
大きなカメラを取り出して色んな角度でイチョウを撮る。撮る。撮る。
   
興奮してさぞや鼻の穴がおっぴろがっていたに違いない。
今日の写真はクリックすると大きくなるはずなので一枚づつ拡大して堪能していただきたい。
    
   
さて、ちょっと落ち着いたところでイチョウの雌花についてコメントしてみようではないか。
   
まず、イチョウは裸子植物である。
これは何かといえば種となる胚珠の部分が子房にくるまれることなく剥き出しの状態、すなわち素っ裸(=裸子)なのである。
   
普通は花といえば、花弁がく雄しべ雌しべ の4つのパーツに大きく分けることができるが、イチョウは裸子植物であり、かつオスの株とメスの株が全く別(雌雄異株)であるので、メスの花には花弁、がく、雄しべはモチロン無くて、雌しべといっても胚珠がそのまま剥き出しになっているものがポツンと見えるだけの地味な花なのである。
   
写真を見てもらいたい。
二股に分かれた先にポツ、ポツとふたつポッチが見えるだろう。
これが花なのだ。
   
地味じゃぁありませんか。
花咲ジジイがこうやって大騒ぎしなければ気付かない人も多いのではないかと思う。
   
次に花粉の運搬を風に頼る 風媒花 である。
よってハチ等を呼び寄せる必要がなく、概して地味でニオイもないのである。
その代わりにオスの花は多くの花粉を作り出す。
   
一説によればその花粉は数キロ飛散するのだという。
   
そんな訳でとにもかくにも地味なやつらなのである。
   
花咲ジジイも園芸の道を歩むようになって、昨日まで一度も生でイチョウの雌花を見たことがなかった。
   
しかしですよ、たかがイチョウの雌花で何をそんなに興奮しているのか、と理解に苦しむ人もいるんではないかと思う。
   
ごもっとも。
  
ごもっともなんだけど、一年のうちのホンの限られた時期にしか咲くことがなくて、イチョウというかなり身近な植物なのにその花を多くの人が知らないという不思議が事実としてあるわけだ。
   
その不思議に真っ向から挑んで、都内を60キロも自転車をグルグル走らせて出会ったイチョウの雌花にこれだけ興奮を覚え、感動できる自分をとてもシアワセだと思う。
  
そんなささやかなシアワセをアナタにも・・・。
  
    

2 件のコメント:

ひるがお さんのコメント...

おめでとうございます!
やっとイチョウの雌花に出会えましたね。
ホントにシンプルな花でした。。
銀杏の実がたくさんなることを考えると、すごい量の花粉が風で飛んでくるんだろうと想像しました。
生命の神秘です。
感動をありがとうございました。

花咲ジジイ さんのコメント...

ひるがおさん

コメントありがとうございます。

お蔭様で「苦節3年」やっとイチョウの雌花に出会えました。

そんなリアルな感動を伝える「本音ブログ」でありたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。