朝からセミが元気に鳴いている。
もう夏休みなのだろう、既に真っ黒に日に焼けた小学生達が水着の入ったバッグを肩からかけて元気に通り過ぎた。 セミも子供も元気である。
僕も外仕事が多いので腕と首周りだけエラく日に焼けてしまった。
そこの黒さは小学生にも負けていない。
これだけ暑いと、こまめに水分補給しないと本当に取り返しのつかないことになりかねない。
水分が必要なのは僕らだけではない。
植物達にとってもまさに死活問題だ。
われわれは喉が渇けば、水道水を飲んだり、コンビニに行けばよい。
植物達はそうもいかず、「我々に頼る」か「雨に頼る」しかない。
こんなに大切なことが人任せになっているのだ。さぞや不安な日々を過ごしているに違いない。
そこで今日は 水遣り というとてもシンプルながら深い内容について書いてみよう。
一言で水遣りといっても、「何故水遣りが必要なのか」「やらないとどうなるのか」「いつ、どのくらいやればいいのか」などなど、網羅すべきことはヤマほどある。
とてもこの場で全部は無理というもの。
そこで今日はポイントだけ。
よく、「花咲さん、水遣りはどのくらいやれば良いんですかねぇ?」なんて質問を受ける。
答えに困る質問である。
何故かと言えば、植物は生き物であるからして「必要に応じて」としか本当は言えないのではないかと僕は考えるからだ。車のガソリンのようにメーターが付いていて「そろそろ入れ時」「これだけ入れたら満タン」などと明快なものではないのだ。
植物によっては乾燥を好む、湿気を好む、などの特性が違うし、たとえ同じ種類の植物であってもその成長段階で小さいやつ、大きいやつ といったサイズの違いもある。さらにそれが乾きやすい土に植わっているのか、粘土質の水分を含みやすい土に植わっているのか、地植え なのか、鉢植え なのか、ベランダなのか、庭なのか、南向き なのか、北向き なのか、日向か、日陰か、季節は冬なのか、夏なのか、気温、湿度、風などの気象条件はどうなのか、などなど、それはもうありとあらゆる条件を複合的に判断してベストの水遣りができる訳である。
水遣り3年とか5年とか10年とか言うように、とにかく奥が深いのだ。
そこで鉢植えの植物に水をどうやってやるかを 花咲ジジイ流 に書いておこう。
まず時間は、朝もしくは夕方が良いだろう。真夏に昼時に水を遣ってもすぐにお湯になってしまい、植物に負担が掛かる。
そして「遣るべきか、まだ大丈夫か」という判断について。
まず目で植物を見る。みずみずしく張りがあれば大丈夫。上の可哀相なマリーゴールドのように葉がしおれているようなら事は急を要す。これはあくまでも初期段階のお話で、上のマリーゴールドは気の毒だが手遅れだ。
次に鉢の土を見る。どれだけ乾いているのか、あるいは湿っているのか?ここで乾いているからといって焦ってはいけない。指でチョイチョイと2~3センチ掘ってみよう。するとそこはまだ湿っているかもしれない。植物は根から水分を摂るので、表面が乾いていようが、濡れていようがそれはあまり重要ではないのだ。
ここである程度の判断はできるが、もし自信がなかったらその鉢を抱えて持ってみよう。どの程度の重さが手に伝わるか。その重さによって土がどの程度乾いているのかが分かる。
そして水遣りをすると決めたら、植物の特性によって「沢山あげる」か「チョットあげる」か判断し行動する。遣りすぎると根腐れ を起こすやつもいる。
沢山あげようとした場合、鉢全体に行き渡ったかを判断するヒントは、鉢の底に開いた穴にある。ここから余分な水が染み出してくるようなら、一応全体に行き渡ったという目安にはなる。
とまあ、こんなカンジだ。
何度か失敗を繰り返してコツを掴むしかないだろう。
こんなエラそうなことを言って、実は水遣りで大失敗して数百鉢を枯らしてしまい青ざめたことがある。
芝生はどうか。
芝生も日中の暑い時間帯は避けて、朝か夕方に遣ると良いだろう。
ここでのポイントは 細く長く ということ。
ホースでさーっと水を遣ったつもりでも、それは土の表面をちょっと濡らしただけに過ぎない。
水を吸い上げる肝心の根に届いていないのだ。
土の粒と粒の間を水が染み渡っていくように、スプリンクラーなどを使って水を少しづつちょっと長めにやるというのがコツだと思う。
うーん、水遣りは本当に奥が深く、この程度ではないのだけど、一応問題提議したということで、今後はコメント欄などに御意見、御質問など書き込んでいただいて、それを元に考えていきたいと思う。
では、今日も暑いので水分補給を忘れずに。
実は街は植物で溢れている。彼らは色、カタチ、ニオイなどで「ここにいるよぉ」と静かなるメッセージを出している。そこには時として胸を打つドラマがあったりもする。そんなやもすると見過ごしてしまいそうな愛すべき彼らにあまり肩肘張らずにゆる~いカンジでスポットライトを当てる。日々の「あれ何だろう?」という好奇心に素直に向き合うブログ。
2008年7月25日金曜日
水 Water
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4 件のコメント:
芝生の水遣り大変です。でも毎日朝起きてやっていますよ。細く長く実践してみます。
手で「細く長く」は厳しいので、ホームセンターなどでホースの先につけるスプリンクラーを買ってみては?そんなに高くないはず。
はずかしながら、水遣りが苦手です。
サボテンを枯らす人はいない、と言われサボテンを育てていましたが、サボテンはたまに水をあげればいいんだよ、というので、ついうっかり意識から消えてしまい、気づいたらすっかり枯れていた、ということがありました。
毎日、って言われれば毎日なんですけどね。
観葉植物も「たまに」ですよね。
「たまに」という曖昧な頃合がわかりにくいのだけど、このブログをずっと読んできて気づいたのは、植物とちゃんと向き合う、ってことなのかな、と。
ちゃんと向き合って、「最近、どうよ?」
「そろそろ乾いたかな。」なんて会話をしなくちゃいけないんだなあ、と思っているところなんですけど、どうですか?
かなりポエティックな御意見ですね。でもその通りだと思います。水に限らず、虫がついた、病気になった、肥料が足りない、暑すぎる・・・など、僅かなメッセージを汲み取ってやる器量が必要です。そのためには相手のことに興味をもって見てあげていると、そのうちに何となくサインを読み取れるようになると僕は思っています。
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