洒落た街の、洒落た店先の、洒落た鉢に植わっていたのは [ワタ、コットン、綿] であった。
こうやって見ると、どんな植物もしかるべきお洒落をすると印象がガラっと変わるのが分かる。
こうやって見ると、どんな植物もしかるべきお洒落をすると印象がガラっと変わるのが分かる。
人間にも共通しているような気がしなくもない。
馬子にも衣装。
ワタはアオイ科で、これまで御紹介したタチアオイ、オクラ、ムクゲ、ハイビスカスあたりと同じ仲間ということになる。
今回写真がないので残念だが、花のカタチはハイビスカスによく似ている。
そして、実がなって中に種が綿毛に包まれて入っているという寸法だ。
ワタで思い出すのは小学生だったときの話である。
担任の先生が 「今日はSさんから珍しい植物について話があります」 と紹介されて教室の前に出てきたSさんがワタのなった枝を一本頭上に掲げて続けた。
「これはなんだか分かりますか?これはワタなのです。皆が着ている服や、使っている綿棒のもとになっているものです。ワタシはこれをおじいちゃんから教えてもらって、とても珍しかったので今日皆に見せようと思って持ってきました。」
なんてことを 「どーだ」と言わんばかりに鼻の穴を広げて興奮気味に喋っていた。
こちとらチョイと ひねた小学生だったので、内心は「フーン、それで?また先生に褒められようとしちゃってサ」程度にしか当時は受け止めていなかったのだが、妙にその話と場面が頭に残っていて、いまだにこうやってワタを見るとちょっと思い出してしまう次第なのである。
1 件のコメント:
私も子供のころに親父と実験農場で綿花の摘み取りを手伝った覚えあります。自慢はしなかったけどね。戦時中はアメリカなどで日本人の捕虜が綿花の摘み取りなどで強制労働を強いられていた話を思い出しますね。
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