2008年6月25日水曜日

ナス科なやつら
   



             
6月22日、キダチチョウセンアサガオについて書いた。
                
そこで触れたナス科の特徴について、いくつか良い写真があるので補足しておこうと思う。
                  
まずはそれそれの写真は
①左上 フユサンゴ  Solanum pseudo-capsicum
②右上 ワルナスビ  Solanum carolinense
③左下 トマト  Solanum lycopersicum
④右下 ジャガイモ  Solanum tuberosum
                
ここに挙げたのは全てナス科(SOLANACEAE)のナス属(Solanum)だ。
写真はちょっと縮小率をいつもよりは抑えてあるので、クリックして拡大して見て頂きたい。
                   
4つの異なる花を見ていると、かなり似ていることに気付くと思う。
                   
花びらは5枚あって、それがちょっと反っている
雄しべと雌しべがむき出し になっている。
                  
このカタチ特徴を覚えておくと、知らない植物を見たときに、もしそれがナス科であることが分かれば後で調べようがある。
                 
①のフユサンゴについて少々。
まず学名は Solanum pseudo-capsicum とあるけど、
             
pseudo はラテン語で「偽の」「擬似の」ということで ~に似ている のような意味がある。p があるので「プセウド」と発音したくなるけど、これは無声で発音しない。よって「スード」のような発音になる。
                  
capsicum はトウガラシ。最近の健康ブームでトウガラシに含まれるカプサイシンが脂肪を燃やす、なんて良く耳にする、そのカプサイシンと語源は同じと思われる。
ということでフユサンゴは「トウガラシに似ている」と推察される。
                  
フユサンゴは繁殖力がかなり強くて、アスファルトの割れ目などでも力強く育っているのを見かけることがある。僕の撮った写真は、まだなったばかりの薄緑色の実をつけている。
これが熟してくると、オレンジや赤の一見美味しそうな色に変わる。
                          
が、再三申し上げているようにこのナス科なやつらには毒性があるので食べてはイケナイ。
                      
道端でもよく見かけて、「ナス科」であることは分かっていたのだけど、それがナス科の何なのか実は知らなかった。
このブログを書くについて、身近な生き字引である植木屋の親方に聞いてみた。
                  
「これは何スかねぇ?」
「おっ、それか。それはビッグボーイって言うのヨ」
「・・・ビッグボーイ?? またぁ」
「本当だよ。園芸品種にもあって市場に行ったときに ビッグボーイ ってあったゾ」
                   
なんて会話の末に、それが本当だと分かった。
調べてみるとこのフユサンゴには色んな呼称が付いていて、「クリスマス・チェリー」「タマサンゴ」など、他にもあるらしい。クリスマス・チェリーなんて食べちゃいたくなるネーミングなのでちょっとマズイ気がするけど。
              
それにしてもビッグボーイ・・・。
どうしたらこういうネーミングに至ったのか?
植物っぽくない名前でインパクトは強烈である。
                  
親方から初めて聞いたときは、マジメな顔して「ビッグボーイだ」と言うので大笑いした。
言った親方本人も笑っていたけど。
                  
僕の頭の中にはハンバーグ・ステーキのチェーンレストランの看板ボーイが浮かんで、しばらく離れなかった。
              

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

トマトはナス属から独立してトマト属とした時期もありましたが、(学名:Lycopersicon esculentum)、現在はリンネの考えに戻されてSolanum lycopersicumとなっているんですよね。。

Lycopersiconは「狼の桃」という意味です。

匿名 さんのコメント...

そ、そ、そうなんです。ナンテ、実はその一旦トマト属になってから、再びナス属へといういきさつは知りませんでした。貴重な情報を有難うございます。

ひるがおさんのコメントにより、花咲ブログにグッと高尚な香りが漂ってきたカンジです。