カイズカイブキ Juniperus chinensis
もう題名で書いちゃったけど、これが何なのか上の写真だけで分かった人はかなりの通と言えよう。
カイズカイブキといって生垣でよく使われる常緑針葉樹である。
この針葉樹の花はあまり目だ立たないので、これに気付く人はまれであろう。
気付いたとしてこれが花だとはなかなか思えないのではないだろうか?
別に赤やピンクといった派手な色をしているでもなし、良いニオイがするでもなし。
サイズもかなり控えめだ。
彼らはミツバチなどのムシに頼らない、風媒花を咲かせる。そしてその花がこれだ。
カイズカイブキは、もともとはイブキというやつの変種を園芸用に改良して出来たもの。
どういうことかというと、イブキの葉っぱは幼い頃(幼葉)は針のような葉(針葉)で、成長とともに鱗片状の葉になっていく。
この鱗片状の葉を選抜してできたのがこのカイヅカイブキというわけだ。
このカイズカイブキは放っておくと高さが6~8メートルくらいになり、枝もねじれてあたかも炎のように見えなくもない。ゴッホの絵画のよう、と言えば分かりやすいだろうか。
で、剪定が不可欠なのだけど、これが結構難しい。
何故なら強剪定すると 先祖がえり といって2番目の写真で分かるように淡い色のチクチクした針葉が生えてきて、もとに戻ることはまずない。
となると手で新芽を摘んでいくということになるけど、実際はそれは無理というもの。
なので先祖がえりしたら、そこを元からチョンと切ってやるしかない。
なんで先祖がえりするのか?
それはまだ解明されていないようだけど、僕が思うに強剪定という刺激がストレスとなって先祖がえりというカタチで表れるのだろう。もともとそうある姿だったものを、選抜して押さえ込んできたので刺激があるとビヨーンともとのカタチに戻っちゃうのじゃないか?
今は亡き祖父母の家にこのカイズカイブキの生垣があって、「刈り込んだら小遣いをやる」と言われてせっせと植木屋の真似事のようなことをしたのが、僕の園芸の原体験ではなかったかな、と思う。
カイズカなどの針葉樹にはテルペン類の精油が含まれていて独特の香りがする。
剪定するとあたりに香りがただようのだけど、その度に祖父に頼まれてチョキチョキやった日のことを想い出す。
1 件のコメント:
人間もプレッシャー掛けすぎると先祖がえりする人もいますね。植物も一緒なんですね。
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