2008年5月21日水曜日

シイ Castanopsis
     
    
小学生の頃、「行ってきまーす」と元気に家から飛び出して、モワッとむせるほどの甘いニオイに包まれた記憶がある。それは甘くていい香りとも言えるし、なんかクサくて変なニオイともいえるビミョーなニオイだった。
   
そのニオイが一体どこからくるものなのか、知る由もなかったし、そんなの知ったことじゃぁなかった。
   
ちょっと大人になってからも、春のこの時期になるとやはりこのニオイがして、子供の頃をフト思い出してちょっとしたノスタルジーに耽ったりもした。
でも相変わらずニオイの元は特定できず、「いわゆるひとつの新緑の香りってやつだな」などと思って特に気にも留めなかった。
   
そして今
これはシイの花のニオイだと知るに至る。
   
シイの花は風媒花ということで、とくに目だったものではない。
シイの木を見上げて花を探すのだけど、シイの木の上の方は花が満開でシイ全体が黄金色に輝いているように見えるのに、どういうわけか目の高さでは花はひとつも見られなかった。
  
不思議なもんである。
   
花にグッとよった写真を撮りたかったのだけど、下の写真が精一杯だった。
あとは木に登って撮るしかないけど、道端や公園ではそれもちょっとマズい。
   
自分で想像するに、これは風媒花なので風に花粉を乗せて飛ばさないといけない。なので花粉の離陸時に既に高い場所にあればそれだけ遠くに花粉が飛ぶ。なので目の高さに花が咲かないのではないか?
どうだろう?結構良い線をついていると思うのだけど。
   

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