・・・そんなわけで、昨晩はちょっとホロ酔い気分で深夜に帰宅して書けなかった スーパー雑草 について。
これは月曜日のNHKクローズアップ現代という番組での話。
簡単にいうと 除草剤に耐える雑草の出現で農作物は栄養を奪われるなど深刻な被害が広がっている というもの。
何で除草剤に耐えるようなものが出現したかといえば、植物も子孫を残して生き延びるのに必死で、除草剤でいつまでもやられっ放しではなくて、少しづつ耐性をもった世代ができていったり、突然変異によってそういうやつらが出現するのである。
これは害虫なんかにも言えることで、雑草をみれば除草剤、害虫をみれば殺虫剤といった具合に短絡的に同じ手段を用いていると、それに耐性をもった世代は必ずでてくるものである。
番組では SU剤 という万能除草剤一種類に頼るようになったことが原因のひとつであると言っていた。
幾つかの薬剤を複合的に適宜使用するのが良いのだそうだが、最近は消費者が農薬使用にたいして敏感になっているため、強力な薬剤を一回散布するといった方法が主流なんだそうだ。
そして、スーパー雑草として紹介されていたのが オモダカ Sagittaria trifolia である。
見たカンジはムラサキツユクサになんとなく似ている。
葉っぱが 矢じり のような形をしているのが特徴である。
薬に頼り過ぎないマネジメントの必要性が当然叫ばれていて、そのひとつが 総合防除 というもの。
雑草の繁殖を抑えるために植物を使うもので、例えば作物の間に背の低いクローバーを植える。
クローバーが密に繁ると雑草が繁殖する隙間がなくなるという理屈である。
しかし、作物の収穫量に影響がでることもあり、さらなる研究が必要である。
クローバーの根の部分には根粒菌といって、大気中の窒素を植物たちが吸収できるようにする菌が共生しているので、このへんもメリットがありそうである。
害虫に対してもこういった考え方は広まっていて IPM (Integrated Pest Management) という。
益虫を放ったり、ある程度の害虫の数であれば全体のバランスを考えて許容したり、といった発想が今広がりつつある。
農業に限らず、家庭レベルの園芸でも雑草、病害虫は問題ではあるとは思うが、薬に頼り過ぎないオーガニックな発想が大切だ。
1 件のコメント:
雑草を抑えるために、植物を植える!
それもシロツメクサというポピュラーな草とは!!
目から鱗が落ちました。
農薬の開発というやや暴力的な方法ではなく、発想の転換による平和的解決ですね。
こういう方向で、どんどん研究されてほしいと思います。
それにしても、この発想には、なにか哲学的な奥の深さを感じます。
勉強になりました!!
コメントを投稿