都内のとあるお寺。
往来を歩いていて、そのお寺の掲示板を見て足を止めた。
その掲示板に何が書いてあったかといえば「お塔婆」について。
このお寺ではスギの塔婆を使うことを推奨しているらしい。
これには理由があって、解説によれば以下のようなものだった。
私たちの地元東京都多摩地区の山には、戦後成長の早いスギが植林されました。しかし、数十年を経て収穫時期を迎えたとき、輸入財の影響で価格は暴落し、切り出すだけで赤字という状況に追い込まれています。その結果、山林は荒廃し、洪水や土砂崩れ、渇水や花粉症など様々な問題の原因となっています。もともと多摩地区は自然の樅材を使った塔婆の生産地でしたが、樅は取りつくされ、杉が植林されました。そのスギを塔婆材として使用し需要を喚起して、売り上げを森林保護の資金として循環させようというのが、東京寺院発、東京の山を守る運動の主旨です。
なーるほどね。
ということはこのお寺のお塔婆は多摩地区のスギ材なのか。
そうやってみると、お塔婆を見る目も変わってくる。
これと同じ理屈で「割り箸を使おう」という運動も聞いたことがある。
割り箸を使うのはエコでない、という認識が広がって「マイ箸」を携行するなんてときもあった。
輸入材を使った割り箸はたしかにそういう一面を持っているかもしれないけど、国産の割り箸は、間伐を行って、適正な森林管理をするなかで出る材を使うもの。
そこから出てくる割り箸を「買う」ことは森林管理のための資金繰りに協力しているという発想もあるのだ。
かたや割り箸、かたやお塔婆。
環境保全に携わるにも色んな発想と、スタイルがあるものだ。
2 件のコメント:
そうそう、間伐材は使うルートを確立するのが森林保護のためですよね。えせエコリストにだまされてはいけません。間伐しないと木が衰退します。間引くと成長が急に促進されたりしますから二酸化炭素消費もすごいんじゃないかなw
ぴーさん。「いいね!!」
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