都内某所にて植木屋さんを見かけた。
ご存知のように、こういう光景に遭遇すると時間さえ許せば足をとめて様子を見るのはもはや習性だと思われる。
6メートルくらいのクスノキを剪定していた。
この植木屋さんが大変興味深かった。
50歳後半~60歳前半と思われる親方が剪定をし、40歳後半~50歳前半と思われるお弟子さんが切った枝を片付けていた。
切った枝は几帳面に同じ長さで揃えられ、紐で束ねて積み上げられていた。
写真手前にある車で彼らは来ていたのだけど、この車はワゴン車だったのだ。
普通植木屋さんは、トラックというか荷台が大きく開いた車両を使うものだと思うけど、この植木屋さんはワゴン車。
つまり切った枝などは几帳面に束ねないと車のなかに納まらないのだと思われた。
電柱に掛けられたハシゴだってご覧のように木でできたものを使っていた。
珍しいなぁ・・・と思ってしばらく見ていたらば、今度は親方が木から下りてきて、お弟子さんと交代した。
どうやら剪定の仕方を指導しようとしているらしい。
お弟子さんというにはかなり年配の方だったけど、
「ここでしょうかっ」「はいっ、分かりましたっ」と声も大きくはきはき返事していた。
親方は声をあげる。
「その左手の先にある二股の枝だよ」「おおっ、それそれ。それの枝先を10センチ。」
なんと親方は剪定を指示する枝以外の剪定を許さず、さらにその枝の剪定を10センチ単位で指示していたのだった。
周辺に「ここでしょうかっ」「はいっ、分かりましたっ」というバカ丁寧ではきはきした声がこだまする。
そして枝を一本づつ丁寧に剪定していく。
別に良いんだけど、そのはきはきした具合とお弟子さんの年齢が妙に合っていなかった。
でも職人になるってことはこういうことなのかな、とも思った。
適当に気まぐれ的に枝をつめるのではなくて、ちゃんとひとつひとつ厳しく指導されてそういうことを身につけていくものなのかもしれない。
翻って自分の剪定仕事はどうかな・・・・なーんて考えてしまった。
仕事は厳しくあるべし、なんてことをしみじみ思ったよ。
2 件のコメント:
6mのクスノキの剪定大変ですね。でもクスにキは比較的やわらかでのこぎりで剪定しやすいですよね。私も自己流で色々な木を剪定しますが、やはり木のとっては要所をきちんとはさんでほしいのでしょうね。
みさきさん。
コメント有難うございます。
剪定に関しては間違いなく守るべき「基本」があると思います。でもその基本さえ抑えればあとは応用(自己流とも言い換え可)がきくと思います。
何事もそうですが、上手い人の技術を見ること、盗むことが大切だと思います。散歩していても植木屋さんの仕事の様子を見かけることがありますが、それは絶好の勉強のチャンスですね。
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