スギゴケ Polytrichum juniperinum
日本庭園に散歩に出掛けた。
そこには水鉢があって、澄んだ水をたたえていた。
秋の爽やかな光線が水の中を通り抜けていた。
こういった静かさ、ピースな気分を提供してくれるのが和の庭園であろう。
そして水鉢の脇にはスギゴケが生えていた。
芝生が一年中青々としているヨーロッパとは違って、日本では冬場は芝は茶色に枯れてしまう。
でも何か、緑で覆われていたほうが見た目にもステキである。
そんなときに見直すべきなのがこのコケ類ではなかろうか。
コケの上でサッカーをしたりすることはできないけど、灯篭や蹲などと一緒に和の落ち着いた空間を演出する上では不可欠な地被類(グランドカバー)だ。
しかしこのコケとて温暖化の影響を受けているようで、ちょっと前の新聞記事で「京都の名庭園でコケが枯れてきている・・・」というのを読んだことがある。
コケはこれまで紹介してきた植物のように種で増えるのではなく、胞子で増える。
胞子から芽を出して成長するためには、適度な湿気と温度が必要となる。
それが最近の不順な気候でコケにとってはツライ状況になってきているのだという。
街にはハイビスカス、ブーゲンビリアなどの南方系植物を当たり前のように見かけるようになったが、こうやって失われていきそうな植物もあるわけだ。
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