ホテイソウ Eichhornia crassipes
夏到来である。
セミが鳴き、ジリジリと鋭い日差しが照りつける。
金魚を飼っている水槽なんかに良く見かけるのがこのホテイソウ(別名:ホテイアオイ)ではなかろうか。
なんか水を見ていると涼しげな気分になる。
昨日は、街を歩いていて偶然通りかかった花屋の店先で売られていたホテイソウに花が咲いていた。
正直に申し上げて、ホテイソウの花を見るのは初めてだったので、やおら屈みこんで写真を撮った。
普段は地味な緑のプカプカ浮いているやつ・・・くらいの認識でいたのだが、花はなんとも不釣り合いに派手であったのが驚きだった。
例えるなら、ガッチャマンに出てくる悪役ベルクカッツェに似てる気がする。
なんじゃそれはと思われる方は、グーグルで「ベルクカッツェ」と入れて画像検索してみて頂きたい。似てるから。
水に浮かぶ様子は優雅であるが、それは自分の家の水槽にある場合であって、これが野生化すると色んな問題を引き起こす問題児のようである。
繁殖力が強いので、水面を覆い尽くして漁業への被害や、枯れた後の悪臭などが問題になっているのだという。
一部では 青い悪魔 と呼ばれて煙たがられているらしい。
花はご覧のとおり薄紫色をしていてガクと花びらの区別が難しいので、それらをまとめて 花被 と読んでいる。
ひときわ目立つのが上の真ん中の花びらで、サイズもやや大きめだし、紫と黄色のマークがついている。 これを蜜標といって 蜜がここにあるぞ とハチなどの虫に知らせて、蜜を与える引き換えに花粉を運んでもらうのだ。
ホテイソウの面白いところは、受粉を終えて花の命を全うすると、しぼんだ花を水の中に沈めるかのように茎(花茎)が水中に向かって伸びることである。
これは種を水のなかに播くためであると言われている。
タンポポも綿帽子が出来るころは花茎がぐぐーっと伸びて、ちょっとでも高いところから種を風に乗せて飛ばそうとする。
タンポポは上へ、ホテイソウは下へ、花茎をのばして子孫を残そうとしている。
スゴイ工夫である。
1 件のコメント:
確かに、ベルクカッツェ
にてました。
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