水ぎめ
とても漠然とした質問で恐縮ではあるが木を植えるとして、アナタはどうやって植えますか?
穴を掘って、木の根の部分を埋める ・・・ 正解
それが植えるということで、当たり前といえば当たり前。
でも、折角だからもうちょっと深くみてみよう。
花咲ブログで何回か書いてきたことだけど、植物にとって根はとても重要だ。
呼吸し、栄養・水分を吸い上げ、植物そのものを大地に固定する、などその役割は多く我々の目に触れないところで大活躍している。
木を植えるときに幾つか注意する点があるのだが、それが植えた後にちゃんと根付くかの成否を分けるといえるような気がする。
木を植えるときの方法として一番代表的なものが、本日ご紹介する 水ぎめ という方法だ。
これを説明すると以下のようになる。
1 植える木の根を見て、その根のサイズよりも幅、深さなど大きめに穴を掘る
2 掘るときに土の浅い部分、深い部分を分けておいて、埋め戻すときに浅い部分の土を先に、深い部分の土を後に入れて土が入れ替わるようにすると、なおヨロシイ
3 埋め戻す土を80%くらい入れたところで水を入れる
4 ジャブジャブ、たっぷり入れる
5 水が溜まったところで、木を前後左右にゆっくり揺らすように動かす
6 水が引くまで待つ
7 水が引いたら残った土を埋め戻す
8 埋め戻した穴の周囲に土で高さ10~15センチほどの堤防のような堰を作る(これを水鉢という)
9 水鉢の中に更に水を施す
根は水や養分を吸い上げるという重要な役割を担っているが、この機能は根の細かい部分(根毛)が行っている。
この根毛部分にチャンと土が接触していないと、水や養分を吸い上げることが出来ない。
土は様々な大きさの粒からなっていて、水を加えることで細かい粒があたかも おしるこ のようになって根毛部分にもムダなくムラなくムリなく接触できるようになる。
水を加えてよく見ているとブクブクっと気泡が出てくるのが見える(左下写真)。
これが根の周辺の無駄なエアポケットを排除しているという証拠である。
とても不思議なことではあるが、この日本のどこへ行っても行われている水ぎめという手法を英国では一度も見たことがなかった。
英国人に説明してあげると、とても珍しがられた。
英国では 土ぎめ といって単純に土を掘って土を埋め戻すだけの手法がとられている。
なんでだろう?
自分なりに考えてみると
1 土の性質が異なり、土にそもそも水分をかなり蓄える性質があるのではないか
2 英国の気候の問題で、激しく蒸散が行われるような気候ではないからではないか
日本でも、モクレンなど植え替え時に水を嫌うような植物には土ぎめが用いられている。
かたや土ぎめはその土地の特徴を反映しているとも言えるし、あるいは植物自体の生命力を信じているような気がするのだ。
1 件のコメント:
自分でも植える時は水ぎめ、水鉢はやるようにしていますが、お友達なんかが来ると何で木の周りが山になっているのか不思議かられます。プロ、セミプロ以外はあまりやっていなのかもしれませんね。ちなみに私はど素人ですよ。水ぎめしないほうがいい植物もあるんですね。勉強になりました。
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