先日とある方から
「これは何でしょう?」
とご質問をいただいた。
一応、植物のことには詳しいということにはなっているし、樹木医だし、ここはスラリと答えたいところだった。
一見して頭に浮かんだのはハクウンボクだったのだけど、ハクウンボクでないことが分かり行き詰ってしまった。
緑色の小さな実はまん丸ではなくどこか「銘菓ひよこ」のような形をしているし、柄の付いている場所もちょっと変わっている。
葉っぱも「全縁」「葉脈は羽状」「葉柄は欠落したもかもしれないながら極端に短い」というなんとも特徴の無いフツーの葉っぱだった。
手元の図鑑などを調べてもどうにも分からない。
そこで樹木医仲間の知恵を借りることにした。
そうしたらムクロジ Sapindus mukorossi ではないかとの指摘をいただいた。
言い訳になってしまうが、実はこの葉っぱが曲者だったのだ。
ムクロジの葉は偶数羽状複葉といって、ようするに小さな葉が幾つかセットになっている複葉なのだ。
ところが手元にあるのはその一部、すなわち小葉が一枚だけ。
これが複葉の小葉であるとまでは想像ができなかったのが敗因。
目の前にあるものからあらゆる類推をして正解に近づくことができるのがプロというもの。
まだまだ勉強が足りないなぁと反省した出来事でした。
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