2010年2月1日月曜日

哀愁の神戸
    

   
そんな訳で昨日は日帰りで神戸に行っておりました。
  
プライベートなことで恐縮なのですが、法事ってやつである。
   
朝5時半に起きて、6時過ぎののぞみに乗り込んだ。
順調な旅のはずであったが、新横浜を過ぎたところで電車が止まった。
   
信号故障だという。
   
その2日前に送電線が切れて5時間ほど止まったというのはニュースで大きく取り上げられていたので、5時間は勘弁してくれよ、と祈った。
   
途中で車内の電気が落ちてトイレも使えなくなった。
   
結局50分後に復旧して走り出した。
   
その後は快調に運行され、車中から見た富士山をアップしたのはご存知の通りである。
   
新大阪に着くと空はどんよりと曇り、神戸に着いたときにはパラパラと雨が降りだした。
天気は良いもの、とタカをくくっていたので半袖ティーシャツとセーター1枚で出掛けた僕は寒い思いをしてしまった。
   

    
三ノ宮アーケード街を歩いていれば雨には濡れないと、しばし人ごみの中を歩いた。
足元に何か光るものを見つけたのだが、それはアジサイとかノジギクといった神戸にまつわる花がモチーフに埋め込まれたモザイク調のライトだった。
   
・・・神戸。
   
これも本当に私事で恐縮だが、祖父母が住んでいたので子供の頃から頻繁に訪れてとても愛着がある街なのだ。
   
淡路大震災のときも家がちょっと傾いたが、なんとか踏ん張って今も建っている。
   
祖父母の家には庭があって、門の脇にはカイヅカイブキの生垣があった。
中学生の頃から、祖父から 「小遣いをやるから生垣を刈れ」 と言われて脚立に登ってジャキジャキと生垣を刈り込んだのが、今思えば僕の植木屋原体験だったかもしれない。
    
英国に渡ってまもなく祖父の様態が悪くなった。
10日間ほど見舞いのために帰国したときに、祖父の庭をキレイにした。
カイヅカイブキを刈り込み、アカシヤやモミノキを剪定して、雑草を取り除いて、それを写真に撮って大きく引き伸ばしたものを入院していた祖父のもとに持っていった。
    
祖父はたいそう嬉しそうに何度も有難うと言った。
   
10日の滞在期間はあっという間に過ぎて、僕はまた英国に戻った。
    
その数日後、祖父は亡くなった。92歳の大往生だった。
    
僕がキレイにした庭の写真を来る看護婦さん皆に 「孫がきれいにしたんじゃ」 と自慢していたのだと後になって聞いた。
   
人が喜ぶ仕事をしていきたいなと思う。
  
   

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