専門でない方にはちょっと難しい話かもしれないけど。
この木の根元をよーく見ていたらばあることに気付いた。
ほぼ錆びた金具が木の根元に半分埋没されていたのだ。
さらに白い帯のようなものも見える。
これは「地下支柱」といって、樹木を植えたときに施す支柱の一種。
支柱とは字のごとく支える柱なので、通常は木に添うように施されるのが一般的。
ところが支柱を設置するスペースがなかったり、支柱が外見的にカッコ悪いといったときに、地中に支柱を施す。
地下の支柱といっても実際に柱を埋めるわけではなくて、頑丈な格子状の鉄の網を根鉢の下に埋めて根鉢を帯のような丈夫なものでその網に括りつける。
さらに強風などにも耐えるようにその帯をラッチでキリキリと締め上げる。
それが地下支柱というもの。
もちろんこのラッチや帯は通常は地中に隠れるので普通は見えないが施工がお粗末だとこのように見えてしまうというわけ。
どうだろう、この地下支柱を使って植えてからこの木は何年経っているのだろうか。
想像するに根はちゃんと張って強固なものになっているだろうから、恐らくもう支柱は要らないのではないだろうか。
でも地下支柱は朽ちることなく相変わらずキューギューと根を締め付けている。
一方、木のほうはグングン生長して根も大きくなっている。
ということはこの地下支柱が纏足(てんそく)のようにこの木をとても窮屈なものにしているのではないかと思うのである。
実際、帯は根元に食い込んで巻き込んでいるのが分かるでしょ。
樹木医の講義の中で地下支柱の是非についての話があったのを思い出した。
確かに地下支柱の良さ、メリットもあるけど、将来的な樹木の成長も見越して例えば5~10年で朽ちてしまうような素材を使うなど工夫も必要なのかもと思った次第。
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