2012年3月3日土曜日

デパートの屋上にて


今日は天気が良くて、風はチト冷たいながらも日なたにいるととても気持ちが良い。

今このブログを都内のデパートの屋上のベンチにてしたためている。

なんでそんなところで・・・ というのはまた今度にして、ちょっと空いた時間を有効活用しよう、と。

2月末に雪が降ったが、3月はまずまず暖かいスタートとなった。
そろそろサクラの開花予想なんてのもテレビや新聞で取り上げられるようになってきた。

開花予想などでいうサクラとはソメイヨシノのことで、我々日本人は本当にこのソメイヨシノが好きだね。

ソメイヨシノはエドヒガンザクラとオオシマザクラを交配して出来たもので、自らタネをつくる能力がない。
なので世の中に出回っているソメイヨシノは接木などのいわゆる無性繁殖の結果生まれたものである。

ってどういうことか、というと全て同じ性質をもったいわばクローンということになる。

色んな性質をもっていれば、何か病気が流行っても一部には抵抗力があったりして種として生き延びることができるが、同じ性質をもったクローンであれば全て同じ反応を示すので全滅することになる。

それは大袈裟かもしれないが、でも基本的にソメイヨシノは強くはない。

寿命だって70~90年くらいではないかと聞いたことがある。
いずれにしても普通であれば100年はもたないことになる。

戦後、空襲で焼け野原になったあと、都市整備とともにソメイヨシノが植えられたとしたらば、今は戦後から何年経つだろうか?
そろそろ具合が悪くなるソメイヨシノが見られてもなんら不思議はない。

今日の写真はそんなソメイヨシノ事情を如実に表していると思う。

場所は東京都世田谷区成城。
高級住宅地として有名だが、ここのサクラ並木もなかなか有名である。

豪邸を見物しながら、サクラ並木をそぞろ歩く、なんていうのもなかなか面白いと思うのだが、そのサクラの調子がすこぶる悪そうなんである。

枝が枯れて、危ないので大胆に切り落とされているサクラを沢山見ることができる。

街路樹なんだから、好き勝手放題に枝を伸ばすわけにはいかない。
通行の邪魔になると適宜剪定されてしまうだろう。

サクラはそもそも剪定に弱いので良いことはない。

もっと問題なのは根だと思う。

アスファルトでガチガチに根の周りを固めらていて、上を通行人が歩き、車両が遠慮なく往来する。
地面をアスファルトでフタをされてしまっているようなものなので、土中の酸素も不足しがちだろうし、水分も十分届かないかもしれない。
さらに大切な土中の微生物の活動も阻害されるだろうなぁ。

というわけで植物の健全な生育にもっとも大切な土の状態が劣悪なんだと思う。

それがサクラの寿命をさらに縮めているのではないだろうか。

枝をバッサリと切られ、包帯のようなものをグルグル巻きにされた様子はさながら野戦病院のようである。



そもそもこのようなところにサクラを植えることがどうなのかって疑問もある。
でもサクラ並木をそぞろ歩きたいという気持ちも分からないでもない。

なかなかのジレンマである。




2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんにちは!サクラで思い出しました。先日南日本新聞に、ロケットさくらが開花、、とありました。何のこと?詳しいことは忘れましたが、?に?を接木したサクラらしいです。内之浦での事、、ネーミングが面白いですね。

花咲ジジイ さんのコメント...

匿名さん

コメント有難うございます。

「ロケットさくら」確かに楽しいネーミングですね。

「商売」として考えた場合、キャッチーなネーミングの方が訴求力があるので、色んな面白い名前がありますよね。

また身近で楽しい発見を教えてください。