2010年12月16日木曜日

もの思う秋
    

もの思う秋っていうには、もう年の瀬でおかしいのは分かっているが、もの思う・・・とくればと続くものではないかということで思い切ったタイトルにしてみた。
   
昨日家で 明日の記憶 という渡辺謙樋口可南子が出演している映画を見た。
簡単にいうと、渡辺謙演ずる主役の男性が49歳にして若年性アルツハイマーに掛かってしまうというお話。
   
映画のなかで、主治医が 「人間は生まれてから十数年は成長するがあとは衰えていくもの。その衰えといかに付き合うかが人生なのです。」 のようなことを言っていた。
   
映画を見終えてドッと力が抜けてしまった。
自分にあてはめて色んなことを考えてしまったのだ。
   
花咲ジジイは現在45歳。
主人公が若年性アルツハイマーを発症した年齢と僅か4歳しか違わない。
   
そしてその主治医の言葉が思い出されて、自分のことをフト考える。
体力もなくなってきたなぁ食欲も減ってきたなぁ姿勢も悪くなってきたなぁモノ覚えも悪くなってきたなぁ身体も前にも増して硬くなってきたなぁ酒も弱くなってきたなぁ腹も出てきたなぁ目もかすむようになってきたなぁ・・・・
   
最近の一番の悩みというか恐れていることは、言葉の問題だ。
イギリスに7年もいて、一応他人の言っていることは理解できたし、自分の思ったことをまずまず不自由なく伝えることも出来た。日本に戻って丸4年が経ち、今ではほとんど英語で会話をすることはなくなった。
たまに英国人の友人などと会話する機会があると、言葉が出てこないことがある。
もうしどろもどろだったりして、アレっ??と脂汗をかいて言葉が錆び始めてることに気付いた。
   
別に英語で生計をたてているわけではないので、それはそれで別に困らないが、折角苦労して身につけたものが少しづつ薄れて、そして最後には消えてなくなってしまうなんて寂しすぎやしないか。
植物の学名なんかも然り。指が折れるほど書いて書いて書いて書いて覚えたのに・・・。
   
自分の意思とは無関係に自分から何かが消えてしまうあたりを昨日の映画を見ながらどこかで自分と重ねていたのだと思う。
    
人間は衰えいつか死ぬもの。
当たり前なんだが、そこから目をついつい逸らしてしまう。
    
映画の中で樋口可南子が記憶の維持に役立つかもといって渡辺謙に買ってきたのがイチョウの葉エキスだった。
諸説あるようだが、一般にイチョウの葉から抽出されたエキスには血流が良くなることによる認知症改善の効果が期待できると言われているようである。
   
そうかぁ、イチョウの葉ねぇ。
   
そうやって改めてイチョウの葉を見るとちょっとテンションが下がってしまう花咲ジジイでありました。
  
  

2 件のコメント:

Alex さんのコメント...

45歳はまだまだ若いですね。振り返ると、一番能力&体力があり、色々な事が出来た年齢。僕なんか、60歳になると、そりゃ帰国18年経ち、英語も、すっかり忘却の彼方だし、植物の名前も思い出せないし・・・体力も45歳の比較ではありません。
まあ、若いうちに頑張ってくだされ!

僕は、60歳にして第二の青春をスタートさせ、実も心も20歳前後のつもり。体重も7キロ減量し、20歳の時の52キロになったし・・・。

最近、地下足袋で街中を歩き、別世界が見えてきた事が快感のAlexでした。

花咲ジジイ さんのコメント...

Alexさん

ありがとうございます。
そうなんです、分かっているんですが時々フト弱気に、というか考えてしまうんですよね。

何事も "Never too late" 「何を始めるにも遅すぎることはない」ということをモットーとしているのですけど。

衰えるスピードを上回って詰め込めば進歩し続けられるのでは?
イヤ、そういう進歩を常に思い描くことが、既に誤りなのか・・・。

これはもはや哲学ですね。