2012年2月16日木曜日

ランドスケープのススメ


英国の旅へのお誘いをしています。

毎日違う角度から今回の英国ツアーの魅力について熱く語ってきましたが、いくらでも語れてしまうというか、本当に僕自身イギリスという国が大好きで、より多くの方々とこの素晴らしい経験をシェアできればと思っております。

このブログを読んでご興味を持っていただければ大変嬉しく思います。

というわけで今日はランドスケープについて。

英国最高峰の山といったってスコットランドにあるベンネビス山(Ben Nevis)が1,344メートルあるに過ぎない。

要するになだらかな丘がどこまでもウネウネと続くのが英国の典型的な地形であるといえる。

ビートルズの歌に「The Long And Winding Road」があるが、まさにこの長く曲がりくねった道こそがイギリスの田園風景の象徴であると思う。
車を運転すると、この楽しさを心ゆくまで堪能することができる。

イギリスには高速道路にあたるMロード、国道にあたるAロード、一般道にあたるBロードなどがあるが、急いで移動したいときはMロード、ゆっくりと田舎の風を感じつつ景色を眺めつつ行くならばBロードをオススメする。

一番上の写真なんかはBロードで見られる景色の典型だ。

細く長く曲がりくねった道がどこまでも続き、道路脇にはアブラナ畑が延々と続く。
花はキレイだが、アブラナの花のニオイでむせそうになるくらい。

それも田舎の良さなんである。



あるいは麦畑がどこまでも広がっていたり。

そして畑の真ん中にイングシッシュオーク(樫)の古木がポツンと佇んでいるのは英国の田園風景以外の何ものでもない。

もちろん羊もあちこちで草を食んでいる。


目に飛び込んでくるすべてが英国そのものだ。
のどかだなぁ、平和だなぁ。

当たり前なのだが、これはなにも誰かが計算してそうなっているのではなくて、これが英国の素の姿なんだと思う。

庭めぐり、庭園めぐりは楽しい。
でもそれは人間が人為的に自然と折り合いをつけながら創り出した空間。

もちろんそれも良いんだけど、移動のときなどに目に飛び込んでくる風景、すなわちランドスケープも素晴らしいんだよ、と強調しておきたい。




2012年2月15日水曜日

ヨークという町


今日は魅力あふれる街、ヨークをご紹介しようと思う。

ヨークはヨークシャー州にある中世の趣を今もそのまま伝える魅力あふれる町である。

ロンドンから列車でざっと3時間くらいだったろうか。
いわば北イングランドの顔のひとつである。


街の周囲を城壁が取り囲んでいて、その城壁のなかにカワイイ町が収まっている。


町のアイコンはなんといってもヨーク大聖堂。

英国はもちろん北ヨーロッパのなかでも最も規模の大きいゴシック建築寺院であるといわれている。

中には気軽に入れるし、ときによって聖歌隊が練習していたりするのを聴くこともできる。
もう天使の歌声っていうんでしょうかね、あまりの清々しさに言葉もなくなって神妙な気分になる。

有料ではあるが、大聖堂の屋上へも登ることができる。
抜群の眺望で、ヨークシャーのなだらなか地形をはるかむこうまで眺めることができる。


町のいたるところに歴史的な建造物がある。
丘の上にそびえるのはクリフォードタワー(Clifford's Tower)。


朽ち果てた昔の修道院(St Mary's Abbey Church Ruins)もたたずんでいる。



町の中心部をウーズ川(River Ouse)が流れる。

遊覧船や小型ボートで遊ぶこともできる。

歴史ある建造物、そしてそこに川が流れるっていうのは、ケンブリッジしかり、オックスフォードしかり、バースしかり、いわずもがなロンドン、文明・文化と川は深い関係があるのだと分かる。


ヨーク駅もなかなか立派で、このままヨークで降りずに北に進めばエジンバラまで行くこともできる。
そして駅から割と近くに鉄道博物館があるのだけど、ここのスケールは鉄道ファンならずともうなってしまうくらいスゴイ。


気の利いたパブもあるし、この前書いた北イングランドを代表するティールームであるBettysも町のド真ん中にある。


パブも名店が多い。
ハンギングバスケットをあしらった洒落っ気のあるパブもたくさんある。


ヨークを訪れた誰もが訪れるのはシャンブル(Shambles)という小道。

なんてことのない小道と言ってしまえばそれまでだが、中世の雰囲気そのままの石畳の小道を歩くと、中世にタイムスリップしたような気分になる。

ちょっと町をはずれて散策するのも楽しい。
ここは北イングランド。

町の様子もロンドンのような大都会とは異なり、どことなく哀愁が漂っている。


リトルダンサー(Billy Elliot)、もしくはフルモンティ(The Full Monty)を観たことがあるだろうか。
いずれもヨークではないけど、北イングランドのお話だ。

どこか悲哀に満ちているが素朴で良いお話だ。

まさにそんな北イングランドそのものに触れることができるのがヨークという町だと思う。

人は優しい、食べてよし、飲んでよし、歩いてよし、の魅力あふれる町なのだ。

ヨーク良いとこ一度はおいで・・・
自信をもってオススメしちゃうなぁ。













2012年2月14日火曜日

とっておきの庭



昨日はヨークシャーの隠れたる個人邸の庭をご紹介した。


今日は個人邸といえば個人邸であるが、スケールがやや大きい。


そしてこれも隠れたる名園である。


たぶん、おそらく、日本人でこの庭を知っているのは僕だけではないかという気がする。


何故なら、それほど辺鄙なところにあり、それほど限定公開されているからである。
いつ行っても開いていて見せてくれるというわけではない、高飛車な庭なのだ。


実は僕がヨークに住んでいたときに、通っていた園芸学校のガーデンデザインの授業の一環として先生が連れて行ってくれたのがこの庭だった。


最初の衝撃は今でも鮮明に覚えている。
昨日書いた、シシングハースト、ヒドコート、グレートディクスターなどの有名庭園となんら遜色のない素晴らしい庭だと思う。






比較的小さなスペースに庭のエッセンスがぎゅっと凝縮されている。


ガーデンデザインに興味のある人であれば夢中になってしまうこと請け合いである。






今回のツアーの企画をするについて、この庭は是非入れるべきとRHSJの方に熱く熱くお願いして旅程に組み込んでもらった。


細部にわたって気が利いていてシビれてしまうくらいの庭である。


これは行かないテはないと思うんだけど・・・。





2012年2月13日月曜日

隠れたる庭


The Yellow Book をご存知だろうか?

National Garden Scheme といって個人の庭を一般公開し、幾ばくかの入場料を集めてチャリティへと寄付するという画期的な仕組みは1927年にはじまった。

そして現在では3,700を超える庭がこれに参加して、年間75万人以上の人々がそれぞれの庭を見に出掛けるのだという。

英国の庭文化水準の高さを示すひとつの好例であると思う。

この庭を地域ごとにまとめて、公開日、場所、そして簡単な解説を載せてあるのがイエローブックというわけだ。

今僕の手元に2011年版があるが、本の厚みは2.2センチあり総ページ数は744ページもある。

この本の存在を知っていて、すでに幾つか訪れたことのある人も多いのではないだろうか。

しかしイザこの本を使って庭巡りをしようとすると、自分の滞在日と庭の公開日が合わないということはママあることである。
なので、この分厚い庭ガイドを恨めしそうに唇を噛みながら眺めるなんてことになる。

しかし公開日でなければ絶対に見れないのか?

答えは否である。

やる気と情熱さえあれば扉は開く。

このガイド本にはそれぞれの庭のオーナーの電話番号がついている。
ここに電話を掛けて交渉するのだ。

「あのー、イエローブックを見てお電話したんですが、是非お庭を見せていただきたいんですけど、そのために遥々日本からやってきたんです。うっうっうっ・・・」
とちょっと泣きを入れるくらいでもいいだろう。

そんなことを言われて嫌な思いをする人は少ない。
そうかー、わざわざ日本から・・・ そう思って快く特別に受け入れてくれるに違いない。

実はこれは本当の話で、昨年チェルシーフラワーショウの会場から芝生に座って休憩しながら、必死でこんな電話を3件ほど掛けた。

その3件すべて僕の訪問を快諾してくれた。

この3件を選んだ理由は特別にない。
ただ、どういう訳か僕はこのへんのことについては鼻がきくのだ。
なんか良さそうだぞ・・・という本能に従ったのだが、それは当たっていた。

今チェルシーフラワーショウの会場から電話しているんだ、なんて言うと反応はさらに良かった気がする。
庭好きという同志のニオイを漂わせる作戦である。
さらにヨークに2年住んでいたんだ、なんていう同郷の情け作戦も奏功する。

そうやって訪れた庭3件はいずれもオーナーの庭に対する情熱と愛情がひしひしと伝わってくる素朴でステキな庭だった。


今回のツアーではそのなかから2件をピックアップしてご紹介しようと思っている。

すでにふたりのオーナーには了解を得てあって、歓迎するというお返事をいただいている。

単独で観光でイギリスに行ったとして、ヨークシャーのこんな隠れたる庭を訪れることはまずないと思う。

オーナーおふたりとも高齢の女性だが、日本人に会ったのは僕が初めてだと言っていた。

シシングハースト、ヒドコート、グレートディクスターなど有名庭園は確かに素晴らしいが、今となっては有名になりすぎて新鮮さはあまりないかもしれない。
そいう意味では、このふたつの庭はまさに我々日本人にとっては処女地ならぬ処女庭となるはずである。

庭の素晴らしさは言うまでもないが、彼女らの庭に対する情熱を肌で感じることが何にも変えがたい経験となるのではないかと思っている。

ふたりとも大変チャーミングな女性である。

そんな特別な庭も花咲ジジイが御案内します。

 

2012年2月12日日曜日

ハーロウカー


今回の旅を企画、主催しているのは英王立園芸協会日本支部(RHSJ)であるが、その大元となっているのは本国にある英王立園芸協会(RHS)である。

エリザベス女王が総裁となって世界に37万人の会員がいるとされている、園芸を愛する人たちの集まりである。

先だってご紹介したチェルシーフラワーショウもRHSの主催である。

RHSは英国内に4つのガーデンをもっている。

一番有名なのはウィズリー(Wisley)でロンドン南西のはずれにある。
他にデヴォンのローズムーア(Rosemoor)、エセックスのハイドホール(Hyde Hall)、そして北ヨークシャーのハーロウカー(Harlow Carr)。

どれもなかなかの名園だ。

今回はヨークシャーを訪れるのでハーロウカーにも足を運ぶ。

ハーロウカーはもともとはNorthern Horticultural Society(北部園芸協会?)の運営であったが、2001年にRHSと合併して今の姿となった。

のどかな田園地帯だけに、森が生茂り、王室の狩猟地でもあった。
湧き水も沸いたりして、自然が豊かな地にこのガーデンはある。

広さはざっと27.5ヘクタール。
・・・とにかく広い、と。



季節ごとに花が咲き移るので、だいたいどの季節に訪れても楽しい。

冬はダメなんじゃないか?

そんなことはない。
冬は冬でウインターガーデンといって、冬ならではの植物の見せ方があるのだ。






作り込んだ庭園というよりは、自然の景観を生かしたガーデンなので、散策するつもりでブラブラ歩くのが良い。
濃い緑が目に優しいし、田舎ってこともあって心なしか空気もウマイ。

晴れていようが、雨が降っていようが、足元は濡れないような靴を履いていくことをオススメする。
晴れていても朝露などで、芝の上などはかなり湿っているものだ。


僕が履いているのはこのブログのページ最後にいつも載せているビーンブーツ。
こういう感じの靴がとても重宝する。

僕が一番最初に訪れたのは2000年頃だったが、今はRHSによって改装がなされて、かなりソフィスティケイトされたガーデンになっている。

北ヨークシャー屈指の人気ティールーム Bettys も併設されているのには驚いた。
のんびり美味しい紅茶を飲んで休憩もできるってわけだ。

RHSの庭でウィズリーはロンドンから近いということもあって行ったことがある人は多いと思うが、ロンドンから一番遠いRHSのガーデンにはなかなか足が向かないのは事実。

今回はあまり知られていないRHSの秘宝を見ていただくチャンスではないかと思う。








2012年2月11日土曜日

ロンドン


ロンドン。

いわずもがなイギリスの首都であり、さまざまな文化の発信地でもある。

僕個人としては英国の素晴らしさは田舎にアリと思っているのだが、ロンドンは典型的な都会であるがなかなかどうして魅力あふれる街である。

中心部をテムズ川が流れ、その周辺に街が栄えている。

東側をイーストエンド、西側をウエストエンドと呼び、かつては東が下町、西は山手というような区分けがあった。

今もその流れをくみつつ新たな街が栄えてきてる。
とくに今年はオリンピック年なので、聞くところによると東側もかなりオシャレになってきているらしい。

ロンドンについてこのブログでチョロっと語るというのも僭越というものだ。
それだけ奥が深いし、色んな顔を持っている。

今度一緒に行こうよといっているのは5月のロンドン。

まず夏至に向けて日がとても長くなっている。
日没後にどっぷりと暗くなるのは夜9時過ぎた頃だろう。

さらに晴れていれば抜けるような青空。
つまり湿度が低くてカラッとしていて気持ちが良い。
日が沈むとちょっと寒く感じるくらい。

街を歩けば緑と花がいたるところに溢れている。


黄色い葉っぱの木はアカシアだ。
家屋の白い壁と青い空、そしてアカシアの黄色い葉がなんともいえないコントラストを醸している。


バラだって咲いている。
英国といえばバラという人もいるだろう。
そういう期待を裏切らない。


花は街のここそこに飾られている。

ハンギングバスケットとして家の前にぶら下げられていたり、パブの軒先に花を添えていたりする。

詳細に見れば、大して珍しい花が使われているわけではない。
ペチュニアとかロベリアなどのごくフツーの花なんだけど、なんか良いなと思わされてしまう。


パブは英国の象徴的な文化のひとつだと思う。
パブ、ビールについては、またまたこのブログでチョロっと書ける内容ではないので、それは改めて書こうと思う。

いわゆるエールビールというその地域で醸造されたビールがとても美味しい。


雰囲気の良いパブで美味しいビールをゆっくりと飲む。
最高の贅沢だ。

今回の英国ツアーでは従来の紋切り型ツアーに終始せずに、僕なりに英国園芸の魅力、そして英国文化の魅力をお伝えしたいと思っています。

ガイドブックではたどりつけないような場所なんかも許す限りご紹介したいと思っています。

いやー楽しみだなぁ。







2012年2月10日金曜日

チェルシーフラワーショウ


園芸好きな方なら聞いたことがあるだろう、チェルシーフラワーショウ。

1913年にスタートしたこの世界最大規模、さらに伝統と格式にあふれたフラワーショウは全世界から15万7千人もの人々をひきつける。

植物の新品種は言うに及ばず、最新の園芸トレンドがここから発信されていく。

中でも人気が高いのが大小さまざまなショウガーデン。
有名人気ガーデンデザイナーから無名の新人までが腕を競う。

ここから巣立ったガーデンデザイナーも多く、いわばガーデンデザイナーの登竜門となっている。

そんな100年近い歴史を誇るチェシーフラワーショウを花咲ジジイが解説しつつ御一緒します。

ブログをご覧頂いている方はご存知のようにここ数年はチェルシーフラワーショウを見に出掛けて、それなりの攻略法やノウハウなども蓄積してきたつもりだ。
そんなアレコレを惜しみなくご紹介して、フラワーショウを楽しんでもらいたいと思っています。

今年訪れるのは初日メンバーズデー(5月22日)。
メンバーズデーとはいっても多く人が繰り出すので、疲れてしまうとは思うんだ。
でも、ツボをおさえた見学の仕方や、休憩するときの裏技など、ショウをより一層楽しんでいただけるような攻略方法なんかもお伝えするつもりであります。

一番上の写真は2011年の最優秀ガーデンに選ばれたデイリーテレグラフの庭。
コンクリートの大きな柱が何本か置かれて、砂利を使った空間が利いている。
植栽も繊細、かつ全体のスケールも感じられるチェルシーらしい庭。

二番目の写真はゴールドメダルを獲得したローレンペリエガーデン。
「ガーデニング」「芸術」「建築」の融合を狙っている。
奥に見える木でできた東屋はかの隈研吾氏によるもの。



最近のチェルシーの傾向として、環境、自然といった、いわば原点回帰ともとれるものがある。
絢爛豪華なガーデンが一時もてはやされたが、今は田舎の原風景を再現したようなものに人気が集まる。
三番目の写真はウェールズの水辺のコテッジをイメージして作られた庭。
ウェールズの田舎そのもの。こういうのがイギリス人の郷愁を誘うのだろうな。


会場となるロイヤルホスピタルは退役軍人の病院施設の敷地の一部である。
ちょうどテムズ川が流れ、チェルシーブリッジ越しにバタシーの昔の発電所の4本の煙突が見える。


花咲ブログの5月後半(2011年&2010年)あたりを見るとチェルシーを含めた英国旅のことを載せてあるので是非そちらもご参照下さい。