都内某所。
ミカンの木にミカンがたわわになっていた。
そしてそのミカンの木にはネットが掛けられていた。
普通こういうのは鳥たちから実を守るために施すのだと思うけど、その割にはネットは木の下の部分、つまり人間の手が届きそうな場所を集中的にガードしていて、肝心のてっぺん部分はオープンになっていた。
これは鳥から実を守るのではなく、別の何かから実を守るためにやっていると容易に想像される。
別の何かとは・・・。
それは木に七夕の短冊のようにぶら下げられているメッセージから推し量ることができる。
「このみかんはまだ食べごろではありせん」
「新年に卒業生が見にきます。採らないでください。」
これは明らかに人間に向けたメッセージ。
すなわち往来を行く心なき通行人からミカンを守ろうとやっているわけだ。
しかしここまでしないとミカンはなくなってしまうのだろうか?
説得の仕方も、食べ頃でない=不味いから食べる意味はないですよ、あるいは卒業生が悲しむので採らないでと同情をさそう文面など、あの手この手を尽くした苦心のあとが伺われるのが興味深い。
どうか卒業生が見にくるまでなんとかもって欲しいと願わずにいられない。
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